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天野すうはお金が欲しく、勇気レオナは無謀である

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「お疲れ様でした!」
「お疲れ様。ネネちゃん企画ありがとうねー。盛り上がって良かったね! 投げ銭もいっぱいだったね」
「ネネちゃん助かったよー。やっぱ同期でコラボするのは楽しいわ」
「そうですね、楽しかったです! またやりましょうねー」

「そういえば投げ銭なんだけど、3等分でいい?」
「すうちゃんがそういうならオッケーですよ。レオナさんは大丈夫ですか?」
「うん全然問題ないかな、寧ろもらえるならラッキーだよ」
「ありがとう! お金は大事だからね、ちゃんとしとかないと揉めるから。本当は事前に話し合うべきだったけどすっかり忘れていたよ」
「コラボの時って投げ銭は分配するんですね。知らなかったです」
「私も今まで特に考えたことなかったな…… 先輩とのコラボ何回かしているけどどうしよう」
「あー、いや、私の個人的なこだわりだから一般的ではないかも! 気にしなくていいと思う!」
「そうなんだ。まあ何か言われたらでいっか。ややこしいからね。まあコラボして、コラボしてもらってを繰り返していたらなんとなく帳尻は合うような気がするし」
「そうですね。私はそもそも未成年なのでそこまでお金は必要じゃないですし……」
「ネネちゃん、そういうことではないよ。お金は大事だよ! 今はご両親がいるから大丈夫かもしれないけど今後何があるかわからないしね。ちゃんと貯められる時に貯めておかないと!」
「な、なるほど……」
 何回か会話して高木は気づいていたが、天野すうはお金に対してこだわりが強い。アイドル時代苦労していたのかもしれないが、金銭の優先順位はかなり高そうだ。いつかの雑談配信でお金の重要性を熱く語っていたな、そんなことを思い出した。

「ねえ、ネネちゃんさ、そういえば聞きたかったんだけど…… 今チャンネル登録者2万人でしょ? 5千人の頃に比べて収益ってどれくらい増えた?」
 天野は今チャンネル登録者が5千人程度である。だから収益が気になるのだろう。
「えーっと、そうですね…… まあ倍くらいかな、って感じです。視聴者が増えるのでその分投げ銭が増えたかなあという感じですね」
「なるほどね、ありがとう。やっぱ2万人くらいまでは早く行きたいねー。私もショート動画いっぱい投稿しようと思っているんだ! 前教えてもらったこと参考にして!」
「そうなんですね。応援しています! バズらせちゃってください!」

「そうだ、私はショートじゃなくて企画で一発バズらせようかと思っているんだが、二人の意見を聞かせてほしいんだけど」
「いいよー。どんな企画?」
「いくつか考えているのだけど、まずは虫料理だね。公園で取ったセミでご飯を作ってみた、とかそういう公園シリーズ。インパクトがありそうじゃないか? 後は、泥酔配信というのも考えているんだ。記憶がなくなるレベルまで飲んで配信して、吐いたら即終了。どうだろう?」
「どっちも問題しかないです! 虫料理はグロすぎて視聴者が引くリスクしかないと思うんですけど!」
「泥酔配信は面白そうだけど、とんでもないことを話してしまったりした時が怖いね。朝起きてびっくりすることになっているかもよ?」
「それがいいんじゃないか。とんでもないリスクを楽しむ、これが人生だよ」
「マネージャーには相談したんですか?」
「したけど、既読スルーされているんだ。冗談だと思われているのかもしれないな」

「話は変わるが、最近ネネは歌ってみた動画を出しているじゃないか? 素朴な疑問なんだが…… 制作費はどうしているんだ? 私も出してみたいと思ったが、マネージャーに聞いたらかなりの金額になりそうで断念したんだが」
「私も気になる! MVってすごいお金かかるよね? どうやっているの?」
「そうですね…… お二人にはお伝えしても問題ないと思うので言いますが、友達というか学校の人というか、そういう人に手伝ってもらっているんです。快く手伝ってくれる人がいたので助かりました!」
「あーなるほどね。学生のメリットだね。それにしても曲も動画もクオリティ高くて、てっきりプロが作っているのかと思っていたよ」
「そんな人材がいるなんてすごい高校なんだね! いいなー私も高校生に戻りたいなー」
「じゃあショート動画もその子達にお願いしているの?」
「いえ、それは専門というと大袈裟ですけど、プロデューサー的な感じで相談に乗ってくれるクラスメイトがいて、その人に作ってもらっています。企画とかもアドバイスくれるのでありがたいです」
「そういうことか。どうりで最近動きが活発なんだなと思ったよ。しかし色々手伝ってくれる人がいるのはネネちゃんの人柄なんだろうね。周りは大事にしなよ?」
「報酬の配分には気をつけてね! 大体グループが壊れるのって恋愛かお金だから。恋愛はどうしようもないけどお金はコミュニケーションをきちんと取っていれば大丈夫だからさ!」
「あ、そうですね…… ありがとうございます」
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