異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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戦争準備1 ローションコンクリート

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 翌日夕方、俺はレイナとミアを連れて親衛隊の基地に来ていた。
 
 古代の石壁を再利用した小さな砦の様な敷地の中に、宿舎、練兵場、武器庫などが立ち並んでいた。

「セイオウ様、お久しぶりでございます」

 エリス姫が丁寧にあいさつしてくれる。彼女とはミアと出会った時以来だ。左に控えているのがマイヤ事務官、右手にはカノン隊長と親衛隊の女性兵士が整列している。

「姫にまで来てもらってすまない。大切な案件なのでな」

「はい。お話は建物の中で伺いましょう」

「その前に、もう一人参加者がいる。
 キリリン、入ってきてくれ」

「姫様にお会いするなど、おそれおおいでごわす」

 多くの荷物を抱えながら入ってきたのは、鍛冶屋のキリリンだった。

「キリリンには新しい武器の開発をしてもらっていたのだ」

「まあ、そういう事でしたか」

 姫はそれだけで俺の意図を察したらしい。相変わらず、察しのいい姫だった。

「セイオウ様は天才でごわす」

「天才は君さ」

 事前にキリリンが作成した武器を確認していたが、即席で作ったとは思えないほどの見事な完成度だった。

「とにかく詳しい話は中でしよう」




「今からする話は、当然、秘密で頼む」

 倉庫の一室で、俺は口を開く。出席者は、俺とレイナとミア、エリス姫とマイヤ事務官、そして親衛隊トップであるカノン隊長とキリリンの7名だった。奥は馬小屋になっているので、馬の匂いが漂っていたが、だれもそのことを不満を述べたりはしなかった。

 レイナはともかく、ミアは「私はここにいてもいいのですか?」とでも言いたげな不安そうな表情をしている。

「ミア、問題ないよ。俺は君を信頼している。」

 できるだけ優しい口調で、俺はミアを安心させる。

「さて、まずカノン隊長に確認したいが、親衛隊の定員は何名いる?」

「はい。総員200名、三交代制で勤務しております」

「全員フリージア人の女性ということだな?」

「はい」

「200名の三交代制、つまり、常時動かせるのは70名もいないという事」

「はい。そうなります」

「70名では、姫や俺の警護や王城、門の警護で人員の大半は取られ、治安維持活動までは手が回らないということになる」

「はい。治安維持は駐屯兵団に任せることが多くなっています」

「それがこの国の最大の問題だ。治安をみだすのは荒れくれ者の兵団兵士が多いが、鎮圧するのも仲間の兵団兵士ということになる。これでは治安が良くなるわけがない」

「・・・はい、おっしゃる通りです」

「そこでまず親衛隊員を500名に増やすことにする。娼館と裁縫工房が軌道に乗ったおかげで、そのくらいの経済的負担は耐えられる。また少しづつでいいので、城壁の修理を行いたい」

「それについては一つだけ、いい報告があります」

 俺の話を遮ったのは、マイヤ事務官だった。

「いい報告とは?」

「はい。昨日セイオウ様が投入された〝ろーしょん〟のおかげで、コンクリートが固まりました。防水効果も高く、浴場の再建が可能になりました」

「すごい、さすが旦那様!」

 我が事の様にはしゃぐレイナ。

(・・・ダメもとで入れたローションが、効果があったのか)

 もちろん普通のローションではつなぎとしての効果など無いはずだ。俺の魔法で生み出したローションだからこそ、効果があったのだ。

「これでセイオウ様の温水を召喚する魔法を使えば、浴場は再建できます。少しですが、国庫の足しになります」

「良かったね、旦那様」

「まさかローションでコンクリートが実現するとは、俺も驚きだ」

 コンクリートを流し込むだけなら、女達でもできる。浴槽はもちろん、時間をかければ崩壊状態の城壁の修復も可能だ。素晴らしニュースだった。

「セイオウ様、一つよろしいでしょうか?」

 カノン隊長が、生真面目な顔で意見を述べる。

「予算以外にも問題があります。親衛隊の人員を300名増やすとのことですが、適合者がいないのです」

「旦那様、どういうこと?」

「こういうことだよレイナ」

 俺は部屋に立てかけてあった弓を、レイナに持たせる。

「弓を引いてみてくれないか?」

「はい」

 レイナが矢をつがえていないまま、弓の弦を引っ張る。金髪にポニーテールのその姿は、まるでエルフの狩人の様に美しかった。

「う~」

 しかしレイナが弓を引いても、弓は僅かにしなるだけだった。

「はあはあ、弓って重いんだね。エルフとか女の子でも弓を引いているイメージだったんだけど」

「それは鎧を貫通することを目標に作られた戦闘用の強弓だからな。エルフの狩猟用の弓とは違うんだ」

 強弓は力自慢の男が練習し、やっと使える弓だった。だが強弓でなければ鎧どころか、鎖帷子すら貫通できないため、実戦の役には立たない。

 強弓は体力に自信のあるレイナでさえ、引くことはできないのだ。さらに目標にあてるのも長い鍛錬が必要になる。

 強弓兵が活躍したイギリスでも、弓兵の育成には長い時間がかかったという。イギリスで弓の練習のため、フットボールを禁止して暴動が起こったという記録さえあった。日本で武士という戦闘階級が成立した理由の一つでもある。

「親衛隊の人員を増やそうにも、弓を引ける体格の者は多くはありません」

 カノン隊長が苦い表情をしていたのは、女性の適合者がいないということだった。

「問題ない。そのため俺が、誰でも強弓を引ける武器の開発を指示したんだ。キリリン、あれを出してくれ」

「はいでごわす」

 キリリンは袋からとりだしたクロスボウを机の上に置く。
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