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迷子の子犬?
拾いました。 3
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「さて」
食事も終わり、とりあえず向き合ってみましたが。
「俺は呉羽海翔(くれはかいと)。君の名前は?」
「…愛莉」
「愛莉ちゃんか。高校生?」
「1年」
想像した通りの年齢だったわけなんですが。
さて、これからどうしたものかと思っていたら、彼女…愛莉が唯一持っていた小さな鞄を探りだした。
「これ…」
封筒だった。
差し出すので受け取って中身をみると、そこには高校1年の少女が持っているのには相応しくない金額が入っていた。
「どうしたの、これ」
不思議と自分の声が低くなるのが分かる。それによって彼女が怯えているのも気配でわかってはいるが、出所をはっきりさせないといけない。
「こんな大金、どうしたの?」
「…あの人が、置いてくの」
「あの人?」
「母親」
さっき知らないって言ってた母親か。
普通の母親がこんな大金子供に持たせるわけがない。
これはもしかしなくても…
「それ、あげる」
「は?」
「それ、あげるから、ここにいちゃ、だめ?」
手元には少なくない、はっきり言って最高額紙幣が10枚以上ある。
「これは受け取れないよ」
そういって彼女の手を取りその手に返すと、しゅん、と表情が曇る。
「でも、ここにいたいなら居てもいいよ?」
驚いた顔をする彼女に、にっこり笑う。
「俺は独り暮らしだし。ちがうか、天と二人暮らしだから、かわいい同居人は歓迎するよ。なにより、今君を帰したら、俺が天に追い出されそうだ」
先ほどから彼女の横に張り付いて離れない愛犬は、それが当たり前かのようにワン、と鳴く。
「ホントに、いいの」
「ああ」
「私、なにも話せてないよ?」
「愛莉が話をしたいなと思ったときに話してくれればいいよ。それとも、今話を聞く?」
尋ねると、しばらく考えるように視線を落とにあるすが、結局首を横に振る。
なだめるように目の前にある頭をくりくりと撫でると、ポン、と膝を打つ。
「じゃあ、客間は明日掃除するとして、今日は俺の寝室で我慢してね」
「え、でも、・・・えっと」
「海翔でいいよ」
「海翔、さんはどこで寝るの?」
「ん?ここのソファかな?大丈夫、いつもうたたねしてるから慣れてるしね。ほら、もう日付変わったし、そろそろ寝るよ」
気にする雰囲気の愛莉に何でもない、というとそのまま手を引いて立たせる。
その軽い衝撃に眉を潜ませつつ、それと気づかれないように寝室に案内した。
寝るための部屋だから余計なものは置いてないが念のため室内をぐるっと見回す。
うん、大丈夫だろう。
「ほら、ベット入って。布団は肩までね」
戸惑う様子の彼女をベットに入れ、そのままポンポンと布団をたたく。
「詳しいことは明日にしよう。おやすみ」
「・・・おやすみなさい」
目を閉じた彼女の頭をもう一度ゆっくりと撫でて、そのまま部屋を出た。
食事も終わり、とりあえず向き合ってみましたが。
「俺は呉羽海翔(くれはかいと)。君の名前は?」
「…愛莉」
「愛莉ちゃんか。高校生?」
「1年」
想像した通りの年齢だったわけなんですが。
さて、これからどうしたものかと思っていたら、彼女…愛莉が唯一持っていた小さな鞄を探りだした。
「これ…」
封筒だった。
差し出すので受け取って中身をみると、そこには高校1年の少女が持っているのには相応しくない金額が入っていた。
「どうしたの、これ」
不思議と自分の声が低くなるのが分かる。それによって彼女が怯えているのも気配でわかってはいるが、出所をはっきりさせないといけない。
「こんな大金、どうしたの?」
「…あの人が、置いてくの」
「あの人?」
「母親」
さっき知らないって言ってた母親か。
普通の母親がこんな大金子供に持たせるわけがない。
これはもしかしなくても…
「それ、あげる」
「は?」
「それ、あげるから、ここにいちゃ、だめ?」
手元には少なくない、はっきり言って最高額紙幣が10枚以上ある。
「これは受け取れないよ」
そういって彼女の手を取りその手に返すと、しゅん、と表情が曇る。
「でも、ここにいたいなら居てもいいよ?」
驚いた顔をする彼女に、にっこり笑う。
「俺は独り暮らしだし。ちがうか、天と二人暮らしだから、かわいい同居人は歓迎するよ。なにより、今君を帰したら、俺が天に追い出されそうだ」
先ほどから彼女の横に張り付いて離れない愛犬は、それが当たり前かのようにワン、と鳴く。
「ホントに、いいの」
「ああ」
「私、なにも話せてないよ?」
「愛莉が話をしたいなと思ったときに話してくれればいいよ。それとも、今話を聞く?」
尋ねると、しばらく考えるように視線を落とにあるすが、結局首を横に振る。
なだめるように目の前にある頭をくりくりと撫でると、ポン、と膝を打つ。
「じゃあ、客間は明日掃除するとして、今日は俺の寝室で我慢してね」
「え、でも、・・・えっと」
「海翔でいいよ」
「海翔、さんはどこで寝るの?」
「ん?ここのソファかな?大丈夫、いつもうたたねしてるから慣れてるしね。ほら、もう日付変わったし、そろそろ寝るよ」
気にする雰囲気の愛莉に何でもない、というとそのまま手を引いて立たせる。
その軽い衝撃に眉を潜ませつつ、それと気づかれないように寝室に案内した。
寝るための部屋だから余計なものは置いてないが念のため室内をぐるっと見回す。
うん、大丈夫だろう。
「ほら、ベット入って。布団は肩までね」
戸惑う様子の彼女をベットに入れ、そのままポンポンと布団をたたく。
「詳しいことは明日にしよう。おやすみ」
「・・・おやすみなさい」
目を閉じた彼女の頭をもう一度ゆっくりと撫でて、そのまま部屋を出た。
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