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〇14 愛の証明
しおりを挟む君を愛していると証明しよう。
僕のこの感情は依存心などではないと。
僕はその場所に立って、君を見つめる。
君は焦った顔をして、僕に戻ってくるよう伝えるけれど、これが一番の方法なんだ。
どうか分かっておくれよ。
最初に君と会った時。
学生の時だったよね。
僕はひ弱で、とても頼もしいとは言えない体格だった。
それだけじゃなくて気弱で、校舎裏で虐められている有様だったよ。
でも、そんな所に来てくれた君が、僕を救ってくれたんだ。
はじめはそう、依存心だったかもしれない。
何しろ、あの酷い学校でまともに会話してくれるのは君だけだったから。
君に尽くして、君を幸せにする事が、僕の生きる理由だと錯覚していたんだ。
でも、この気持ちは本物の愛になった。
環境が変わって、虐めていた奴等がいなくなったら、それなりの人達とつきあえるようになった。
僕の世界で君はもはや唯一の存在ではなくなってしまったけれど、それでも僕は君を愛していたんだ。
だから、この愛は本物さ。
けれど、君にとっては僕なんて、もうたくさんいる人間の内の一人なんだね。
あの頃は僕の事をよく見てくれていたのに、今は見えなくなっちゃったみたいだ。
だから、依存心だなんて僕の気持ちを勘違いしてしまった。
そんな君に証明してあげるよ。
僕のこの愛の気持ちを。
「まって、お願いだから飛び降りるのはやめて!」
本物の愛があるから、こんな事だってできるんだ。
さようなら、優しい君は僕を忘れないだろう。
君の永遠を手に入れるためなら命だって捧げられる。
これが、本物の愛を持っている証拠さ。
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