異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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第37話 裁縫工房再建指導(セクシー)

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 姫の支度を終え、俺が裁縫工房についた時には既に、お針子の女たちは既に到着していた。

「旦那様、お待ちしていました」

 レイナが出迎えてくれる。

 お針子の女たちの目は皆力強く、輝いて見えた。配ったボディソープのおかげで現場の士気はより高まったらしい。

「みんなに作ってもらう、この国の新たな輸出産業は、これだ」

 俺はアイテムクリエイションで作成した下着を披露する。

 様々な種類の下着の数々がテーブルの上に並べられる。

「これが異世界の肌着で、服の下に着用するものだ。また夜伽の際に、女性が身に着ける衣装でもある」

 異世界の服に興味津々なのか、裁縫工房の女性たちは食い入るように下着を見つめている。

「これは?」

「随分と少ない布地の衣装ね」

「こんなの売れるのかな?」

 だが初めて見る細い布の肌着に、今イチぴんとこなお様だ。

「実際に着けているのを見てみたいです」

 女の一人が声をあげる。当然の反応だ。

「ならば、これがいい」

 俺は右手に魔力を集中させ、風俗魔法を発動する。

 ──アイテムクリエイション・ラブドール──

 現れたのは、女性の全身を模した数体の人形だった。

「おお、なんて精巧な人形」

「すごい!」

 初めて見るラブドールの数々に、女達はまたもや歓声をあげる。本当はマネキンでも良かったんだが、俺の魔法の都合上、ラブドールの方が簡単だった。もちろん、本来の使い方については秘密だ。

 女達はそれらにラブドールに下着を着用させ、デザインを確かめる。

「着るとこうなるのね」

「確かに、かわいいかも」

「どっちかというと、セクシーな感じかな」

「夜伽用らしいからね、男性はこんなのが好きなんだろうね」

「素材はシルクか。刺繍もウチでできそう」

「この伸びる素材は用意できないね」

「こっちのヒモで結ぶタイプなら作れそう」

「このブラってのは難しいな、見たことのない部品ばかり使われてる」

「でも胸の谷間が綺麗にみえるね。ぜひ作りたいわ」

「コルセットの技術を応用すれば作れると思う。一人では着れないけど」

「高級下着を買うのはお嬢様か金持ちの愛人だろうから、着替えを手伝ってくれるメイドはいるでしょう」

「こっちのスポーツブラっていうのなら、私達の技術でもつくれそうだよ」

 手に取って、思い思いの感想を述べる女達。茶化すような意見はなく、みな真剣な眼差しだ。

「作ってもらうのは、三種類の下着だ。一つは上流階級の女向けの高級下着。二つ目は一般向けの下着。三つめは娼館の娘や金持ちの愛人向けの、セクシー下着だ。
 つくれそうか?」

「はい。ドレスの技術を応用すれば、大丈夫だと思います」

 裁縫工房の技術主任らしき紫がかった長い髪をまとめた女(ジェリーという名前らしい)が、代表して答えてくれる。

「期間は?」

「1週間あれば、試作品なら作れます」

「わかった。試作品を見てから、量産を指示する」

「一つ、お伺いしたいです。例えいいものを作っても、売れるかどうかは別問題です。売れなければ、本当に我々は終わります」

「とてもよい質問だ」

 よいものを作っても、売れなければ何の意味もない。『よい物さえ作ればわかってくれる』などは、職人の独りよがりにすぎない。いいものを作るのと同じくらい、その良さを広める役割が大事なのだ。

「新たなファッション文化を根付かせるには、ファッションリーダーが必要だ。それを我々は『インフルエンサー(流行を作る人)』と呼ぶ」

 どこの国でもインフルエンサーは、男性より女性。それもフットワークの軽い若い女性と、高名な女性、いわゆるセレブだ。

「まずこのセクシー下着を、娼館の娘たちにつけてもらう」

 この国で一番若くフットワークの軽い若い女性が集まっているのが、娼館だった。肌を見せる職業だ。問題なく着けてくれるだろう。

「そしてこの高級下着を広めてもらう役割は、エリス姫に依頼する」

「ええ!?」

 予想外の言葉に、お針子の女たちが驚きの声をあげる。

「姫、頼む」

「はい」

 エリス姫はドレスの上から羽織っていたブーケを外す。

 胸元が露出したドレスからチラッと見えるのは、俺が作り出したブラだった。

「ブラ、見えてもいいんですか? 服の下に着る衣装なんでしょ?」

「これは見せブラという、見えてもいいファッションだ」

 お針子の女たちの質問に、俺が答える。

 そして補正機能のあるブラのおかげで、姫の控えめな胸でさえ、綺麗な谷間を形どっていた。 

「・・・セイオウ様、いま何か無礼な事を考えましたでしょうか?」

「考えていない (考えていた)」

 微笑みながらもこちらを詰問してきた姫に、ウソで返す。

「上流階級の女性がつける高級下着は、姫に広めてもらう」

 落ちぶれたとはいえ5大国の筆頭の姫だ。影響力のある、いわゆるセレブだ。彼女に社交界で広めてもらう計画だ。

「最後に、一般向け下着は、ここで最もお洒落で美しい女達に着てもらう、誰か頼めるか?」

 庶民のファッションリーダー役は裁縫工房の女性に頼むつもりだ。

「はーい、レイナちゃんがいいと思います」

 工房の女が元気よく手をあげる。年はレイナと同じくらいか、赤髪の可愛らしい娘だった。

「レイナちゃんはかわいいし、いつもお洒落だからね」

 ふむ、俺も同意見だ。やはりレイナはここのファッションリーダーでもあったか。

「レイナ、頼めるか?」

「うん。でもあたしだけじゃ恥ずかしいから、ランちゃん達も一緒にやろう」

「ええっ、わたしはレイナちゃんほど可愛くないよ?」

「そんなことないよ。いっしょにやろう。みんなとだったら、恥ずかしくないしね」

 結局、レイナと彼女を指名したラン達数名が、ファッションリーダー役を引き受けることになった。元から年の近い、仲の良いグループらしい。

「下着をつけるだけでいいの? 旦那様。それじゃ宣伝にならないと思うけど」

「いいや、君たちに履いてもらうのは、これも含めてだ」

 俺はスマホの中から、ミニスカートの女性の写真を見せる。

「こんなに短いスカートがあるんだ」

「危なくない? 風でめくれちゃうよ?」

「でも中に衣服を着ているなら、大丈夫かも」

 ラン達は、昨日のレイナと同じような感想を述べる。

「下着とミニスカートを着けて生活してくれるだけでいい。それだけで、新しいファッションを広められる」

 あくまで新しいファッションを広めるのが目的だ。それ以上は求めない。

「脚だすのは恥ずかしいけど、この膝たけくらいのスカートなら、まあいいかな」

「かわいいと思う」

「動きやすそうね」

 流石に若いグループだけあって、頭が柔らかい。快く引き受けてくれた。

「スカートは用意できそうか?」

「それはロングスカートの丈を短くするだけだから、すぐにできるよ」

「では頼む、レイナは今夜にでも試作品を持ってきてくれ」

「はい、旦那様」

 レイナは異世界の衣装を着るのが楽しいのか、嬉しそうに引き受けてくれた。

「最後に、それぞれの下着にブランド名を付けようと思う」

「それいいね、みんなでいい名前を考えよう」

「さんせー」

 俺の提案を、レイナ達が快諾する。

 協議の結果、レースをふんだんに使った高級下着のブランド名は、体に着ける王冠という事で〝ボディ・ティアラ〟

 簡易で量産できる庶民用の下着は、フリージア王国に咲く野花の名前を取って〝ボディ・フローラ〟

 布地の少ないセクシーな下着は、男性にみだらな夢を見せる妖精の名を取って〝ボディ・インム〟と呼ぶことになった。

 ティアラとインムの両ブランドに対しては、熟練のお針子が製造を担当し、一般のお針子達はフローラモデルを担当することが決定され、大急ぎで試作品の製造に取り掛かることになった。

「レイナちゃんも、いま下着をつけているの?」

「うん。そうだよ」

「できれば別室で、みせくれないかな?」

「もちろんいいよ」

「あ、じゃあこの下着も着てみてほしい」

「あ、これも」

「うん、一着ずつつけるから、順番ね」

 お針子達の言葉を、レイナは快諾する。ラブドールより、やはり生身の人間がつけている姿をみたいらしい。

「レイナ、俺は娼館に向かう。ここは任せた」

「わかった、旦那様」

 レイナは工房に残していくこととする。彼女はこの国一番の下着モデルとして、今日は忙しくなるだろう。

「できれは夕飯までには帰ってきてほしいかな」

「ああ、わかった。遅れる場合は使いをよこす」

 これから向かうのは娼館。そこの娘たちに技術指導をしに行くというのは、多少の罪悪感はあった。
 
 しかしレイナは気持ちの良い笑顔をうかべながら、何も言わずに送り出してくれた。


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