溺愛BL童話【短編集】

藤雪たすく

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赤ずきんはオオカミさんに食べられたい

第2話

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大神さんの優しいキスを受けながら……シャツの隙間から入ってきた手にドキリとする。

大きな手のひらが優しく僕の肌を撫でていく、柔らかさも無い平坦な体だけど、呆れられないだろうか。

「つっ!!」

殴られて痣になっていた場所に触れられて思わず痛みに声が出る。

「?痛かったか?強くは触ってないつもりだけど?」

捲られた裾から何かに気になったのか、大神さんはシャツのボタンを開けていく。

「大神さん……?」

僕のシャツを全開にして口を真一文字に結んだまま止まっている。

痣だらけのこの体に萎えた?

大神さんに触られるのは気持ち良い。
もっと触って欲しいけど、そんな気も無くなってしまっただろうか?

「皐月……もう奴らのとこには行くな……俺のもんになれ、大事にしてやる」

ギュ~と強く抱きしめられた。

奴らのとことは何処だろうか?
友達の事?
友達は一人だけど……。

だけど……大神さんの物に……なんて夢の様な言葉だろうか。

大神さんがポケットからチューブを取り出し、そのヌルヌルしたものを僕のお尻に塗った。

これは……ローション?

初めて塗られたが、ヌルヌルゾワゾワする。

ローションの滑りと共に、俺の穴に指が差し込まれた。
チュプッと音をたてながら指を根元まで入れられて、中をグリグリと掻き回される。

「ひあぁ……あ……あう……うぅ……」

にゅるにゅると指が出入りしている。

「そんな可愛い表情も出来るんだな……」

大神さんの膝の上。
横抱きされて、俺のモノがゆるゆると立ち上がって来るのが俺にも、大神さんにも見られている。

「後ろだけで感じるなんていやらしい体……妬ける」

大神さんの指がクイッと曲げられて、コリッと何かを刺激された瞬間、全身に痺れるような感覚が襲う。

「はあぁぁっ!!はぅ……あ、あ……あぁ……」

執拗に同じ箇所を攻められた。

「可愛い声……そんなに気持ち良いのか?」

気持ち良い……この痺れるような感じが気持ち良いって事か……。

大神さんは小さな箱から何かを取り出し、包装を歯で破った……。

「汚れると面倒だろ?」

「うん」と頷く。
面倒くさいと思われたくない。

大神さんは取り出した物を俺のモノに被せる。これがコンドームか、本物は初めて見た……。

「くそ……キツいな……」

大神さんは文句を良いながら自分のモノにも装着する。

僕……大神さんとセックスするのかな?

ん?そういえば……友達は僕にこんなものを運ばせてどうするつもりだったんだろう?

「皐月……」

促されて、向き合う様に座った。

大神さんが僕のお尻の肉を割り開いて、自身のモノへ俺の体を導いていく……。

「motherの事は俺が何とでもしてやる……考えずに力を抜け……」

マザーって何だろう?

……いいや。
考えるなって言われたんだった。

ーーーーーー

「………」

怒濤……。

痛かった、苦しかった、死ぬかと思った。
……でも……すごく優しかった。
いつもみたいに殴られて痛いだけの暴力じゃなかった……。こんなに優しくされたのは初めてで……ますます惚れてしまいそう。


この行為はセックスだったよね?
セックスするって事は、僕は大神さんの恋人になれるのか?

いやいや……思い上がっちゃいけない。

愛はなくても出来る。
僕はサンドバックから性欲処理になるのだろう……。

寂しいけど、僕なんかで……役に立てるなら。

ぼんやりと今、自分と体を繋げた相手を見ると笑顔で頭を撫でられた。

「大丈夫か?そんなに激しくしたつもりは無いんだけど……」

そんな顔で心配されると……勘違いしそう。

「初めてだったもので……どうしていいかわからず……次はもっと満足して頂ける様に頑張ります」

ポカンと開いた口。
見開かれた瞳。

そんな顔すら格好いい。

「……はぁっ!?てめぇ今何つった!?」

いきなり大声を出されて思わず身がすくむ。やはり不慣れな体では満足させられなかっただろうか。

「あの……初めてで……ストレス発散にもなれず、すみません……」

肩を強く掴まれて……痛いし顔が怖い。

「はっ!?初めてってお前motherの供物じゃないのか!?」

「??マザーってなんですか?供物って?」

聞いたことのあるような無いような単語に首を傾げる。

「マジかよ……先に言えよっ!!大人しく抱かれるから慣れてんだと……いや……でも確かにキツかったし……あぁっ!!わかってたら、こんなところで抱くんじゃなかったっ!!」

が~ん……抱くんじゃなかったって……後悔されてしまった。もう性欲処理にも使ってもらえないかもしれない……。

真剣な瞳が、懇願するように俺を射ぬいた。

「今日の事は忘れてくれ……やり直しだ」

一夜?の過ちだったみたい……。

忘れてくれと言われてしまっては、忘れるしかあるまい。

送っていくと言われたが、大丈夫と断った。これ以上優しくされても虚しいだけだ……。

初恋は霧雨のように静かに僕の体に染み込んで、嵐のように激しい爪跡を残して去っていった。
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