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第5話
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「はじめはオレの好きにさせてくれ」
灰谷が言う。
「いいよ」
はじめか。次があるってこと。
でも……。
「灰谷、わかるの?男同士のやり方」
「え?まあ……」
わかるんだ…。
「いや…まあ、女とはどう違うのかなとか、思うじゃん」
「うん」
「で、ちょっと調べたりとか」
「へえ~」
オレが見つめると、灰谷はちょっと怒ったような顔をする。
テレを隠す時、よくこういう顔をすることをオレは知っている。
ふふふ。テレてんのか。カワイイ。
「つうかオマエだって知ってんだろ。あれ?それとも、お前、なんだその、ツッコむ方で考えてた?」
「へ?」
ツッコむ方って…。
ああ。そうか。
ツッコむ方とツッコまれる方がある…よな。そうそう。
「いや、どっちも…」
「どっちも?さっき中田にワイルド系じゃないとツッコまれたくないとか言ってたじゃん」
「あ~あれは、売り言葉に買い言葉って言うか、あいつがヘンな冗談言うから…」
「じゃあ…え?オレにツッコまれたいし、ツッコみたいってこと?」
「いや…だから……」
困った。なんて言ったらいいんだろう。
「つうかオレ…そういうとこまで考えてなかったっていうか」
「わかんねえ。どういう事?」
「だから…オレ…その……」
灰谷はうつむくオレの顎をグイっと持ち上げて目を合わせてきた。
「いいから言ってみろ」
「だからその…オレ…灰谷と仲良くなりたいとかも思わなくて」
灰谷が目をむいた。
「違う。だから…そうじゃなくて…」
ああ。なんて言えばいいんだろう。
「だから…同じ教室にいて、いつでも見たい時に見ることができて。う~ん…たまにクラスメイトとして口きいて…ほとんどなかったけど。…それだけでいいっつうか」
灰谷の眉間にシワが寄る。
ああマズイ。
「灰谷だってさっき、見てるだけで良かったって言ったじゃん」
「言ったけど。実際やるやらないは別にして想像はするだろ」
「だからそこがオレ…触りたい、とかは…モチロンあったけど。ないもんだと思ってたし。その先とか全然……全然想像できなくて。ただ勝手に一人でヌイてたっていうか…」
ああ。なんだコレ、灰谷でヌイてましたって、なんだこれ。
どんな告白。
つうかうまく言えねえ~。
「だから…朝、学校行ったら灰谷がいつもの席にいてくれて。それだけで。それを見ることができるだけで…オレ、充分だったんだ」
ああ。伝わんねえ。こんなんじゃ。
「真島」
呼ばれて顔を上げると灰谷の手が優しくオレの頬を包みこんだ。
え?何?
「オマエ、カワイイな」
優しい目をして灰谷が言う。
え?何何なんで?何がカワイイの?
灰谷はオレにチュッチュッとキスをしたかと思うとギュッと抱きしめた。
「オマエ、カワイイ。カワイすぎる」
何何なんなの?オレなんかカワイイこと言った?
灰谷はカラダを離すとオレに向かって手を差し出した。
「真島」
灰谷の手。
オレより大きくて、長くてキレイな指の。
いつも見ていたオレの大好きな灰谷の手。
オレは灰谷が差し出してくれたその手の上に、自分の手をのせた。
「ククッ。オマエ、グーって。お手か!」
「ご、ごめん」
「いや、いいけど」
灰谷はオレの指をぎゅっと握り、目を真正面から合わせてこう言った。
「真島、オレにオマエを抱かせてくれ」
「うん」
オレは答えた。
灰谷が言う。
「いいよ」
はじめか。次があるってこと。
でも……。
「灰谷、わかるの?男同士のやり方」
「え?まあ……」
わかるんだ…。
「いや…まあ、女とはどう違うのかなとか、思うじゃん」
「うん」
「で、ちょっと調べたりとか」
「へえ~」
オレが見つめると、灰谷はちょっと怒ったような顔をする。
テレを隠す時、よくこういう顔をすることをオレは知っている。
ふふふ。テレてんのか。カワイイ。
「つうかオマエだって知ってんだろ。あれ?それとも、お前、なんだその、ツッコむ方で考えてた?」
「へ?」
ツッコむ方って…。
ああ。そうか。
ツッコむ方とツッコまれる方がある…よな。そうそう。
「いや、どっちも…」
「どっちも?さっき中田にワイルド系じゃないとツッコまれたくないとか言ってたじゃん」
「あ~あれは、売り言葉に買い言葉って言うか、あいつがヘンな冗談言うから…」
「じゃあ…え?オレにツッコまれたいし、ツッコみたいってこと?」
「いや…だから……」
困った。なんて言ったらいいんだろう。
「つうかオレ…そういうとこまで考えてなかったっていうか」
「わかんねえ。どういう事?」
「だから…オレ…その……」
灰谷はうつむくオレの顎をグイっと持ち上げて目を合わせてきた。
「いいから言ってみろ」
「だからその…オレ…灰谷と仲良くなりたいとかも思わなくて」
灰谷が目をむいた。
「違う。だから…そうじゃなくて…」
ああ。なんて言えばいいんだろう。
「だから…同じ教室にいて、いつでも見たい時に見ることができて。う~ん…たまにクラスメイトとして口きいて…ほとんどなかったけど。…それだけでいいっつうか」
灰谷の眉間にシワが寄る。
ああマズイ。
「灰谷だってさっき、見てるだけで良かったって言ったじゃん」
「言ったけど。実際やるやらないは別にして想像はするだろ」
「だからそこがオレ…触りたい、とかは…モチロンあったけど。ないもんだと思ってたし。その先とか全然……全然想像できなくて。ただ勝手に一人でヌイてたっていうか…」
ああ。なんだコレ、灰谷でヌイてましたって、なんだこれ。
どんな告白。
つうかうまく言えねえ~。
「だから…朝、学校行ったら灰谷がいつもの席にいてくれて。それだけで。それを見ることができるだけで…オレ、充分だったんだ」
ああ。伝わんねえ。こんなんじゃ。
「真島」
呼ばれて顔を上げると灰谷の手が優しくオレの頬を包みこんだ。
え?何?
「オマエ、カワイイな」
優しい目をして灰谷が言う。
え?何何なんで?何がカワイイの?
灰谷はオレにチュッチュッとキスをしたかと思うとギュッと抱きしめた。
「オマエ、カワイイ。カワイすぎる」
何何なんなの?オレなんかカワイイこと言った?
灰谷はカラダを離すとオレに向かって手を差し出した。
「真島」
灰谷の手。
オレより大きくて、長くてキレイな指の。
いつも見ていたオレの大好きな灰谷の手。
オレは灰谷が差し出してくれたその手の上に、自分の手をのせた。
「ククッ。オマエ、グーって。お手か!」
「ご、ごめん」
「いや、いいけど」
灰谷はオレの指をぎゅっと握り、目を真正面から合わせてこう言った。
「真島、オレにオマエを抱かせてくれ」
「うん」
オレは答えた。
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