5 / 7
迷子の子犬?
拾いました。 2
しおりを挟む
「ちゃんと肩まで浸かれよ」
そういって再び脱衣所に押し込むと、今度は閉じた扉の前に陣取る。
しばらくすると、パタン、と風呂場の扉が開く音がしたので脱衣所に入る。
きれいに畳まれている濡れた衣服を見つけると、迷うことなくそれを洗濯機に放り込みスイッチを押す。
新しいバスタオルと、先ほど用意していたスエットをその場において、とりあえずは脱衣所を出た。
「天、見張り頼むな」
わん、と一言返事をする愛犬の頭を一撫でしてからキッチンに戻る。
先ほど作りかけていた雑炊にもう一度火を通してから卵を落とし、ダイニングに用意と思ったが少し考えてからリビングの低いテーブルの上に用意した。
ふかふかのラグの上に、普段はソファの上に置いてある大きめのクッションを置いて、よし、と確認してから脱衣所の前に戻った。
ほどなくして脱衣所からは十分に温まったのか顔をピンクに染めた子が出てきた。
「ちゃんと温まったか?」
コクン、とうなづく。
「腹減ってる?」
これまた、コクン。
「じゃ、飯食うか」
そういってリビングの方に促すと、抵抗する様子もなくゆっくりと歩き出した。
ペタペタ、と裸足で歩く音がする。
しまった、スリッパ忘れた・・・・。
「まずこれな」
リビングに置いたクッションの上に座らせると、後ろからついてきていた天がすぐにその横に陣取り、顎をその子の膝に乗せる。
用意してあった温めの飲みものを手渡すと、飲み物と俺の顔を何度か視線を行き来させたあと、口をつけた。
のどが渇いていたのか、大きめのカップに入れてあったのに一気に飲み干した。
「もう1杯飲むか?」
フルフルと、今度は横に首を振る。
なんというか、先ほどから口を利かないからなのか、印象がさっきよりずっと幼い。
まだ濡れている頭をなでると、テーブルに用意していた土鍋の蓋を開ける。
部屋の中をふわりと出汁と卵の優しい香りが広がる。
・・・・・くぅ・・・・・。
と、同時に、目の前の子の腹から小さな音が聞こえた。
かぁ、と先ほどとは違う熱で頬を染めたその子に思わず微笑むと、横に置いていた茶碗に中身をよそってやる。
「熱いから気を付けてな」
もう一度、今度は茶碗と俺の顔を何度も視線を行き来させてから、ゆっくりと食事を始めた。
その様子を確認してから、一度リビングを離れてドライヤーを取りに行く。
せっかく温まったのに髪が濡れていては湯冷めしてしまう。
食事の邪魔をしないように彼女の後ろに回ると髪を乾かし始める。
ポタリ、ポタリと流れるものから目をそらし、背中に流れる綺麗な髪を乾かし続けた。
そういって再び脱衣所に押し込むと、今度は閉じた扉の前に陣取る。
しばらくすると、パタン、と風呂場の扉が開く音がしたので脱衣所に入る。
きれいに畳まれている濡れた衣服を見つけると、迷うことなくそれを洗濯機に放り込みスイッチを押す。
新しいバスタオルと、先ほど用意していたスエットをその場において、とりあえずは脱衣所を出た。
「天、見張り頼むな」
わん、と一言返事をする愛犬の頭を一撫でしてからキッチンに戻る。
先ほど作りかけていた雑炊にもう一度火を通してから卵を落とし、ダイニングに用意と思ったが少し考えてからリビングの低いテーブルの上に用意した。
ふかふかのラグの上に、普段はソファの上に置いてある大きめのクッションを置いて、よし、と確認してから脱衣所の前に戻った。
ほどなくして脱衣所からは十分に温まったのか顔をピンクに染めた子が出てきた。
「ちゃんと温まったか?」
コクン、とうなづく。
「腹減ってる?」
これまた、コクン。
「じゃ、飯食うか」
そういってリビングの方に促すと、抵抗する様子もなくゆっくりと歩き出した。
ペタペタ、と裸足で歩く音がする。
しまった、スリッパ忘れた・・・・。
「まずこれな」
リビングに置いたクッションの上に座らせると、後ろからついてきていた天がすぐにその横に陣取り、顎をその子の膝に乗せる。
用意してあった温めの飲みものを手渡すと、飲み物と俺の顔を何度か視線を行き来させたあと、口をつけた。
のどが渇いていたのか、大きめのカップに入れてあったのに一気に飲み干した。
「もう1杯飲むか?」
フルフルと、今度は横に首を振る。
なんというか、先ほどから口を利かないからなのか、印象がさっきよりずっと幼い。
まだ濡れている頭をなでると、テーブルに用意していた土鍋の蓋を開ける。
部屋の中をふわりと出汁と卵の優しい香りが広がる。
・・・・・くぅ・・・・・。
と、同時に、目の前の子の腹から小さな音が聞こえた。
かぁ、と先ほどとは違う熱で頬を染めたその子に思わず微笑むと、横に置いていた茶碗に中身をよそってやる。
「熱いから気を付けてな」
もう一度、今度は茶碗と俺の顔を何度も視線を行き来させてから、ゆっくりと食事を始めた。
その様子を確認してから、一度リビングを離れてドライヤーを取りに行く。
せっかく温まったのに髪が濡れていては湯冷めしてしまう。
食事の邪魔をしないように彼女の後ろに回ると髪を乾かし始める。
ポタリ、ポタリと流れるものから目をそらし、背中に流れる綺麗な髪を乾かし続けた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる