最凶のダンジョンで宿屋経営

藤雪たすく

文字の大きさ
57 / 106

煩悩ドラゴンの話

しおりを挟む
「我が護衛を……か?」

爺さんにダメ元でジークをダンジョンの外まで送ってもらえないかお願いしてみたが……。

「むっ!!無理です!!無理ですって!!ドラゴン族のしかも竜人じゃないですか!!俺、殺されてしまいますよ!!」

涙目なジークは足をガクブルさせながら俺の手を掴んでいる。
だから、痛いって!!力を加減しようよ!?

「人間……我は無駄な殺生はせぬぞ?下等な魔物と一緒にするでない……まぁ、無駄でなければ殺すがな?」

爺さんに睨まれ、ジークは震え上がり俺の手を掴む手にさらに力を込めてくる。骨が砕けるって!!爺さんも刺激しないでって言ったのに。

「だ……大丈夫。じ……キリュウはそんな事しないって……」

俺から見た爺さんは食欲と性欲だけの残念ドラゴンだ。貞操の補償は出来ないが命の危険はないはず。

「ほっほっ……カラスマ殿にそんなに信用されていようとは……引き受けても良いよ」

「本当?やった「ただし……」

これで厄介払いが出来ると諸手をあげて喜ぼうとした俺を爺さんの言葉が遮った。

俺の手を掴むジークの手を離させて、爺さんは指の後が残る俺の手を見ながらなにかを考えている。

……良からぬ気配しかしない。

「この人間はレベルの割に自分の強さを知らぬ様だのぅ……これでは知らず知らず我が殺られてしまうわなぁ……力の操作を覚えさせなければならん……カラスマ殿も協力してくれるか?」

確かに……俺も何度、絞め殺されるかと思った事か…….。

「わかったよ、俺も手伝う」

それで厄介払いが出来るなら……。

爺さんは俺の頭を撫でながら、ヒュウガに顔を向けた。

「人狼の。カラスマ殿の了承は得たぞ?邪魔するでないよ?」

ヒュウガは肩を竦めながら、ヤレヤレと溜め息をついた。

???

…………なるほど、なるほど。
こういうことか。


まずは怯えるジークには爺さんに馴れてもらわねば……爺さんが親交を深めるなら風呂だろうと言い出したので、皆で温泉に入った。裸の付き合いとやらか。

………………。
爺さんには用心しなきゃと思ってはいたんだよ……本当に。

体を洗い終わり、湯船に浸かろうとしたその直後、爺さんが背後から俺の体を膝の上に抱えあげた。

「なっ、何!?」

「その人間の力の使い方の習練につきおうてくれる約束よ?……人間……名はなんと言う?」

「ん……やめ……」

背後から爺さんに乳首を弄られてビクビクと体が反応する。

「ジ……ジークフリートです」

そんな俺を唖然とした顔で見ながらジークは素直に爺さんに名を答える……が、ゴクリとジークの喉が鳴るのを聞いた。

まさしく裸の付き合いになりそうな予感に……がくりと俺は項垂れた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない

Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。 かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。 後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。 群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って…… 冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。 表紙は友人絵師kouma.作です♪

悪役令嬢の兄、閨の講義をする。

猫宮乾
BL
 ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます

オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。 魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

処理中です...