Overnight dream..*

霜月

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if..

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「……ふぅ。今日のところはこんなもんかしらね……」

 いつもの仕事終わり。
 私はお店の片付けを終え一息ついた。

(明日は休みだし、早く帰ってゆっくりしましょ)

 そう思いながら戸締まりの確認をして、そしてそれが終わると、帰宅準備のために薄手のコートを手に取り羽織る。

 袖に腕を通しながら、ついこの間まで厚手のものを着ていたのにと、季節の移ろいは早いものだなと、私は思考を巡らせた。

(……もう1年経つのね)

 その思考の先、コートを置いていた作業場のソファを見ながらふと思い出すのは、忘れられない熱の記憶。

 去年の今頃、彼女を抱いたあの夜から。
 運命的に出会い、衝動に突き動かされるままレナという名の1人の女性を抱いたあの夜から、もう1年経つ。

(魔女に恋した男って、どうなるのかしら……)

 それはたった一夜の交わりだったのに。
 そのキスの感触、その声の甘さ、その肌の熱さ、それら全てを強烈に私の心に残し、その熱の思い出だけを私の体に刻み込んで消えてしまった女性は、『眩惑の魔女』だった。

 異国の肌と、この世界に存在しない漆黒の髪を持ち、どこから来たのか分からないが突然現れ、夜を共にした男の心を絡めとり骨抜きにして、その男がどう繋ぎ止めようとしても突然消えてしまう。
 そして、1度現れた男の前には2度と現れないと言われている魔女。

 抱く前から分かっていた筈なのに。
 どんなに欲しくなっても手に入らないと言い聞かせながら抱いたのに。

 気付いた時には手遅れで。
 私は、1年経った今でもその存在を忘れられずに、その不思議な存在にまつわるもう一つの噂にすがりながら過ごしてきた。

(『互いに強く惹かれ合い、その一夜で心まで結び付けば、魔女がそれを辿たどって会いに来る――――』か……)

 魔女の噂が本当だったのだからその噂ももしかしたらと思ったが、いくら会いたいと望んでも、もう一度触れたいと願っても、レナが再び現れることは結局なくて。
 他の女で紛らわす気にもなれず仕事に没頭する日々の中、心の底に、ただただ心から彼女を求める飢えにも似た願いが募っていった。

(これ以上、どう願えっていうのよ……)

 そう思っても。

 彼女には戻るべき世界があったから戻っていったのだと。
 セックスに自信がないと、だから新しい恋をする勇気がないのだと言っていた彼女も、消えてしまう瞬間には笑って次の恋を頑張ると言ってくれて。
 素直で可愛かった彼女はきっと今頃、その言葉通り新しい恋に頑張っていて、私との一夜もただの思い出となり、彼女は彼女の世界で充実した生活を送っているのだと。
 現れないということは、まぁ、つまり、そういう事なのだと己に言い聞かせることしか私にはできない。

(……当然って言えば当然なんだけど)

 本来ならば、同じ世界に生きている人間同士でさえも惹かれ合い結ばれるなど奇跡に近いことなのに。ましてや、違う世界に生きている人間と結ばれるなど、それこそあり得る筈もない。

 だから結局、未だ忘れられずに引きずって、私の名を呼ぶあの声に焦がれているのは、きっと私だけで。
 もしもう一度会えたなら、今度こそは逃がさないよう囲い込み、組み敷いて、私の腕の中から消えないのだと安心できるまで縫い止め犯すのにと、そんな不毛な想いを募らせているのは、きっと私だけなのだろう。

(いい年しての失恋って辛いわ……)

 艶やかで美しい黒髪を思い出す度、喉の奥が痛くなるような切なさに襲われるが、そこで大泣きできるほどの子どもではもうなくて。

「……ハァ……本当にやんなっちゃう……」

 涙で流すこともできず心に残り続けるその想いに、私は苦笑しながら蓋をして、タメ息を零しながら日々を過ごすことしかできないのだ。


 コートを着た後は照明を落とし、お店の裏口に鍵をかけ、視線を上げれば、いつもの外灯もなく月明かりだけが頼りの薄暗い路地が視界に入る。

(……ああ、そうよ。仕事帰りのこの道で……)

 彼女はうずくまっていたのだった。

 最初は酔っ払いか大きな犬だと思ったのが、実は小柄な女性で驚いて。
 そして裸足で怪我をしている事に気付いた後は、不安げな様子で私を見上げる彼女をそのまま1人で放って置くこともできず、店に連れて行った。

(あの時は、ただ手当てをしようと思っただけだった筈なのに)

 まさかこんなことになるとは、最初に彼女を抱き上げた時は全く思わなかった……。

「…………あら。……今夜は月が綺麗ね……」

 それは。
 店から少し歩き、あの時彼女がいた場所を視界に捉えた時だった。

 何となく辺りがいつもより明るい気がして足を止め、何となく夜空を仰いだ、その時だった。

 見上げた月の美しさに見惚れて、何となくそう呟いた、その瞬間だった。


「……シリルさん?」


 聞こえる筈のないその声に、一瞬、思考が停止した。

(……まさか……)

 そろそろと目線を下げ、視線を送ったその先、見えた存在に息を飲む。

(嘘、でしょ……?)

「……レナ?」

 外灯もない薄暗い路地裏。
 いつの間に現れたのか、月明かりだけに照らされる彼女は、あの時と同じように裸足のまま不安げな様子で佇んでいた。

 その姿があまりに儚くて。

「レナ!!」

 頭で考えるより先に私の身体は動き出し、瞬きさえできぬまま、駆け寄りキツく抱き締めて。

「……っ、シリルさ、んん……っ!」

 震える声で名を呼ばれ、彼女が泣いているのだと気付いた時にはもう、その唇を塞いでいた。

「んっ、んん……っ、シリ、ん、んんん……っ」

「は、っ、……レナっ、……何故? 何故、また来たの?」

 キスの後は、彼女の体温をより感じられるように、かたく目を閉じ頬を寄せて、絞り出すように問い掛ける。

「ごめんなさいっ、シリルさん。本当にごめんなさい……。……私が来るの、迷惑にしかならないって分かってたんですけど……っ」

 その答えに慌てて顔を上げ、間近でレナの顔を覗き込めば、くしゃりと眉を寄せ、涙を溢れさせている瞳と目が合った。

「ッ?! ……違うの、違うのよ、レナ。責めてるんじゃないの」

 私は涙で濡れる頬に手を添えて、宥めるように指で拭いながら声を掛ける。

「あなたにはあなたの世界があったんじゃないの? 生活があったんじゃないの? ……自分が今にいる意味、本当に分かっているの?」

「分かって、ます。……もう、戻れないんですよね? こっちで生きていかないといけないんですよね? ……私、こっちの世界の事全然知らないから、シリルさん頼らないといけなくて、それがシリルさんの迷惑になっ……んっ」

「レナ」

 再び自分を責める言葉を口にしようとするその唇を途中で塞いだ後、その名前を呼び、拭いきれない涙にキスをしてから、私は彼女としっかり瞳を合わせた。

「……レナ、聞きなさい。……あのね。もし、こちらの世界の人間ではないあなたがまた現れたら、ワタシが側にいて面倒を見ないといけない事くらいワタシにも分かっているわ。ワタシの家に連れて帰って、ワタシが世話をしないといけない事も分かってる。」

 私がそう話をすれば、彼女の眉が申し訳なさげにキュッと寄ったが、それに構わず言葉を続ける。

「ねぇ、レナ。……でもそれって、ワタシからはもう逃げられない事を意味するって、あなた分かってる? ……それがどういう事かちゃんと分かってるの?」

「分かってます。でも、シリルさんはそれで……私でいいんですか……?」

「……何言ってるの。……1年間ずっと、レナを待っていたのよ? ……いくら会いたいと思っても、いくら抱き締めたいと思っても、探し出す手掛かりさえないまま諦めることもできなくて、現れてくれないことを恨んだりもしたのよ?」

 名前しか知らないたった一夜の相手に心を完全に囚われて。

 一体何度、あの夜を夢で繰り返しただろう。
 一体何度、あの夜の続きを夢見ただろう。

「……嗚呼、レナ。会いたかった……。迷惑なんて思う訳ないじゃない……。迷惑なら、こんな風に抱き締める訳ないじゃない」

 この1年、求めてきたのはあなただけ。
 いるべき世界が違うとか、他のことを何も知らないとか、あなたが手に入るならどうでもいいのだ。

 ああ、だから。

 お願いだから、自分の意思でこの腕の中にいるのだと言ってほしい。
 あなたと私の想いは同じなのだと、どうかその声で伝えてほしい。

「レナ、もう一度聞くわ。……何故戻って来たの?」

「……シリルさんが欲しくて。……ずっと忘れられなくて。どうしても忘れられなくて。……シリルさんに抱いてほしくて戻って来……、ひゃっ?!」

 レナが言葉を紡ぐ途中、安堵にも似た嬉しさが、どうしようもないほど身体に広がるのを感じて、堪らず私は彼女を抱き上げた。

「あのっ? シリルさん?!」

(ホント……。この子、素直すぎっ)

 言わせたのは自分だったが、ハタと気付けばここは外で。

(……危ない危ない、このままだとここで襲っちゃう)

 抱き上げたレナの体の軽さと柔らかさに急激に欲に襲われた私は、そう思いつつ、慌ててそのまま足早に歩き出す。

「ワタシの家近いの。……ちょっと急ぐから、喋ると舌噛むわよ」

「!!?」

 前回と同じように薄手の服の下には何もつけていない感触に、チリチリと理性の糸を焼かれつつ。

(また寝る前だったのかしら……?)

 努めて平静を保つ為、そんな事を考えながら私は自宅へと急いだのだった。



 *



 抱えたまま家に入り、照明も点けずに寝室へと入る。

 カーテンも引かれていない、月明かりが差し込むほの暗い寝室。

 レナをベッドへと下ろすと同時に組み敷いて見下ろせば、目元と鼻頭をほんのり染め、頬に涙の跡を残したレナの顔が見えた。

 その瞳は少し焦ったように揺れている。

「……どうかした?」

(今更待ってとか言わないでよ……?)

「あ、の、シリルさん」

「……何?」

「……私、たぶん、足が汚れてる……っ」

 続けられた言葉に思わずキョトリとして。

(この子、相変わらずね……)

「……ふ。ふふっ」

 以前と変わらない雰囲気に、じわじわと微笑ましさと愛しさが込み上げてきてつい笑ってしまった。

「……いいわよ。後でお風呂入りましょ? ……申し訳ないけど、拭いてあげられる程の余裕はないわ。……ごめんね?」

 そう言いつつ涙の跡を拭おうと頬に手を伸ばせば、レナが頬をすり寄せてくる。

 その頬の熱さをすごく懐かしく思うと同時に、その仕草の可愛らしさに胸がキュッと締め付けられて。

「ねぇ、……次の恋を頑張るんじゃなかったの? 彼氏、出来なかった?」

 頬を撫でながら、ふと気になった事が口を衝いた。

「……シリルさんに言われて、ちゃんとオシャレにもお化粧にも気を使うようになったんですよ? 恋活もしたんです。そしたら、1人の男の人から告白されて、付き合うことになって。……でも……」

「でも?」

「何というか、違和感がすごくて。繋いだ手も、キスも、しっくりこないというか、全然気持ち良くないというか……」

「……っ……」

 そう話しながら、不意にレナが私の服をキュッと握り、胸に顔を埋めてきて、思わず息を飲む。

「シリルさんに頑張れって言われたから色々頑張ってみたけど。じゃあ頑張った先でどうなりたいんだろって、誰に見てもらいたいんだろって考えたら、結局のところはシリルさんしか浮かばなくて。……そこでやっと気付いたの。オシャレもお化粧も、何もかも、シリルさんに褒めてほしくて頑張ってるんだって。シリルさんに可愛いって言ってほしくて頑張ってるんだって気が付いたんです」

「レナ……」

「……しんどかったぁ。どうすれば会えるのか分からなかったし。ゲートの開き方知らないし。検索しても出てこないし。何かもう、死ねばいいのかな? とすら思っちゃった……」

「ちょっと、レナ……」

「……シリルさん。……好きです……。すごい自分勝手って分かってるけど、……シリルさんの側に来れて、すごく、嬉しい……っ」

「……ッ……レナっ!」

(あーもー、ホント無理っ)

 目を閉じて一つ大きく息をつけば、自分の中の火が完全についていることに気付く。

「……1年も待たせて。その上で煽ってくるなんて、覚悟はできてるんでしょうね?」

 レナの手を離させ、上体を起こし、自身の服を脱いでいく。

「えっと、シリルさん?」

 1人で違う世界に来るというのは、どれほど怖いことだろう。
 どれほど悩み、どれほど苦しんだことだろう。

 そう思って優しく抱こうと思っていたが、これだけ煽られてしまえばもう無理だ。

「……安心しなさい。ワタシ、これでも売れっ子なの。レナ1人養うくらいどうってことないから」

 私はそう言いながら、彼女の不安と思考を溶かすように微笑んで、己のスイッチを切り替える。

「だから、レナ。……考える時間はもう終いだ」

 ああ、今夜こそ、あの夜の続きをしよう。

「……オレを選んでくれて、ありがとう」

 ああ、今夜こそ。
 逃げないように、消えないように、泣かし、喘がし、溢れるまで注いでやろう。

「……愛してるよ、レナ……」

 オレは上体を倒し、指を絡めるように縫い止めそう言うと、彼女に舌を差し出した。
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感想 26

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みんなの感想(26件)

鈴木 ちな
2021.11.02 鈴木 ちな

連投、失礼します。

シリルさん、カッコよかったです。でもあの、その後のお話ってここじゃ無かったでしたっけ? レナちゃんが異世界に居付いてからのお話でシリルさんに執着されていてイチャイチャなやつ。

2021.11.02 霜月

>佐藤 ちな様

合ってます!合ってました!!

一つ前の感想にもお答えしているんですが、続きの部分は再考中ということで取り下げをしております。
というか、3キャラの各ルートが別建てでストーリー展開していく予定にしましたので、シリルさんの続きはお引越しした形です。
公開まではもうちょっとお待ちくださいませー💦💦
すみませんー💦💦

解除
鈴木 ちな
2021.10.30 鈴木 ちな

連投すみません。
本当にこの2人好きです。大好きです! 良いねボタンあったら連打するくらい好きです! 離れた時間があったからこその、再会出来たことの切なさと喜び。続きを知ってますが、再び読めるのが嬉しくて楽しみです。
ありがとうございます♪

2021.11.02 霜月

>佐藤 ちな様

いえいえ!連投お気になさらず!!
いつもいつも有り難いなと思いつつ、読ませていただいておりますよ!(o´艸`)💕💕💕

この『if..』の続きに関しましては、もうしばらくお待ちいただいて宜しいでしょうか。
本編も含めてですが、レナは最初戻らない予定で書いていた上、続きの部分も見切り発車な部分が多く、3キャラルート展開に合わせて設定練り直している部分があります。
あ、もちろん、レナとシリルの雰囲気をイジったりはしません。

ということで(?)、頭の中ではもう既に3キャラルート完結しているのですが、皆様への公開は今しばらく、今しばらくお待ちいただけると助かります!!
本当、遅筆ですみません!!

解除
月影
2021.10.29 月影

ああ、この作品がまた読めるだなんて何のご褒美‼️

ifのシリルさんに悶えながらも、シリルさんだけ?とちと残念に思ったものでした

今回は他の方々のあと押しで読めそうな予感
私はレオ推しで行かせてもらいます
王子との関係を知りながらレナを手に入れたら騎士団団長様、どうするのかしら(* ̄∇ ̄*)

よろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ

2021.11.02 霜月

>影様

お返事が遅くなりまして、すみません💦💦
感想ありがとうございますー😊

ご褒美だなんて、とんでもない!
皆様からの感想こそが、ご褒美というものでございますよ✨✨

うふふふふ。
皆様からのお声にお応えして、遅延遅延して申し訳ないのですが、シリルさん、レオ様、ライアン君ともにストーリー展開していきますー🙌

レオ様、どうなるんでしょうねー。うふふ。
皆さんの推し話、めちゃくちゃ楽しいので、早く書き上げられるよう頑張りますよー!!!

解除

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