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第9話

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灰谷がTシャツを脱ぐ。
はじめて間近で見る灰谷のカラダ。

「ヤラシイ目になってるぞ」

オレの顔を見て灰谷が言う。

「…なるよ、そりゃ」
「だよな」

ジーンズを脱いだ。
オレの目は一点にそそがれる。
灰谷が下着を脱いだ。
勃ってる。オレで勃ってる。

「あんま見られっと恥ずかしいんですけど」
「それを言ったら一人だけマッパで恥ずかしかったんですけど…つうか早く…オマエをくれ」

その言葉で火がついたのか、灰谷はオレをひっくり返して手をつかせ、腰を高くあげさせた。
覆いかぶさってくる。
手のひらで背中を上から下にぶわりと撫でられた。
ゾクリとする。
脇から腰にかけて撫でおろしながら、首筋から背骨にそってチュッチュッと細かいキスがふってくる。
ヤバイ。

「はあ~」

思わずオレは身をくねらせて息を吐く。
灰谷が腰を撫でながら、尻にキスをする。揉みしだかれる。
ぐいっと横に広げられたと思ったら、ゆるりゆるりと指先で優しく撫でまわされる。
そこ…さっきオレのを塗った…クチャクチャと音がする。

恥ずかしい。恥ずかしすぎる…と思っていたらピチャリ。
指とは違う何かがチロチロと穴の周りを…。
まさか?
灰谷がオレの穴に舌を這わせていた。

「灰谷!やめて…そこ…キタナイ…やだ…」

灰谷はやめてくれない。
ゾワゾワする。
思いとは裏腹にオレの中心がウズウズする。
舌が離れたと思ったら指。
穴の周りをまたゆるゆると撫でられる。

「はぁッ…」

敏感になったそこがヒクヒクする。
同時に腰をさわさわと撫でられる。

「はぁ~」

ああ、腕を支えていられない。

「ヒャッ…」

指…指が入ってくる。
ヌプヌプ…ヌプヌプ…ゆっくり時間をかけて入ってくる。
強烈な違和感と痛み。

「あぁ…んっ…」
「力抜いて息吐け」

はあ~はあ~息を吐く。
指は奥へ奥へ。
一番奥までたどり着くと、しばらくそのまま動かなかった。

「痛いか」

心配そうな灰谷の声が聞こえる。

「ん…だいじょぶ…」

灰谷はオレの背中に小さくキスをしながら、時間をかけて指を抜き差ししてオレの中を広げていく。

「あっ…」

ピリッと快感が走った。

腹の内側あたり。
そこ…なんか…ヤバイ。

オレの反応を見た灰谷がそこをゆっくりと撫でる。

「うん。ここ確かいい所なはず」

「はぁッ…」

灰谷は指を増やしてはゆっくりゆっくり抜き挿しし、穴を広げ、オレが痛みを感じるとそこを指で挟んだり、振動させたりした。
痛みはなくならないけど、快感もある…。

「はぁあ~あっ…あっ…ふうぅ…ん…」

耐えられなくてオレは自分の腕の内側に噛みつく。
あそこがギチギチと勃って前が先走りを出す。


「ん…ダメだ。真島…オレ…限界…」

指がグイっと引き抜かれ、カラダをひっくり返され足を広げられた。

「挿れんぞ」

切羽詰まった灰谷の顔とギチギチに勃った灰谷の前。

「ん…」

ヌル…ヌルヌルヌルヌル。
尻の穴にあてがわれたヌルッとして生暖かい感触。

「ンッ……」

ミリミリとオレの中ををこじ開けてゆっくりゆっくり入ってくる。
密度のある脈打つ肉。
熱い。

指よりも強烈な異物感と腹の中の圧迫感。
思わず力が入る。

「力抜け…息吐け…」

灰谷の声がする。
目を開ければ灰谷の顔も辛そうで。

ふう~。オレは大きく息を吸って吐く。
呼吸に合わせて灰谷がゆっくりゆっくり入ってくる。
奥へ。奥へ。

「せまっ…」

「アッ……ウッ……フゥ……ハァ……」

何度も抜き挿ししてやっと一番奥に達した。

オレの中が灰谷をとらえる。
灰谷でいっぱいになった。

キツイのだろう、灰谷は奥まで入れるとしばらくじっとしていた。

「真島…大丈夫か?」
「…うん…灰谷…」
「ん?」
「つながってる…」
「ああ…」
「オレたち、つながってる…」
「うん」

オレたちはカラダをつなげて見つめ合う。
ただ呼吸しているだけなのに、内に灰谷を感じる。

オレの中に灰谷がいる。

オレたちは唇を合わせた。

ああ…つながってる。

灰谷が言う。

「…ダメだ…動きたい」

オレは灰谷の首に腕をまきつけて言った。

「灰谷…いいよ…」
「真島」

オレの言葉に耐え切れなくなったのだろう。
灰谷が激しく突いた。

「アアッ…」
「真島っ…真島っ…真島っ…」

深く突かれる。

「ハッ…灰…ハァ…灰…たにぃ…ああッ…」

オレは灰谷のカラダにしがみつく。

「はぁあ…ヤッ……あッ…ああッ……」

ヤバイ…ヤバイ…ヤバイ…。

「あッ…」

電気が走ったように快感が走る。
そこ、そこ、さっきのとこ……ヤバイ。

灰谷がピンポイントで突いてこすりあげる。

「あっ…ヤ…ヤ…ああ…」

止まらない。
今まで感じたことのない快感で頭の中が白くなる。
ダメだ。
ヤバイ。
壊れる。
壊れる。
おかしくなる。

「灰…灰…灰谷ぃ…」
「止まんねえ」

灰谷が一気に攻めこんでくる。

「ああ…イッ…クッ…はッ…ヤッ…ああッ…」

頭の中が白くはじけた。

灰谷がオレのカラダを強く強く抱きしめた。
オレの中に感触がある。
灰谷もイったようだった。

頭のてっぺんからつま先までピリピリとシビれて動けなかった。
オレと灰谷の、はぁはぁと息をする声だけが響いた。

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