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〇74 イケメンという障害物が私を邪魔してくる
しおりを挟む目の前のイケメンたちはどうやら私にかまってほしいらしい。
まず一人目。
「クリスティーゼ姫、ほら。貴方のために美味しいスイーツを取り寄せたんですよ」
ダイエットの邪魔。
次に二人目。
「クリス! カードゲームしようぜ。前に勝ったのは譲ってやっただけなんだからな」
ゲームより、外に出たいのですが。
最後に三人目。
「お姫様、何かしたい事があるなら男の私に言うと良い。男なので多少の事なら、君よりこなせるはずだ」
男性の前でダイエットグッズ取り出せるわけないでしょう。
愛され体質である私は、人生の大半をイケメンたちに囲まれて育ってきた。
異性に囲まれる原因は、初めはお姫様として生まれた境遇が影響してるのかと思ったけど、そうではないようだと気が付いたのはいつ頃だったか。
他の女性がいても真っ先に声をかけられるのは私だし、何か困ってる事があれば必ずどこからともなくイケメンがやってきてさっそうと助けてくれた。
悩みがあるのも筒抜けで、あっという間に見抜かれてしまう。
愛され体質って、色々な人から気にかけてもらえるから便利な所もあるけど、異性に対して発揮すると面倒なことばかりだった。
「皆さんっ。もうっ。分かりましたから私の邪魔をしないでください! スイーツも食べますし、カードゲームもしますし、男性の方にやって欲しい事は他にあります!」
だから、と私は構ってもらえてうれしいとばかりにニヤつく障害物、ではなくイケメンにきっぱりと発言する。
「だから今は私の邪魔をしないでください! レディーのプライバシーに配慮をお願いしますわ!」
今までは状況に流されていたけれど、今日の私は一味違う。
言う時には言う女なのだ。
あっけにとられた彼等を見て、してやったと思うのだが、満足感を得るのはまだ早かったらしい。
「クリスティーゼ姫、分かりました今はお腹がすいていないのですね。ではあなたが空腹になるまで待ちますよ。幸い今日は暇ですし」
「クリス、そんなに興奮して照れんなよ。気持ちの準備が必要なのか。だったらしょうがねぇな。落ち着くまでここにいてやる」
「ふむ、仕方がないなお姫様の言い分ももっともだ。だが私は紳士だ。いないものとして扱ってもらって構わない」
「~~~~っ!」
私の愛され体質が筋金入りなのか、彼等の脳みそが残念過ぎるのか。
このイケメンたちは当分障害物以外になる予定はないようだった。
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