ザ・現代文学ジャンル(女性向け) 短編まとめ場所

透けてるブランディシュカ

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+09 間違った場所 動物

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 まさかこんなところに、こんなのがいるなんて思わなかった。

 一体なんで、まぎれこんじまったんだろうなあ。

 この近くに住んでるけど、始めてだよ。

 不思議だ。

 とにもかくにもこうしてはいられない。

 俺は、さっさとそいつを捕まえてしまう事にした。

 ああ、今日はついていないなぁ。





 あれ?

 なんでこんなところで、声が聞こえてくるんだろう。

 首をかしげて考えてみるけれど、一向に原因は分からない。

 視線を下に向けてみると、「あっ」と気が付いた。

 とにもかくにも、こんなところにまぎれこませておくのは可哀そう。

 早く何とかしてあげないと。





 うん?

 おかしいな。

 声が聞こえた。

 これは、こんなところにまぎれこんでていいものじゃないぞ?

 いったいどこから入り込んだんだ?

 まあ、どうでもいいか。

 そういうのは頭の良い奴がやってくれ。

 とにもかくにも、どうにかしてやらんとな。

 俺は力仕事が得意だし、役に立てるだろう。





 はぁ。

 たまにあるんだよな。こういう事が。

 どうせ、不注意で落っこちたんだろうな。

 誰かまぎれこまないために、対策たててくれよ。

 この世の中にはバカばっかりなのか。

 僕が対策を立ててやってもいいけど、こんなつまらないことに手を貸す暇なんてないんだ。

 放っておくとしよう。

 おい、話しかけるな。

 俺は別に協力するなんていってない。

 ちっ、少しだけだぞ。







 おかあさんのあとを、いっしょうけんめいついていったら、なにかにおなかの右と左をむぎゅっとされて、気が付いたら、とつぜんくらいところに、まっさかさま!

 わたしは、よくわからないところに、とじこめられてしまった。

 ここはひんやりで、とってもつめたい。

 まわりにはたくさんのお水。でも、ぴちゃぴちゃしてるのは、のめるものじゃないみたい。

 しかも、においがひどい。

 そとからは「これでシチョウリツがとれる」とか「カメラもってきて」とか聞こえてくるけど、よくわかんない。

 どうでもいいや。

 いま、わたしはおはながたいへん。

 そういえば、ごはんまだ。おなか、すいてきたな。

 ぐーぐーいってる。

 なにか食べたいな。

 いっしょうけんめい、このへんなばしょから、そとにでようとするけど、うまくいかない。

 そうだ、おかあさんをよんでみよう。







 よびつかれて、うとうとしてたら、ひかりがみえて、まぶしくなった。

「やった! テレビの前の皆さん、たった今小さな猫ちゃんが救出されましたよ!」

「偶然通りかかった時は、何事かと思いましたけど、いやー、良かったですね!」

「それでは、救出に携わった地域の人たちにインタビューしてみましょう!」



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