隷属神官の快楽記録

彩月野生

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狂い始める運命

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リアムがリュカを連れて客間に戻ると、ちょうどオルト達が移動するところだった。
リュカがリアムの涙のあとに気付いたようで、そっと背中をさすってくれる。
リアムは何があったのか話す気にはなれず、俯いてオルト達に続いた。

突き当たりの巨大な扉の前まで案内されると、中から入るように声をかけられる。

リュカが扉を開くと、オルト達とリアムは歩を進めた。

「待っていたぞ」

ヴァルター王が脚を組み、朱色の長椅子でくつろいでいた。
四十路を迎えたばかりの精悍な顔つきの国王には、ある悪い噂がある。
リアムはそれが心配だった。
王はまるで値踏みするかのような視線を向けてくる。
鋭い眼光には、欲望が渦巻いているのがわかる。

リアムだけでなく、リュカは視線を落とし、オルトは険しい顔つきをしていた。
二人は王の悪癖について知っている様子だ。

オルトから順に兄弟が挨拶を述べた。
王は頷くと頬を緩める。

「エッカルト家のご子息たちも元気そうでなによりだ」

王がリアムを見据えると、その青い目を細めて口の端をつりあげた。

「お前がリアムか。魔族の男に惚れてあげく我が国に招き入れた不届きものめ」
「……っ」  

王に睨まれてリアムは萎縮してしまう。
その目には強い生命力が宿り欲望でギラついているように見えた。
クロヴィスがすべてを話したのだろうか。
どんな顔をして憎んでいる国の王に伝えたのだろう。

ふと、リアムは袖口を引っ張られているのに気づき、相手に意識を向ける。
オルトがリアムの耳元に唇を寄せていた。 

(どうやら晩餐会は嘘のようだ、気を付けろ)

耳打ちされて室内を見回すと、王の後方に大きな寝台があった。
リアムは背筋を震わせた。
王は何かを企んでいるようだが、考えたくもない。

王がリアムを見つめて小さく笑い声をあげる。

「お前にふさわしい罰を与えよう」
「ど、どのような罰でしょうか」
「決まっているだろう。主を殺せ」

とんでもない言葉に耳を疑う。
リュカが王の前に進み出た。

「陛下! あまりにも無慈悲です! どうかお考え直し下さい!」
「黙れ! 色情狂が!」
「あうっ」

王が乱暴な手つきでリュカを引き寄せ、膝の上に乗せるとリュカの股関を布越しに擦り出す。
リアムは王の突然の行為に唖然としたが、オルト達はさほど動揺していない様子だった。

やはり、王の性癖についての噂は事実だったのだ。

リアムはリュカを助けたくて声を張り上げる。

「いまは私の罰についてのお話の最中です! どうかリュカ様をお許しください!」
「ほう。お前も俺に反抗的な態度をとるか。ならば、主を殺すことを誓うな? ん?」
「……っ」

リアムは唇をかみしめる。

――クロヴィスを? 僕が?

脳裏に息絶えたクロヴィスの姿が過る。その顔には苦悶の感情が貼りついていた。

――できるわけない。

リアムは拳を握りしめ、浅い呼吸を繰り返す。

「どうした? できないならこいつはこの場で犯すぞ? なんなら兵士どもを呼んでまわしてやろうか?」

王の卑劣な言葉にリュカが小さく悲鳴をあげるが、顔を振ってリアムに訴えてくる。

受け入れてはいけないと。

「……わかりました」

リアムはそう呟いた。
誰かが息を飲む音がした。
対して王は愉しそうに嗤う。

「そうかそうか! ならば、何があったのか話してやろう。その前におまえら兄弟にも罰として楽しませてもらわんとなあ」

下卑た笑いをあげて、王はまたも信じがたい言葉を発した。

「リアムよお前は、奴等との交渉役として送り込んでやる。が、その前にたっぷり俺のニオイをつけてやろう」
「――え」

リアムは凍りつく。
王がなにを考えているのか、手に取るように分かるのだ。

リュカが乱暴に突き放され、その場に座り込む。
王はオルト達に命令を下した。

「エグモント、ヨーゼフはこの淫乱男をヤれ。オルトは俺と一緒にリアムをヤるぞ」

皆一様に微動だにせず、誰もが無言だった。

「どうした、早くしろ。逆らうとどうなるかわかっているのだろう」

王がリアムに手を伸ばして無理やり寝台へと連れていかれる。

「リアム!」

リュカが立ち上がり後に続くが、王がエグモントとヨーゼフに向けて再びいい放つ。

「どうした、俺の命令に逆らうのか?」

エグモントとヨーゼフは、顔を見合わせると唾を飲み、うなずき合う。
二人がリュカの身体を挟むようにして拘束した。

「あ……」

リュカは絶望の色を宿した瞳を二人に向けると項垂れた。


こうして国王の命令の元――卑猥な宴が幕をあけた。



大きな寝台の上にリアムとリュカは並んで仰向けに寝かせられて、衣服をはぎとられていく。
エグモントとヨーゼフはやたら呼吸が速く、すっかりリュカの色香に飲まれてしまっている様子だった。

飲み込みきれない唾を口元から垂れ流している。

「リュカがイくのを見届けるまで、お前は俺のモノをしゃぶれ、オルト、お前はリアムの乳首を愛でてやれ」
「………かしこまりました」
「あ、あ」

リアムが戸惑う間もなく、さらされた王の男根が唇に押し当てられてしまい、おずおずと開くと突き入れられてしまう。

つんとしたニオイと肉の感触に、涙がにじんで頬を流れた。
くぐもった声を上げて必死に舌を使うが、圧迫されて苦しくてうまく奉仕できない。

そこにオルトが王の命令通りにリアムの乳首を吸い上げては嘗めていじってくるので、なおさら舌使いが疎かになる。

「下手くそが! 主に仕込まれたのではなかったのか、ん!?」

ごりゅっと更にねじ込まれ、リアムは目を見開いて身体を跳ねさせるが、オルトに覆い被さられている為、腕も足も動かす事はかなわない。

「んぶうううッ♡ ふううっ♡」

口の中を王の肉棒に蹂躙され、乳首をオルトに舌と歯と指でいじめられて、あまりの快楽にリアムは四肢の中心に熱がたまり絶頂を放ってしまうのを止められなかった。

「あぶううっんんっ♡」

男根をくわえながら四肢を震わせて白濁を飛び散らせてしまう。
視界が涙で滲んで見えないが、王が嗤う声がするのできっとその表情は愉悦に満ちているのだろう。

「ははっ口にチンポくわえて乳首をいじられるだけで絶頂するとは! とんでもない淫乱だなっ」

どれ注いでやろう、と王が口走ったかと思えば、勢いよく口の中に精液をぶちまけられた。
呼吸がうまくできないリアムは、白目をむいて悶絶するとびくんびくんと身体を痙攣させる。

「――――っ♡」

――し、しんじゃああう♡

声もだせず、苦しみの中の快楽に脳髄が焼けたように感じた。
その時、リュカの「なめないでぇ」という声と甘く悶える声が聞こえてきた。

「リアム!」

叫ぶ声はオルトのもので、リアムの口からイチモツが引き抜かれる。
やっとまともに呼吸ができて盛大にむせた。
口と鼻から王が放った精液が漏れ出てくる。

リアムは視界が回る中、王に叩きつけられた欲望に快楽を感じてしまう。

「げへぇ♡」

ごぶっと口の中からねばっこい白濁が流れ出る。
オルトがリアムを抱きしめて背中をさすってくれた。

「ふん。こんなものか」

王はつまらなそうな声を出すとリュカに視線を向ける。
つられてリアムも疲労感の中で視線を追うと、リュカはすでにエグモントにイチモツを尻穴に挿入されており、激しく突き上げられていた。

リュカは天井を仰ぎ舌を出してまるで犬のように喘ぎ、エグモントは相変わらず熱にうかされたように唾を垂らして、夢中で腰を振っている。

「し、しぼりとられるうっ♡ ぎもぢいいっっ」

リュカの中がよほどきつい締め付けなのか、エグモントが悦楽の表情で大声を上げた。

「あう♡ おおうっ♡ おおうっ♡」

リュカがエグモントの腰使いに翻弄されて、獣じみた声をあげては泣いている。

「あ、あのひといがいのでぇ、もお、感じたくないのにいいっ♡」

その叫びは快楽と悲壮感がないまぜになって、寝台が軋む音と吐息にとけこんでいく。

ヨーゼフは荒い呼吸をくり返してその反り返った男根を、リュカの頭にこすりつけ、金糸を自身にまきつけて楽しんでいる。

「たいした痴態っぷりだ、さて、お前の穴もたっぷりかわいがってやろう」
「はあうっへいかあっ♡」

リアムはオルトから引き剥がされ、押し倒されると開脚させられ、尻を持ち上げられる。
その後穴に舌を突き入れられて、乱暴になめられた。

リアムは愛しい男にさえ、されたことがない愛撫に衝撃を覚えて顔を振り乱す。

「いやああんっそんなっ、ところなめるなんてっ」
「ふん、性奴隷だけあってやはり綺麗にしているな」

一旦口を放した王は、荒い呼吸を繰り返しながら男根をリアムの尻穴の奥へと挿入してくる。

今度は下半身の圧迫感に、リアムは苦しいけれど快楽がぞくぞくと背中を這い上がるのを感じて笑う。

「あっ♡ あははっ♡」
「気持ちいだろう、俺の肉棒は。まあ、あやつよりは劣るかもしれんがなあっ」

ズンっと突き上げられてリアムの思考は真っ白になり、押し寄せる快楽の渦の虜になった。
それから二度目の絶頂を迎え、王が満足するまで犯された後、オルトにも蹂躙されて――。

リュカの泣きわめく甘い声を聞きながら、リアムはクロヴィスの幻影を見ていた。
そうしなければ、汚れていく自分の精神が保てなかった。


それからどれくらい経ったのだろう。
皆疲れ切って寝息を立てている中、リアムはリュカと視線があう。

虚ろな目をして髪も四肢も白濁まみれのリュカが、口を動かしているのを見て、リアムは快楽に疲労しきった四肢をひきずりながら四つん這いで隣まで動いて倒れ込む。
リュカに話しかけようとすると、口の中からもう誰のかも分からない白い液体が吹き出る。

「おぶっ」

こみ上げてくる気持ち悪さをこらえて、リュカに身をすり寄せると――そっとその唇を塞ぐ。

リュカが応えてくれて、やがて舌を絡める激しい口づけになって、いつの間にか泣きながら抱きしめあっていた。

穢される身体以上に、お互いに胸の内に広がる激しい悲しみをなぐさめあう。

リアムもリュカも、愛した魔族の男の名前を呼びながらまさぐりあった。

そうしていると少し落ち着いてきてリアムはそっと訪ねた。

「どうして、彼を愛したんですか」
「……わかりません。ただ、初めて抱かれた日に」

その先の言葉にリアムも同じだと頷いた。

「僕も、あの人が苦しんでいるのを見てしまって」
「そうですか」

泣きながら笑い合っていると、冷たい声がかけられた。

「憐れだな。自分を捨てた男の名前を呼びながら慰め合うとは」
「……王」

リアムはリュカを抱きしめて王に向きなる。
王は嗤いながら告げた。

「お前が主を殺せなかった場合、リュカを処刑する」

リアムは息を飲み、震え出すリュカを抱きしめる腕に力を込めた。

「リアム、万が一失敗して生きながらえた場合は、お前も同じだぞ」

リアムはきつく瞳を閉じる。

――リュカ様をうしないたくない。

「ご命令を、果たしてみせます」

次に目を開けた時、リアムは確かな決意を持って王に頭を垂れた。
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