拾われた子犬は無償の愛に戸惑う

reina

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迷子の子犬?

拾いました。 2

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「ちゃんと肩まで浸かれよ」

そういって再び脱衣所に押し込むと、今度は閉じた扉の前に陣取る。
しばらくすると、パタン、と風呂場の扉が開く音がしたので脱衣所に入る。
きれいに畳まれている濡れた衣服を見つけると、迷うことなくそれを洗濯機に放り込みスイッチを押す。
新しいバスタオルと、先ほど用意していたスエットをその場において、とりあえずは脱衣所を出た。

「天、見張り頼むな」

わん、と一言返事をする愛犬の頭を一撫でしてからキッチンに戻る。
先ほど作りかけていた雑炊にもう一度火を通してから卵を落とし、ダイニングに用意と思ったが少し考えてからリビングの低いテーブルの上に用意した。

ふかふかのラグの上に、普段はソファの上に置いてある大きめのクッションを置いて、よし、と確認してから脱衣所の前に戻った。

ほどなくして脱衣所からは十分に温まったのか顔をピンクに染めた子が出てきた。

「ちゃんと温まったか?」

コクン、とうなづく。

「腹減ってる?」

これまた、コクン。

「じゃ、飯食うか」

そういってリビングの方に促すと、抵抗する様子もなくゆっくりと歩き出した。

ペタペタ、と裸足で歩く音がする。

しまった、スリッパ忘れた・・・・。








「まずこれな」

リビングに置いたクッションの上に座らせると、後ろからついてきていた天がすぐにその横に陣取り、顎をその子の膝に乗せる。
用意してあった温めの飲みものを手渡すと、飲み物と俺の顔を何度か視線を行き来させたあと、口をつけた。
のどが渇いていたのか、大きめのカップに入れてあったのに一気に飲み干した。

「もう1杯飲むか?」

フルフルと、今度は横に首を振る。
なんというか、先ほどから口を利かないからなのか、印象がさっきよりずっと幼い。
まだ濡れている頭をなでると、テーブルに用意していた土鍋の蓋を開ける。
部屋の中をふわりと出汁と卵の優しい香りが広がる。


・・・・・くぅ・・・・・。


と、同時に、目の前の子の腹から小さな音が聞こえた。
かぁ、と先ほどとは違う熱で頬を染めたその子に思わず微笑むと、横に置いていた茶碗に中身をよそってやる。

「熱いから気を付けてな」

もう一度、今度は茶碗と俺の顔を何度も視線を行き来させてから、ゆっくりと食事を始めた。
その様子を確認してから、一度リビングを離れてドライヤーを取りに行く。
せっかく温まったのに髪が濡れていては湯冷めしてしまう。

食事の邪魔をしないように彼女の後ろに回ると髪を乾かし始める。





ポタリ、ポタリと流れるものから目をそらし、背中に流れる綺麗な髪を乾かし続けた。





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