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12.紀伊羅 満
しおりを挟む「満! おかえり~!」
パタパタと俺の元に走り寄って身体に抱き付き、ニコニコと見上げてくる幼い仕草をする光樹。
「光樹ただいま。今日は何してた?」
「ん~と、ハゲのおっちゃんからアレ貰った!」
光樹が指差す方には、積み木がバラバラに床に散らばっている。
「楽しいか?」
「う~ん、あまり? 上手く出来ないし、さっきコケちゃった」
「あ"ぁ?」
バッと光樹の身体を見渡す――白く綺麗だった膝が赤く擦りむけている。
「あんの、くそハゲがっ!」
再び扉の方に向かおうとしたら、グイッと袖を引っ張られて歩みを止めた。
「満、なんでハゲのおっちゃんに怒ってるの? 俺が自分でコケたんだよ?」
光樹は怯えたような顔で、おそるおそる俺を伺っている。
その怯えたような姿を見て、これ以上は怖がらせないよう上がった怒りを鎮めた。
「じゃ、消毒しねぇとな?」
「ひゃっ! あっ、満っ……んんっ!」
ペチャリペチャリと光樹の血を舐め取る。
光樹は顔を赤らめて、身体をふるふると震わせた。
しばらくすると、光樹のズボンがテントを張っているのが視界に映り、ククッと笑みをこぼす。
「光樹、コレ……なんだ?」
「あっ、満がくすぐったいことするから……! あっ、待っ……ん、はぁ……」
チャックを下ろし光樹のモノを口に含むと、光樹はすぐにうっとりとした顔になる。
腰を揺らし、自分で俺の口にグチュグチュと出し入れしている。
光樹が精を吐き出す前に、口を離して聞く――。
「光樹、どっちがしたい?」
「い、入れたい。満のナカに……いい?」
「ああ、いいよ」
光樹を抱き上げてベッドに下ろし、お互いに衣服を脱ぐ。
「ほら、好きに入れてくれ」
「満っ!」
好きに入れていいと言ったのに、満は俺の後孔を解しだした。
クチクチと舐めて濡らし、舌をナカに深く入れて掻き回している。
いつも、記憶をなくす前の光樹と同じような愛撫をされる。
そう、光樹は人として壊れた。
俺が壊したはずだった――。
それなのに、半年後に幼児返りしたような形で正気に戻った。
専属の医者に見せたら、『記憶をなくしているが、脳は正常に働いている』と言われた。
そして、『これから先の記憶は、ちゃんと覚えられるだろう』とも言われて、生まれて初めて神に感謝した。
間違えた俺に、もう一度だけチャンスを与えてくれた。
あそこまで泣いて喜んだのも、生まれて初めてのことだった。
人形のような光樹と過ごした半年間は、地獄のようだった。
光樹に気持ちを伝えられてからは、後悔や自己嫌悪のような感情が胸を切り刻んでくる。
あまり覚えてはいないが、光樹を見ている時は常に泣いて謝っていたような気がする。
あんなに身体を繋げていたのに自責の念からか、もう抱くことも抱いてもらうことも出来なくなっていた。
そんな気にならなくなってしまったからだ。
そのように過ごして半年が経ち、まるで日課のように光樹の胸に顔を伏せ、嗚咽を漏らし謝罪していた。
その時、頭を撫でられ『もう、大丈夫……。だから、泣かないで』と光樹が声を出したのだ――。
「満、気持ち良くない?」
「……え?」
心配したような声が聞こえ、過去から現在に意識を戻すと――光樹が俺を見下ろし、眉尻を下げていた。
「いや、すげぇ気持ち良いよ」
光樹はまだ心配そうに俺を見てから、愛撫を再開した。
光樹は唾液を含ませるようにしてナカを強く舐め上げ、後孔が濡れて柔らかくなっている。
光樹のモノで、早くココを埋めて欲しいともどかしくなった。
「光樹……早く、ナカに……」
チュウと啜られ、舌が抜かれた。
「うん、分かった。満、入れるよ?」
柔らかくぬかるんだ蕾に、強ばりを擦りつけるようにしてから――ぐちゅんッ! と大きなモノを一息に入れられる。
はぁッと息を大きく吐いた。
バチュッバチュッバチュッ!! 光樹がとろりとした表情で、俺の肌を叩くように突き上げてくる。
ずっといいところを集中的に突かれていて、ビクビクと身体を跳ねさせて数えられないほどに達してしまう。
幼い表情をした――事実、意識は幼い子供になっている光樹に身体を暴かれ、自分が悪いことをしている気分だ。
けど非常に気分が高ぶり、欲に抗うことは出来ない。
こうなった光樹とセックスをするようになったキッカケは、光樹の朝立ちだった。
光樹のモノを俺の口の中で刺激し、精を啜るように飲み込んだ。
それから光樹は、俺にフェラをねだるようになった。
回数も増えていき、そんなに何度もしたいなら俺のナカでしてくれと言った。
それで『それなら、俺のも光樹のナカに入れていいよな』という思考になって、気付けばお互いにするのが当たり前になっていたのだ――。
「満、出る……!」
「ぁあっ、あああ……っ!」
びゅるるるーーッ! 満のモノが脈動しながら精を吐き出す。
お腹が熱くなり、あぁ……と甘い声が出た。
満は精を奥に押し込もうとしているのか、グググッと強く腰を押し付けてきて、少し苦しいが必死な姿が可愛らしくてそのまま身を任せる。
そういえば満は以前から、出した精を奥に押し込むようなことをしていた。
愛撫を丁寧にすることもそうだが、記憶をなくし幼くなってもその考え方自体は変わらないのだろう。
なんだかそれが愛らしく思えて、未だに腰を押し付けている満を、引き寄せて抱き締めた。
「満、これ以上は無理だ。もう奥まで入ってる」
「ん~、まだだよ。満のナカにもっと馴染ませないと……。だって、満は――」
光樹はイヤイヤと頭を振り、また硬くなっていたモノで2回目を始めようとしている。
『だって、満は――』
気になるところで言葉を切られた。
光樹の肩を掴んで、動きを止める。
「なんだそれ? 俺が、なに?」
光樹は俺の目を見て、微笑んだ。
「満は、昔から――俺の特別で、唯一無二の最愛なんだ。だから俺でいっぱいにして、俺のものなんだって皆に見せつけないと。満が誰にも取られないように……」
「……昔、から……?」
じっと光樹を見るが、昔のような達観した大人の表情ではない。幼い子供の表情だ。
記憶はないはず。そう診断されたのに……何故? 言い間違えか……?
「うん、昔から! 満のことは、記憶にあるよ? 俺の大好きな人だって」
「……はっ、そんな……馬鹿な……」
俺の記憶があるなんて、じゃあ……なんで――。
「なんで……! 俺が以外の奴を選んだ! 俺が昔からそんな存在なら、なんでだっ!?」
光樹は意味が分からないといったような、キョトンとした顔を浮かべた。
それでただ記憶が混乱を起こしたのだろうと思い、早く医者に見せなければと光樹を退かそうとした。
「なにしてたか、ちゃんと覚えてないけど……満のことしか考えていなかったことは覚えてる。気分が悪くなって、そこから逃げようとした時に……満に……」
光樹はクシャリと顔を歪めて「汚そうに『無理だわ』って言われた。俺、今も汚そう……?」と言った――。
俺とあの男、光樹しか知り得ない状況のことを言われて、一瞬息が止まる。
俺が返事をしないからそうだと考えたのか、光樹は「ごめんなさい」と泣きながら謝り、俺から身を離した。
「……っ、んなわけない! あれは、光樹に言ったわけじゃない。違うんだ」
「違う……?」
「そこにいた奴に言った。光樹のことを、俺はなにがあってもそう言ったりはしない。なにがあったとしても、大好きなままだ」
パッと笑顔になった光樹に「俺も大好き!」と、ぎゅうと抱き締められる。
――その後、光樹に質問をした。
俺と2人きりで過ごした時間、どんなことをしたのか、何を言ったのか……。
俺が投げ掛けたその数々の質問を、光樹は全て答え、正解を言い当てた。
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