6 / 32
6.マジで言ってる……? ※
しおりを挟む目を覚ました時、身体中が痛かった。
特に、お腹の中とお尻の穴と足首と首がめちゃくちゃ痛い。
それに、まだ熱があるようだ。当たり前だ。熱があるのに、あんな事をされたんだから……――。
(マジ、辛い。辛すぎる。なんで、俺の始めてがナマコ男なんだよ!? 男だとしても、せめてちゃんとした人間にしてくれよっ! いくら顔が好みでも、女顔なナマコが生えてる男なんて最悪だ!! 頭がスゲー混乱するんだよっ! ふざけんな~っ!!)
深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
それで足首を動かそうとしたが、めっちゃ痛いし、やっぱりピクリとも動かせなかった。
見た通りに、腱を切られているようだ。
(でも、どうやって……? あの時、アイツ……俺の目の前にいたよな? なんで、真後ろにある、俺の腱を切れたんだ……?)
う~ん、う~ん、と唸りながら考えていたら、扉が開いた。
そして――シコシコ~ルが、この部屋に入って来る。
『ふむ、やはり……。熱を出しているか』
シコシコ~ルは俺の近く来て、俺のおでこに手を当ててきた。
俺は、恐怖により動けない。まるで、蛇に睨まれた蛙のようだ。……いや、ナマコに睨まれた俺だ。
もう、無理だ。ナマコにしか視線が向かない。今もビンビンにそそり立って、俺を見ている。
(あ、あんなものが、俺のお尻に入ってたのか……? え、もしかして……。あれが、通常の形だったりする? 本当、どんな生体してんだよ……)
『そんなに熱い目で見られては、また入れてしまいたくなるだろう……?』
ハッと慌てて、シコシコ~ルに視線を向けると――柔らかな笑みを浮かべ、俺の頭を優しく撫でてきた。
(はぁ? 誰だよ……? 昨日のお前は、どこに行った?)
でも……いつ、また何で豹変するか分からない。けれど、今その要望を受け入れたら、本当に身体が壊れる。だから――。
「も、申し訳、ありません。か、身体が、とても辛いんです。治るまで、お控え頂けますか……?」
ビクビクしながらも、シコシコ~ルを敬うように敬語を使い、お願いをした。
これは、社会人になり身に付いた技であり。『俺は貴方の格下です!』って、下手に出ることで相手を気持ち良くさせることが出来る。だから、あまり酷いことはされなくなるのだ。
人を虐げて喜びを覚えるような奴は、自分が優位に立てると気分が良くなるようだ。なら、きっとこいつも――。
『なに……? 何故、敬語を使う? 我を馬鹿にしおるのか……?』
(なんでぇえ~~? なんで……こいつに、この技が通用しない? 顔が、めちゃくちゃキレてて、怖っ!! ほんと、意味わかんねぇ~よ!)
「あああ~~!! 無し、無し、無しっ! 今の、無しっ!! 熱出てるし、喉がカラカラ! 何か飲みたいし、飲んだら寝るっ! めちゃくちゃ寝るっ!! じゃなきゃ、熱が引かないからな~!!」
要求するだけ、要求してやろうと思った。
だって、既に怒ってしまっている。これで逆鱗に触れようが、もう別に構わないと、ヤケクソな気持ちになったのだ。
『そうか、では飲んでよいぞ』
ナマコを口元に持ってこられた。
(は、はぁっ!? なんでそうなる? 意味分かんね~! マジ、意味分かんね~よっ!!)
「え……? じょ、冗談……じゃなくて?」
『早く飲め』
この雰囲気から……。これ以上ごねたら、またケツの方にぶっ挿され、そこから飲まされそうだった。
だから、そのナマコを口に含み、無心でチューチューと吸う。すると直ぐに、俺の口の中に大量の液体がビュービューと吐き出されたので。もう、無心で飲み込む。
驚くことに、全く嫌な味がしない。むしろ、甘くて美味しい。
それで、もっとこの液体が欲しくなり。ジュルルルと強く啜って、吐き出される液体を長い間飲み続けた――――。
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
21
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる