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熱帯夜2 *性描写あり
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荒々しく、熱い吐息が首元を掠める。だが性急だったのは最初だけで、慶に触れる兵藤は、壊れ物でも扱うように優しかった。
兵藤の唇や舌が、首筋をゆっくり滑り落ちる。くすぐったいような気持ち良いようなもどかしい刺激に、慶はわずかに身体をビクつかせた。
「敏感だな」
楽しそうな兵藤の声が上から聞こえる。恥ずかしさに言い返そうとしたが、シャツの中に潜り込んだ兵藤の手が少しずつ上へと移動すると、途端に息が上がった。胸の先端を兵藤の指が掠めると、吐息に甘いものが混じってしまう。
「こんなに敏感だと、服に擦れたとき大変じゃないか?」
くすっと笑いながら兵藤が言った。官能小説に出てきそうな科白に、身悶えそうになる。
「どうした。恥ずかしがる必要はない。お前はもう俺のものだろう。ありのままの姿を見せてほしい」
そう言いながら兵藤は慶のシャツを捲り上げた。
なんというか、慶は兵藤の新たな一面をここにきて発見したような気がする。
真面目で奇天烈。古風でありながら素で人タラシなことを口にする男であったが、セックスになるとそこに恥ずかしい科白を連発する、スケベ親父の要素も入ってくるらしい。
「男だというのにお前の乳首はぷっくりとしていて熟れた果実のようだな。食欲をそそられる」
聞いていて恥ずかしくて堪らない。まるで羞恥プレイだ。兵藤は言っていて恥ずかしくないのだろうか。どこでそんな科白を覚えてきたのかと、ある意味関心する。
「そういうこと言うのやめ……やっ、あ……っ」
抗議の声は途中でもろく崩れていく。胸の先端を舌で転がされ、最後は言葉にならなかった。
「やはり美味だな」
本当に恥ずかしいから少し黙って欲しいのに、その間にも兵藤は慶の胸を愛撫することを止めない。
赤子のように乳首を吸い上げたり、ほんの少し歯を立て甘噛みされると、背中をゾクゾクするような快感が走り抜ける。元々興奮してはいたが、下腹部へ急速に熱が集まり、慶は自身の下着の中が濡れていくのを感じていた。
慶はこれまで、胸を愛撫されるのがそれほど得意ではなかった。柔らかな乳房のない身体では触り心地もよくないだろうと、劣等感があったのだ。当然、そんな感情を抱えたままでは感じることもほとんどない。男同士のセックスにおいて、胸などただの飾り程度に考えていた。
それなのに、今のこの身体の反応はどういうことだろう。
「あ、あっ……!」
「良い声だ。もっと聞かせてくれ」
口で片方を愛撫しながら、空いた手でもう片方の乳首を刺激される。そのたびに慶は今まで感じたことのない甘美な快楽に、身を震わせて耐えることしか出来ない。耐えきれない快楽は、先走りの露となってとめどなく下着の中に溢れていく。
「ま、待って、兵藤……! 胸はもういいからっ……。俺、なんかやばい……!」
「何がやばい? どこがどうやばいんだ?」
わざわざそれを口に出させようとするのがスケベ親父感が満載だ。恥ずかしくてとても言葉にしたくない。だが楽しそうに慶を見下ろす兵藤は言わないと許してくれそうになく、慶はしぶしぶ口を開く。
兵藤の唇や舌が、首筋をゆっくり滑り落ちる。くすぐったいような気持ち良いようなもどかしい刺激に、慶はわずかに身体をビクつかせた。
「敏感だな」
楽しそうな兵藤の声が上から聞こえる。恥ずかしさに言い返そうとしたが、シャツの中に潜り込んだ兵藤の手が少しずつ上へと移動すると、途端に息が上がった。胸の先端を兵藤の指が掠めると、吐息に甘いものが混じってしまう。
「こんなに敏感だと、服に擦れたとき大変じゃないか?」
くすっと笑いながら兵藤が言った。官能小説に出てきそうな科白に、身悶えそうになる。
「どうした。恥ずかしがる必要はない。お前はもう俺のものだろう。ありのままの姿を見せてほしい」
そう言いながら兵藤は慶のシャツを捲り上げた。
なんというか、慶は兵藤の新たな一面をここにきて発見したような気がする。
真面目で奇天烈。古風でありながら素で人タラシなことを口にする男であったが、セックスになるとそこに恥ずかしい科白を連発する、スケベ親父の要素も入ってくるらしい。
「男だというのにお前の乳首はぷっくりとしていて熟れた果実のようだな。食欲をそそられる」
聞いていて恥ずかしくて堪らない。まるで羞恥プレイだ。兵藤は言っていて恥ずかしくないのだろうか。どこでそんな科白を覚えてきたのかと、ある意味関心する。
「そういうこと言うのやめ……やっ、あ……っ」
抗議の声は途中でもろく崩れていく。胸の先端を舌で転がされ、最後は言葉にならなかった。
「やはり美味だな」
本当に恥ずかしいから少し黙って欲しいのに、その間にも兵藤は慶の胸を愛撫することを止めない。
赤子のように乳首を吸い上げたり、ほんの少し歯を立て甘噛みされると、背中をゾクゾクするような快感が走り抜ける。元々興奮してはいたが、下腹部へ急速に熱が集まり、慶は自身の下着の中が濡れていくのを感じていた。
慶はこれまで、胸を愛撫されるのがそれほど得意ではなかった。柔らかな乳房のない身体では触り心地もよくないだろうと、劣等感があったのだ。当然、そんな感情を抱えたままでは感じることもほとんどない。男同士のセックスにおいて、胸などただの飾り程度に考えていた。
それなのに、今のこの身体の反応はどういうことだろう。
「あ、あっ……!」
「良い声だ。もっと聞かせてくれ」
口で片方を愛撫しながら、空いた手でもう片方の乳首を刺激される。そのたびに慶は今まで感じたことのない甘美な快楽に、身を震わせて耐えることしか出来ない。耐えきれない快楽は、先走りの露となってとめどなく下着の中に溢れていく。
「ま、待って、兵藤……! 胸はもういいからっ……。俺、なんかやばい……!」
「何がやばい? どこがどうやばいんだ?」
わざわざそれを口に出させようとするのがスケベ親父感が満載だ。恥ずかしくてとても言葉にしたくない。だが楽しそうに慶を見下ろす兵藤は言わないと許してくれそうになく、慶はしぶしぶ口を開く。
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