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一章
《幕間》夜が生んだ地獄と奇跡2
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「で、どこで何をしてて遅れたの?」
俺は妹のその質問に、素直に答えた。
利き手に包丁。
冷え切った声も相まって、背筋に電気が流れるような戦慄を覚えはしたが、怖くて素直に答えたわけじゃない。
断じて違う。
ただ、なんとなく素直に答えなきゃいけない気がしただけだ。
そして、妹にはもちろん「いつも、あれほど──」とめちゃくちゃ怒られた。
時間でいうと、だいたい3時間くらい。
俺が、「悪かったから、今度週末に一緒に遊びに行くから」といったら、なぜか少し頬を染めて、「こ、今回はこれくらいで許す」と言われた。
俺はてっきり、断られると思ってたので、面食らってしまったが、週末妹と遊びに行くことになった。
そんなわけで、俺は深夜に一人で夜ごはんを食べることになってしまった。
もちろん、片付けるのも俺だ。
さすがに、これ以上妹に迷惑をかけるわけにはいかないからな。
今回ばかりは、ぐうの音も出ないほどに、俺が圧倒的に悪い。
そして、俺は『これからは時間をちょくちょく気にかけよう』そう決意したのだった。
俺は、妹と遊びに行くということに、今更のように恥ずかしさを覚えながら、片付けをしていると後ろから、
「久しぶり、だな」
ハードボイルドな、いかにも男らしい声に、俺は反射的に振り返り身構えるが、聞き覚えのある声に、顔を確認する。
どこか見覚えのある顔つきに、俺は戸惑う。
それに、この男は『久しぶり』と言っていた。
俺はどういうことだ?と、考え込む。
少しの間があったあと、俺は誰か思い出した。
「あっ!父さんか......。一瞬本気で誰かと思って焦ったわ」
「おいおい、自分の父親の顔ぐらい覚えといてくれよ。まあ、滅多に家に帰ってくることがないから、仕方ないのかもしれないが......。でも、よかったよ。思い出ししてくれたみたいで。それで、彩華はどうした?」
父さんは、冗談混じりにそう言うと、ここにいない彩華について俺に聞いてくる。
「彩華なら、もう寝てるか受験生だから勉強でもしてると思うよ。それにしても、父さんが家に帰ってくるなんて珍しいな。なんか、食べる?」
前回父さんが家に帰ってきたのは何年前ぐらいだっただろうか?
まあ、そういうことを思い出せないぐらいには前だったということだろう。
父さんは普段から仕事で忙しため、久しぶりに父さんが帰っきたことで、俺は少し舞い上がってるのかもしれない。
「いや、夜ごはんならもう食った。それに、もう行くさ。それより、彩華にも会いたかったな。前に会ったのは大分前だから、きっと可愛くなってるだろうからな。でも、邪魔しちゃ悪いからそろそろ行くな。彩華にも伝えといてくれ」
俺は、父さんのそんな言葉に、少し寂しさを覚えるが、会えただけでよかったと思う。
彩華は会えなかったのだから、そう思うことで、なんとか寂しさを噛み殺すと、
「わかった」
と、俺はそう言った。
「それと、悠。大きくなったな」
父さんはそう言うと、夜の街にとけ込んでいくように、行っしまった。
そんな、父さんの背中をみながら、心の中で俺は『ただいま』と呟いたのだった。
俺は妹のその質問に、素直に答えた。
利き手に包丁。
冷え切った声も相まって、背筋に電気が流れるような戦慄を覚えはしたが、怖くて素直に答えたわけじゃない。
断じて違う。
ただ、なんとなく素直に答えなきゃいけない気がしただけだ。
そして、妹にはもちろん「いつも、あれほど──」とめちゃくちゃ怒られた。
時間でいうと、だいたい3時間くらい。
俺が、「悪かったから、今度週末に一緒に遊びに行くから」といったら、なぜか少し頬を染めて、「こ、今回はこれくらいで許す」と言われた。
俺はてっきり、断られると思ってたので、面食らってしまったが、週末妹と遊びに行くことになった。
そんなわけで、俺は深夜に一人で夜ごはんを食べることになってしまった。
もちろん、片付けるのも俺だ。
さすがに、これ以上妹に迷惑をかけるわけにはいかないからな。
今回ばかりは、ぐうの音も出ないほどに、俺が圧倒的に悪い。
そして、俺は『これからは時間をちょくちょく気にかけよう』そう決意したのだった。
俺は、妹と遊びに行くということに、今更のように恥ずかしさを覚えながら、片付けをしていると後ろから、
「久しぶり、だな」
ハードボイルドな、いかにも男らしい声に、俺は反射的に振り返り身構えるが、聞き覚えのある声に、顔を確認する。
どこか見覚えのある顔つきに、俺は戸惑う。
それに、この男は『久しぶり』と言っていた。
俺はどういうことだ?と、考え込む。
少しの間があったあと、俺は誰か思い出した。
「あっ!父さんか......。一瞬本気で誰かと思って焦ったわ」
「おいおい、自分の父親の顔ぐらい覚えといてくれよ。まあ、滅多に家に帰ってくることがないから、仕方ないのかもしれないが......。でも、よかったよ。思い出ししてくれたみたいで。それで、彩華はどうした?」
父さんは、冗談混じりにそう言うと、ここにいない彩華について俺に聞いてくる。
「彩華なら、もう寝てるか受験生だから勉強でもしてると思うよ。それにしても、父さんが家に帰ってくるなんて珍しいな。なんか、食べる?」
前回父さんが家に帰ってきたのは何年前ぐらいだっただろうか?
まあ、そういうことを思い出せないぐらいには前だったということだろう。
父さんは普段から仕事で忙しため、久しぶりに父さんが帰っきたことで、俺は少し舞い上がってるのかもしれない。
「いや、夜ごはんならもう食った。それに、もう行くさ。それより、彩華にも会いたかったな。前に会ったのは大分前だから、きっと可愛くなってるだろうからな。でも、邪魔しちゃ悪いからそろそろ行くな。彩華にも伝えといてくれ」
俺は、父さんのそんな言葉に、少し寂しさを覚えるが、会えただけでよかったと思う。
彩華は会えなかったのだから、そう思うことで、なんとか寂しさを噛み殺すと、
「わかった」
と、俺はそう言った。
「それと、悠。大きくなったな」
父さんはそう言うと、夜の街にとけ込んでいくように、行っしまった。
そんな、父さんの背中をみながら、心の中で俺は『ただいま』と呟いたのだった。
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