異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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戦闘準備開始

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「御身に気を付けてくださいと、あれほど申しましたでしょう? 貴方はわたくしの切り札・・・いえ、フリージアの希望なのですから」

 謁見の間で半日ぶりに会った姫は、厳しい言葉を俺にぶつけた。姫の服装はロングワンピースの様な寝具、寝るところだったのを騒ぎを聞き、跳び起きたようだ。

「問題ない。俺のレベルは上がっている、簡単に撃退した」

「ウソを言ってはいけません」

 エリス姫は、出血している俺の手のひらを強引にとる。

 俺が傷を隠していたのは、ばれていたらしい。

「かすり傷だ。問題はない」

「もし矢に高価な猛毒が塗ってあったら、もう亡くなっていたかもしれないのですよ?」

 怒るエリス姫。この姫がここまで怒る姿は初めて見た。そして怒りはもっともな事だった。

「あたし、包帯と消毒液をもらってくる」
 
 傷を見たレイナは急ぎ足で城の奥の部屋に消えていく・

「今後、セイオウ様は不用意に屋敷をでないでください」

「お言葉ですが姫様、火の手が強く、セイオウ様の魔法でなければ火は消せませんでした。これは、我々親衛隊の責任です」

 申し訳なさそうに頭を下げるカノン隊長。

「火元は数か所あった、しかも裁縫工房の風上にだ。おそらく工房を狙った計画的な放火だと思う」

 俺の言葉に、姫は苦々しそうな顔をしながら、カノン隊長に尋ねる。

「捕縛した男達の身元は?」

「昨日、セイオウ様を狙ったロドリの一派です。ロドリは死亡が確認されました」

 あの傷だ、即死に近かっただろう。

「姫様、ただいま駐屯兵本部より戻りました」

 マイヤ事務官が、駆け足で謁見の間に戻ってくる・

「ゲジン駐屯兵団長がいうには、ロドリとその一派は昨日付けで除隊しているので、今回の事件は駐屯兵団は関係がないとのことです」

(なるほど、あくまでロドリ達が勝手にやったから知らないという立場をとるのか)

 俺にはゲジン団長の意図が、手に取る様に理解できた。あいつは裁縫工房を破壊し、この国を破産に追い込む魂胆なのだ。

「おそらく黒幕はゲジン団長だろう。あいつはフリージアを破算に追い込むつもりのようだ」

「なぜそんなことを? 破産してしまえば駐屯資金を得られなくなりますが?」

「金の卵を産む鶏を殺して、中の金塊を奪おうとするやつはいる」

 フリージアが破産すれば、国の女達は奴隷におとされる。おそらく彼女たちを安く買いたたく魂胆なのだろう。あるいは奴隷商人と手を結んでいるか。

(やはり戦いは避けられないか・・・)

 俺は、傷口をレイナに消毒してもらいながら、そんな悲痛な決意を固める。

「とにかく、セイオウ様は御身を大切になさってください。貴方がいなければ、この国の再建はできません。常に親衛隊と行動を共にするようにしてください」

「今回も親衛隊はいた。しかし奇襲には対応できなかった。必要なのは、もっと別の人材だ」

「どんな人材が必要なのか、申してください」

 エリス姫の質問に、俺は言葉を選びながら、慎重に答える。
 
「まず、レイナ達の献身のおかげで、俺の魔法の威力は飛躍的に向上している。正面からの戦闘ではまず負けない。恐ろしいのは奇襲や暗殺といったものだ」

 特に今回の一件で、俺の力を見せつけたはずだ。次は暗殺で来るか、あるいは圧倒的な数で押してくるか、どちらかのはず。さすがに街中で後者は考えにくいので、可能性が高いのは暗殺だ。

「今、必要なのは暗殺に対応できるプロだ。目が良くて、夜目がきいて、耳もよければなおよい」

「この世界ではアサシンに対抗するには、更に凄腕のアサシンを護衛につけることが一般的です」

「うん、俺もそれが良いと思う」

 凄腕のアサシンなら、敵の手の内も知り尽くしているはずだ。そのノウハウは、欲しかった。

「わかりました。わたくしのツテで、適材を探しましょう」

 姫には何か心当たりがあるようだった。

「もう一つ、いかに魔法が使えようとも、さすがに丸腰では困ります。何か武器を、お持ちになってください」

 これも一理ある。SPが尽きることもあるからだ。

「お渡した剣は、携帯されていないようですが?」

 姫に預かった剣は、重いので屋敷に置いている。加えて言うと、俺は剣道の心得は少しはあるが、習ったのは日本刀や竹刀のための剣術であり、西洋式の両手剣なんぞ使ったこともない。

 つまり、習得には時間がかかるのだ。プロの兵士相手に、付け焼刃の剣術が役に立つとは思えない。

(いや、セイオウの得意武器は、確か・・・)

 召喚された際に、俺の適性を調べていたのだ。そのことを、思い出してみる。

「得意武器は、ムチだったな」

「そういえば、適性調査の際に、得意武器はムチだと出ていましたね」

 鞭か。集団を相手にした対人戦闘なら、それなりに有効なのかもしれない。特に俺にはセイオウのジョブ補正もあるはずだ。

「ムチならば、心当たりがあります。明日にはお渡しできるでしょう」

 そちらも姫に考えがあるらしいので、任せることにする。

「旦那様、あたしも剣の心得はあるから、明日からは武器を携帯するようにするね」

「剣を扱えるのか?」

「昔、一流の先生に習ったから、大丈夫だよ」

 一流の先生か。元はかなりのお嬢様らしい。しかし、レイナに護衛されるとは・・・

「レイナ、貴方の身体も、セイオウ様と同じくらい、大切なものなのですよ?」

 俺の代わりに、姫が口を開く。確かにレイナを犠牲にしてまで、俺も生き延びたくはなかった。

「あくまでも護衛だよ。あたしが一番、旦那様の側にいるはずだしね。それに、自分の身は自分で守りたいし」

 レイナも譲らない。言い出したらきかない娘だという事は、俺も姫も知っていた。それにレイナの意見にも一理あった。レイナまで、俺の目が届かない可能性もあるからだ。

「危険な事はするな。まず自分の身を守ることを考えるんだぞ」

「うん、わかった」

 素直にうなづくレイナ。あくまで護身用なら、それもよかろう。

 会議は終了となった。もう深夜だったので、今度こそ寝ることにしよう。



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