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共通ルート
EP1_① 最後の客 <♡>
しおりを挟む「お客さん、この城で本当に合ってますか?」
馬車を引く青年は、後部座席にて眠りこけている美女に対し、優しく問いかけた。
道行く人全てが振り返るほど豊満な爆乳に、背後に垂れる鮮やかな紫色の髪。
ワイシャツの第一ボタンは弾け飛んでおり、それが圧力を逃している。そうでなければ胸元がキツくて仕方がない。
座席に腰掛けた彼女の尻は、重力に合わせて形を変えている。その柔らかさは、触る事なく察せられる。
程よく太った太腿もまた、淫猥な雰囲気を醸し出す。熟れた女の色香が、豊かに実った体の中に凝縮されているのだ。
182センチはあるかと思われる身長と、程よく括れたウエストが、メリハリの有る女体を美しく彩っている。
無防備に寝息を立てるその姿に、欲情しない者など居ない。
女の名はセレア。セレアティナ=バイオレット。年齢は30歳。
とある異世界のオルゼという町に住む高級娼婦で、その美貌は"サキュバスの母"より受け継いだ物だ。
言うなれば、彼女は半人半魔の存在。淫魔と人間のハーフである。
それを鑑みれば、男を悦ばせるためにあるような淫らな肉体にも納得がいくだろう。
「……んぅ? ふわぁ~……えぇ、ここで合ってるわぁ……送ってくれてありがとねぇ……。」
間の抜けた声を上げながら、セレアは目を覚ました。
可愛らしい声で欠伸をかき、遠くから運んでくれた御者に対して礼を述べる。
ムニャムニャと口を動かしながら寝ぼけ眼を擦る様は、あまりにも無防備であった。
「お客さん……ここに入るんですか?」
「そうよぉ……呼ばれちゃったのぉ……ふわぁ~……。」
「しかし、この城は最近黒い噂が絶えませんよ……。
悪い事は言いません。 もし入るつもりなら、やめた方が良いです。 若い女性が入って良い場所じゃありません……。」
彼女の醸し出す濃厚な"雌のフェロモン"とも呼べる物が男たちの欲情を掻き立てる事は、想像に難くない。
権力で増長した者たちの巣窟に入れば、庶民の女など食い物に他ならない。
犯され、孕んだ後で、ゴミのように捨てられるのがオチだ。心優しい御者は、それが心配だった。
「フフッ♡ 大丈夫よ! 私、こう見えて強いから! お会計はいくら?」
御者の心配を歯牙にも掛けず、彼女は笑い飛ばした。彼女にはこれから先、何があっても大丈夫だと言う自信が有ったのだ。
彼女の様子に少しだけ不安を抱いた御者だが、ただの客だと割り切って淡白に接する事にした。
「そうですか……。 う~んと……50キロ走ったから……8ファルゴ(※約8万円)ですね。」
「あら、意外と高いのね!?」
「すいません……一応、商売なもんで……。」
「そうよねぇ……でも、実は持ち合わせがなくて……。」
かなりの距離を進んで来たので、代金もそれなりに掛かる事は分かっていた。
だが、彼女は財布すら持たずに馬車に乗った。バッグの中は満タンだが、金銭は何も入っていない。
元から払う気などなかった。正確には、金で払う気は無かったのだーー。
「えっ!? ちゃんと払うって言ったじゃないですか!? 困りますよ!お客さ…………えッ!!??」
「安心して……ちゃんと……払うアテはあるから……♡」
憤慨した御者が振り返ると、彼女は身につけた赤のTバックを、堂々と脱ぎ下ろしていた。
恥じらう様子もなく、元からそうする気だったと言わんばかりに、誘うような笑みを浮かべながら足をあげ、完全に脱ぎ下ろす。
「ひぃっ……!」
美しい肌色をした陰裂が視界に映りそうになった御者は、瞬時に目を瞑った。
これはいわゆる、冤罪と言う物を狙われていると思ったからだ。
しかし彼女は、そんな事を考えていなかったーー。
「う~ん……目の毒ってほど、酷くはないと思うんだけど……。」
クパァ♡と淫らな水音を立てながら、剥き出しになった陰裂の扉を開け放ち、その奥にあるピンク色の粘膜を男の視界に曝け出す。
ところが、極上の美女がこの上なく無防備な恰好で性器を差し出しているというのに、御者は頑なに目を開けないのだ。
(もしや、清潔じゃないと思われてる説?…………むむっ!失礼しちゃうわ!)
セレアは自分の事を「純粋無垢な清楚系お姉さん」とまでは思っていなかったが、かといって「直視するのを忌避されるほどの売女」でもないと思っていた。
心身ともに健康かつ清潔である事をモットーにして日々を暮らして来た彼女にとって、今の御者の態度は何処か屈辱的な物がある。是が非でも、彼に自分を認めさせなければならない。
(むむむ……ここで退いてはプライドが許さぬ! もう決めた……エッチするまで帰さないんだから……♡)
セレアは心の中でプンプンと頬を膨らませながらも、イヤらしい舌舐めずりをした――。
「そんなに怯えなくて良いのよ? ゆっくり目を開けようね……。」
「わ……ぁ……!」
「ほぉら……怖くない……♡」
縮こまり、震えながら抵抗する御者の手を引き剥がして、その視界を強引に開かせるセレア。
優しく包容するような甘い声色とは裏腹に、その腕力は強靭である。魔族の血を引き日々の鍛錬を欠かさないセレアの力は、一介の御者に抗える物ではなかった。
「ぅ……ぐぐぐ……わぁ!」
そうして、ついに目を開かされる。
すると、そこには絶景が広がっており――。
「わ……ぁ……す、すごい……。」
「ね? 怖くないでしょ……♡」
娼婦歴20年の女性器とは微塵も思えない、瑞々しく鮮やかな色。遊んでいる女の匂いはせず、その変わりに仄かな薔薇の香りがする。
中の形も整っており、いくら凝視しても処女としか思えないほど清純な色香を纏っている。彼の視線は、抗えない好奇心と興奮によって釘付けにされた。
「あ、あの……こ、これは……!」
「あら、女の人のお股を見るのは初めてかしら?」
「いや、そうじゃなくて!」
「フフフッ♡ 冗談よ……♡」
現状を飲み込めずに慌てふためく御者に対し、からかうような冗談を言うと、セレアは少し考え込み――。
「こうすれば……少しは落ち着くかしら♡」
「う、うわっ!?」
御者の手を優しく掴むと、自らの左胸に押し当てた。
服の上からでも分かるほど豊かな乳房の感触。胸元に秘めた果肉に宿る殺人的な魅力が、彼の理性を溶かしていく。
「ほぉら……Kカップの牛さんおっぱいですよ……♡」
「け、Kカップ!?」
人生で初めて聞いたバストサイズに、御者は驚きを隠せない。
「A,B,C,D,E,F,G,H,I,J……その次がK♡」
吐息混じりの卑猥な声色で、順を追ってアルファベットを並べるセレア。
そのあまりに現実離れした迫力に理解が追い付かず、手の中に収まり切らない重量感のある爆乳が、さらに大きく思えて来た。
「私が何をしたいのか……もう分かってるくせに♡」
「ま、まさか……!」
御者の脳裏に、あまりにも卑猥で、あまりにも都合が良い考えが浮かぶ。
まさか、そんな事はあり得ない。いくらなんでも、こんな美女に限って――と、受け止めきれない妄想。
だが、それは紛れもない事実であった――。
「ここまで運んでくれたお礼……この身体で払わせて……♡」
「や、やっぱりぃっ!?」
「おっぱいも……お股も……お尻も……気が済むまで触って……揉み揉みして……犯して良いのよ……♡
時間は無制限♡ 貴方が満足するまで精一杯のご奉仕をして、何度でも気持ち良くさせてあげるわ……♡」
「あ……あぁ……。」
「どうかしら? 貴方は私とのエッチに、8ファルゴの価値があると思う?」
そんなの、あるに決まってる。
御者は大声でそう叫びたくなったが、緊張と興奮で声が出せなかった。
セレアから溢れ出る一言一句が精神攻撃のように心の奥底まで浸透し、思考を遮断されていく。
セレアが提案する卑猥な行為の数々が妄想となって御者の脳に干渉し、それ以外の何も考えられなくなる。
もう既に、彼は完全に堕ちている。
それなのにセレアは、トドメの一撃を加えた――。
「ほら……ぎゅうぅぅぅ~♡」
「ぅわぁぁぁぁ……///」
「ほらほら……早く決めないと窒息しちゃうよ……? 死因がおっぱいになったら恥ずかしいよねぇ……♡」
抱き寄せた頭が谷間に埋められ、両耳を覆い隠すようにブラジャーがフィットし、全ての音が遮断された。
深すぎる谷間の温もりと、ゆったりとした心臓の鼓動だけが脳を包み、青年の理性を破壊する。
「う、うはぁぁ……お客さん……すごい……。」
「ウフフ♡ 私こう見えても、世界一の娼婦だって自負してるの♡
この前30歳になったけど、まだまだ8ファルゴで買うだけの価値は有ると思うんだけどなぁ……?」
「す、すごく……柔らかくて……良い匂いが……!」
「良かった♡ 気に入ってくれたのね♡……エッチする?」
「し、します! させてください!!!」
「素直でよろしい♪
それじゃあ、こんな物要らないわね……♡」
はだけたYシャツと薄いミニスカートを、ゆっくりと脱ぎ下ろしたセレア。
毛の生えていない秘部と、真紅のブラジャーから溢れ出んばかりの爆乳が、男の情欲を煽り立てる。
「それでは……ご覧ください……。」
そして、セレアの指先は背中に回った。
目を閉じて、誘うような笑みを浮かべながら、わざと緩慢な動作で金具を外していき――。
たっぷんっ……💕
「ゴクッ……!」
「あらあら♡ ガン見しちゃって……♡」
男は思わず息を飲んだ。それほどまでに、露出した彼女の乳房は圧巻だった。
そのボリュームは当然の事ながら、外見だけでも分かるほどのクリーミィでジューシーな色香がある。
その白さはショートケーキに似ており、その丸さはメロンやスイカにも喩えられる。
「す、すっごい……めっちゃ柔らかそう……。」
「純度100%の天然巨乳ですから……!」
だが、シリコンや脂肪の注射により加工された胸とは全く違い、完全な円形でもなければ、硬く張り詰めた感触も無い。
内側に向けて纏まった果肉の実り方が示すのは、何処までも瑞々しい孕み頃の女体である。
「す、すいません……目が……離せなくて……。」
「気にしなくて良いのよ♡ 男の子だもんね……♡」
ムッチリとした質感の中に詰まっているのは、天然の脂肪と発達した乳腺。そして、哺乳類の夢。
濃厚で栄養満点な乳汁を多量に分泌し、多くの赤子を同時に育み、安全に成長させられる母体。
ある意味セレアの体は、ネズミから人に至るまでのあらゆる動物の理想を、極限まで追求した肉体であった。
「垂れて……ない?」
「ウフフ♡ 驚いちゃった?」
Kカップと聞くと、普通は垂れた乳を想像する。その重さから考えて、重力に引っ張られるのは確実なのだ。
だが、彼女の半分は"淫魔"であった。だからこそ、人間の常識は通じない。
「淫魔のお胸……自分でも凄いなぁって思う……。
どこまでも殿方に都合の良い、ワガママボディって感じだよね……♡」
圧倒的なまでの重量と迫力を誇る爆乳は、他の追随を許さないほどの"美乳"でもあった。
それでいて、頂点に反り立つ桃色の乳首は脳を痺れさせるほど甘美な匂いを、湯水のように漂わせている。
野に咲く花が蜂の受粉を期待して蜜の匂いを香らせるのと同じように、「舐めてください♡」と言わんばかりの無防備さで男を誘っているのだ。
「ぇ?ぇ?ぇっ!? あ、あの!? ホントに良いんですか!?」
「もちろん♡ 何度も言ってるじゃない?
これは支払いだもの♡ 貴方には、私を抱く権利があるわ……♡
無賃乗車した淫乱女を懲らしめるのも、逆に虐められちゃうのも自由よ♡ 私、SもMも出来るから♡」
冷静になって考えてみると、彼女が行なっているのは完全なる無賃乗車である。
懲らしめられて然るべきだし、警察に突き出されても仕方が無い。そんな状況で体払いするのは、むしろ彼女に都合が良い事なのだ。
御者には、我慢や躊躇の必要は微塵も無い。
主導権は完全に彼に有り、どのように彼女を弄ぶのかも自由なのだ。
「貴方が思い描く限りの、とびっきり気持ちの良い夢を見せてあげる♡」
完全NG無し。時間も回数も無制限。
娼館で働いている時ならば、600ファルゴ(約600万円)は最低でも掛かるプランだ。
そんな夢のような提案を、たった8ファルゴと引き換えにしている。
これは長い距離を無賃で運ばせてしまった事に対する、彼女なりの誠意である。
「思い描く……限り……ゴクッ……。」
頭の中を駆け巡る無数の妄想の全てが、セレアによって承諾された。その事実だけで、御者の思考は崩壊寸前にまで昂揚した。
そうはいっても、乱暴な事をする気は無い。
自分がもっと強気な人間なら、過激なプレイを要求したかもしれないが、あいにくそういう物には興味が無かった。
それに、セレアから溢れ出る慈愛のオーラのような物が、そういった行為に及ぶ事を躊躇させるのだ。ただの淫魔、ただの娼婦と断ずる事が出来ないほど、彼女の色香は多角的な要素を孕んでいる。
(変に捻った事するより……。)
複雑な思考を排除して、自分の中にある最も強くて単純な欲求に、耳を傾けてみる。そうすると、おのずと答えは見えてきた。
(…………///)
御者の視界を満たすのは、一際目を引く美しい果実。
彼女の中に秘められた溢れんばかりの母性が、そのまま形を成して発露したかのような、甘美な色香の象徴。
そこにあるのは生物が遍く持ち合わせている欲求をくすぐる、単純ながらも濃厚な何かであった。
あの乳房にしゃぶり付いて、甘えながら射精できたら。それは間違いなく、一生の思い出になるだろう。
彼がそんな事を考えているのは、全てセレアに筒抜けであり――。
「うん……良いよ……♡ 淫魔お姉さんのHなおっぱい……好きなだけ吸っちゃおうね……♡」
両腕で横乳を挟み、わざとらしくタプタプと揺らしながら、セレアは御者に笑い掛けた。
男の理性を完全に破壊する卑猥な仕草によって、ついに御者は我慢の限界を超えてしまう。
「お客さんっ……!」
「さぁ、来て……あんぅっ♡」
ガタンッ……!
胸元に勢いよく飛び込んで来た御者が、セレアを座席に押し倒した。
間髪を入れずに敏感な乳首に吸い付かれ、頭が真っ白になる。淫魔として持つ雌の本能が、種付けを求めて疼き出す。
れろっ……れろれろっ……ぴちゃっ……ちゅっ……ちゅうぅっ……ちゅぱっ……!
「はぁ……はぁ……ぁっ……んぅっ……♡ ウフフッ♡ おっぱい吸うの……上手ね……っ♡」
(Hな音立てて……お乳吸われちゃってる……♡ あぁっ♡ 気持ち良い……♡)
乳首を撫でる舌から与えられる快感に、彼女はビクビクと悶えた。
股間がジンワリと濡れて行くのを感じながら、御者の手を握って柔らかい乳と豊かな尻を揉ませる。
「一生懸命チュ―チューしちゃって……御者さんったら……可愛いんだから……♡」
そして、秘所に肉棒をあてがったまま、力強く男を抱きしめた――。
~~~~~~~~~~
1時間後、馬車の中は大惨事になっていた。
「満足したかしら~?」
「は、はぃ……だいまんぞくです……。」
「それは良かった♡」
膨大な量を中に出されたセレアは、膣からトプトプと白濁を垂らしながらも、余裕の笑みを浮かべている。
対面座位で抱き合い、貪るようにして青年の体を求めた彼女。僅かに乱れた呼吸を整えようとすれば、肩の上下に合わせて淫らな爆乳がフワフワと揺れてしまう。
「フフフッ……いっぱい出たね……♡ 1回1ファルゴ、8回で8ファルゴになります……♡」
娼館で彼女を抱くなら、1回につき100ファルゴ(日本円で約100万円)は最低でも必要だ。
町一番の高級娼婦として、それに見合った技と体を持っているのだから。
これが良心的な料金設定である事は、娼館に行った事がない御者にも分かった。
「生中の割に……かなり……安いんですね……。」
「オマケにしとくわ……♪ それに、淫魔はエッチすると魔力が回復するからwin-winなの♪」
「はぁ……はぁ……それは……良かった……。」
「あら、馬車の中がメチャクチャね……。」
<蒸発・殺菌せよ>
セレアは杖を取り出し、短く詠唱した。
すると馬車に張り付いた精液や愛液は消失し、薄いアルコールの匂いが漂って来た。
「これで次のお客さんを乗せても大丈夫! 殺菌もしたから安心してね!」
「あ、ありがと……ございます……。」
8回連続の射精は、若い彼にも流石に堪えたようだ。御者は息も絶え絶えで、今にも死にそうである。
その様子に気付いたセレアは、服を着ようとする手を止めて、彼の方に向き直った。
「大丈夫?……おっぱい揉む?」
剥き出しの両乳を持ち上げて、ユサユサと揺らしてみる。微笑みと共に青年を誘い、元気付けているようだ。
「えっ?良いんですか……?」
「サービスだから遠慮しないで。」
「それじゃあ、お言葉に甘えて……あぁ……やっぱり……柔らかい……!」
「あんっ♡ そんなに乳首コネちゃダメぇ♡」
乳首を優しく弄られた彼女は、わざとらしく嬌声を上げる。それを聞いて興奮したのか、御者にも気力が戻ってきた。
「お客さんは、何故ここに来たんです?」
「働いてるお店のオーナーに騙されて、契約させられちゃったの……。」
「ほう、内容は?」
「1000パラファルゴの借金! もし払えなければ、悪魔に惨殺されちゃうわ……。」
「ハハッ、冗談はよしてくださいよ。 3パラファルゴで生涯年収ですよ? あり得ないですって。」
御者が疑うのも無理はない。
パラファルゴは日本円にして、1億円と同価値だ。
3パラファルゴで、やっと生涯年収。その333倍などあり得ない。
「あら! 疑ってるのね? 確認してみる?」
セレアはそう言うと、ワイシャツの胸ポケットから、一枚の紙を取り出した。
フンワリとした香水と、甘い入浴剤の香りが、無機質な契約書を彩っている。
「朝までノーブラだったから、私の汗がついてるかも。」
「汗……!?」
「ごめんねぇ……ちょっと汚いかもしれなっ、んっ♡」
ちゅうぅっ……ぴちゃっ……♡
両手で感触を堪能していた御者は、再び乳首にしゃぶり付いた。
「あっ♡ いきなりペロペロしちゃダメだよぉっ♡ えっちぃ♡」
「汚くなんかないですよ……!」
「あら~、そうかしら~♡」
「お客さんの胸……甘くて……良い匂いです……!」
「もう……! 御者さんったら、優しいのにムッツリスケベなんだからぁ♡……まぁでも、褒めてくれるのは嬉しいわぁ♡」
淫魔の体液は、味も匂いも甘いのだ。
どんな男であっても、まるで蜜に誘われた蜂のように吸い付いてしまう。淫魔の体は、そんな魅力を持っている。
「フフッ♡ そんなに美味しい?」
「甘くて……安心感と……包容力が……凄くて……。」
「ウフフ♡ ありがと♡ でも、どんなに褒めてもミルクは出ないからね♡」
ちゅぷっ……ちゅぱちゅぱ……ちゅるっ……ちゅうっ……ぴちゃぴちゃ……ちゅ……
「んっ♡ 舐め方が♡ 可愛いのにっ♡ いやらしいっ♡……ん。」
セレアは少し興奮気味に喘いで見せたが、相手との温度差を即座に感じ取った。
青年が自分に求めているのは、淫らな女でもなければ都合の良い娼婦でもないのだ。
性欲を発散し終えた彼に残るのは、そのように邪な思いではない。
(あらあら……甘えたいのね……。)
青年が求めていたのは、紛れもなく母親だった――。
「なんだか……懐かしいです……ほんとに……。」
「そっか……よしよし……。」
セレアは優しく微笑みながら、御者の頭を撫でさすった。
母に甘える子供のように乳を吸う青年を、心身共に受け止め、柔らかく包み込んでいる。
「毎日大変だよね……お馬さんに乗るのだって疲れるし……。」
彼女は多くの客と相対した経験から、相手の思考を簡単に読み取れる。
今はきっと、疲れているのだろう。
ここに来るまでも、かなり長い道のりだった。まだ若いとは言え、彼にも相当な負担になっている筈だ。
だがそれでも、働かなければ死んでしまう。
たとえ腰が砕けようと、馬に乗って客を運ぶしかないのだ。
そんな日々に絶望しても、苦しみを吐露できる相手は存在しない。
大人というのは、孤独な生き物なのだから――。
「もう少し……このままで良いよ。」
「すみません……良い大人が……。」
「遠慮しないで……殿方を癒すのが私の仕事だから……。 大人でも甘えたい時はあるわよ……。」
「ありがとう……ございます……。」
「少しだけ、お昼寝しましょうか……?」
セレアはそういうと、膝に彼の頭を乗せた。
青年は膝枕をされながら、情けないと自覚しながらも、頭上にて揺れる乳を抗えない衝動で吸ってしまう。
「よしよし……おやすみなさい……良い夢見てね……♡」
「ちゅ……ちゅぅ……はぃ……。」
まるで授乳される赤子のように扱われる男は、止めどない安心感と共に眠りに着いた。
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