しき神つかい

関谷俊博

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ばあちゃんがショートステイで、しばらく家を留守にすることになった。
あれからも母さんは、毎晩、外へ出かけていく。村の人たちは何をしているんだろう?
母さんは「もう忘れなさい」と言ったけれど、ぼくはずっと気になってた。 
ある夜、がまんができなくなって、ぼくはまたこっそりと、母さんのあとについていったんだ。
母さんが入っていったのは、やはりあの建物。そして、ぼくがまた、こうし窓からなかをのぞきこんだときだ。
「だれだ! そこにいるのは!」
建物のなかから、声がした。
「見られたか?」
「見られた」
「追え、追うんだ!」
「こんどは帰しちゃならねえ」 
そんな声も聞こえる。
そのとき、建物のとびらから、母さんがとびだしてきて、さけんだ。
「走りなさい! はやく逃げるのよ!」
ぼくと母さんは、けんめいに逃げた。村の人たちは、どこまでもどこまでも、ぼくと母さんを追ってきた。
なにかが飛んできて、足元の地面につきささった。
鎌だ!
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