おはよう

あやさわえりこ

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 熱いお湯のシャワーを頭から被った。しかし、モヤモヤは拭えない。良い考えが浮かんだと思っても、シャワーで流れ落ちていく。
 なんなんだろう。昨日の今頃は、涼ちゃんと一緒でとても幸せだったのに。今はなぜこんなにも寒気がするのか。結局、体が冷えたような気分になって、バスタオルにくるまる。
 涼ちゃんという一番大切な人を傷つけてしまった私は最低人間だ。人としてダメダメだ。
 生きている価値ない。
 はっと気がついた。この思考。この感覚。私は処方された薬を急いで手に取った。コップに水を注いで白い錠剤と一緒に飲み込んだ。
「嫌だよこんなもの。飲みたくない」
 ボソリと、自分で自分に言ってみる。この白い粒は、私の将来を考えた時の邪魔者でしかない。邪魔者なんだ。こんなもの、なければ良いのに。なかったら、昨日涼ちゃんに向かってあんなことせずにプロポーズをすぐに受けたはずなのに。
 時計がカチカチとなっていた。用事の時間は迫ってきている。もう着替えて準備を始めないといけない。亀のようにゆっくりと支度を始める。
 昨日は時間をかけて服を選んだ。今日は手に触れた適当な服を選ぶ。昨日は頑張って化粧もしてアクセサリーも似合うのをつけた。今日はノーメイクで外にでる。マスクしていればいっか。鏡の前に立って、昨日と今日、本当に同一人物かって疑問に思うほどだろう。白雪姫の物語に出てくる鏡の声も、さぞかし困るだろうに。まあいいやと自分と鏡に嘘をついて、家を出た。歩いて駅へと向かう。
 とぼとぼと。前を歩くおばあさんよりも私はゆっくりだ。これでは予約の時間に間に合わなくなってしまう。予約……ため息が漏れた。私は今から通院している病院に向かう。前回からの状態を聞き、薬を処方される。昨日のことも、主治医の先生に言わなくっちゃ。
「将来を諦めないきゃいけないのかな?」
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