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5章 エルフの森
正座から始まる
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世界樹の上で感じる日射しは適度に葉によって遮られ、強すぎず、かと言って適度に剪定されているようで暗すぎるという事もない。
木々の間を効率よく風が通るように考えられているようで、湿度もそれほど高くなく非常に過ごしやすくい。
強いて問題があるとすれば、木々の成長とともに、上下と前後左右に道が曲がりくねってしまう事だろう。
道は基本的に板で舗装されているので、見た目よりも一枚一枚の段差が結構あるので、気をつけ歩かないと躓いてしまうのである。
これが意味するところとは、つまり……。
「あの……。 段差がちょうどスネにあたって足が痛いんですが?」
「そんな文句が言えるなんて、反省が足りないようね?」
はい、というわけで絶賛正座お説教中でございます。
意気揚々と皆が泊まっている大使館っぽい建物に戻ると、アリーセが腕を組んで仁王立ちで待っていた。
オマケでマルも横で同じポーズをしていたので、ほっこりして「出迎えご苦労さま」とか言ってノコノコ出て行ってしまったのが良くなかったのだと思う。
「全然ちがうからね?」
置いて行かれたとは言え、一人でこっそり抜け出したわけだから、帰りも夜を待ってこっそり戻れば良かったのだと思う。
「だから、違うって言ってんでしょうがー!」
すぱーん! と、非常に良い音を出してハリセンが俺に炸裂する。
「こんな物を盗ってくるからでしょ!? どうして到着早々普通に帰ってくることができないの!?」
ずびし、とアリーセが俺が持ち帰ってきた全高2m半くらいの木製のゴーレムを指差して言った。
ちなみに、持ち帰ったと言っても、流石に担いで運んで来たわけではない。
タブレットパソコンのようなコントロールパネルが付属されていて、それを操作する事でゆっくりではあるがゴーレム自身が歩いて着いて来たのである。
「失敬な! ちゃんとうら若きエルフの女性を蹂躙して合法的に手に入れたものだぞ?」
「犯罪行為にしか聞こえないわ、悪い事は言わないからちゃんと自首しなさい。ね、私も一緒行ってあげるから」
って急に優しい声で言われましても……。
「もきゅー」
マル……。 さすがご主人、普通の人が出来ない事を簡単にやってのける。 そこにしびれる憧れるーとか、言ってる場合じゃないからな。
蹂躙って言ったって、ずぎゅうううんとかやってないし?
「えーと、アリーセさん? 信じられないのも無理は無いけど、本当に合法的に手に入れて来たんだよ。 ギャスランさんが立ち会ってくれてるから、確認してくれよ」
「神様に出会って指名手配されるのがイオリでしょ? 合法的的に手に入れてても何かあるに決ってるわ!」
「む、否定したいが否定出来ない。 しかし俺は悪くないと主張する!」
「なんでえばってんのよ!? いっつも考え無しで行動した結果でしょーがー!」
スパンスパンとハリセンで叩かれていると、騒ぎを聞きつけてグレイさんが館からヤレヤレといった雰囲気で出てきた。
「あの、すみませんが、館の前でそういう事をやられると外聞が悪いので中でお願いしま……」
出入口で騒いでいたので、注意に来たと思われるグレイさんだったが、ゴーレムを見て固まった。
グレイさんはギギギと音がしそうな様子で俺の方に笑顔を向ける。
「……イオリさん。 流石に外交問題になりますので拘束させていただきますね。 抵抗されないようお願いしたいのですが?」
「ちょ、グレイさん剣に手をかけないで下さい! 大丈夫です。 ちゃんと合法的に手に入れて来てますから!」
グレイさんにこのゴーレムを手に入れた経緯を掻い摘んで説明して弁明をする。
「犯罪を犯す人は皆そう言いいます。 麻薬を小麦粉だと言ったりとね。 実にコリンナ様の教育上よろしくない」
やべえ聞いてくれねぇし顔は笑顔だけど目がマジだ。
一旦ミルカさんの店に引き返してギャスランさんを連れて来た方が良いかもしれない……。
我に逃走の準備ありだ。
「くっ! 一旦引くか。 木端微塵隠れの術!」
アイテムボックスからゲームでモンスターから逃げる為に使用する『目くらまし玉』を取り出して足元に投げつけ逃走する。
この『目くらまし玉』は派手な音と強い光、さらに爆風と煙まで発生させ、そのすきに逃げるというアイテムだ。
使い方と使用時の見た目から自爆しているようにしか見えないので、戦闘以外でも遊びで良く使われていたのだ。
普通に逃げてもアリーセによって、たちどころに捕まってしまうので、今回は確実性を重視してこのアイテムを使ったのである。
ちゃんと、ボロボロになった『代わり身人形Y』も置いて来た。
ダメージなんかを代わりに食らってくれる『身代わり人形』ではなく、『代わり身人形』である。
幾つかポーズ違いの人形があるが『Y』は使用したプレイヤーと同じ見た目をしており、サイ○イマンにヤられたヤム○ャ的なポーズをしているのが特徴だ。
「じ、自爆した!?」
「ゲホッ、なにかしようとしたようですが失敗したようですね……」
既にその場から離れた俺の背後で、そんな声がうっすら聴こえるが、人形だとバレるのも時間の問題なので可能な限り距離を取る。
アリーセの追跡能力は侮れないので、一度世界樹の中心方向の身分が高そうなエルフ達が住んでいるらしき場所を通って迂回する。
王都で何度もアリーセに捕まった俺が発見した唯一の必勝パターンでもある。
アリーセは、身分差というものにアレルギーがあるので、呼び出しでもない限り、まるで結界がそこにあるかのように、貴族街には踏み込んで来ないのだ。
とはいえ、あまりやりすぎると貴族街から出る所を特定されて、いつもより長く関節技を食らってしまうので、注意が必要であるのだが。
「無事に逃げられたか……」
建物の様式こそ、他と同じツリーハウス的なものだが、装飾や設置してある街灯的な魔道具、舗装に使われている板等のグレードが高くなっていて、ずいぶんと歩きやすい道を進みながらつぶやいた。
「まったく、ちょっとくらい話を聞いてくれたって良いだろうに。 非合法な事をするならもっとウマくやる事くらいわかりそうなもんだろうに」
「ふむ、例えばどのように?」
「そうだなあ、今回はそもそも得たいモノが知識や知的好奇心を満足させるモノであって物品そのものが欲しいわけじゃないから、記録の魔道具を二つ用意して片方に欲しい情報を記録して、もう片方にはグレーな情報を記録しといて後者をわざと発見させれば…… って誰だ!?」
「なるほど、そこそこ価値のある小さな宝を置いて、より大きな宝を隠すというのか、ご主人様は悪知恵が働くのう」
「ああ、なんだパールか」
不思議生物でメイドなドラゴンのパールが、俺の背後に立っていた。
何をしに来たのかわからないがロール状に巻いたゴザっぽいものをかかえている。
「で、なに抱えてるんだそれ?」
「これか? これはご主人様様の記憶から、こんな時に使う物だと知ってな」
パールが持っているものを広げて見せてくれたが、やはりただのゴザのようだ。
落ち着いて周りを見ると、満開には程遠いが周りの木々に綺麗なたくさん花が咲いていることに気がついた。
貴族街的な場所柄か、程よく手入れがされており、なかなか見応えがある。
「ああ、なるほど花見でもするのか?」
ドラゴンは酒好きだっていうし、パールもご多分に漏れずちょいと一杯的な感じでやってきたのだろう。
「ご主人様よ、勝手にやらせてもらうが良いか?」
「ん? ああ、良いぞ」
パールがござを広げて俺の方に近づいてきた。
ほとぼりが冷めるまで、花見をしながらココで時間を潰すのも良いかもしれない。
「んー!?」
地面にゴザを敷くのかと思ったら、パールはゴザというかムシロだな、それをを俺に巻きつけると身動き出来ないように縄でキツく縛った。
「逃げるかと思ったのだがご主人様が大人しくしてくれて楽にすんだの」
簀巻じゃねーかこれ!?
木々の間を効率よく風が通るように考えられているようで、湿度もそれほど高くなく非常に過ごしやすくい。
強いて問題があるとすれば、木々の成長とともに、上下と前後左右に道が曲がりくねってしまう事だろう。
道は基本的に板で舗装されているので、見た目よりも一枚一枚の段差が結構あるので、気をつけ歩かないと躓いてしまうのである。
これが意味するところとは、つまり……。
「あの……。 段差がちょうどスネにあたって足が痛いんですが?」
「そんな文句が言えるなんて、反省が足りないようね?」
はい、というわけで絶賛正座お説教中でございます。
意気揚々と皆が泊まっている大使館っぽい建物に戻ると、アリーセが腕を組んで仁王立ちで待っていた。
オマケでマルも横で同じポーズをしていたので、ほっこりして「出迎えご苦労さま」とか言ってノコノコ出て行ってしまったのが良くなかったのだと思う。
「全然ちがうからね?」
置いて行かれたとは言え、一人でこっそり抜け出したわけだから、帰りも夜を待ってこっそり戻れば良かったのだと思う。
「だから、違うって言ってんでしょうがー!」
すぱーん! と、非常に良い音を出してハリセンが俺に炸裂する。
「こんな物を盗ってくるからでしょ!? どうして到着早々普通に帰ってくることができないの!?」
ずびし、とアリーセが俺が持ち帰ってきた全高2m半くらいの木製のゴーレムを指差して言った。
ちなみに、持ち帰ったと言っても、流石に担いで運んで来たわけではない。
タブレットパソコンのようなコントロールパネルが付属されていて、それを操作する事でゆっくりではあるがゴーレム自身が歩いて着いて来たのである。
「失敬な! ちゃんとうら若きエルフの女性を蹂躙して合法的に手に入れたものだぞ?」
「犯罪行為にしか聞こえないわ、悪い事は言わないからちゃんと自首しなさい。ね、私も一緒行ってあげるから」
って急に優しい声で言われましても……。
「もきゅー」
マル……。 さすがご主人、普通の人が出来ない事を簡単にやってのける。 そこにしびれる憧れるーとか、言ってる場合じゃないからな。
蹂躙って言ったって、ずぎゅうううんとかやってないし?
「えーと、アリーセさん? 信じられないのも無理は無いけど、本当に合法的に手に入れて来たんだよ。 ギャスランさんが立ち会ってくれてるから、確認してくれよ」
「神様に出会って指名手配されるのがイオリでしょ? 合法的的に手に入れてても何かあるに決ってるわ!」
「む、否定したいが否定出来ない。 しかし俺は悪くないと主張する!」
「なんでえばってんのよ!? いっつも考え無しで行動した結果でしょーがー!」
スパンスパンとハリセンで叩かれていると、騒ぎを聞きつけてグレイさんが館からヤレヤレといった雰囲気で出てきた。
「あの、すみませんが、館の前でそういう事をやられると外聞が悪いので中でお願いしま……」
出入口で騒いでいたので、注意に来たと思われるグレイさんだったが、ゴーレムを見て固まった。
グレイさんはギギギと音がしそうな様子で俺の方に笑顔を向ける。
「……イオリさん。 流石に外交問題になりますので拘束させていただきますね。 抵抗されないようお願いしたいのですが?」
「ちょ、グレイさん剣に手をかけないで下さい! 大丈夫です。 ちゃんと合法的に手に入れて来てますから!」
グレイさんにこのゴーレムを手に入れた経緯を掻い摘んで説明して弁明をする。
「犯罪を犯す人は皆そう言いいます。 麻薬を小麦粉だと言ったりとね。 実にコリンナ様の教育上よろしくない」
やべえ聞いてくれねぇし顔は笑顔だけど目がマジだ。
一旦ミルカさんの店に引き返してギャスランさんを連れて来た方が良いかもしれない……。
我に逃走の準備ありだ。
「くっ! 一旦引くか。 木端微塵隠れの術!」
アイテムボックスからゲームでモンスターから逃げる為に使用する『目くらまし玉』を取り出して足元に投げつけ逃走する。
この『目くらまし玉』は派手な音と強い光、さらに爆風と煙まで発生させ、そのすきに逃げるというアイテムだ。
使い方と使用時の見た目から自爆しているようにしか見えないので、戦闘以外でも遊びで良く使われていたのだ。
普通に逃げてもアリーセによって、たちどころに捕まってしまうので、今回は確実性を重視してこのアイテムを使ったのである。
ちゃんと、ボロボロになった『代わり身人形Y』も置いて来た。
ダメージなんかを代わりに食らってくれる『身代わり人形』ではなく、『代わり身人形』である。
幾つかポーズ違いの人形があるが『Y』は使用したプレイヤーと同じ見た目をしており、サイ○イマンにヤられたヤム○ャ的なポーズをしているのが特徴だ。
「じ、自爆した!?」
「ゲホッ、なにかしようとしたようですが失敗したようですね……」
既にその場から離れた俺の背後で、そんな声がうっすら聴こえるが、人形だとバレるのも時間の問題なので可能な限り距離を取る。
アリーセの追跡能力は侮れないので、一度世界樹の中心方向の身分が高そうなエルフ達が住んでいるらしき場所を通って迂回する。
王都で何度もアリーセに捕まった俺が発見した唯一の必勝パターンでもある。
アリーセは、身分差というものにアレルギーがあるので、呼び出しでもない限り、まるで結界がそこにあるかのように、貴族街には踏み込んで来ないのだ。
とはいえ、あまりやりすぎると貴族街から出る所を特定されて、いつもより長く関節技を食らってしまうので、注意が必要であるのだが。
「無事に逃げられたか……」
建物の様式こそ、他と同じツリーハウス的なものだが、装飾や設置してある街灯的な魔道具、舗装に使われている板等のグレードが高くなっていて、ずいぶんと歩きやすい道を進みながらつぶやいた。
「まったく、ちょっとくらい話を聞いてくれたって良いだろうに。 非合法な事をするならもっとウマくやる事くらいわかりそうなもんだろうに」
「ふむ、例えばどのように?」
「そうだなあ、今回はそもそも得たいモノが知識や知的好奇心を満足させるモノであって物品そのものが欲しいわけじゃないから、記録の魔道具を二つ用意して片方に欲しい情報を記録して、もう片方にはグレーな情報を記録しといて後者をわざと発見させれば…… って誰だ!?」
「なるほど、そこそこ価値のある小さな宝を置いて、より大きな宝を隠すというのか、ご主人様は悪知恵が働くのう」
「ああ、なんだパールか」
不思議生物でメイドなドラゴンのパールが、俺の背後に立っていた。
何をしに来たのかわからないがロール状に巻いたゴザっぽいものをかかえている。
「で、なに抱えてるんだそれ?」
「これか? これはご主人様様の記憶から、こんな時に使う物だと知ってな」
パールが持っているものを広げて見せてくれたが、やはりただのゴザのようだ。
落ち着いて周りを見ると、満開には程遠いが周りの木々に綺麗なたくさん花が咲いていることに気がついた。
貴族街的な場所柄か、程よく手入れがされており、なかなか見応えがある。
「ああ、なるほど花見でもするのか?」
ドラゴンは酒好きだっていうし、パールもご多分に漏れずちょいと一杯的な感じでやってきたのだろう。
「ご主人様よ、勝手にやらせてもらうが良いか?」
「ん? ああ、良いぞ」
パールがござを広げて俺の方に近づいてきた。
ほとぼりが冷めるまで、花見をしながらココで時間を潰すのも良いかもしれない。
「んー!?」
地面にゴザを敷くのかと思ったら、パールはゴザというかムシロだな、それをを俺に巻きつけると身動き出来ないように縄でキツく縛った。
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