Overnight dream..*

霜月

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魔女の鳴き声は甘く、その心掻き乱す。

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Overnight dream..*Ⅱ のライアン視点ver.







(……ハァ、やっと終わった)

 その日の政務を終え夜になり、湯船につかりながら目を閉じて、じわじわと体の疲れをお湯に溶かす。

(……王太子か……)

 一息ついて浴室の天井を見ながら考えることは間近に迫った自分の立太子式の事である。

 この国の第一王子として皆に支えられながら、国王である父上を支えつつ国のためにできることを日々考え政務に取り組んできた結果、ようやく王太子としての資格を認められた訳だが……。

(嬉しいが……また責任が重くなるな……)

 自分の頑張りを評価されたのだと思えば嬉しいが、募る重責を考えれば気が滅入り、思わずため息が出る。

 ここが踏ん張りどころだとは理解しているが、周りからの期待が日々高まる中、常に気を張っていなければならない状況とは中々にしんどいもので、この、人払いをして湯船に浸かってから寝室に行って寝入るまでの時間が自分にとっての唯一の気を抜ける時間だった。

(あともう少し頑張れば余暇を楽めるようにもなるんだろうが……。まぁ、その前に妃探しをせねばならんのだろうな……)

 そう思い至れば、日を追う毎に机の上にどんどんと積み上げられていく釣書の山を思い出してしまい眉間に皺が寄った。

「……ハァ」

 湯船に浸かってから何度めかのタメ息が口から零れる。

 もちろん妃をもつことに反対な訳ではないし、男として女性を抱きたいという欲もある。
 ただ正直なところ、真面目に政務をこなしてきた分女性関係を後回しにしてきてしまい、20才という年になっても女性との接し方が分からないのだ。
 王族として閨事について学んではいるが、生身の女性との経験はなく、ハッキリ言うと……自信がない。

「……そろそろ上がるか」

 言い方は悪いが、誰か練習相手になってくれるような女性はいないだろうかと、そんな都合の良い事を考えながら私は湯船から上がったのだった。



 *



(……なんだ? ……誰かいる?)

 寝室に入り、部屋の明かりを落として、ベッドサイドの照明を点けようと自分のベッドへと近づいた時、その異変に気が付いた。

 この時間、誰もいない筈のベッドの上に誰かがいるのだ。

(……動かない?)

 一瞬、賊かと思ったが、それなら堂々とベッドの上にいるのは変だし、気配を探ったが他に人がいる様子もない。
 なかなか妃探しに本腰を入れない私に焦れて、父上か誰かが女性を送り込んできたのかとも考えたが、それならば動かないのも変だし、そもそもベッドに上がり込んで待つだろうか? と疑問が浮かんだ。

 後は寝るだけだと思いオフにしかけていた脳内を再び稼働させ、無用心とは分かりつつも、何故かひかれるようにそのまま近付いてベッドサイドの照明を点けた時、そこに1人の下着姿の女性がスヤスヤと眠っているのが見えた。

(えっ?!)

 正直、事件である。

 それなりに警備もしてある王宮の、第一王子である私の寝室のベッドの上に、人が、しかも、若い女性が眠っている。
 それだけでもかなり訳が分からないのに、その上、その女性は下着姿ときている。

(ど、どうしたものか……)

 明らかに不審者だとは分かっているが、その女性の姿故に人を呼ぶのも憚られて。
 とりあえず起こして話を聞こうとベッドに上がり肩を揺すろうかと思った瞬間、私はある事に気付き、息を飲んだ。

「これ……黒髪? ……まさか、……眩惑の魔女?」

 その黒髪を見つめながら頭をよぎったのは、とある噂。

 異国の肌と、この世界に存在しない漆黒の髪を持ち、どこから来たのか分からないが『突然現れ』、夜を共にした男の心を絡めとり骨抜きにして、その男がどう繋ぎ止めようとしても『突然消えてしまう』、そして且つ、1度現れた男の前には2度と現れないと言われている存在。

 そんな男にとって都合の良い存在、ただの夢物語だと思っていたが……。

(まさか、本当に?)

 思わず手を伸ばし、横向きに眠るその女性の頬にかかった髪に手をかければ、上質な絹のように艶やかでサラサラとした感触が手に触れて。

(起きないな……)

 その感触が気持ち良く、つられるように頭を撫でてしまったが、長い睫毛は未だ伏せられたままで、規則正しい寝息が乱れる気配もない。

 その扇情的な格好とは裏腹に、あどけなさすら感じるほど気持ち良さそうに眠るその表情が可愛くて、しばらく見つめてしまった後、ハッとした。

(……このままでは風邪をひく)

 私はそう思うと、起こして話を聞こうと思っていたことなどとうに忘れ、予備のガウンを取りに浴室へと戻ったのだった。



 *



 結局私はあの後、とりあえずと眠り続けるその女性の肩にガウンをかけ、そして悩んだ末、彼女と向かい合うように私も横向きに寝転がって、彼女を観察することにした。

 サラサラの黒髪に、触ったら柔らかくて気持ちがいいのだろうなと思わせる滑らかで白い肌。
 そして、身に付けているのは私の瞳の色に似た鮮やかなエメラルドグリーンの下着のみ。

 ……正直なところ、見ているだけで煽られた。

 自分のせいとはいえ女性とは無縁の日々を送る一方で。
 生存本能というやつなのか、疲れれば疲れるほどに子孫を残せというドロドロとした雄の熱が渦巻いて、雌の中に吐き出したいという欲となり、体の奥に溜まっていく。

 どうしようもなくなった時は自身で処理もしているが、吐き出した後の虚脱感と、大量の白濁には、どこか浅ましさと虚しさを感じるもので。
 欲が溜まり熱くなる体と鬱屈して冷めていく心は、自然と生身の女性との交わりを欲していた。

 そんな中で。

 私の色を纏った女性が私のベッドに寝ているという状況は、さながら飢えた獣の前に差し出されたご馳走のようで。

 目の前の女性が誰なのか、どこから来てどうやってこの部屋に入ったのか、何故ここで寝ているのか、そんな疑問などすっ飛ばして、本能のまま今すぐ目の前の女性を起こし、貪って、その中に吐精したいという衝動に駆られる。

 それでも、理性を総動員させて思い留まっている訳だが。
 不審者がいるのに人を呼ばず、起こすのが可哀想だとそのまま眠らせ続けている時点でその理性ももはやガタガタであり、しかも結局、その誘惑には抗えず、私の手はその艶やかな髪に触れ、そのまま頭を撫でているのだからどうしようもない。

(……起きるか?)

 頭を撫で梳くのを止められないでいると、不意に彼女の瞼が震えた。

 手を離して伺っていると、やがてゆっくりと瞼が開かれて。
 その開かれた瞼の奥に見えた黒に近いダークブラウンの瞳が私を捉えた時、彼女の口が開いた。

「ライアン……王子……?」

 寝起きの気怠げな雰囲気を纏いながら、すこし掠れた声で名を呼ばれれば、ゾワリと下半身が疼き喉が鳴る。

「……ああ。そうだよ。……君は、眩惑の魔女だね?」

 それでも確認のため声をかければ、彼女が小さな声で「はい」と答えて。

「やはりこの黒髪は本物なのか。……驚いたよ。湯浴みを終えて寝ようかと思えば、私のベッドに君が寝ているんだから」

「え……?」

 続けてそう言うと、彼女は驚いたように目を見開き、上体を起こして状況を確認するように辺りを見回した。

(……?? 何故驚く? 自分で来たのではないのか?)

 私に抱かれる為に現れ、私を誘う為のその格好という訳ではないというのだろうか。
 
「……しかも、そんな魅惑的な格好しているものだから、理性と戦うのが大変だった。」

 私はそう言いながら、起き上がった時に肩からガウンがずれ落ち、再び露わになった彼女のその艶かしい姿を眺めた。

「あ、の、これはっ」

「……これは、私の瞳と同じ色? ……私を誘ってる?」

 その姿は、ハッキリ言って、一夜を共にするのに準備万端ですと言っているようなものだと思うのだが、違うのだろうかと思いつつそう言えば。

「ちが、あの、これはたまたまで!」

「……そうなの? ……それは残念だ」

 何故か慌てた様子で否定されてしまい、思わず本音が零れ出た。

 どういう経緯でここにいるのかは知らないが、ベッドの上にいたのもどうやら彼女の意思ではなく、その姿も特別私を誘っている訳ではないのだと知り、正直なところ、彼女との一夜を期待して膨らみつつあった気持ちがぷしゅりと萎む。

「……少しお疲れのご様子ですけど、……その、……誘って良かったんですか?」

 そんな自分が滑稽で苦笑していると、彼女から思わぬ言葉が発せられた。

「うーん、確かに疲れてはいるけど。……でも、魔女には誘って欲しかったかな」

「何故、ですか? ……王子なら私でなくてもお相手は沢山いらっしゃるのでは?」

「魔女、それはちょっと違うよ。まぁ、たしかにこの立場故、相手にと望んでくれる女性は多いのだが、……逆にその立場故、それなりに私も相手を選ばないといけなくてね」

 王族である私が女性を抱く場合、必ずついて回るのが跡継ぎ問題である。
 王族として私には子孫を残す使命があるが、だからと言ってその相手が誰でもいい訳ではない。
 政治的な部分も加味して慎重に相手を選ばなければならず、後々のスキャンダルを考えれば、欲に任せて適当に女性を誘うこともできない。

「私も20でそろそろ妃を決めねばならないとは分かっているのだが、政務が忙しくて、膨大な量の釣書をじっくり見る暇もない。……というか、あの釣書の山を見ると正直ゲンナリする」

 そう言いつつ片手で顔を覆っていると、クスリと笑った声がしたので目線を彼女に移せば、私の今の立場を理解し、その上で同情してくれているかのような苦笑を浮かべる彼女がいた。

(……抱かせてくれないだろうか)

 ふと、そんな考えが頭をよぎった。

 この行動は王族として間違っているのかもしれないが、それでも、この女性なら、全てを分かった上で一夜の甘い夢を見させてくれるのではないだろうかと、その顔を見て思ってしまったのだ。

 期待と緊張。

 胸に膨らむそれらを一つ息を吐いて落ち着けて、救いを求めるように彼女の髪に手を伸ばしながら、私は口を開いた。

「……ねぇ、眩惑の魔女。」

「はい」

「…………君を抱かせてくれないか」

 彼女の瞳が、再び驚いたように見開かれた。

「男というのは疲れる程に生存本能が働くらしくてね。……もちろん、抱かせてくれるなら精一杯優しくすると誓うし、知らない男に抱かれるのが嫌なら拒否してくれてもいい」

「……えーっと、王子こそ、どこの誰かも分からない私を抱くのは平気なのですか?」

「……分からない。が、もう正直、君のその姿を見ているだけで理性が焼き切れそうだ」

 言葉を交わす毎に男としての本能がとぐろを巻き。

(……ああ、早く)

 私のこの手が君のその肌を無理矢理暴いてしまう前に。
 優しく抱きたいという気持ちが残っている内に。

 その身を犯させてほしいと、心が逸る。


「では、…………私で、よければ」


 その滑らかで柔らかな指先が私の頬に触れ、彼女がすこし首を傾げながらクスリと笑った、その瞬間、私は衝動のままに彼女の手を引いて、その唇を塞いだ。

「……ん、んん、ん……っ。王、子っ」

 キスの合間に紡がれたその呼び方に、心がピクリと反応する。

「ライアンと呼んでくれ。……ただの1人の男として君を抱きたい」

「……ライアン、様。んっ、ふ……ッ」

「眩惑の魔女、……君の名前は?」

「……レナです」

「レナ。……いい名前だ」

「んんんっ」

 キスをしながら体を反転させ、レナと名乗った女性を組み敷く。
 唇を離して見下ろせば、その先を期待する瞳と目が合って、はたと自分の状況を思い出した。

「すまない、レナ。私なりに精一杯優しくするとは誓うが……正直なところあまりというか……ほとんど経験がなくてね。その、なんだ、……下手だったら、すまない」

 衝動のままに抱かせて欲しいと懇願し押し倒してしまったが、ふと冷静になってみれば、この先の進め方が地味に分からない。

 そんな自分の状況が恥ずかしくなり、情けない表情になっているのだろうなと思いつつレナを見れば、キョトンとした表情のまま見つめ返されて。
 その視線に居た堪れなさが加速して、思わず視線を逸らしてしまった。

「ライアン様」

 それでも名前を呼ばれれば、目線を合わせない訳にもいかなくて。

「……私もそんなに経験があるほうではないんです。だから、……なんと言うか。お互い気負わずにしませんか? 私も教えますから、ライアン様も……その、どうすれば良いのか教えて下さい」

 恐る恐る視線を戻せば、安心させるような笑顔を浮かべるレナの顔が見え、私の頬に手を添えながら彼女がそう言った。

 その手の温かさは不思議と私を安心させて、このヒトならば大丈夫だと、このヒトの前なら王族としての自分を取り繕わなくてもいいのかもしれないと思えた。

「レナは優しいね。……そう言ってくれてありがとう」

「ライア、んんっ」

 彼女の優しさに、心が軽くなった嬉しさを言葉とキスに乗せて。

 彼女の手を取りその指先にもキスをした時、軽くなった心の隙間に入り込んだのは、この女性をもっと知りたいという欲だった。

「じゃあ、レナ、……もっと君の事を教えて? ……君を知りたい」

 そのまま指を絡めてベッドへと縫い止め、その欲に任せて彼女を探る。

 唇、額、瞼、頬。

 そして耳にキスをして、耳殻を舐め、首筋まで舐めた時、彼女がゾクリとくるほど甘い声を漏らした。

「んぁ、あ、ああっ、ふ……ッんっ、んんっ」

 その滑らかで柔らかい肌を舐め吸うたびに零れる声に煽られて、誘うように開けられた唇を塞ぎ舌を入れる。

 その温かくヌラめいた彼女の舌を舐めた時、粘膜を擦り合わせる初めての感覚に背筋にゾクゾクとした快感が走り、彼女の舌が動き絡められた時には、体が震えた。

 本能に任せて舐め尽くしたい衝動に襲われたが、なんとか踏み止まり、約束通りゆっくりと優しくその口内を探っている時、不意に彼女の舌が私の上顎を掠めれば、再び体が震えてしまって。
 マズイと思った時には手遅れで、畳み掛けるように彼女の舌がソコを舐め擽り、卑猥な水音が脳に響くたびに体が痺れ、下腹部に熱が集まる感覚がした。

「ちょ、待って。は、何っ。……ッ、なんか理性が飛びそうなんだが……っ」

 慌てて彼女の体から離れそう言って、乱れた呼吸を整えようと荒く息を吐いた時、いつの間にか解かれた彼女の手が、私に向かって伸びてきた。

「レ、ナっ……ッ?! んっ! ん、……んんんっ!」

 愉しそうに煌めく瞳と目が合った時には、ガウンの首元を掴まれキスをされて、理性の奥を暴くかのように、口内に舌を這わされ、ガウンの中に彼女の手が這わされた。

 鎖骨、肩、胸板、腹部。

 官能を誘うようにゆっくりと、彼女の指先が私の体を撫で滑る。

 そしてその彼女の指先を冷たく感じると気付いた時、己の下腹部に渦巻く熱が全身にまで広がっているからなのだと理解して。

「はぁっ、は、レナ、私にも、触らせて?」

 耐えきれずに唇を離してそう言えば、差し出すように彼女が胸を突き出し下着を外した。

「ああっ。ふ、ん、あ。……あ、ぁあ……っ」

 その白い肌と頂を無心で貪れば、脳を溶かすような甘い声が彼女の口から溢れ出る。

「魔女は可愛い声で鳴くんだね。……脳が痺れそうだ」

 その声を出させているのが自分だと思えば、愉悦に口端が歪んで、ぷくりと立ち上がった頂を抓り捏ねながらそう言えば、恥ずかしそうに彼女が口を噤む。

「んやぁっ、あ、ふ、んんっ、ん、んあ、んんんっ」

 まぁ、そんなこと許せる筈もなく。

 鳴かせようとその唇を舌でこじ開ければ、彼女の舌が絡んできて、その気持ちよさに再び没頭する。

 指を絡め、舌を絡めて、肌を合わせる為に体重をかけた時、完全に立ち上がった自身のソレが下着越しとはいえ温かな秘裂に触れて。
 受け入れてほしいという欲に呑まれて頭が真っ白になりかけた時、急に体が押され、気付いた時には彼女から見下ろされていた。

 私を組み敷きながら、顔にかかるその艶やかな髪をゆっくりと耳にかけ、すこし首を傾げながらふわりと微笑む、レナ。

 その光景に唖然としてしまい、一瞬止まってしまった思考回路は、「ライアン様、……私の番です」と耳元で囁かれた彼女の声と、耳に触れた彼女の唇の感触で我に返った。

「……レナっ? ……ッ!!!」

 慌てて声をかけるが、彼女は止まってくれなくて。

 女性から攻められているという状況に、パニックになってしまえばどう動けばいいのかも分からなくなってしまった。

(首……っ。マズイっ)

 彼女の柔らかな唇が、彼女の温かな舌が、彼女のあの白く細い指先が。

 私の首筋を辿り、下へ下へと降りてゆく。

 触れられた所から火が点いて、チリチリと燃え上がる熱が、ブツリブツリと理性の糸を焼き切っていくのが分かる。
 息を整え再び張り巡らせようとしても、彼女のそのサラサラとした黒髪が肌を掠めるだけでも煽られて、焚き付けられた炎は、すでに大きくなり過ぎていた。

 気を抜けば声が出てしまいそうで、手で口を押さえるも、翻弄するように頂を舐め転がされて、その指先で捏ねられれば、耐えきれない声が喉奥から漏れた。

 その声が聞こえてしまったのだろう、レナが顔を上げて満足げに微笑んだので。

 ああ終わったと、満足してくれたとホッとできたのは、……ほんの僅かな時間だけだった。

「レナ! ちょ、ダメだ! 待っ、ぐっ! ……ッ!!!」

 一瞬気を抜いた隙をつくようにレナは私のガウンの紐を解くと、制止の声も虚しく、その白く滑らかな手を私のモノに添わせた。

 自分以外の存在に扱われる未知の快感に、視界が、脳が、意識が霞む。

 もう何も考える事ができず、彼女の指の動きに合わせて息を吐き、その先から液を零せば、彼女が愉しそうに指先で塗り広げる。

 不意に彼女が顔を上げて、目線を合わせてきた。
 頬を染め、口元に愉悦を含ませ、その瞳にありありと情欲を滲ませて。

「……私こそ下手だったらごめんなさい」

 霞みがかった脳がその言葉の意味を理解できる前に、レナは私のペニスを口に含んでいた。

「ぅあっ、レナ、っ、レナ! ほんと、ダメっ!」

 情け無い声を上げつつ、なんとか彼女を止めようと頭に手を掛けるが、その、手とは違う熱くヌラめく口内は恐ろしいほど気持ちがよくて、制止する手に力が入らない。

(気持ちが良すぎる……っ)

 舌先で舐められれば気持ちよく。
 口に咥え、少し苦しそうに眉を寄せながらも懸命に吸い上げるその姿は、何故だか無性に愛しく、私の支配欲を刺激し、快感を後押しした。

 そして、ただ1人の女性にいいように扱われているという屈辱にも似た感情は、その強烈な快感に呑み込まれ、抗えない吐精欲へと変わり。

「あぁっ! くそ、ッ! ……はっ、く、っ……ーーー!!」

 私は呆気なく、玲奈のその喉奥へと白濁をぶち撒けた。

「ん”……んんっ」

 ドクドクと溢れ出る精子は止められなく、未だチカチカする視界で彼女を見れば、私が吐き出したもの全てがその口内で受け止められていて。
 気付いた時には、彼女が丁寧に全てを舐め取り嚥下していた。

「く、……ッ、は、レーナーっ!」

 息を整えながら声をかければ、慌てたように彼女が返事をし、私の脚の間に座りなおした。

「……口、開けて」

(ああ、やっぱり……)

 口を開けさせて中を見れば、やはりアレを飲み下した後だった。

「ハァ……、飲んだの?」

「え。……はい。……ごめんなさい?」

 思わずタメ息をついて確認すれば、訳が分からないといった様子で謝られてしまう。

「……ッ。謝らなくていい」

(女というものは、寝所では大人しく目を閉じて男のなすがままにされるのではないのか?)

 思わずそう思った。

(……あの閨事の授業は何だったのか……)

 授業で聞いていた女性の反応と、レナの行動の違いに頭が混乱する。

「しかし、……不味いんじゃないのか?」

 男のアレは。
 だから、無理に飲ませてもいけないとも聞いていたのだが……。

「んー……? いいえ?」

 ケロリとした表情で首を横に振り、そう答える彼女の口元を思わず見れば、先程の光景を思い出してしまって。
 堪らず私は目線を逸らし、顔が赤くなるのを誤魔化すように口に手を当て「そうか……」と呟いた。

 チラリと視線を戻せば口端を指先で拭う彼女が視界に入り、そのあまりに普通な様子に、もしかしてアレが不味いという話も、事実とは違うのかもしれないと思ってしまう。

 そして一度興味を引かれたら確かめたくなってしまって。

「レナ。……もう一回、口開けて」

 そう言って、またもや素直に口を開けた彼女の舌を入念に舐めた時、正直私は後悔した。

「……不味いじゃないか……」

「……そう? ですかね? ……じゃ、キス、止めときますか?」

 口に広がる何とも言えない青臭い味に、眉間に皺が寄るのを感じながらそう言えば、少し首を傾げて不思議そうに彼女がそう答えて。

(レナとのキスが止められる訳ないだろうが……)

 そう思いつつタメ息を零し、ジトりと彼女を睨みながら「それはダメだ」と言ってキスをすれば、キョトリとした彼女と目が合った。

(やられっぱなしだ……)

 そう思いながらそのままレナの肩を押し、彼女の体をベッドに沈めてショーツに手を掛ければ、彼女が手伝うように腰を上げる。

 その様子にすら彼女の余裕が感じられて。

 少し悔しく思う気持ちのままソコに指を這わせれば、そこは十分に潤っていた。

「ああ……、んっ」

「まったく。初心そうな顔をしてやってくれる……。優しくしたいと言っているのに、理性を壊そうとしないでくれないか」

 その溢れ出る蜜を指に纏わせ、塗り広げるように秘裂をなぞれば、レナが甘く鳴きながら腰をくねらせて。

「……君にそんなつもりはなかったのかもしれないが、私の瞳と同じ色の下着をつけて煽ったり、理性が飛びそうなキスを仕掛けてきたり。……極め付けは私のモノを口に含みアレを飲むだと?」

 その姿に、鎮まる気配のない熱が誘われるようにビクビクと反応し、どこまでも彼女に翻弄されている自分が情け無くも恥ずかしくて、つい口から非難めいた言葉が出た。

 もう、ハッキリ言って、屈辱だったのだ。

 常に人の上に立つことを求められ、常に自分を律して生きてきた筈の自分が、出会ったばかりのたった1人の女性に簡単に理性を試され、しかも、結果、見事に乱されている。

(こんなに自分を繋ぎとめるのに必死になるとは……)

 私の頬に手を添えて、優しく微笑みながら気負わずしようと言ってくれたのはなんだったのか。

(一瞬でも気を抜けば、全てを持っていかれてしまう)

 初心な少女のような雰囲気とは裏腹に、その実は蠱惑的なほど色香を放つ女。

 その肌は男の心を惑わし、その鳴き声は男の心を掻き乱すという魔女の、さてそのナカは、……どれほど男の心を絡めとるのだろう。

「んあぁっ!」

「……ああ……君の中は熱くて、蜜がよく絡む。……入れたらさぞ気持ちがいいんだろうね」

 指を埋めれば、口内とは比べ物にならないほど熱くヌラめき、舌とは比べ物にならないほど蠢き絡み付くのを感じる。

 ああこのナカのその奥まで埋め込んだなら、どれほど気持ちがいいのだろう。

(早く、入れてしまいたい……)

 だが、その前に。

(翻弄されっぱなしも癪なんだよな)

「んんっ、あっ、ああっ! あっ、あっ、あっ! やぁあっ!」

「レナ。……私は確かに女性経験はないがね。閨事については王族としてある程度の知識は叩き込まれているんだよ」

 そう言いながら中を探れば、ある箇所を撫で押した時に彼女の体がビクリと反応して。

「…………君の良いところはここかい?」

 思わず口端が歪んだ。

「んんんっ! ひ、や、ああっ! あああっ!」

「レナ、教えてくれるんだろ?」

(君を追い詰める方法を)

「……ここを刺激し続けたらどうなる?」

(君を翻弄する方法を)

「……刺激しながら、ここを舐めたら?」

(どうすれば、君を支配できるのか)

 教えてほしい。

「や、ライアン、様! やっ、やっ、んんっ! は、ああっ!!」

 切羽詰まった鳴き声は今まで以上に甘く脳に響いて、無心でソコを貪らせた。

「ああ! ライアン様っ、ダメ! んんっ!」

 一瞬、彼女と同じように制止の言葉など無視してイくまでしてやろうかとも思ったが。

(ああ、それよりも……)

 左手で彼女の膝裏を持ち、股を大きく割り開いて。

(その声で、ねだらせたい)

 そう思って、モノ欲しそうにヒクつくその中を指で刺激しながら、少し首を傾げて彼女をヒタと見下ろした。

「……ダメ? ……レナ。止めていいのか?」

「んんんっ、……ッ、は、ぁ、んんっ!」

「レナ、答えろ。……教えてくれたらイかせてあげるよ?」

 望むままに、イかせてあげる。

 そのもどかしい苦しみから解放してあげる。

 だから泣いて。懇願して。

「止め、ないでっ! お願いライアン様、気持ちがいいのっ。だから止めっ、んんんっ!!!」

 私にも。この指先で君を支配させてほしい。

「……はっ! 泣き顔が1番そそるとか参ったな」

「ひああっ! あっ、んんっ、ん! ひぅ、くっーーー~~~ッッ!!!」

 顔を上気させ、涙を零し、一際甘く鳴いて。
 キツく締め付けるそのナカは、奥へ奥へと指を引き込む。

 それは、ただただ雄を誘う雌の姿で。

「ああもう、……ほんと、理性が試される」

「んんんっ!! ……ッ、ぁああっ!!!」

 私は指を引き抜くと、誘われるまま、一気にその奥へと熱を埋め込んだ。

「ーーー! ぐ、……ッ、く、……そっ!!」

(持っていかれる……っ!!)

 イッた後の余韻で収縮するナカは、精を搾り取るように蠢いていて、入れただけで吐精してしまいそうなほど気持ちがよかった。

(今動いたら確実に出すっ)

 そう思って、慌てて彼女を抱き締め、私は彼女のナカが落ち着くのを待った。

「……はっ、ふ、あっ、はぁ……、っ、は、はぁ……っ。んんっ」

 しだいに落ち着いてきた彼女の呼吸と中の蠢きに、そろそろかと思う。

「…………少しは落ち着いたかな」

 赤く染まった耳を喰み、耳殻を舐めて、息がかかるようにそう囁けば中がキュッと締まり、それを合図とした。

「…………んっ、…………んんっ、ぁ……ああっ…ん………っ」

 彼女の顔の横に肘をつき、間近で彼女を見下ろして。

 より快感を拾うためか、目を閉じて、切なげに眉を寄せながら、優しく奥を突くたびにトロミすら感じるような甘い声を出すレナを観察した。

「……っ、レナ」

「……は、い、っ。んっ、んんっ」

 名前を呼べば、気持ち良さそうに惚ける瞳と目が合って。

 単純に、可愛いと思った。

「レナ、……やはり君の中は、っ、気持ちが、いいな」

「……私も、ぁあっ、気持ち、いいっ。……んぁ、そこっ」

「ああ。……ここ、だね」

「んんっ! ……んっ! ……ッ、やぁっ!」

 弱いところを押し突くたびに、鳴き声をあげて締め付け反応する彼女は可愛くて、愛しくて、同時に、……虐めたくなった。

 ゆっくり、じわじわと。
 快感よりもどかしさが溜まるように熱を送る。

(指ではなくこの熱を、さっきみたいに懇願されたら、……可愛すぎて、犯したくなってしまうかもな)

 その考えに支配欲が刺激され、愉悦に心がザワめく。

「ライアン様、の、意地悪っ」

「意地悪? ……何が?」

「わかってる、くせ、……にぃっ!」

 息を乱れさせ、頬を染めて、目に涙を溜めながら睨まれたところで、可愛さしか感じなくて。

「ははっ。……ごめんごめん。……っ、レナの泣き顔を見てたら、はっ、虐めたく、なってしまって」

「……焦らすなんてひどい。優しくしてくれるんじゃ、んんっ、なかったのっ?!」

 笑って謝れば、怒られてしまった。

「……レナ。悪かったって。……でも、あんな風に翻弄されて、黙ってられるほど、私もデキてないよ?」

「……ぅ……」

 少し律動を止め、宥めるように瞼にキスをしながら努めて優しくそう言えば、言い返せないとばかりに彼女が口を噤んだ。

 その様子も可愛くて、額をくっ付け優しく頬を撫でる。

 可愛い君は虐めたくなってしまうけど、優しくしたいのも本当で。

「……レナ、優しく抱かせて?」

「……はい。……でも、ちゃんとライアン様も気持ちよくなって下さいね?」

 その気持ちのままそう言えば、キスと共にそう返された。

「まったく、君は……」

(今言ったのに、まだ煽るなんて……)

 思わず苦笑してしまう。

「ん、……んん、……ぁあ。、あ、ん……んんっ」

 先ほどより少し早めのリズムで熱を送れば、気持ち良さそうに鳴いて。

「それにしても、中、良すぎだな……っ。出してなかったら……は、ッ、マズかったかも。……それに君は、声も、甘すぎる」

「……えっ? んん、ッ、ああっ」

「ずっと鳴かせて、聞いていたくなるよ」

 ずっと。ずっと、組み敷いて抱いていたい。

「あ、ん……、あっ、ああっ、あっ! やっあっああっ!」

 その声に誘われるままスピードを上げれば。

「んんんっ!! 激しっ! ああっ!」

「ッ! ……悪いっ!!」

 少し苦しそうに彼女がそう声を上げたので、思わず謝ってスピードを落とそうとした時、彼女がキスをしてきた。

「んっ! ふ、お願いっ、もう、いいのっ。気持ちいいから、……もっとしてっ?」

「レ、ナ……ッ?!」

 全てを赦すように微笑みながらそう言って。
 全てを受け止めるように私の背に腕を回し、私の脚に自身の脚を絡めて。

 私の自我を溶かすように、甘いキスをされた。

「……もう、何も考えないで、……好きにして?」

 そして、その微笑みは完全に私に火を付け、その言葉は完全に私の理性を焼き切った。

「はっ、ッ、ああもう、…………私の負けだ」

(どうやっても勝てそうにない……)

 そう思いながら苦笑して。

(ならばもう、その言葉のままに。…………好きにさせてもらおうか)

 そう思いながら、私は本能を引きずり出した。

 彼女の腰を掴んで合図をするように一度ガツリと奥を突き、そこから先は己の本能に身を委ねる。

 そうした私の心を呑み込んだのは、雄としての支配欲。

「ああっ! あ、やっ! あっあっあっ!! んんっ! あっ!」

 腕の中で鳴くこの雌を支配して、自分のモノにしたいという欲だった。

 侵しても侵しても足りなくて、更に奥を侵せるように熱を捻じ込み最奥を犯す。

 そうして息をつく暇も与えず犯し続ければ、空気を求めるように彼女が喘いで、その喉を私に差し出した。

(喉って、……急所なんだよな)

 そう思いながらその白い喉をベロリと舐め、その薄い皮膚に歯を立てた時、彼女の命すら支配している気がして、えも言われぬ快感が全身に駆け抜け、その快感は狂ったように私に腰を振らせて彼女の奥を穿たせた。

 掠れ始めたその声すら欲しくて唇を塞ぎ。
 逃がさないように指を絡めて縫い止めて。

 今では私と同じ、互いの汗とシーツのシャボンの香り、そしてほんのり石けんの香りを纏う彼女の。

(……ああ。奥に出したい)

 最奥に出して、このナカを私の支配欲で塗り潰したいと思ったその瞬間。

「ちょっ! レナ、そんな締めるなっ!」

 タイミングを合わせるかのように彼女のナカが締めつけてきて。

「……ぐ、くっ! ……ッ、ぅああっ!!」

 その快感に抗えずに欲を吐き出せば、応えるように彼女も一際高く鳴き果てた。

 かつてない快感と、全てを搾り取られたような脱力感に襲われ、体を支えきれずに彼女の横に崩れ落ちたが、それでも彼女の熱だけは離したくなくて、腕を伸ばして抱き締めた。

「……なんか、最後まで全部持っていかれた……」

 ふと、そんな言葉が零れて。

(結局耐えられなかった……)

 そう思えば、苦笑が零れた。

「……ライアン……様?」

 名前を呼ばれて顔を上げれば、余韻に頬を染め、ぽやりとした表情の彼女と目が合う。

「……まったく。一人の女性にここまで翻弄されるとは。……私もまだまだだな」

「本当は、……なんと言うか、癒したかったんですけど。……すみません、調子に乗ってしまいました」

「ほんとに。……あそこまで煽られるとは思わなかったよ」

「だって。……ライアン様が可愛いのがいけないんですよ」

 思ってもみなかった事を言われ一瞬思考が停止したが、じわじわと胸に広がる可笑しさに、私は久々に声を立てて笑った。

(こんなに晴れやかな気分になったのはいつぶりだろうか)

 ドロドロとした欲も、感情も、疲れも、全て吐き出せたような気がする。

「今の私にそんな事を言うのはレナくらいだな。……ああもう本当に。…………私の完全な負けだ」

 そしてそれができたのは、紛れもなく、この腕の中の存在が私の全てを受け入れてくれたからだろう。

(行ってほしくないな……)

 ホワリと胸に灯った愛しさを感じながら、彼女の頬を撫でる。

「眩惑の魔女は、1度会ったらその後2度と会えない……か」

「……はい」

「……酷い話だな。こんなに君を欲しくさせておいて」

「えーっと、…そこまで言ってもらえて、光栄? です? …ひゃっ!」

 私はこんなに切ない気持ちになっているというのに、ケロリとした表情でそう返されて、悔しくて、彼女の鼻頭を齧ってやった。

「……いたい」

「はははっ。私を弄んだ罰だな」

 涙目で鼻をさする彼女もやはり可愛くて。
 罰だと言いながらも、このヒトになら弄ばれてもいいなと思い始めている自分がいることに気付き、やはり私はこのヒトには勝てそうにないなと、そう思った。

「……はぁあ。……さてと。明日からまた頑張らなければね。……頑張って、もっと立派になって、君が悔しがるくらいイイ男にならなければ」

「……ふふっ。今でも十分イイ男だと思いますけどね」

「私に可愛いと言った口でよく言う」

「あはは」

 望んでも手に入らない女性だとは分かっていたが……。

(やはり……諦めるしかないか)

 彼女の屈託のない笑顔を見て、私も彼女を望む気持ちに区切りをつけた。

 それでも心はまだどこか切なくて、抱き締める腕に力が入る。

「……レナ。ありがとう。すごく良い時間が過ごせた」

「私も。気持ち良くて、愉しくて、嬉しかったです」

 腕の中にいる筈なのに何故かじわじわと儚く感じるその存在に、心が焦る。

(……ああ、……行ってしまう)

 彼女の体温がどうしても愛しくて、目を閉じて更にキュッと抱き締めた次の瞬間。

「……私の事を考えて優しく抱こうとしてくれて、ありがとうございました。………貴方に選ばれる女性はきっと幸せね」

 その言葉だけを残して、フワリとその温もりは腕の中から消えていた。


 静まりかえった寝室で、彼女がいた場所を触ればまだほんのりと温かくて。

「……本当に酷い話だ」

(初めて選びたいと思った女性とはもう2度と会えないなんて……)

 そう思いながら、私は苦笑する。

「あーぁ……。……もう一度湯浴みをしないとな」

 未だ切ない気持ちも、汗を流せば切り替えられる気がする。

(……それにしても)

「どうやって誤魔化そうか……」

 もしこれがバレて、ようやく女性を寝所に連れ込んだのだと誤解されれば、わっくわくで相手探しが始まってしまう未来が予想できて。

 明らかに事後の形跡が残るシーツを眺めながら、私は証拠隠滅の方法に頭を悩ませたのだった。
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