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誘う匂いの話
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知っている顔につい安心してしまった。
そして打算を始めた。
クラウスなら今さらだし、ヨハンとジョセフは付き合ってるから相手はしなくて良い。
後の3人は適当にお泊まりしてもらってお帰り頂ければ、一人の相手で済む!!よし!!
「クラウス、久しぶり。ゆっくりしていって?食べたい物があったらリクエストしてくれたら何でも作るからね」
まず掴むのは胃袋だな!!
「あ……主!!こんなに可愛くなられて!!主をここまで可愛くしたのがあの魔物かと思うと悔しいが、こうして主に再び触れることが叶うのだ、今はその幸せだけで十分と思わねば!!」
ギュ~ギュ~締め付けてくる。
相変わらず暑苦しいな……自分でも分かるくらい笑顔が引き攣ったが……我慢我慢。
「この間は命を助けていただいたのに、ちゃんと礼も言えないままで、すんません。うちのリーダー暑苦しいでしょう……?主さんの事が忘れられないらしくもう毎晩あのお面見ながら抜いてんすよ。いい加減薄気味悪いんで、暫く持つように今日は相手してやって下さい」
「ヨッ!!……ヨハン!!余計なことを言うな!!」
本当に余計な情報だよ。あんな面を見ながら抜けるって達人だな……流石に引くわ。
「そんな目で見ないで下さい……別にあの面に興奮しているわけでは……」
「ん……大丈夫。個人の趣味には、とやかく言わない主義だから」
俺は暖かい目で笑ってあげた。
「まぁ……取り敢えず風呂にでも入ってのんびりして行きなよ。服も防具も洗えるし……ご飯食べたい物があれば今聞いとく」
「何でも良いんですか?なら俺はこの間、頂いた物を……」
粥で良いのか?安い男だな。
「あ、俺達も良いっすか?コイツすげぇ甘党で……でも中々甘いものなんてダンジョンだと厳しくて……」
こいつ……と前に押されたのはジョセフ。
こいつら本当に付き合ってるんだな。
そう言う目で見るからか……甘々して見える。
自販機で買うとお金が掛かるので自分で作るようにしてたからメニューは増えたが、あの自販機にも甘いものはヨーグルトぐらいしかないし……あっても良いかも。
「了解、楽しみにしててね」
ジョセフに笑いかけると、ジョセフは真っ赤になって頭を下げた。男で冒険者で甘党ってのは結構恥ずかしい物だろうか。
「じゃあ、それまでに風呂だな。洗濯機の使い方も教えるから……」
クラウスの手を引き浴場へ向かおうとして、俺達の会話を呆然と聞いていた冒険者達が視界に入った。
……忘れてた。
「あ……皆さんもお風呂へどうぞ……クラウス、お風呂の使い方とか教えてやって貰っても良いかな?」
クラウスは、お任せください!!と息巻いて、他の冒険者を案内しだした。
「あの人、頼られるの好きなんす。主さんに頼られて舞い上がっちゃってますね~」
「へぇ~……俺は助かるから良いけど……」
ヨハンとジョセフに洗濯機の使い方だけ説明して後はお任せした。
「クラウスくらいヒュウガが接客してくれたら良いのに……」
「さっさと終わらせて、さっさと帰って欲しいと思ってるし無理。何なら来てほしくない」
ヒュウガはブスッとしている。
俺も出来ればそうだわ。
ケーキ作りはハードル高そうなのでパンケーキのレシピを探す。
小麦粉、ベーキングパウダー、卵、ミルク、砂糖を混ぜて生地を作り、フライパンで焼いていく。
生クリームを泡立てて……は、力の有り余ってるヒュウガにお願いして盛り付け用のフルーツをカットしておく。
焼けたパンケーキにたっぷりの生クリームとメープルシロップをかけてフルーツを乗せていく。ジュエルベリー等のフルーツを盛り付けると宝石みたいに輝いていて美味しそうだ。
「ヒュウガ、あ~ん」
ヒュウガの口に一口いれてやる。
「……甘すぎ」
ヨーグルトを美味しそうに食べてたから好きなのかと思ったけど、ヒュウガは甘すぎるのはそんなに得意では無いようだ。
「カラスマも口開けて……」
ヒュウガに差し出されて口を開けるが一口サイズがデカい。
「うん、甘いね」
俺にも少し甘すぎるが甘党の人にはこれくらいか?
「カラスマ、クリームついてる……」
ヒュウガに口の端を舐められて、そのまま口の中まで舐められる。
「ん……んん……ん」
「カラスマの口の中も甘い……蕩けたやらしい顔……」
ぺろっと唇を舐めて離れて行った。
……もっとヒュウガにキスしていて欲しいと感じている。
ヒュウガの服を引っ張るがクスクスと笑われた。
「どうやって誘おうかオロオロしてるカラスマも見てて楽しいから良いけど、別に気負わなくても普通にしてれば向こうからやって来ると思うぞ。カラスマの匂いに釣られてやって来た奴らなんだから……こんなにカラスマは可愛いしな」
「え!?俺なんか匂ってる!?お風呂ちゃんと入ってるよ?」
「うん、雄を誘うフェロモンがスゴい……ダンジョン内にいても感じるくらい……夜、アストラウスとやってる時とかスゴい匂ってくる」
首筋に軽く犬歯をあてられる。
ダンジョン内にまでって……人騒がせな異臭騒ぎだな。
ヒュウガとそんなやり取りをしていると、食堂の方が騒がしくなってきた。
そして打算を始めた。
クラウスなら今さらだし、ヨハンとジョセフは付き合ってるから相手はしなくて良い。
後の3人は適当にお泊まりしてもらってお帰り頂ければ、一人の相手で済む!!よし!!
「クラウス、久しぶり。ゆっくりしていって?食べたい物があったらリクエストしてくれたら何でも作るからね」
まず掴むのは胃袋だな!!
「あ……主!!こんなに可愛くなられて!!主をここまで可愛くしたのがあの魔物かと思うと悔しいが、こうして主に再び触れることが叶うのだ、今はその幸せだけで十分と思わねば!!」
ギュ~ギュ~締め付けてくる。
相変わらず暑苦しいな……自分でも分かるくらい笑顔が引き攣ったが……我慢我慢。
「この間は命を助けていただいたのに、ちゃんと礼も言えないままで、すんません。うちのリーダー暑苦しいでしょう……?主さんの事が忘れられないらしくもう毎晩あのお面見ながら抜いてんすよ。いい加減薄気味悪いんで、暫く持つように今日は相手してやって下さい」
「ヨッ!!……ヨハン!!余計なことを言うな!!」
本当に余計な情報だよ。あんな面を見ながら抜けるって達人だな……流石に引くわ。
「そんな目で見ないで下さい……別にあの面に興奮しているわけでは……」
「ん……大丈夫。個人の趣味には、とやかく言わない主義だから」
俺は暖かい目で笑ってあげた。
「まぁ……取り敢えず風呂にでも入ってのんびりして行きなよ。服も防具も洗えるし……ご飯食べたい物があれば今聞いとく」
「何でも良いんですか?なら俺はこの間、頂いた物を……」
粥で良いのか?安い男だな。
「あ、俺達も良いっすか?コイツすげぇ甘党で……でも中々甘いものなんてダンジョンだと厳しくて……」
こいつ……と前に押されたのはジョセフ。
こいつら本当に付き合ってるんだな。
そう言う目で見るからか……甘々して見える。
自販機で買うとお金が掛かるので自分で作るようにしてたからメニューは増えたが、あの自販機にも甘いものはヨーグルトぐらいしかないし……あっても良いかも。
「了解、楽しみにしててね」
ジョセフに笑いかけると、ジョセフは真っ赤になって頭を下げた。男で冒険者で甘党ってのは結構恥ずかしい物だろうか。
「じゃあ、それまでに風呂だな。洗濯機の使い方も教えるから……」
クラウスの手を引き浴場へ向かおうとして、俺達の会話を呆然と聞いていた冒険者達が視界に入った。
……忘れてた。
「あ……皆さんもお風呂へどうぞ……クラウス、お風呂の使い方とか教えてやって貰っても良いかな?」
クラウスは、お任せください!!と息巻いて、他の冒険者を案内しだした。
「あの人、頼られるの好きなんす。主さんに頼られて舞い上がっちゃってますね~」
「へぇ~……俺は助かるから良いけど……」
ヨハンとジョセフに洗濯機の使い方だけ説明して後はお任せした。
「クラウスくらいヒュウガが接客してくれたら良いのに……」
「さっさと終わらせて、さっさと帰って欲しいと思ってるし無理。何なら来てほしくない」
ヒュウガはブスッとしている。
俺も出来ればそうだわ。
ケーキ作りはハードル高そうなのでパンケーキのレシピを探す。
小麦粉、ベーキングパウダー、卵、ミルク、砂糖を混ぜて生地を作り、フライパンで焼いていく。
生クリームを泡立てて……は、力の有り余ってるヒュウガにお願いして盛り付け用のフルーツをカットしておく。
焼けたパンケーキにたっぷりの生クリームとメープルシロップをかけてフルーツを乗せていく。ジュエルベリー等のフルーツを盛り付けると宝石みたいに輝いていて美味しそうだ。
「ヒュウガ、あ~ん」
ヒュウガの口に一口いれてやる。
「……甘すぎ」
ヨーグルトを美味しそうに食べてたから好きなのかと思ったけど、ヒュウガは甘すぎるのはそんなに得意では無いようだ。
「カラスマも口開けて……」
ヒュウガに差し出されて口を開けるが一口サイズがデカい。
「うん、甘いね」
俺にも少し甘すぎるが甘党の人にはこれくらいか?
「カラスマ、クリームついてる……」
ヒュウガに口の端を舐められて、そのまま口の中まで舐められる。
「ん……んん……ん」
「カラスマの口の中も甘い……蕩けたやらしい顔……」
ぺろっと唇を舐めて離れて行った。
……もっとヒュウガにキスしていて欲しいと感じている。
ヒュウガの服を引っ張るがクスクスと笑われた。
「どうやって誘おうかオロオロしてるカラスマも見てて楽しいから良いけど、別に気負わなくても普通にしてれば向こうからやって来ると思うぞ。カラスマの匂いに釣られてやって来た奴らなんだから……こんなにカラスマは可愛いしな」
「え!?俺なんか匂ってる!?お風呂ちゃんと入ってるよ?」
「うん、雄を誘うフェロモンがスゴい……ダンジョン内にいても感じるくらい……夜、アストラウスとやってる時とかスゴい匂ってくる」
首筋に軽く犬歯をあてられる。
ダンジョン内にまでって……人騒がせな異臭騒ぎだな。
ヒュウガとそんなやり取りをしていると、食堂の方が騒がしくなってきた。
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