ゲーム世界の作中に出てこないFランク冒険者に転生しまして

山形 さい

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第1話

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 俺、遠坂奏多は現在、三徹で大人気RPGゲーム『ファイナルクエスト』をプレイ中である。
 夏休み初日、友達から「面白いゲームを貸してくれ」と言ったところ貸してくれたのがこのゲームだった。
 Am○zon評価は驚異の60万デビュー星は4.8ととんでもない神ゲーだ。
 見事に俺もプレイをしたら止まらなくなってしまった。
 内容はある日主人公のアオシマコトが目を覚ますとそこは異世界であり、自分がなぜ異世界に転移してしまったかという謎を解き明かす物語となっており、そこでさまざまな出来事を倒して成長していくものとなっている。
 
 そして、俺はついに──。

「これで終わりだあああ!」とコマンド入力をしてラスボスである魔王を倒すことに成功した。

「しゃあああ!」とコントローラーをぶん投げて、仰向けで倒れる。

 長かった……。

 ほぼぶっ通しでやってしまった。

 もう一生分のゲームをやったかもな。

 このゲームは神ゲーと名高いだけあり時間を忘れるほどに面白かった。
 ストーリーも神だし、何より伏線回収と主人公が転移した理由がとんでもなく面白かった。
 もう一周するのもありかもしれない。
 
 めまいで周りがくるくると回っている。
 
 さすがに疲労が出てるな。
 寝るとするか……。

 重い瞼を俺はおろした。



 ……ここは?

 目を覚ますと俺はどこまでも真っ白な空間にいた。
 四方八方見てみるがどこもかしこも真っ白である。

 ……夢だよな?

 少し嫌な予感がしてきて、冷や汗をかく。

 頬を引っ張ってみるが、普通に痛い。

「……はは、嘘だろ。夢じゃないなんて……いいや、あるはずねーよな! あれ、それにしても身体がめちゃくちゃ軽いんですけど」

 一体、俺の身に何が起きているのだろうか。

「くそ、とりあえず歩いてみるか」

 前々へと歩き始める、たしかに歩いている感覚はするのに景色が変わらないせいで変な気分だ。

 どうなってんだこれ。

 そして、数分歩いた時だった。

 目の前からこちらに向かってボワッと勢いよく風が吹いた。

「うおっ!?」

 慌てて目を瞑る。

 風が止んだと同時に目を開けるや否や、俺は大きく目を開く。

「……は? どこがここ」

 目の前に広がる景色はまるでファンタジー世界の宿屋を彷彿とさせるデザインの部屋だった。
 
 チラリと鏡に映る自分の姿を見て、俺はさらに驚いた。

「誰だこいつ……!?」

 鏡に映る自分は茶色の髪をした目つきの悪い少年だった。
 服装もよくあるファンタジー世界の冒険者のような動きやすい格好だ。

「おいおい、嘘だろこれ」

 慌てて頬を引っ張ってみるが痛い。

「え、異世界転生ってやつとか……ですか?」
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