Overnight dream..*

霜月×ティオ

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Overnight dream..?(下)



「……はっ? えっ、……玲奈?!」

 目が合った瞬間、唖然としていた彼がハッとしたように声をかけてきた。

(あっ。これはこれで緊張する……)

 こういう場面で男性を見下ろすのは初めてではない筈なのに、まるで初めての時のような緊張を感じて、落ち着けたい筈の心臓の拍動も、呼吸の乱れも、全く落ち着く気配を見せない。

(……でも、今更止めたくないし)

 私はそう思うと、乱れた髪を耳にかけ、自身が着ているシャツのボタンに手を掛けた。

 緊張で手が震えるのを感じつつ、プツリプツリとゆっくりボタンを外し、肩からシャツを落として再びピタリと彼に視線を合わせれば、未だに唖然とした様子で私を見上げている彼が見えて。
 それがすこし可笑しくて笑ってしまったが、おかげですこし緊張が解けた気がした。

「悠斗さん。……ちょっとだけ、私にさせて下さい」

「……玲、っ」

 そう言って、彼の肩に手をついて体を支えながらキスをする。

 1度目はただ唇を合わせ、2度目からは彼を焚きつけるように何度も喰み、誘うように唇を舐めて。

「んっ」

 開いた唇の間から舌を差し入れた瞬間、優しく囲うように背中に腕を回され舌を絡め取られた。

「んんっ、んっ、……っ、ぅ、んっ……はっ」

 その私に任せるのを許してくれたような優しいキスが気持ちが良く、口端から熱い吐息が零れ出る。

 そしてしばらくしてから唇を離し目を開ければ、先ほどの唖然としたように見開かれた瞳とは一転した、私をじっくり観察するような瞳と目が合って。

(……見られてる)

 1度そう思ってしまえば、彼の視線をいやでも意識してしまい、男の体に跨がりその唇を貪っている自分がひどくいやらしい存在に感じてしまう。

(恥ずかしい。でも……)

 それでも、羞恥で霞む意識の中、一瞬でも、この先にあるであろう彼と繋がった自分を想像してしまえば、女としての欲が引きずり出されて、止めてしまいたいほどの羞恥は快感となり、止められない欲望となって私を支配した。

 首筋、鎖骨、胸板、腹筋と、そのゾクゾクするような欲に煽られるまま、彼の体の表面を指先で撫で、唇で喰み、舌を這わせ、歯を立てれば、彼の肌の艶かしさに脳が痺れて頭がクラクラする。

(……欲しい)

 私の下で息を乱れさせるこの人のソレが。

(……欲しい)

 ずっと好きだった人のソレが。

(……ナカに、欲しい)

 その滑らかな肌の先、求めるままに伸ばした私の指先が彼の下腹部に触れた瞬間、ソレが薄いスウェットの下で既に熱く硬くなっているのを感じて。

 そのあまりの熱さに、今のこの状況は、もしかしたら本当にゲームではないのかもしれないと、ふと、改めて思ってしまった。

 3年間ずっと憧れていた人を押し倒し、襲い、彼のモノに手を掛けるというところまでしてしまっている。この状況は、もしかしたら本当に現実なのかもしれないと、考えてしまった。

 その瞬間。

 ドッと、今までの比ではない激しい羞恥の波が一気に私を呑み込み、汗が噴き出て。
 ドクドクと心臓も大きく波打ち、思わず息を止め、その手もピタリと止めてしまった。

 その時。

「玲奈」

 不意に名前を呼ばれ視線を上げれば、彼が耳元まで染めながらも愉しそうに笑いながら私を見ていて。

「脱がしてくれるの?」

「……っ!!」

 クツクツと笑いながらそう言われ、頭が真っ白になりそうになったが、それと同時に何故か悔しい気持ちが湧き上がり膨れ上がって、それに後押しされるように彼のズボンと下着に手を掛け脱がせれば、いい子いい子と言わんばかりに頭を撫でられた。

「どうした玲奈。変な顔して」

 悠斗さんの手が伸びてきて、私の眉間をグリグリと撫で回す。

「だって……!」

「だって?」

「頑張って攻めてるつもりなんですけど、私ばっかり恥ずかしくて。それに比べて悠斗さん余裕だなって思って。ちょっと悔しい」

 もっと普段とは違う彼の姿が見たいのに。
 もっと余裕のない表情が見たいのに。
 だから私から攻めている筈なのに、余裕がなくなっていくのは私ばかりで、正直なところはかなり悔しい。

「いや、俺も結構ギリギリなんだけ……あ、こら、玲……っっ!!」

 そう思った私は、衝動のまま彼の熱に手を添え、彼の言葉を流してソレにキスをした。

「……っ、く、そっ! ……ぅあっ。は、やべぇ……っ」

 ボディソープと汗の香りに混じった雄の匂いをほのかに感じて、触発されたように腰にゾワリとした快感が走る。

 彼の内腿に手を添え、もう片方の手で熱を支えながら舌を這わせれば、仕方ないとばかりに彼の手が伸びてきて頭を軽く撫でられた。

 下から上に、上から下に。
 緩急と強弱をつけ、舐め、吸い、手で扱いて、奥まで飲み込む。

 彼の吐く荒い息と、そこに時折混じる私の名前、思わずといった風にギュッと頭を掴んでくる手が私を煽り、無心にさせて。
 じわじわと舌に広がる独特の味、口に含んだ時の息苦しさが、私の蜜を溢れさせた。

「玲奈っ。ちょっ、もういい。玲奈っ」

 不意に強めに声を掛けられ、すこし強めの力で耳を撫ぜられて。
 唇を離し上体を起こせば、腕を引かれてキスをされた。

「……気持ち良く、なかったですか?」

 荒く息を吐きながら眉間に皺を寄せ、すこし怒った風に見てくる彼を見て、何か不快にさせてしまっただろうかと不安になりそう声を掛ける。

「……っ、まさか。つか、ホント反則。気持ち良すぎ」

 片手で口元を隠し顔を赤くして、目線を逸らしながらそう言う彼に、すこし安心して口元を緩めていると、再びピタリと視線を合わされた。



 *



【Side 悠斗】


「……じゃ、今度こそ俺の番な」

 俺はそう言い放つと、彼女を再び俺の下に組み敷いた。

 左手で指を絡めて握り合い、右手で胸を揉みしだいて。
 その柔らかい唇を塞げば、彼女の鼻にかかった甘い声と、互いの息遣い、舌が絡む水音が辺りに響いた。

「ん……んんっ。は。ぁ……ッ、んっ」

(柔らけぇ……。てか、エロすぎ……)

 昼間の彼女からは全く想像もできないほどのその痴態に、正直なところ今すぐにでもブチ込んでしまいたかったが、ガッついてると思われるのも嫌で、なんとかギリギリ堪えていた。

「あっ、はぁっ。……っ」

 絡ませていた舌を解き唇を離そうとすれば、もっとと言わんばかりに彼女の舌が追いかけてきて、その可愛さとキスの気持ち良さに、他のところも味わいたいのにキスが止められない。

(やべぇ。キスだけでイきそう)

 キスをしながら胸に這わせていた手を下に滑らせていけば、彼女が体をビクビクと跳ねさせて快感を伝えてくるのが、俺をひどく興奮させて。

「悠斗さん。……悠斗さん、お願い。……もっと触って? ……もっとシて」

 緊張が解けたのか、先ほどとは打って変わって素直にねだってくるその様は、これでもかと俺を煽った。

「……ッ、おいっ。これ以上煽んな。……優しくできなくなるぞ?」

 そう言いながら彼女が履く短パンの端に指が掛かれば、誘うように腰を揺らすので、誘われるまま一気に短パンを引き下ろす。
 そして脚の間へと手を滑り込ませて秘裂を探った時、ソコがすっかり蜜を溢れさせ、下着までぐっしょりと濡れていることに気が付いた。

「もしかして。……すげぇ……濡れてる?」

「んん……だって。……悠斗さんとしてるって思ったら……」

 下着をずらして直接秘裂に指を滑らせれば、その指が花芯に当たるように腰をくねらせつつ、恥ずかしそうにそんな事を言う、その彼女のあまりに蠱惑的な様子に僅かに残った理性すら掻き乱されて。

「……ちょ、だからお前、煽るなって。ッ、くそっ、あーもー!」

 俺は堪らずサイドテーブルの横に放っておいたゴムを掴んだ。

 彼女に視線を移せば、口元は手で隠しつつもその赤く染まった頬は見えていて、羞恥に眉を寄せ、瞳を潤ませながら俺を見上げるその様は、完全に俺の理性を焼き切った。

 少し乱暴に下着を脱がせ、ゴムを付け、左手で彼女の膝裏を持ち上げ入口に充てがうと。

「玲奈が煽ったんだからな……」

 そう言って。
 指すら入れていないソコに、俺は自身のペニスを一気に突き入れた。

「う、あっ……すげ……っ、キツ、っ!」

 それは、久しぶりのセックスだとか、仕事が忙しくて溜まってたとか、その上最近は彼女の事を考えて欲求不満だったとか、色んな言い訳が吹っ飛ぶほどの気持ち良さだった。

 それでも、入れただけでイッてしまうのは流石に格好がつかないと歯を食いしばり耐えていれば、彼女の手が俺の頬に触れた。

「……悠斗さん」

 それは何かを確かめるような触れ方で。

「玲奈?」

 思わず視線をあげれば、僅かに涙を滲ませ何かをせがむような視線と目が合った。

「っ、……何?」

「……キスして? ……好きって言っ、んんっ」

「んっ、好きだ。玲奈。……本当に」

「んっ! ……んんっ。……ぅ、あっ! あっ、あっ! んんんっ!」

 彼女の望むままキスをして、その名を呼びながら好きだと囁けば、……我慢などできなかった。

 そこからはもう止められなくて。

(これ、ナマだったらヤバかったかも……)

 そう思いながら、その口内を、そのナカを、ただ欲望のままに貪った。

「あーくそっ!」

(マジ、気持ち良すぎなんだよっ)

 彼女への気持ちを自覚して、その存在を求めるようになってから、一体何度、彼女を頭の中で犯しただろう。

(やっと抱けた……)

 そして実際に、自分の腕の中で彼女が甘い鳴き声をあげながらその上気した顔を汗に艶めかせるその姿は、想像していた以上にクるものがあって。
 熱く蠢き絡み付くその中を欲にまかせて突き上げる快感は、想像の中で彼女を犯した時とは比べ物にならない程、強烈だった。

 彼女がその背をしならせ高く鳴くたび押さえ付け、打ち付けて。

「ああっ! あっ、悠斗さんっ! やっ! も、無理っ! ……ひ! んんんっ!」

「わり。俺こそ無理。……っ、はっ、止まんねぇっ」

 彼女が制止の声を吐くたび耳殻を舐め、自分ではもう止められないのだと囁いた。

 ……時間はまだある。

「……次は優しく、するから」

 初めて抱くのに結局ガッツいて彼女を全く気遣えていない自分を情け無く感じつつ、そう思いそう言った瞬間。

「んあっ! やっ! あっあっあっ! も、ダメッッ……ーーー!!!」

「……ッッーー……!!!」

 腰が抜けそうなほどの快感が背筋に走り、俺は、彼女をシーツの波に沈めながら、その欲の塊ともいえる白濁を薄膜の中に吐き出した。


「……っ! はっ! ……く、ぅあっ。……はぁ、は、ぁあ……っ」

 久々に、というか、ここまで爆発させるように吐精するのは初めてだった。

 大学時代、若さに任せて割と少なくない人数の女とセックスをしたが、ここまで触れ合う肌が気持ちいいと思った相手はいなかった。

 誰かの手に渡ることに嫉妬して必死になって捕まえた存在は、強烈に俺の心を絡めとり、そのナカが求めるように蠢き締め付けてくれば、ゾワリと、ナカに出したいという欲求が俺の脳を支配して。
 彼女を犯す気持ち良さを知ってしまった今、ハッキリ言ってその薄膜1枚の存在すらもどかしい。

 まぁ、それでも、彼女の許可を取っていない以上、ナカに出す権利は今の俺にはない訳で。

 荒い息を吐きながら体を弛緩させる彼女を抱き締めながら、俺は大量の白濁を包むその薄膜を抜き取った。



 *



「玲奈」

 俺はキッチンへと行き、ミネラルウォーターを手に取ってから寝室へと戻ると、未だクタリとした様子でベッドで目を閉じる玲奈に声を掛けた。

「……悠斗……さん?」

 達した余韻の残る赤い頬とトロリとした瞳で俺を見上げ、喘ぎすぎたためか、掠れた声で気怠げに名前を呼んできて、その艶かしさに思わずズクリとした疼きが下半身をよぎる。

「……大丈夫か? ほら。水」

「……ありがとうございます」

 声を掛けながら水の入ったペットボトルを見せれば、玲奈がノロノロと動き出したので、背中から支えて水を飲ませる。

 そのちびちびと水を飲む姿を眺めていると、不意に玲奈が顔を上げて俺を見てきた。

「……どうした?」

「ん? ……あれ? 悠斗さんがいる?」

「は?」

「……え? なんで?」

「なんでって、……俺んちだから?」

「へ?」

 何故か急に慌てた様子で辺りを見回す玲奈を見て、頭の中にハテナが飛ぶ。

「うそ。え? 眠くなったから、やっぱそうだったかって思ったんだけど……え。痛い。……本当に?」

 今度はぶつぶつ言いながら自分の頬を抓りだして。

「玲奈? 大丈夫か? イきすぎてバグった?」

 思わずそう声を掛ければ、何故か驚いた表情で俺を見返してきた。

「玲奈?」

「……え。……もしかして、もしかするけど、現実?」

「……お前ホントに大丈夫か?」

「!!? あの……っ?! 悠斗さん?!」

 玲奈が持っていた水を取り上げサイドテーブルに置き、再びベッドへと押し倒す。

「……え、なに。もしかして、今度は夢だとか言い出すのか? なんで? どこから?」

「いや」

「さっきも俺の告白をあり得ないって言いまくってたけど、ワンナイトって言われるどころか、夢って思われるとか、流石にちょっと傷付くんだが?」

「えっと」

「もっかいする?」

「何故っ」

「まぁ、俺的には元々その気だったし。1回シただけじゃ信じてくれないんだろ?」

「悠斗さんっ?!」

 俺はそう言い放つと、慌てる玲奈を尻目にゴムの袋を掴んだ。

「……本気ですか?」

 玲奈の脚の間に膝立ちとなり、見せ付けるように袋を開けゆっくりと取りつければ、信じられないといった風に目を見開きながら彼女がそう聞いてきた。

「……見れば分かるだろ」

 正直全然足りないと思っていたところだったのだ。
 玲奈の言葉に対するじわじわとした苛立ちが熱へと変わり、俺のモノはしっかりと立ち上がっていた。

 脚を大きく割り開き未だ蜜でヌルつくソコに擦り付ければ、ついナカの気持ち良さを思い出してしまい喉が鳴る。

「んんっ、疑ったの謝りますからっ、あっ、もぅ無、ひっ……やぁあっ!!」

「……せっかく優しくしてやろうと思ってたのにな」

「ふっ……っ、んあっ! ……んんっ!」

「……で、結局さ。なんであり得ないとか、夢だとか思う訳? その様子じゃ付き合うとかも考えてねーだろ」

「…………」

 上体を倒して顔の横に両肘をつき、すこし動きを止めてそう聞けば、図星と言わんばかりに口を噤んだ。

「玲奈」

「いや、あの、今更すぎて大変申し上げにくいんですが。……私、知らない人ともセックスできる女ですよ? 佐々木さんが思ってるような……んんっ」

 距離を取るように急に呼び方を戻されて、思わず唇を塞ぐ。

「……ちゃんと悠斗って呼べ。つか、何? 玲奈って彼氏とか作らないタイプって事? 俺と付き合うのも嫌?」

「いえ、そんな事はないです……!」

 少し声を低くしてそう尋ねれば、慌てたように首を横に振った。

「てかさ、……俺もう玲奈のこと完全に自分のモノって思ってるから」

「へ?」

「もうよくね? お互い好き同士で、俺は玲奈と付き合いたいって思ってるし、玲奈も俺と付き合うのは嫌じゃねーんだろ?」

「あのっ?」

「ま、付き合う前の事をとやかく言うつもりはないし、そういう事もある程度予想はしてたよ。でも、実際に玲奈の口から他の男とセックスしたって聞いて今すげぇムカついてるから、俺と付き合ってる時には絶対すんなよ?」

「いやしませんけど。でも本当に……なんでそこまで私を?」

 彼女が困惑に瞳を揺らしながらそう尋ねてきた。

「あ? ……うーん、笑顔が可愛い。素直なとこが可愛い。つか普通に可愛い。仕事に真面目で、毎日弁当作ってて凄いと思う。黒髪綺麗だし、肌も白くてそそる。胸も、むぐっ」

「す、ストップストップ! もうい、ひぇっ!」

 人がせっかく答えているというのに、慌てた様子で手で口を押さえてきたので、その手のひらをベロリと舐めてやる。

「うるさい、いいから聞け。首を傾げて上目遣いで見つめられると犯したくなる。初心そうなのにセックスの時はエロくて堪んない。つか、お前ん中気持ち良すぎてヤバい」

「……っっ!!」

「ははっ。顔真っ赤だな。……まだ言ってやろうか?」

「……いや、いいです。ありがとうございます」

「……玲奈は可愛いよ」

「悠斗さん……んっ! ……んぁっ。んんっ、ん」

 再び優しく奥を突き始めれば、玲奈が素直に鳴き出しキスを求めてきた。

(ちょっとこれは、思ってた以上に離せそうにねーな……)

「なぁ、玲奈。俺のこと好き?」

「あっ、んんっ、好きっ。悠斗さ、んんっ」

「じゃ、結婚しよっか」

「ふぁっ! んっ?! えっ? 何、言って? 結婚?!」

「まぁ、そんだけ本気って言ってんの。はっ、今すぐゴム取って、俺のせーし中に出して、責任取らせてって言いたいぐらい好きなの。わかる? ……っ! ……くくっ。今、締め付けたの、自分で気づいた?」

「んんんっ、えっ? ええっ?」

「どうする? マジでゴム取るか? 言葉だけじゃ不安なら、明日休みだし指輪見に行けるぞ?」

「え、ちょっと、待って下さい。結婚? 指輪? あっ、頭、追いつかないっ」

「ははっ、じゃあ、俺の彼女になるかどうかって話は分かる?」

「……んぁっ」

「玲奈」

「……分か、るっ」

「うん」

「……ずっと、好きだったんです」

「ああ。……それで?」

「……私を彼女にして下さい」

「ん。喜んで。俺も好きだよ。……ってことで、本気で動いていい? 突っ込んだままこんなに話するの初めてだわ」

「んんんっ!」

「……そろそろ限界」


 俺の部屋、俺のベッドで、俺のモノとなった女が喘いでいる。

「やっ! もっ、だめっ! ……イっ! ーーー~~ッッ!!」

 そのしなやかな背を反らし胸を突き出して、その白い喉を差し出すのはもう何度目だろうか。

 顔を見れば、涙を溢れさせ、頬も真っ赤に染まっていて。
 首筋には、汗でべったりとその美しい黒髪が張り付いている。

「玲奈。好きだよ」

 そう言って唇を塞ぎ舌を入れれば、ヘロヘロながらも懸命に応えてきて、その可愛さに思わず苦笑する。

(そろそろ休ませてやんねーとな……)

 そう思いつつも、ギリギリまで溜め込まれ、渦巻き滾るその欲は、彼女の中に吐き出さなければ満たされない訳で。

「……後ろ向いて」

 俺はそう言うと、彼女の細い腰を後ろから掴み、グズグズに蕩けた秘裂に自身の熱を再び当てがった。

「悠斗さんっ、も、許してっ」

「あともーちょい」

「ひっ! んんんっ!! んぁっ!!」

 シーツを掴みながら、奥を穿つ度に跳ねるその白い体には、ナカに出せない替わりにと俺が刻みつけた痕が散っていて、俺はそれを指先でなぞり汗とともに舐めあげる。

「明日の休みは目一杯甘やかしてやるから、あと少し頑張れ」

 そのままその体に腕を絡み付け抱き締めて、耳殻を喰み、耳元でそう囁いて。
 後ろから腕を回し下腹部に手を当てれば、その柔らかい体の中で硬く蠢く自分のモノを感じて。
 それを動かす度に鳴いて締め付けるその様に、口元が緩み息を吐いた瞬間。

「……はっ、っ、ぐっ、ッッーーー……!!!」

 鳥肌が立ちそうな程の快感が背筋を駆け抜け、俺は何度目かの絶頂を迎えたのだった。



 *



【Side 玲奈】


 ふと、意識が浮上した。

「…………ん?」

 目を開ければ、カーテンの隙間から日の光が差し込むほの明るい部屋で、間近に見知っている人の寝顔が見えて頭が混乱する。

(え? ……あ。あー、そっか。私昨日、佐々木さんとご飯食べに行って、そのあと家で飲もうってなって、それから……)

 そこまで思ったところで、昨夜の出来事がまるで走馬灯のように一瞬で頭の中を駆け巡り、激しい羞恥に襲われる。

「ーーー~~~っっ!!」

 顔を手で覆い転げ回りたい衝動に駆られたが、体に彼の腕が巻き付いていて、それもできなくて。

(……私たち付き合うってことになったんだよね? ……ってことは、私と佐々木さんは彼氏彼女ってことで。……うわぁ、この人が私の彼氏ってこと?!)

 そんなことを考えながら、無意識的に目の前で眠るその人の頬に手を伸ばし、凝視してしまう。

(まつ毛長い……。ていうか、肌ツルツル……)

 そのキメの整った肌を撫で、つられるように唇に触れそうになった瞬間、不意にその唇が弧を描いたので目線を上げれば、まだ眠そうな少しボヤリとした瞳と目が合った。

「……おはよ、玲奈」

 寝起き独特の色気を孕んだ声で下の名前を呼ばれ、ドキリとする。

「……おはようございます。……悠斗、さん」

「ん。おはよう。……体大丈夫か?」

 そう言われて自分の体に意識を向ければ、ひどく体が重く感じる事に気が付いた。

「正直、……ちょっと辛いです」

「ははっ。……悪ぃ。無理させたな。シャワーも浴びさせてやりたかったんだけど、俺もヘロヘロでさ。……後で一緒に風呂入ろ」

 そう言いながら優しく微笑まれ額にキスをされて、言い様のないむず痒さが全身を駆け抜けて。

「……夢みたい」

 思わずそう呟けば、すこし睨まれてしまった。

「おい、まだ言ってんのか。夢だったら俺が困るっつってんだろ? ……お前はもう俺のなの。……いい加減認めろよ」

 彼の腕がキュッと締まり、そのしっかりと感じる体温にブワリと一気に胸が一杯になってしまって。
 目に涙が滲み、言葉もつかえて出てこない。

「……玲奈、返事は?」

「……はい。……よろしく、お願いします。」

 それでも何とか答えたくて、絞り出すように返事をすれば、言葉と一緒に涙も零れ出た。

「ん。こちらこそ。……って、ちょ、泣くな」

「うー……だって。嬉しくて……」

「……っ、おま、………あーもーっ! ……俺も嬉しいよ」

 すこし困ったように瞼にキスをされて、それもなんだか嬉しくて、幸せで、じわじわ溢れる涙を必死に止めようとしていれば、ギュウギュウと抱き締められた後に優しく耳元で囁かれた。

「これからめちゃくちゃ可愛がって大事にしてやるからな。覚悟しろよ?」

「……ふふっ! はいっ!」

「素直。可愛い。……うーん、これは、谷口さんにお礼言わないとな」

「……谷ちゃん?」

 急に予想外の名前が出てきてキョトリとする。

「そ。ちょっと相談して、アドバイスもらったんだよ」

「何をですか?」

「んー。玲奈と付き合いたいんだけど、どうすればいい? 的な? そしたら、金曜の夜に誘ってオッケーもらえるならチャンスあるかもみたいな事言われて……。……やっぱ、そんなもん?」

(……金曜の夜、か……)

 悠斗さんの話に一瞬例のゲームの事が頭をよぎったが。

(いや、たぶん、途中だったとしても悠斗さんを優先させただろうな……)

 きっと、好きな人からの誘いの方を選ぶだろう。そう思って。

「あー……うん。そうですね。そうかもしれません」

「ふーん。そっか」

 そう答えれば、納得したように頷かれた。

「「…………」」

 しばらく無言で見つめ合った後、フッと悠斗さんが微笑む。

「……さて。また襲っちまう前に、シャワー浴びるか」

「えーっと、……やっぱり一緒に? ですか?」

「当然。……安心しろ。俺が隅々まで優しく洗ってやるから。……それにどうせ1人じゃ立てねーだろ?」

 そう言いながら、ニヤリと笑われて。

(……付き合うならもっとこう……普通の人にしようって思ってたんだけどな……)

 ドS系スパダリの彼女とか私には荷が重すぎるのでは? などと内心で思いながらも、ずっと好きだった人との甘い関係が一夜で終わらない喜びを、私は彼の胸に顔を埋めながら噛み締めたのだった。
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