隷属神官の快楽記録

彩月野生

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月明かりの下で

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リアムがオルト達の屋敷に来て数日後、国王から呼び出されたという話をオルトからされた。

リアムは用意された絹の衣装を身につけ、フォークでさした肉の薫製の切り身を、エグモントの口元に運ぶ。
あーんと言った感じで促されるまま食べさせていると、空いているもう片方の手首を掴まれてその股間に伸ばされる。
布越しに硬く盛り上がったペニスの形が分かり、今にもはち切れそうだった。
フォークを取り上げられて「奉仕しろ」と命令され、言われるままエグモントの穿きものの前を開き、彼自身を取り出す。

リアムは屈むと、反りかえったイチモツをまずは指を絡ませて上下にしごき始めた。
兄弟三人とも通常の男性よりも大きいが、エグモントは一番小さいな。
本人に話したら怒るだろうな、などと思いつつ、先端に舌を伸ばして舐めてしゃぶると生理的な涙が滲む。
雄の感触やニオイは誰のものであっても慣れない。
リアムの口淫を受けながらエグモントは、腰を揺らして食事を続けた。

「おい、食事中はやめろってなんども言ってるだろ」

オルトが苛立つ声を張り上げるが、エグモントは意に介さず、ヨーゼフに対して話しかける。

「お前の巨根で泣かせてやれよ」
「もういいの?」
「もう出る!」

宣言通りエグモントがリアムの口の中で大きく膨らむと、勢いよく欲望を吐き出した。

「ぷあっ」

リアムは口をエグモント自身から放すと、飲みきれなかった分を口の端から滴らせた。
まだ息も整わない内にヨーゼフに身を起こされて、性急に下着ごとずり下ろされ、下半身が露出した。

毎朝身体を綺麗にするように強制されていたので、リアムの後孔はいつでも男根を受け入れる準備はととのっていた。

だが、流石に解すのは任せている。

リアムはエグモントが食事をしている隣で食卓の上に手を置く。
ヨーゼフが尻穴をいじりやすくなるように尻を突きだした。

長い指が遠慮なく奥に潜り込んでくる。
揉みほぐすように指はうごめき、あの場所をぐりぐりと押されてするどい快楽がリアムの背筋を走った。

身体を反って喘ぐと、無言でイチモツを挿れられて甲高い声がでてしまう。

「あひぃ♡」

ヨーゼフはその長身もあり、ひと突きされると、リアムの体が前のりに揺さぶられて腕が机上から滑り落ちそうになる。

リアムがヨーゼフに犯される最中、オルトがさきほどの話の続きをはじめた。

「晩餐もかねて呼ばれたんだ。粗相はするなよ。あとリアムもつれていくからな」
「はああ? なんで、こいつも」
「主様の話をききたいらしいぞ」

主――あの人の事を。
リアムの脳裏に遠くなる背中が甦り胸がざわめいた。

――クロヴィス。

「あ、ひきしまった」
「あう♡」

無意識にヨーゼフを締め付けてしまったらしく、動きが早くなった。
奥で熱を放たれて四肢が甘く痺れる。
リアムは膝をくずしうずくまって体の火照りを冷ました。

兄弟はまるで子供のような態度でリアムをなぶってくる。
とくに次男のエグモントは、変態的な行為も相まって質がわるい。

今朝もオルトが注意してようやく大人しくなり、リアムはオルトの兄らしい対応に関心するところはあった。

彼らは基本的に父親の仕事を手伝ってはいるが、あまり働いている様子は見受けられず、リアムが一人で留守番になることはない。

なので、今夜はゆっくりできるのではと期待したが、甘くないものだと内心でため息をつく。

――あの人の話か。

ズキリと胸がうずく。



呼び出された時間まで充分に余裕を持って城にたどり着いたリアム達は、衛兵に促され客間に案内された。
だが、誰かが客間から出てきたのでみやると、リアムは息を飲んで立ち尽くす。

リュカである。
若干痩せたように見えた。

「リュカ様!」

リュカがリアムに気づいてふらつきながら歩いてくる。
思わず肩を支えた。

「リアム、無事で」
「はい。あの」

リアムはオルトに視線を向けてみた。
オルトは「少しだけだぞ」と、リュカと二人きりで話す機会を得られた。

客間の外に広がる庭園にて椅子に並んで腰掛ける。
疲弊したようすのリュカから語られた言葉に、リアムは驚愕した。

「リュカ様が陛下のものに?」
「はい。主が私と引き換えに国の領土の一部を引き渡すように持ちかけて」

リュカが俯くと泣きそうな声音で言葉を吐き出す。

「ディランは、私を捨てた」
「……っ」

リュカの様子を見てやはりか、とリアムは複雑な気持ちになった。
リュカはディランのことを、愛してしまったのかと。

リアムはひとまずリュカを休ませようと、椅子に寝かせてそっと腰をあげた。

月明かりに輝く花たちが眩しい。
リアムは花の中心に歩を進めると夜空へ顔を向ける。

月は丸く煌々と光っていた。

「何をしている」

――え?

背後から聞こえた声に、リアムは振り返る。

「クロヴィス」

幻なのだろうか。

リアムは愛しい男の影に歩み寄ると手を伸ばす。
が、パシっと払われた。

魔族の男の目が冷徹な光を宿す。

「お前は目障りだ。消えろ」

「……っ」

吐き捨てられた言葉に、リアムは心臓が潰されるかのような錯覚を覚えて身体が震え出す。

「……そんな、僕は、貴方を」
「失せろ」

胸を押されて後方によろける。

クロヴィスが庭園から出ていこうとして背を向けた。

リアムはおもわずその背中に抱きついて引き留める。

「行かないで!」
「なんのつもりだ」
「聞きたいことがたくさんあるんだ! 貴方を知りたいっ」

そう叫ぶと、クロヴィスがリアムに向き直る。

リアムはその目を見つめた。

「……馬鹿な野郎だ」
「ん」

突然視界が暗くなる。
クロヴィスに口づけをされたのだ。

一瞬の出来事に、リアムは呆然と立ち尽くす。
 
クロヴィスは、

「次あった時は殺す」
 
と言い残し、去ってしまった。

リアムは唇を指でなぞり、溢れ出す涙を止められなかった。
嗚咽が漏れてしまい、夜空へと顔をあげるか、涙はとめどなく瞳から頬へと流れて滴り落ちる。

「クロヴィスぅ」

しばらく泣いていた。



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