おはよう

あやさわえりこ

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 窓から差し込む太陽が眩しい。高い位置から差し込んでくる。太陽に起こされるように、私は眠い目をこすった。涙のせいで喉が渇いている。帰ってきてからベッドに突っ伏して泣いて、お風呂にも入っていない気持ち悪さが残ったまま、今日は用事だ。
 スマホを触る。ツイッターのチェック、ラインの通知、そして、毎朝の日課になっていることをやろうとして、ふっと息が止まった。昨日の楽しかったはずの思い出も、昨夜の涼ちゃんが言ってくれた言葉も、呆然とした涼ちゃんの横を走り去った風の冷たさも思い出されて、そこからは記憶がない。
 私は一体なんて酷いことをしてしまったんだ。と、自分を責める自分。
 いやいやしょうがないよ、言えないことの一つや二つ誰にでもあるよ。と、慰める自分。
 言いたかったのに、大切なことなのに、言えなかった。涼ちゃんには言えると思ってた。理解してくれるだろうし、何を言っても私のことは好きでいてくれるだろう。そう信じたい自分と臆病な自分が頭の中にあって。ずっと言うタイミングを逃してしまっていた。言えないことをずっと言えずにいて、急にプロポーズ。何も考えられなくなって、あの場を飛び出したんだ。
 体がだるい。重いしなかなか動こうとしない。化粧も落としてないしお風呂にも入っていない私は、セミの抜け殻にでもなった気分だ。
 今日は休みだが、用事がある。何週間も前から予約を取っていたのだから、今更キャンセルはしたくない。なんとか起きなくっちゃと、ベッドから這い出てカーテンを開けた。
 澄み切った青空だ。雲一つない、晴天。冬の空気は冷たいけれど日差しは暖かい。いつもなら、こんな日は外へ出たくなる。いつもなら。今日は部屋に引きこもっていたい気分だ。
 とりあえず、シャワーでも浴びよう。頭からシャワーを被ったら、何かいい方法が思いつくだろうか。もっと冷静になれるだろうか。
 ……涼ちゃんに何も言わずに立ち去ってしまった罪を清められるだろうか。
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