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魂は細部に宿る④
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④
次の日の朝、早速その小学校にアポを取る。しかし、校長は受け入れてくれなかった。
その事件に関しては一切教えてくれなかった。
途方に暮れながらその日の昼間まで事務所で過ごしていた。良いところまでは来てるんだけどなぁ
そう思ってふと一昨日の二心創開総本部の事を思い出していた。
俺はハッと思い出した。
俺はすぐに二心創開総本部に再び電話を入れた。
再び、二心創開総本部に到着し、建物の中に入る。
適当にすれ違う人達に挨拶をしながら、一階の第一体育館に向かう。
今日もそこには子供達がいた。小学生くらいの子がたくさんいる。俺は勘付いていた。ここ周辺には2つの小学校がある。
それならここにはあの小学校に通う子達もいるだろう。きっといる。
俺はしらみつぶしに聞いた。どこの学校なのか、何年生なのか、
そして小学生に質問する一番大事な事は一つ。不登校になった子はいないか。だ。なぜ不登校なのかは俺の感だ。
昨日ホームレスのおじさんから聞いた話だと二心創開は『隠す』と言っていた。何を隠すかまでは分からないが、それがもし、小学生の事だとすれば学校には来てないはずだ。
もちろん物理的ではなく、事件を隠すだとかそんな意味合いの可能性もあるが、なんとなくそうじゃない気がするのだ。
とりあえず手探りで小学生に声をかけてみる。あまり長い時間やると創開の連中に怪しまれる可能性があるので、短時間で行う。
ある程度の人数に質問しているうちに、被害者の学校と不登校の可能性がある少女の学校の制服の違いが分かってきた。
私服の子もいるが、制服の子もいるのだ。
女子小学生の高学年だろうか?4人で集まってこちらに歩いてくる。彼女達は被害者の学校とは違う制服を来ていた。これはもしかするともしかしてかもしれない。
『こんにちは。ちょっといいかな?』
優しい笑顔のつもりで話しかける。彼女たちは微妙な顔をしている。どんな反応をすれば分からないって顔だ。
『君たちの学校で急に不登校になり始めたって子はいない?』
彼女達は顔を見合わせてボソボソと話し合っていた。どうする?、でも言っちゃダメって
、警察じゃなさそうだよ、とかそんな声が聞こえる。
彼女達はこちらを見た。
『います。』
俺の鼓動が早まる。やはり俺の勘はいい。ビンゴだ。
『名前は、分かる?』
そう聞くと、彼女達は渋々答えてくれた。その名前を聞くとまた一つ真相に近づいた気がした。
次の日の夕方、パーキングエリアに車を停めると、俺は徒歩でその家に向かう。住所は探偵の力で自力で調べてやった。そのせいでもうこんな時間だ。辺りはうっすらと暗い。
こじんまりとした家だ。俺はその家の前に立つとインターホンを鳴らす。鳴らす時に表札に名前が見えた。
『はーい』と扉が開く。出てきた彼女は驚いた表情を見せた。
『長野さん。今お時間大丈夫ですか?』
神妙な顔でそう質問する。
彼女は中には入れてくれなかった。それもそうだ。つい3日前に施設を案内した人がいきなり家の前にいるのだから。怖いものだろう。
しかし彼女は冷静だった。落ち着いた口調で俺に色々な質問をした。
なぜ家を知っているのか、何しにきたのか、
それを聞かれて素直に言うわけにはいかず、答えがあやふやになってしまう。
仕方ないじゃないか、こちとら後ろめたいことしかしてないんだ。彼女は俺の態度を見て警戒してしまった。
彼女は話を聞いてくれず、追い返されてしまった。
娘さんはどこに行ったんですか?と聞くと明らかに表情が変わったが、あなたに言う必要はないと扉を閉められた。
仕方ない。しかし、明らかに何かある。もっと調べればきっと手がかりが見つかるはずだ。でも、どうやって...
そう思い、家から立ち去ろうとすると、男性がこちらを見ていた。何かを訴えかけるかのような目だ。俺はその目を見るとスッと自分の名刺を渡し、その場から去った。
危険な行為だったと思う。でも彼は大丈夫。そんな気がした。俺の感はよく当たるのだ。
その日の夜、見た事ないアドレスからメールが来た。
その内容は、話したい事があるので、隣町のこの場所まで来て欲しいとの事。文面の下には位置情報が添付してあった。
位置情報を見ると車通りが多く、とても待ち合わせに向いているような場所ではなかった。でもこれは罠の可能性は低い事を意味している。
これは会うしか選択肢はないだろう。長野には拒絶され、学校にも拒否されていた。二心創開にはもちろん行けない。
どのみち今は彼に賭けるしかない。
翌日の夜、時間通りに待ち合わせに俺は到着した。するとそこにはすでに1人の男性が立っていた。
彼は俺を見ると小さくお辞儀をした。俺も小さくお辞儀をする。
軽く挨拶をして、近くのファミリーレストランに入る。
夜飯は済ませてきた。どうやら彼も食べる気はないらしい。2人ともコーヒーを注文する。
『僕はあの家の父です。』
彼は開口一番そう言った。フーッと息を吐き、何かを決心したような顔をして、彼は言った。
『美奈(みな)の...娘の居場所を知っています。』
俺は彼に話を聞いた。
と言っても彼の話は事件の真相とまではいかなかった。しかし、現状を打破するきっかけにはなった。
彼は娘が帰ってこない事を悲しんでいた。もちろん妻にも聞いた。でも妻は話してくれない。なんなら妻は警察に言ったらタダじゃおかないからっと脅してきたという。
彼は妻に恐怖していた。付き合っていた当初は優しく、頭のいい彼女に惹かれてそのまま結婚したようだ。彼女が何かしらの宗教に入っているのは知っていたが、そんな事は関係なかった。彼は彼女を愛していたのだ。
しかし、結婚してからというもの、彼女はたまにスンッと冷酷な目をするようになったのだ。二心創開の話をすると彼女はどうにも鋭くなるとのこと。
彼はどうにもあの宗教が悪いものだとしか思えなかった。彼女と結婚し、この地域に引っ越してきたものの、地域の人々はその宗教に敬愛というか恐怖の気持ちの方が大きかった気がするという。
悪い噂は絶えなかった。ヤクザと繋がりがあるとか、怪しい薬を製造しているとか、そんな話を彼女にすると、今まで見たこともない冷酷な顔をするというのだ。
しかし、二心創開の話をしなければ彼女は至って普通の女性だ。彼女を理解したつもりで彼はとやかくその話を持ち出すことはなかったのだ。自分を宗教に勧誘しないだけマシだとそう思ったらしい。
そんな時事件は起きる。美奈が行方不明になったのだ、自分が仕事から帰ってくると、美奈がいなかった。どこに行ったのと聞くと、美奈は戻ってこないと言った。
そんな事許せるわけがなかった。彼は美奈を溺愛していた。最近そっけなくなり、お風呂も一緒に入らなくなってしまったが、そういう時期が来るもんだと覚悟していた。なにせ愛している妻との愛の結晶だ。ほっとける訳がない。
しかし、彼女は冷酷な顔をしていた。そして脅してきた。彼はその顔がトラウマだったのだ。その顔を見ると彼は反抗心を失ってしまう。彼はこの3ヶ月やるせない気持ちでいっぱいだったという。
彼は娘がどこにいるか勘づいていた。妻がたまーに電話で誰かと話している時に聞いていたという。
『娘はおそらく、いや、確実に二心創開総本部にいます。』
『信じていいんですか?』
『僕はどうなっても構いません。警察に引き渡してください。全てを話します。』
俺はそれを聞いて今井に連絡を取った。
こうなったら早かった。今井が父親を保護し、彼の話を署で聞いていた。
一応というか保護の名目で俺が話を聞いたホームレスのおじさんも警察に引き渡した。おじさんは裏切りやがったなー!とか喚いていたが、自分に対する対応をみて、すぐに裏切られたわけでは無いと察したようだ。
ホームレスの彼の話と父親の話を聞いて今井は叫んだ。
『よーーし!!ガサ入れすっぞぉぉぁ!!』
難航していた捜査は大きく動いた。それと同時に俺の仕事は終わった。
次の日の朝、早速その小学校にアポを取る。しかし、校長は受け入れてくれなかった。
その事件に関しては一切教えてくれなかった。
途方に暮れながらその日の昼間まで事務所で過ごしていた。良いところまでは来てるんだけどなぁ
そう思ってふと一昨日の二心創開総本部の事を思い出していた。
俺はハッと思い出した。
俺はすぐに二心創開総本部に再び電話を入れた。
再び、二心創開総本部に到着し、建物の中に入る。
適当にすれ違う人達に挨拶をしながら、一階の第一体育館に向かう。
今日もそこには子供達がいた。小学生くらいの子がたくさんいる。俺は勘付いていた。ここ周辺には2つの小学校がある。
それならここにはあの小学校に通う子達もいるだろう。きっといる。
俺はしらみつぶしに聞いた。どこの学校なのか、何年生なのか、
そして小学生に質問する一番大事な事は一つ。不登校になった子はいないか。だ。なぜ不登校なのかは俺の感だ。
昨日ホームレスのおじさんから聞いた話だと二心創開は『隠す』と言っていた。何を隠すかまでは分からないが、それがもし、小学生の事だとすれば学校には来てないはずだ。
もちろん物理的ではなく、事件を隠すだとかそんな意味合いの可能性もあるが、なんとなくそうじゃない気がするのだ。
とりあえず手探りで小学生に声をかけてみる。あまり長い時間やると創開の連中に怪しまれる可能性があるので、短時間で行う。
ある程度の人数に質問しているうちに、被害者の学校と不登校の可能性がある少女の学校の制服の違いが分かってきた。
私服の子もいるが、制服の子もいるのだ。
女子小学生の高学年だろうか?4人で集まってこちらに歩いてくる。彼女達は被害者の学校とは違う制服を来ていた。これはもしかするともしかしてかもしれない。
『こんにちは。ちょっといいかな?』
優しい笑顔のつもりで話しかける。彼女たちは微妙な顔をしている。どんな反応をすれば分からないって顔だ。
『君たちの学校で急に不登校になり始めたって子はいない?』
彼女達は顔を見合わせてボソボソと話し合っていた。どうする?、でも言っちゃダメって
、警察じゃなさそうだよ、とかそんな声が聞こえる。
彼女達はこちらを見た。
『います。』
俺の鼓動が早まる。やはり俺の勘はいい。ビンゴだ。
『名前は、分かる?』
そう聞くと、彼女達は渋々答えてくれた。その名前を聞くとまた一つ真相に近づいた気がした。
次の日の夕方、パーキングエリアに車を停めると、俺は徒歩でその家に向かう。住所は探偵の力で自力で調べてやった。そのせいでもうこんな時間だ。辺りはうっすらと暗い。
こじんまりとした家だ。俺はその家の前に立つとインターホンを鳴らす。鳴らす時に表札に名前が見えた。
『はーい』と扉が開く。出てきた彼女は驚いた表情を見せた。
『長野さん。今お時間大丈夫ですか?』
神妙な顔でそう質問する。
彼女は中には入れてくれなかった。それもそうだ。つい3日前に施設を案内した人がいきなり家の前にいるのだから。怖いものだろう。
しかし彼女は冷静だった。落ち着いた口調で俺に色々な質問をした。
なぜ家を知っているのか、何しにきたのか、
それを聞かれて素直に言うわけにはいかず、答えがあやふやになってしまう。
仕方ないじゃないか、こちとら後ろめたいことしかしてないんだ。彼女は俺の態度を見て警戒してしまった。
彼女は話を聞いてくれず、追い返されてしまった。
娘さんはどこに行ったんですか?と聞くと明らかに表情が変わったが、あなたに言う必要はないと扉を閉められた。
仕方ない。しかし、明らかに何かある。もっと調べればきっと手がかりが見つかるはずだ。でも、どうやって...
そう思い、家から立ち去ろうとすると、男性がこちらを見ていた。何かを訴えかけるかのような目だ。俺はその目を見るとスッと自分の名刺を渡し、その場から去った。
危険な行為だったと思う。でも彼は大丈夫。そんな気がした。俺の感はよく当たるのだ。
その日の夜、見た事ないアドレスからメールが来た。
その内容は、話したい事があるので、隣町のこの場所まで来て欲しいとの事。文面の下には位置情報が添付してあった。
位置情報を見ると車通りが多く、とても待ち合わせに向いているような場所ではなかった。でもこれは罠の可能性は低い事を意味している。
これは会うしか選択肢はないだろう。長野には拒絶され、学校にも拒否されていた。二心創開にはもちろん行けない。
どのみち今は彼に賭けるしかない。
翌日の夜、時間通りに待ち合わせに俺は到着した。するとそこにはすでに1人の男性が立っていた。
彼は俺を見ると小さくお辞儀をした。俺も小さくお辞儀をする。
軽く挨拶をして、近くのファミリーレストランに入る。
夜飯は済ませてきた。どうやら彼も食べる気はないらしい。2人ともコーヒーを注文する。
『僕はあの家の父です。』
彼は開口一番そう言った。フーッと息を吐き、何かを決心したような顔をして、彼は言った。
『美奈(みな)の...娘の居場所を知っています。』
俺は彼に話を聞いた。
と言っても彼の話は事件の真相とまではいかなかった。しかし、現状を打破するきっかけにはなった。
彼は娘が帰ってこない事を悲しんでいた。もちろん妻にも聞いた。でも妻は話してくれない。なんなら妻は警察に言ったらタダじゃおかないからっと脅してきたという。
彼は妻に恐怖していた。付き合っていた当初は優しく、頭のいい彼女に惹かれてそのまま結婚したようだ。彼女が何かしらの宗教に入っているのは知っていたが、そんな事は関係なかった。彼は彼女を愛していたのだ。
しかし、結婚してからというもの、彼女はたまにスンッと冷酷な目をするようになったのだ。二心創開の話をすると彼女はどうにも鋭くなるとのこと。
彼はどうにもあの宗教が悪いものだとしか思えなかった。彼女と結婚し、この地域に引っ越してきたものの、地域の人々はその宗教に敬愛というか恐怖の気持ちの方が大きかった気がするという。
悪い噂は絶えなかった。ヤクザと繋がりがあるとか、怪しい薬を製造しているとか、そんな話を彼女にすると、今まで見たこともない冷酷な顔をするというのだ。
しかし、二心創開の話をしなければ彼女は至って普通の女性だ。彼女を理解したつもりで彼はとやかくその話を持ち出すことはなかったのだ。自分を宗教に勧誘しないだけマシだとそう思ったらしい。
そんな時事件は起きる。美奈が行方不明になったのだ、自分が仕事から帰ってくると、美奈がいなかった。どこに行ったのと聞くと、美奈は戻ってこないと言った。
そんな事許せるわけがなかった。彼は美奈を溺愛していた。最近そっけなくなり、お風呂も一緒に入らなくなってしまったが、そういう時期が来るもんだと覚悟していた。なにせ愛している妻との愛の結晶だ。ほっとける訳がない。
しかし、彼女は冷酷な顔をしていた。そして脅してきた。彼はその顔がトラウマだったのだ。その顔を見ると彼は反抗心を失ってしまう。彼はこの3ヶ月やるせない気持ちでいっぱいだったという。
彼は娘がどこにいるか勘づいていた。妻がたまーに電話で誰かと話している時に聞いていたという。
『娘はおそらく、いや、確実に二心創開総本部にいます。』
『信じていいんですか?』
『僕はどうなっても構いません。警察に引き渡してください。全てを話します。』
俺はそれを聞いて今井に連絡を取った。
こうなったら早かった。今井が父親を保護し、彼の話を署で聞いていた。
一応というか保護の名目で俺が話を聞いたホームレスのおじさんも警察に引き渡した。おじさんは裏切りやがったなー!とか喚いていたが、自分に対する対応をみて、すぐに裏切られたわけでは無いと察したようだ。
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