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第6話
しおりを挟むゆっくりしようの言葉どおり、灰谷は優しく優しくオレに触れた。
一つ一つ確かめるように。
長い指でオレの顔をそっとはさみこみ、見つめた。
灰谷の目は優しい。
唇にキスをした。舌を入れない優しい優しいキス。
オレの唇の感触を味わっているようにじっくり、ゆっくり。
なんかそれだけでトケそうだ。
額にキスして、両まぶたにキスをした。
んんッ。
まぶたにキス。
灰谷の唇、熱い。
そしてオレの鼻の頭に自分の鼻の頭をグリグリこすりつけた。
くすぐったい。
灰谷の目が笑う。
オレも笑う。
鼻の頭にキスをすると鼻筋を下から上にベローっとなめた。
うっひゃっ犬か!
「ワン!」
灰谷が吠えた。
チクショー。からかってんな。
「ワン!」
オレも吠え返した。
灰谷は笑って頬にチュッチュッとキスをした。
なんだか心がくすぐったい。
灰谷の指がオレの耳のフチを撫でる。
「産毛カワイイ。耳、赤くなってんぞ」
耳にフーフー息をかけて、チュッチュッとキスをする。
「灰谷…くすぐったい」
灰谷は笑って耳をペチャペチャとしゃぶり、軽く歯を立てた。
カラダがビクリとしてしまう。
「噛まねえよ」
耳元で灰谷のハスキーな声。
耳からアゴを通って首へ灰谷のキスが降りてくる。
ゾクゾクと皮膚に小さなさざ波がたつ。
着ていたTシャツを脱がされる。
灰谷がオレのカラダを見つめる。
「…そんなに見んなよ…」
「見るよ」
熱い。視線が熱い。
灰谷の両手がゆっくりと、オレのアゴのラインをたどり、首をすべり、肩へそして腕へ。
まるでオレのカラダのカタチをその手のひらに写し取るみたいにゆっくりと撫で下ろされた。
両手首をぎゅっと掴まれる。
そして撫でたラインを唇で一つ一つなぞってくる。
灰谷の指先の、手のひらの、掴まれた手首の、唇の、触れたところが熱い。
「ハァ…」
思わず吐息がモレてしまう。
「まだだ。誘うな真島」
「…そんなこと…してない」
パタリと押し倒された。
灰谷がオレを見つめる。
下から見上げたその顔にゾクゾクする。
灰谷はオレの胸の上にペタリと手のひらを置くと目を閉じた。
ドクドクドクドク、鼓動が速くなる。
灰谷はしばらく動かなかった。
まるでオレの心臓の音を聞いているように。
目を閉じた灰谷の顔はキレイだった。
はじめて見る顔。
その眉の、一重まぶたの、尖った鼻の、薄い唇の、顎のラインを一つ一つ指でなぞって口づけたいと思った。
灰谷はゆっくりと目を開けると、そのままオレのカラダの表面を撫で下ろした。
吸いつくように。
そう、手のひらにすべて記憶させようとするかのように。
オレの胸に腹に腰に手を滑らせた。
熱い視線に熱い手のひら。熱い指先。
皮膚がゾクゾクと泡立つ。
ああ。ゾクゾクが止まらない。
カラダの表面が灰谷の視線と愛撫でチリチリと焼かれていくようだ。
「ハア~」
オレは長い息を吐く。
ペロリ。
乳首を舐められた。
「うひゃっ…」
舌先で乳首をペロペロ舐められて、音をたててチューチュー吸われる。
「…くすぐったいよ」
もう片方の乳首を指先でグニグニとつままれる。
「い…イタイ…」
「ちょっと我慢しろ」
灰谷の唇と指で丹念にほぐされていく。
次第にプルプルと小さな快感が立ち上ってくる。
「んッ…んッ…」
声がモレそうだ。
「ここ気持ちよくねえ?立ってきたけど」
オレの反応をみる灰谷の顔を見るのが恥ずかしい。
「…あ?言わせんなよ」
「なんだよ。やめるか」
「いや…」
「ん?」
灰谷がいじわるな顔をして、触るか触らないかのところを指でこする。
「アッ…だから…」
「ちゃんと言えよ」
「ッ…ハッ…灰谷が触ると…どこもかしこも気持ちいいよ」
恥ずかしい。なんてこと言わせんだ。つうか言ってんだオレ。
「オマエ…カワイイな~」
「やめろっ」
「カワイイよ」
灰谷がブチュッと唇にキスをした。
ブチュブチュとキスを落とされる。
灰谷が笑っている。
「恥ずかしい。あんまり見るな灰谷」
「うるさい」
手首をつかまれ頭の脇で固定される。
「黙って感じとけ。好きにさせろ…焼きつけたいんだ……手に目に心に」
オレを見つめる灰谷の目から、手から、そして心からカラダから伝わってくるもの。
それを言葉にするならたぶん……愛しいだった。
オレを愛しいと思う気持ち。
はじめてだった。
そんな風に感じたのは。
嬉しかった。
くすぐったくって恥ずかしかった。
だから憎まれ口を叩いてしまう。
「…なんだそれ、ポエムかポエマーか」
「うるせえ」
口をふさがれた。
「んぁっ…ん…ん…ん…ん…」
灰谷の舌がオレの上あごを執拗に舐める。
口の中がトロトロに溶けていく。
力が抜けてぼうっとする。
目を開けば灰谷が見下ろしていた。
「目、トロンとさせちゃって…たまんねえ」
灰谷はまた乳首を舐めてしゃぶった。
オレの乳首はビンビンに立って膨らみ、痛いくらいだった。
胸から腹へキスを落としながら脇腹を大きな手で上から下にふわりふわりと撫でられる。
「ハッ…ハッ……やッ……」
「腰、弱いんだな」
スリスリと撫でながら腹にチュッチュッとキスをする。
「あっ…やだ…」
へその溝を灰谷の舌がなぞる。
そんなとこ…恥ずかしい。
灰谷の手が唇が触れるたびに小さな快感が重なり合って輪を広げていく。
カラダの中心に血が集まる。
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