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2章 冒険者としての生活
アリーセの実演
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「なあアリーセ、実演って何を見せれば良いと思う?」
横を歩くアリーセに小声で聞いた。
「そうね、ソニックなんとかってスキルで良いんじゃないかしら、随分と練習してたみたいじゃない」
「あれか、ハッタリには良いか……」
一応、何度もぶっ飛びながらも使用に堪える程度には地道に検証と練習をした。
「アリーセはどうする?」
「そこまで派手さは無いけど、それっぽい事は出来るわよ」
「じゃあそれで、ってか思ったより冷静だな」
「それはあのポーションのおかげだと思うわ、むしろ普段よりも調子が良くて怖い位だわ」
効果はバツグンだ。
やっぱり緊張やストレスも状態異常扱いになるんだな。
しばらく進んで少し大きな扉が見えてきた。
ここにも衛兵が二人立っているようだ。
ヴァルターさんと俺らが近づくと、ちょうど通るタイミングで衛兵が扉を開けてくれた。
なんだろう地味に格好良さを感じてしまう。
そのままヴァルターさんの先導で中に入ると、弓道場の様な半分室内で半分が外となっている部屋だった。
ジークフリード様は先程と同じ服で、室内になっている側に備え付けられているテーブルセットで足を組んで優雅にお茶を飲んで待っていた。
そのはす向かいに、金髪の髪をお団子にまとめたくりっとした青い目が印象的な女の子と、とんがり帽子にローブと節くれだった杖という、いかにも魔法使いですといった佇まいのオレンジ色の髪をお下げにした女性がすわっていた。
「来たか、では早速だが顔合わせと行こう、コリンナ挨拶なさい」
「はい、お父様。 初めまして、イオリ様アリーセ様。 コリンナ・ローデンヴァルトと申します」
薄緑色のフリルの多いドレスで、ちょこんといった様子でカーテシーを披露する。
ジークフリード様が、なにやら満足げなので多分上手に出来ているということなのだろう。
「初めましてコリンナ様。 次回よりコリンナ様の家庭教師として付かせていただくことになりましたイオリ・コスイです。 よろしくお願いいたします」
女性に対して男性が行うと習った、右手を胸にあて頭をさげるという礼をする。
「初めましてコリンナ様、冒険者ランクBのレンジャー、アリーセ・ベルガーです」
一瞬俺につられて、男性の礼をアリーセがやりそうになったが、すぐに気がついてリカバリーしたようだ。
冒険者ランクとか言い忘れたけどまあ良いか……仮ランクだし。
俺とアリーセがコリンナ様に挨拶を返すと、魔法使いっぽい女性が一歩前に出た。
「お初にお目にかかりますわ。 私、エーリカ・ファイヤージンガーと申します。 コリンナ様に魔法をお教え剳せていただいておりますの。冒険者ランクBのマジックユーザーですわ」
この人は、着替えさせられてないっぽいけど、何が違うのだろう? あ、でもローブとか刺繍がびっしり入ってたり、帽子にもなにやら高そうな装飾が乗っているな。
俺らみたいに着せられている感が無いから、自前の良い服って感じなのかもしれない。
次来るときは、着替え怖……めんどくさいから俺もアバター装備で来ても良いかヴァルターさんに後で確認しよう。
「よし、では実演を始めてくれ」
もう待ちきれんとばかりに、ジークフリード様が促す。
ヴァルターさんが、すかさず横へ来て、近接スキルならば部屋の中央付近で、魔法や飛び道具は外向きに放つ様にと指示を受ける。
外側に目を向けると的であろう鎧を着たカカシが距離を変えて立っている。
武器は必要ならば一通り用意があるとのことだった。
「どっちから行く?」
「私から行かせて、あれに比べると地味だから、あとからやりたくないわ」
「あいあいまむ」
アリーセはアイテムボックスから白銀の弓と矢筒を取り出し、部屋の端に向かう。
「では、初めます」
アリーセは目を閉じ数回深呼吸をしたあとに、スキル名を宣言する。
「ラピッドアローズエクストラ!」
目を開いたと同時に走り出す。
相変わらずいつ矢をつがえたのかがわからない程の高速で弓を引き絞り、最初の矢を放った。
そのままの勢いを殺さず空中側転などアクロバティックな動きで縦横無尽に駆け巡りマシンガンの様な勢いで矢を放っていく。
それでいて、一本の矢も外すことなく的に命中していて、カカシがハリネズミのようになっていく。
滑るように立ち止まり、弓を下ろしてカカシに右手を向けて、指をパチンと鳴らすと次々に矢が爆炎を上げる。
爆炎が晴れると、残骸になったカカシが横たわっている。
って、めっちゃ派手じゃねーか! すげーかっこいいし、これの後にやる俺のほうが絶対地味だし、やり辛いわ!
「すばらしい!! これがドラゴンをも翻弄させたという技か!」
すごく喜んでおられる……。やばいな、この普通にスキルを披露したら気まずい空気が流れてしまうのでは無いだろうか?
ここは何か、考えねばいかん!
ウインドウが自分以外には見えないのを良いことに、素早くチートツールを起動しアイテム変化の中から派手なことになりそうなアイテムをチョイスしていく。
使用するスキルは『ソニックスラッシュ』であることに変わりはない。
ぶっ飛んでしまう一番大きな理由である反作用であるが、これは手に持った武器が重いために起こっている。
反作用とは単純に言えば押したら押し返されるというものであるので、単純に武器を軽くすることで派手に転びはしてもぶっ飛ぶまでには至らなくなったのである。
実際みんな大好きアンチマテリアルライフルに使われる50口径の弾丸の弾頭でも重量は50g程度なのである。
これに習って、軽いものを使うことである程度の解決を謀ったのである。
「では、僭越ながら続いて実演させて頂きます」
うわ、ものすごい期待した目でで見ている。失敗したらどうしよう。
アリーセめ、ハードル上げやがって。
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横を歩くアリーセに小声で聞いた。
「そうね、ソニックなんとかってスキルで良いんじゃないかしら、随分と練習してたみたいじゃない」
「あれか、ハッタリには良いか……」
一応、何度もぶっ飛びながらも使用に堪える程度には地道に検証と練習をした。
「アリーセはどうする?」
「そこまで派手さは無いけど、それっぽい事は出来るわよ」
「じゃあそれで、ってか思ったより冷静だな」
「それはあのポーションのおかげだと思うわ、むしろ普段よりも調子が良くて怖い位だわ」
効果はバツグンだ。
やっぱり緊張やストレスも状態異常扱いになるんだな。
しばらく進んで少し大きな扉が見えてきた。
ここにも衛兵が二人立っているようだ。
ヴァルターさんと俺らが近づくと、ちょうど通るタイミングで衛兵が扉を開けてくれた。
なんだろう地味に格好良さを感じてしまう。
そのままヴァルターさんの先導で中に入ると、弓道場の様な半分室内で半分が外となっている部屋だった。
ジークフリード様は先程と同じ服で、室内になっている側に備え付けられているテーブルセットで足を組んで優雅にお茶を飲んで待っていた。
そのはす向かいに、金髪の髪をお団子にまとめたくりっとした青い目が印象的な女の子と、とんがり帽子にローブと節くれだった杖という、いかにも魔法使いですといった佇まいのオレンジ色の髪をお下げにした女性がすわっていた。
「来たか、では早速だが顔合わせと行こう、コリンナ挨拶なさい」
「はい、お父様。 初めまして、イオリ様アリーセ様。 コリンナ・ローデンヴァルトと申します」
薄緑色のフリルの多いドレスで、ちょこんといった様子でカーテシーを披露する。
ジークフリード様が、なにやら満足げなので多分上手に出来ているということなのだろう。
「初めましてコリンナ様。 次回よりコリンナ様の家庭教師として付かせていただくことになりましたイオリ・コスイです。 よろしくお願いいたします」
女性に対して男性が行うと習った、右手を胸にあて頭をさげるという礼をする。
「初めましてコリンナ様、冒険者ランクBのレンジャー、アリーセ・ベルガーです」
一瞬俺につられて、男性の礼をアリーセがやりそうになったが、すぐに気がついてリカバリーしたようだ。
冒険者ランクとか言い忘れたけどまあ良いか……仮ランクだし。
俺とアリーセがコリンナ様に挨拶を返すと、魔法使いっぽい女性が一歩前に出た。
「お初にお目にかかりますわ。 私、エーリカ・ファイヤージンガーと申します。 コリンナ様に魔法をお教え剳せていただいておりますの。冒険者ランクBのマジックユーザーですわ」
この人は、着替えさせられてないっぽいけど、何が違うのだろう? あ、でもローブとか刺繍がびっしり入ってたり、帽子にもなにやら高そうな装飾が乗っているな。
俺らみたいに着せられている感が無いから、自前の良い服って感じなのかもしれない。
次来るときは、着替え怖……めんどくさいから俺もアバター装備で来ても良いかヴァルターさんに後で確認しよう。
「よし、では実演を始めてくれ」
もう待ちきれんとばかりに、ジークフリード様が促す。
ヴァルターさんが、すかさず横へ来て、近接スキルならば部屋の中央付近で、魔法や飛び道具は外向きに放つ様にと指示を受ける。
外側に目を向けると的であろう鎧を着たカカシが距離を変えて立っている。
武器は必要ならば一通り用意があるとのことだった。
「どっちから行く?」
「私から行かせて、あれに比べると地味だから、あとからやりたくないわ」
「あいあいまむ」
アリーセはアイテムボックスから白銀の弓と矢筒を取り出し、部屋の端に向かう。
「では、初めます」
アリーセは目を閉じ数回深呼吸をしたあとに、スキル名を宣言する。
「ラピッドアローズエクストラ!」
目を開いたと同時に走り出す。
相変わらずいつ矢をつがえたのかがわからない程の高速で弓を引き絞り、最初の矢を放った。
そのままの勢いを殺さず空中側転などアクロバティックな動きで縦横無尽に駆け巡りマシンガンの様な勢いで矢を放っていく。
それでいて、一本の矢も外すことなく的に命中していて、カカシがハリネズミのようになっていく。
滑るように立ち止まり、弓を下ろしてカカシに右手を向けて、指をパチンと鳴らすと次々に矢が爆炎を上げる。
爆炎が晴れると、残骸になったカカシが横たわっている。
って、めっちゃ派手じゃねーか! すげーかっこいいし、これの後にやる俺のほうが絶対地味だし、やり辛いわ!
「すばらしい!! これがドラゴンをも翻弄させたという技か!」
すごく喜んでおられる……。やばいな、この普通にスキルを披露したら気まずい空気が流れてしまうのでは無いだろうか?
ここは何か、考えねばいかん!
ウインドウが自分以外には見えないのを良いことに、素早くチートツールを起動しアイテム変化の中から派手なことになりそうなアイテムをチョイスしていく。
使用するスキルは『ソニックスラッシュ』であることに変わりはない。
ぶっ飛んでしまう一番大きな理由である反作用であるが、これは手に持った武器が重いために起こっている。
反作用とは単純に言えば押したら押し返されるというものであるので、単純に武器を軽くすることで派手に転びはしてもぶっ飛ぶまでには至らなくなったのである。
実際みんな大好きアンチマテリアルライフルに使われる50口径の弾丸の弾頭でも重量は50g程度なのである。
これに習って、軽いものを使うことである程度の解決を謀ったのである。
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