王女様は聖女様?いいえ、実は女神です(こっそり)~転生王女は可愛いもふもふと愛するドラゴンを守るため最強の仲間と一緒に冒険の旅に出る~

しましまにゃんこ

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第3章 おてんば姫の冒険録

34 アリシア・エスドラド同盟締結

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 ♢♢♢

「こ、これは……」

 光が収まった後、ギルドマスターはむくりと身体を起こした。今まで鉛のようだった身体が嘘のように軽い。手を軽く握ってみると、指先まで力が漲っているようだった。

「嘘だろう……傷が全て綺麗に治っている。それに……」

 そっと心臓に手をやるギルドマスターをみて、ティアラは小さく頷いた。

「大丈夫。不調の原因は全て治っているはずです。病に犯されていたこと、周りの人には黙ってたんですね」

 病は、通常のポーションでは治すことが出来ない。精々体力を回復させたり、自己免疫力を高めたりする程度だ。だからこそ、頑なにポーションを使うことを拒んだのか……。

 正直ティアラが後少し遅かったら、間に合わなかったかもしれない。あの状態で良く過酷な牢獄生活に耐えたものだ。

「あんた……聖女様か?」

「いいえ、私は聖女ではありません」

「聖女……いや、聖女でも無理だ。この沸き上がるは一体……」

 それは今まで感じたことの無い力……恐らく≪魔力≫を自分の身体の中に感じるのだ。

「貴方ならきっと、その力を正しいことに使って下さると信じています」

「女神様、なのか……」

「私はただの冒険者。今の私には、それが精一杯の贈り物です」

 それ以上聞いても無駄だと思ったのか、ギルドマスターは深く頭を下げた。

「あんたが拾ってくれた命だ。あんたに恥じない生き方をすると誓う」

 ♢♢♢

「あ、あの!父はどうでしたか?」

 下に降りると、心配したマリーが駆け寄ってくる。と、そこに、着替えを済ませたギルドマスターが姿をみせた。

「おう、マリー、心配かけたな」

 すっかり回復したギルドマスターを見て、マリーの目に涙が浮かぶ。

「お父さん……馬鹿!馬鹿馬鹿!いつも無茶ばっかりして!」

「すまんな……」

「おやっさん!待ってましたぜ!」

「なんだなんだ、前より元気じゃねえかっ!」

 マリーと、口々にギルドマスターの回復を喜ぶ冒険者たちを見て、ティアラは微笑んだ。

(やっぱり、この人を選んで間違いなかったわ)

「あ、あの!父を助けて下さってありがとうございます!」

「いいえ。素敵なお父様ですね」

「はいっ、はいっ」

「取り敢えず、俺が寝込んでる間に何がどうなってるのか、詳しく聞かせてくれるか?」

 ♢♢♢

 アデルから説明を受けたギルドマスターのジムは、大きく息を付いた。

「つまり、俺がこいつらを纏めて国を興すってことか?」

「ああ。どうだ?やれるか?」

「そうだな。それしかねぇだろうな。後はおいおい、各ギルドから信頼できる人材を引っ張ってくるか。おいお前らっ!しっかり働いて貰うからなっ!覚悟しとけよっ!」

「ひぃぃぃ、ほんとに元気過ぎねぇかぁ?」

「たく、元気になった瞬間から人使いが荒いぜ」

 文句を言いつつも、冒険者たちの顔は明るい。

「よし、じゃあここに署名してくれ」

 アデルが急いで作成した書類を確認すると、ジムが署名する。

 こうして、新生エスドラドとアリシア王国の同盟が新たに結ばれた。
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