高潔騎士の楽園ー悦楽解放ー

彩月野生

文字の大きさ
9 / 13

過ちという名の甘美

しおりを挟む

城門の前に堂々とオークと並んで立つ騎士を見た衛兵達は、慎重な態度を示す。
私は彼らの一人に話しかけた。

「私は隣国イレシアの騎士アレクセイである。王に謁見を希望する」
「イレシア?」
「と、隣のオークはいったいなんなんだ!?」

恐怖と驚愕に混乱する目をシザーに向けるのも無理はない。
特にシザーは知能のあるオークであり、戦場で見かけたことも多々あるのだろう。

最近は小競り合い程度の戦が多かったが、一度でもシザーと剣を交えた事のある者に対して、敵ではないなどという簡単な説明では到底納得するはずもない。

――それでも、信じてもらうしかない。

私は衛兵に丁寧に事情を伝えた。両国の戦の危機である旨と、このオークと私が契りを結んでる事実を。
訝しむ目つきを向けられたが、他の衛兵と話し合い、その内の一人が城内へと走っていった。
しばらくの後戻った衛兵は、私に向けて入る様に促す。

無事に城内に入り込めた私とシザーは、王間へと案内される。
どこか色あせたような王間はなんとも寂しさを感じさせ、玉座に腰を落ち着かせているセレドニオ様も、心なしか金髪がくすんでいるように見えた。歳のせいだけではないように見える。
それでもその美しさは変わらない。


「押しかけるような真似をしてしまい、大変失礼いたしました」
「……聖騎士アレクセイ殿、貴殿の活躍は我が国でも話は広がっている。顔を上げよ」

命令されるまま顔を上げて立ち上がった。
セレドニオ様は玉座から立ち上がると、私達の前に進み出て、私とシザーを交互に見やると、口元を緩めた。

「まさかオークと騎士が、契りを結ぶ仲があろうとはな」
「……本日伺ったのは、我が国の国王陛下ストフェル様の件についてでございます」
「ストフェル」

陛下の名前を出した途端、明らかに狼狽えた様子を見せて唇を噛みしめた。陛下を忘れてはいないようなので、ひとまずは安堵する。
だが、真意を確かめなくてはならない。
セレドニオ様に他の臣下を下がらせるように願い、王間には私とシザー、セレドニオ様だけとなった。

私は、陛下とセレドニオ様との間に軋轢が生じた事が原因で、陛下がこの国に戦争をしかけるつもりである旨を話した。

「……私は、愚かだった。婚約者がいる身でありながら、あいつを弄んで楽しんでいた」
「では、陛下を弄び捨てた事実を認めるのですね?」
「ああ……事実だ……」
「セレドニオ様、両国の戦を避けるにはもう貴方が行動を起こすしかないのです」

一歩、セレドニオ様へ歩み寄り、その目をまっすぐに見つめる。
そして耳元でそっと囁いた。

セレドニオ様は目を見開いて四肢を震わせるが、すぐに意を決した様子で頷くと私に手を差し出す。

「ストフェルを、連れてきてくれ」

その夜、私は一度国に戻り、陛下を連れて戻ってきた。
十年以上会っていなかった愛しい人を見て、陛下はその顔を紅潮させたかと思うと、憎悪に満ちた目を浮かべる。

「セレドニオ!」
「久しぶりだな……ストフェル」

セレドニオ様はその身体にローブをまとい、ひどく震えていた。
……周りを確認してみると、臣下や兵士達が様子を見守っている。
二人の仲について、皆知っているのだろう。

私はシザーに目で合図を送った。シザーは頷くと、セレドニオ様のローブを剥ぎ取る。

「さあ、美しい王よ、その痴態を罰としてたっぷりと皆に見え貰え!!」
「――!?」

陛下はセレドニオ様の姿を見て、呆然とする。
それもその筈……今のセレドニオ様はまともではないのだから。

陛下が指をさして声をあらげる。

「な、なんだその巻き付いたものは!?」

セレドニオ様の均衡の取れた肉体には、触手がまきついているのだ。
乳首も尻の孔も弄くり回され、寸でのところでイくのをせきとめられるような、微妙な動作に追い詰められており、反り返ったペニスは今にも爆ぜそうなほど膨らんでいる。

王のちたいに臣下や兵士達は叫んだり、口笛を吹いたりしていた。

私は、セレドニオ様に陛下に許しを請うならば、誇りを捨てた姿を見せるのが一番だと助言をした。
セレドニオ様は快楽に貪欲な性格から、かつて陛下を弄び捨てたのだ。

――そんな浅ましい自分を認めて、無様に許しを請う姿を見れば、陛下の心境は少しは変わるかもしれない。

セレドニオ様から離れたシザーが、私の隣に並ぶと腕を組んで、呟く。

「お前、本当はあの美しい王がよがる姿を見たかっただけじゃないのか?」
「……さあ、どうかな」

陛下の前でセレドニオ様が、とうとう盛大に喘ぎながら絶叫する。

「わ、私はあ……! 快楽の為ならば、こんな下等生物にさえ身を委ねる、し、色欲に溺れるあわれな雄だああ! をよ、どうか、わたしをゆるしてく……んほおおおおおお~っ♡」

ぶぢゅっ♡ ぶぢゅっ♡ ぎゅぢゅうっ♡ ぶしゃああああ――っ♡

激しくうごめき抽挿をはじめた太い触手になぶられた美しい金髪の王は、絶頂してその男根から精液をまき散らしながら喘ぎ泣き叫んだ。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

処理中です...