12 / 18
第一章① 『地獄の地編』
第一章①-3 『出れないって本当ですか?』
しおりを挟む
「魔女の無力化と法の撤廃……。かなり難しそうですね」
その時、ベッドからガサっと音がした。
「いいじゃねーか、尚更やる気が出るってもんだろうがよ」
カマチだ。
「カマチ!起きてたのか!お前ビビらせんなよ」
「実は最初っからな、話は全部聞いてた。あと助けてくれてありがとうな」
カマチはオリオさんをまっすぐ見つめ話しかけた。
「どういたしまして。調子はどうかな?随分と息が上がっていたから心配していたよ」
「ああ、もう心配ねぇ。2人には迷惑かけてすまない。あと、俺はカマチ。そっちは?」
「僕はオリオ=マクレインだ。よろしくね、カマチ」
「ああ、よろしく頼むぜ。オリオ」
「バカ!オリオさんだろ!」
俺はすかさず突っ込む。
胡麻はするべきだろう。
「うっせーな。なんでもいいだろう。そんなことより、俺らは今から何をしたらいい?どうやったら王子になれる?」
「そうだった、まずは王子にならないと。オリオさん!王子になるにはどうしたらいいんでしょうか!」
「王子になるにはいくつか方法がある。もちろんすべてちゃんと教えよう。
……ただし、それを教えるには条件がある」
「「条件?」」
なんの条件だろう。
「そう、条件。君たちどちらかが王子になったとき、フラッカの法とは別にもう1つ、法を変えて欲しいんだ。その約束をして欲しい」
「別に構わねーけど、具体的に何についての法なんだ?」
「これを話すにはまず、僕の生い立ちから話さなくてはならない。少し長くなるが聞いてくれるかな?」
「ええ、もちろん聞きます!」
「ありがとう二人とも。じゃあ、そうだな。話がややこしくならないように先に言っておこうか。
僕はここワイト王国で生まれ育った水球人だ。
まあ、君たち地球人が現れるまでは自分のことを水球人だなんて言ったことはなかったんだが……それは置いといて。
僕の家庭は2人兄弟で僕が兄。父は僕がまだ幼い時に仕事に出かけて帰らず行方知れずのまま。
母は物心ついた時には不治の病にかかり、僕が7歳の時に亡くなってしまった。それを機に僕ら兄弟はそれぞれ別の里親に引き取ってもらうことになったんだ。
その後、20歳になり里親の元を離れ、昔から本好きだった僕は今のこの図書館の館長を務めることになったんだ。
この図書館はそこら辺の図書館とは違って唯一の国立図書館となっている。
だからワイト王国や世界に纏わる、ありとあらゆる情報が記載された本を多く扱うんだ。
つまりこの仕事はとても大切であり、その秘密を外部に漏らすわけにはいかない。
それによって僕はこの図書館を出ることを一切禁じられている。
もちろんここで数年暮らしているわけだし、何不自由なく暮らせている。
だが、僕にはどうしても生きているうちに会っておきたい人物がいるんだ。
それは僕がよく読んでいる本の著者である、『M.D.ノルド』という人物だ。
もうこれで、僕が何を言いたいかわかるかな?」
「要するに、その『M.D.ノルド』とかいうやつに会いたいから、ここを出るためにそれを縛る法を変えてほしいんだろ」
「そうだ。あるいはこちらに呼んで来てくれても構わないんだが、僕は『M.D.ノルド』を尊敬している。わざわざ出向いてもらうわけにはいかない」
「確かにそれはそうですね。そもそもこの職はオリオさんの意思では辞めることはできないんですか?」
「それができないんだ。現状の法のまま、もし『辞めたい』だなんて言えば即刻処刑は免れないだろう」
「即刻処刑…」
なんて恐ろしい世界なんだろう、ここは。今の日本なら辞めたいと思えば速攻やめてその日に職が見つかるというのに。
「それだけ重要な本がここには眠っているのか」
「まあ、実は本当に重要な本はちゃんと別のとこに保管してるんだけどね」
「へーそうなのか。じゃあここに来た時、奥に見えていた本は全部大したことはねぇ―のか?」
「いいや、そういうわけでもない。僕にもここにあるすべての本を把握しきれているわけではないからね。あれだけの量となると整理するのにはかなりの時間がかかる」
「まあ、とにかく!がんばって王子になってオリオさんを安全にここから出して見せますよ!」
「よろしく頼むよ、2人とも」
「おうよ。そろそろいいだろう?王子になる方法ってのをよ」
「そう焦らないでくれよ。これから説明する。まず、王子になるには前提として強くなくてはならない。もちろんこれは戦闘能力のことだ。王子である以上、自分が持つ州を守る義務がある。他にも、他国と争うようなことがあれば王子は国王の護衛もしつつ前線で戦うなんてこともあり得るだろう。これが、第一条件だ」
「ふっ、それなら簡単だ。俺は最初っから条件はクリアしている」
「さあ、それはどうかな」
「なんだと?」
カマチは一気に顔色を変えた。
「僕レベルになるとね、その人の近くにいるだけでだいたいの強さが分かるんだよ。ちなみにカマチ、君は弱い」
「カマチが弱い!?噓でしょ!?だったらオリオさん、俺はどうなるんですか!?」
「本当だ。ちなみにナイユフ、君は弱すぎる」
「そんな、確かに格闘経験ゼロだし勉強しかしてないし部活も途中で辞めたし彼女もできたことないけど」
「お前に女がいなかったのは関係ねーだろ。ところでオリオ。俺はどのくらい弱いんだ。認めたくねーけど、現状は受け止めなくちゃいけねーっては思ってんだ」
「んーどのくらいかと聞かれると難しいんだが、間違いなく素質はあるよ。だが弱いといったとこかな。心配はない、伸びしろはかなりあると思う」
「オリオさん!俺は!俺は強くなれますか?」
「ナイユフは伸びしろしかないね。大丈夫、ちゃんと強くしてくれるさ」
「してくれる?てっきりオリオさんが俺らに稽古でもしてくれるのかと」
「僕にはできないよ。さっきも言った通り僕には書庫の管理の仕事もあるし、こんな狭い空間で何かを教えるのは難しいからね」
「じゃあ、誰が俺らに稽古つけてくれるんだ?」
「それなら心配はいらない。僕の師匠達に頼もうと思っている」
「ちゃんといるんですね!よかったぁ」
「だが、あそこに行くには最低限の予備知識をつけていってもらいたい。2人とも、マナを知っているかい?」
その時、ベッドからガサっと音がした。
「いいじゃねーか、尚更やる気が出るってもんだろうがよ」
カマチだ。
「カマチ!起きてたのか!お前ビビらせんなよ」
「実は最初っからな、話は全部聞いてた。あと助けてくれてありがとうな」
カマチはオリオさんをまっすぐ見つめ話しかけた。
「どういたしまして。調子はどうかな?随分と息が上がっていたから心配していたよ」
「ああ、もう心配ねぇ。2人には迷惑かけてすまない。あと、俺はカマチ。そっちは?」
「僕はオリオ=マクレインだ。よろしくね、カマチ」
「ああ、よろしく頼むぜ。オリオ」
「バカ!オリオさんだろ!」
俺はすかさず突っ込む。
胡麻はするべきだろう。
「うっせーな。なんでもいいだろう。そんなことより、俺らは今から何をしたらいい?どうやったら王子になれる?」
「そうだった、まずは王子にならないと。オリオさん!王子になるにはどうしたらいいんでしょうか!」
「王子になるにはいくつか方法がある。もちろんすべてちゃんと教えよう。
……ただし、それを教えるには条件がある」
「「条件?」」
なんの条件だろう。
「そう、条件。君たちどちらかが王子になったとき、フラッカの法とは別にもう1つ、法を変えて欲しいんだ。その約束をして欲しい」
「別に構わねーけど、具体的に何についての法なんだ?」
「これを話すにはまず、僕の生い立ちから話さなくてはならない。少し長くなるが聞いてくれるかな?」
「ええ、もちろん聞きます!」
「ありがとう二人とも。じゃあ、そうだな。話がややこしくならないように先に言っておこうか。
僕はここワイト王国で生まれ育った水球人だ。
まあ、君たち地球人が現れるまでは自分のことを水球人だなんて言ったことはなかったんだが……それは置いといて。
僕の家庭は2人兄弟で僕が兄。父は僕がまだ幼い時に仕事に出かけて帰らず行方知れずのまま。
母は物心ついた時には不治の病にかかり、僕が7歳の時に亡くなってしまった。それを機に僕ら兄弟はそれぞれ別の里親に引き取ってもらうことになったんだ。
その後、20歳になり里親の元を離れ、昔から本好きだった僕は今のこの図書館の館長を務めることになったんだ。
この図書館はそこら辺の図書館とは違って唯一の国立図書館となっている。
だからワイト王国や世界に纏わる、ありとあらゆる情報が記載された本を多く扱うんだ。
つまりこの仕事はとても大切であり、その秘密を外部に漏らすわけにはいかない。
それによって僕はこの図書館を出ることを一切禁じられている。
もちろんここで数年暮らしているわけだし、何不自由なく暮らせている。
だが、僕にはどうしても生きているうちに会っておきたい人物がいるんだ。
それは僕がよく読んでいる本の著者である、『M.D.ノルド』という人物だ。
もうこれで、僕が何を言いたいかわかるかな?」
「要するに、その『M.D.ノルド』とかいうやつに会いたいから、ここを出るためにそれを縛る法を変えてほしいんだろ」
「そうだ。あるいはこちらに呼んで来てくれても構わないんだが、僕は『M.D.ノルド』を尊敬している。わざわざ出向いてもらうわけにはいかない」
「確かにそれはそうですね。そもそもこの職はオリオさんの意思では辞めることはできないんですか?」
「それができないんだ。現状の法のまま、もし『辞めたい』だなんて言えば即刻処刑は免れないだろう」
「即刻処刑…」
なんて恐ろしい世界なんだろう、ここは。今の日本なら辞めたいと思えば速攻やめてその日に職が見つかるというのに。
「それだけ重要な本がここには眠っているのか」
「まあ、実は本当に重要な本はちゃんと別のとこに保管してるんだけどね」
「へーそうなのか。じゃあここに来た時、奥に見えていた本は全部大したことはねぇ―のか?」
「いいや、そういうわけでもない。僕にもここにあるすべての本を把握しきれているわけではないからね。あれだけの量となると整理するのにはかなりの時間がかかる」
「まあ、とにかく!がんばって王子になってオリオさんを安全にここから出して見せますよ!」
「よろしく頼むよ、2人とも」
「おうよ。そろそろいいだろう?王子になる方法ってのをよ」
「そう焦らないでくれよ。これから説明する。まず、王子になるには前提として強くなくてはならない。もちろんこれは戦闘能力のことだ。王子である以上、自分が持つ州を守る義務がある。他にも、他国と争うようなことがあれば王子は国王の護衛もしつつ前線で戦うなんてこともあり得るだろう。これが、第一条件だ」
「ふっ、それなら簡単だ。俺は最初っから条件はクリアしている」
「さあ、それはどうかな」
「なんだと?」
カマチは一気に顔色を変えた。
「僕レベルになるとね、その人の近くにいるだけでだいたいの強さが分かるんだよ。ちなみにカマチ、君は弱い」
「カマチが弱い!?噓でしょ!?だったらオリオさん、俺はどうなるんですか!?」
「本当だ。ちなみにナイユフ、君は弱すぎる」
「そんな、確かに格闘経験ゼロだし勉強しかしてないし部活も途中で辞めたし彼女もできたことないけど」
「お前に女がいなかったのは関係ねーだろ。ところでオリオ。俺はどのくらい弱いんだ。認めたくねーけど、現状は受け止めなくちゃいけねーっては思ってんだ」
「んーどのくらいかと聞かれると難しいんだが、間違いなく素質はあるよ。だが弱いといったとこかな。心配はない、伸びしろはかなりあると思う」
「オリオさん!俺は!俺は強くなれますか?」
「ナイユフは伸びしろしかないね。大丈夫、ちゃんと強くしてくれるさ」
「してくれる?てっきりオリオさんが俺らに稽古でもしてくれるのかと」
「僕にはできないよ。さっきも言った通り僕には書庫の管理の仕事もあるし、こんな狭い空間で何かを教えるのは難しいからね」
「じゃあ、誰が俺らに稽古つけてくれるんだ?」
「それなら心配はいらない。僕の師匠達に頼もうと思っている」
「ちゃんといるんですね!よかったぁ」
「だが、あそこに行くには最低限の予備知識をつけていってもらいたい。2人とも、マナを知っているかい?」
0
あなたにおすすめの小説
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる