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第二話
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何をしゃべるのも怖くて、身振り手振りで必死にいいたいことを伝えた。
晩御飯は? とか、お風呂は? とか、何がしたいとか。彼がしゃべった言葉は大丈夫だと、聞くことにもものすごく神経を使った。
晩御飯に食べれそうなものは母が持って来てくれたおかずやインスタントのものくらいしかなかった。
彼が亡くなってからきちんと料理をする気が起きず、冷蔵庫はいつもほとんど空っぽだ。母が作り過ぎたと持って来てくれるおかずと、うどんやチャーハンで今私はできている。
最後くらい彼の好物が作りたかったが、二人とも買い物に行く時間を惜しみ、家にあるものと卵が残っていたのでせめてと卵焼きを作った。
それを彼は美味しい美味しいと笑顔で食べた。
「最後に菜乃葉の手料理が食べれて嬉しい。菜乃葉の手料理が一番好きなものだよ」
そういう彼に生前最後に出した手料理はなんだっただろうか? 頭を巡らせても思い出せず、ただあの頃手抜き料理ばかり作っていたことに後悔してもしきれない。
いつまでも、彼が私の作った料理を食べてくれるつもりでいた。手の込んだ料理はたまにでもいいだろうと思っていた。いつまでもなんてなかった。
ご飯を食べてから一緒にお風呂に入った。互いの体を洗い合って、のんびりと湯に浸かった。
お風呂から出ると彼は自分の部屋に行き、これは処分これはこの人に送ってと色々と指示を出すので、メモをとったり覚えるので大変だった。
収納スペースの奥にしまっていたものも全部出して、埃にまみれて、先にこっちを片づけるべきだったな、埃まみれで布団に行きたくないなと、もう一度シャワーを浴びればいいことをあまりにも真剣に彼がいうので思わず笑ってしまった。
早く終わらせたいと手伝っていた私も埃まみれで、笑いながらもう一回シャワーでも浴びましょうというと、彼もそうだなといいながらつられて笑っていた。
ひとしきり分別が終わると浴室にもう一度向かった。
ざっと体を流して、彼はバスタオルを腰に巻いて、私はバスタオルを胸より上から巻きつけて寝室に向かった。
二人で並んでベッドに腰かける。
「菜乃葉、最後にたくさんしていい?」
いつの間にか深夜を過ぎていて、彼との残り時間も長くない。時間の許す限りたくさんして欲しかった。
頷くと彼は私を押し倒し、覆いかぶさってキスの雨を降らせる。
唇にもおでこにも頬にも、たくさん唇を押し付ける彼。押しつけながら片手は頭を撫でてくれている。
早く彼の体温を直接感じたかった。布一枚ですら邪魔だった。
「菜乃葉……」
彼の手がバスタオルにかかり、端をめくって簡単に素肌があらわになった。
私を抱きしめながらキスをする彼。
彼と触れる肌が熱い。この温もりを感じるのもこれが最後と思えば涙が出そうになったが、本当ならこの最後なんてなかったんだと気づき、しっかり感じて記憶して忘れないでおこう、触れられるところに神経を集中しようと思う。
抱きしめてキスをしながら腰に巻いているタオルを取って、彼はベッドの下に落とした。
彼の首に腕を回し、腰に足を回す。
腰が密着して、大きく熱く硬いものが割れ目に当たる。キスをされながらしっとり潤い始めてしまっている蜜壺は、すぐにでも彼のモノを受け入れる準備は整っていると思うが、いれるのはまだ早い。いれたら最後、その気持ちよさに果てるまでひた走ってしまう気しかしなかった。
彼の唇が乳房に到達する。
舌が伸びて乳首を突く。乳輪をなぞり吸いついた彼はレロレロと舌を乳首に絡みつかせる。
充分に愛撫した後、もう片方の乳首に移動し、さっきまで口にしていた方は指先で転がされ、思わず声が漏れてしまう。
「あっ……んんぅ……」
切なくて体が勝手にくねって、もっともっとして欲しい、彼が欲しいと体が熱くなってくる。
私の輪郭をなぞるように舌が下へと這っていき、黒い茂みを素通りして足先へ移動した彼は、ゆっくりと足の指に私のことを見つめながら舌を這わす。
くすぐったいのと、ここ数年は滅多に舐められることのなかったところを舌が這っていく様を見るのは、それが頻繁にされていた付き合い始めの頃を思い出して異様に興奮した。あの頃彼は全身に丁寧にキスをして愛撫してくれるだけでは飽き足らず、こうして足先まで丹念に舌を這わし私を愛してくれた。その頃の気持ちがよみがえる。
足先の股にまでしっかり舌を這わせ、足の甲、脛、内ももへと舌が這ってきて、足を開けば滴るのではないかと思うくらいに蜜壺は潤いを保っていると思う。
彼の手が優しく足を開き、舌が更に上へ上へと迫ってくる。
「すごくとろとろで、つやつや光っているよ。そんなに気持ちよかった?」
「そんなこといわないで……恥ずかしい……」
割れ目を左右に開いて彼が羞恥心を煽るようなことをいうので、腰を引いて足を閉じようとしてしまったが、すかさず足の付け根に手を回されて、それだけで動けなくなってしまう。
しっかり足を抑えたまま、舌がクリトリスを捉える。舌で突かれて与えられる痺れるような快感と、舌全体で舐め上げられる穏やかな快感で強弱をつけて舐められ、何もいわれなくても蜜が次から次へと溢れ出しているのが分かる。
「あぁっ、はぁっ」
舌が中に入って溢れる液体をジュルルと吸われ、腰が押し付けるように勝手に動く。
「あっ、ああっ、んっ、気持ちいい……」
継続的な快感に呼ばれ、すぐそこに大きな快感が迫ってきていた。
「あぁっ、ダメダメっ、イクッ、イっちゃうから」
慌てて彼の頭を押すと舌がすっと離れた。
晩御飯は? とか、お風呂は? とか、何がしたいとか。彼がしゃべった言葉は大丈夫だと、聞くことにもものすごく神経を使った。
晩御飯に食べれそうなものは母が持って来てくれたおかずやインスタントのものくらいしかなかった。
彼が亡くなってからきちんと料理をする気が起きず、冷蔵庫はいつもほとんど空っぽだ。母が作り過ぎたと持って来てくれるおかずと、うどんやチャーハンで今私はできている。
最後くらい彼の好物が作りたかったが、二人とも買い物に行く時間を惜しみ、家にあるものと卵が残っていたのでせめてと卵焼きを作った。
それを彼は美味しい美味しいと笑顔で食べた。
「最後に菜乃葉の手料理が食べれて嬉しい。菜乃葉の手料理が一番好きなものだよ」
そういう彼に生前最後に出した手料理はなんだっただろうか? 頭を巡らせても思い出せず、ただあの頃手抜き料理ばかり作っていたことに後悔してもしきれない。
いつまでも、彼が私の作った料理を食べてくれるつもりでいた。手の込んだ料理はたまにでもいいだろうと思っていた。いつまでもなんてなかった。
ご飯を食べてから一緒にお風呂に入った。互いの体を洗い合って、のんびりと湯に浸かった。
お風呂から出ると彼は自分の部屋に行き、これは処分これはこの人に送ってと色々と指示を出すので、メモをとったり覚えるので大変だった。
収納スペースの奥にしまっていたものも全部出して、埃にまみれて、先にこっちを片づけるべきだったな、埃まみれで布団に行きたくないなと、もう一度シャワーを浴びればいいことをあまりにも真剣に彼がいうので思わず笑ってしまった。
早く終わらせたいと手伝っていた私も埃まみれで、笑いながらもう一回シャワーでも浴びましょうというと、彼もそうだなといいながらつられて笑っていた。
ひとしきり分別が終わると浴室にもう一度向かった。
ざっと体を流して、彼はバスタオルを腰に巻いて、私はバスタオルを胸より上から巻きつけて寝室に向かった。
二人で並んでベッドに腰かける。
「菜乃葉、最後にたくさんしていい?」
いつの間にか深夜を過ぎていて、彼との残り時間も長くない。時間の許す限りたくさんして欲しかった。
頷くと彼は私を押し倒し、覆いかぶさってキスの雨を降らせる。
唇にもおでこにも頬にも、たくさん唇を押し付ける彼。押しつけながら片手は頭を撫でてくれている。
早く彼の体温を直接感じたかった。布一枚ですら邪魔だった。
「菜乃葉……」
彼の手がバスタオルにかかり、端をめくって簡単に素肌があらわになった。
私を抱きしめながらキスをする彼。
彼と触れる肌が熱い。この温もりを感じるのもこれが最後と思えば涙が出そうになったが、本当ならこの最後なんてなかったんだと気づき、しっかり感じて記憶して忘れないでおこう、触れられるところに神経を集中しようと思う。
抱きしめてキスをしながら腰に巻いているタオルを取って、彼はベッドの下に落とした。
彼の首に腕を回し、腰に足を回す。
腰が密着して、大きく熱く硬いものが割れ目に当たる。キスをされながらしっとり潤い始めてしまっている蜜壺は、すぐにでも彼のモノを受け入れる準備は整っていると思うが、いれるのはまだ早い。いれたら最後、その気持ちよさに果てるまでひた走ってしまう気しかしなかった。
彼の唇が乳房に到達する。
舌が伸びて乳首を突く。乳輪をなぞり吸いついた彼はレロレロと舌を乳首に絡みつかせる。
充分に愛撫した後、もう片方の乳首に移動し、さっきまで口にしていた方は指先で転がされ、思わず声が漏れてしまう。
「あっ……んんぅ……」
切なくて体が勝手にくねって、もっともっとして欲しい、彼が欲しいと体が熱くなってくる。
私の輪郭をなぞるように舌が下へと這っていき、黒い茂みを素通りして足先へ移動した彼は、ゆっくりと足の指に私のことを見つめながら舌を這わす。
くすぐったいのと、ここ数年は滅多に舐められることのなかったところを舌が這っていく様を見るのは、それが頻繁にされていた付き合い始めの頃を思い出して異様に興奮した。あの頃彼は全身に丁寧にキスをして愛撫してくれるだけでは飽き足らず、こうして足先まで丹念に舌を這わし私を愛してくれた。その頃の気持ちがよみがえる。
足先の股にまでしっかり舌を這わせ、足の甲、脛、内ももへと舌が這ってきて、足を開けば滴るのではないかと思うくらいに蜜壺は潤いを保っていると思う。
彼の手が優しく足を開き、舌が更に上へ上へと迫ってくる。
「すごくとろとろで、つやつや光っているよ。そんなに気持ちよかった?」
「そんなこといわないで……恥ずかしい……」
割れ目を左右に開いて彼が羞恥心を煽るようなことをいうので、腰を引いて足を閉じようとしてしまったが、すかさず足の付け根に手を回されて、それだけで動けなくなってしまう。
しっかり足を抑えたまま、舌がクリトリスを捉える。舌で突かれて与えられる痺れるような快感と、舌全体で舐め上げられる穏やかな快感で強弱をつけて舐められ、何もいわれなくても蜜が次から次へと溢れ出しているのが分かる。
「あぁっ、はぁっ」
舌が中に入って溢れる液体をジュルルと吸われ、腰が押し付けるように勝手に動く。
「あっ、ああっ、んっ、気持ちいい……」
継続的な快感に呼ばれ、すぐそこに大きな快感が迫ってきていた。
「あぁっ、ダメダメっ、イクッ、イっちゃうから」
慌てて彼の頭を押すと舌がすっと離れた。
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