16 / 71
第二章 衣食住、住居を探します
16.王子、あと少しで家を完成させます
しおりを挟む
太陽の明るさに僕は目を覚ました。その後急いでセメントを流して基盤を作った。
粘土を採取するためにできた穴に、さらに葉を敷き詰めそこで寝ることにした。
「コボスケ重いぞ……」
隣で寝ていたはずなのに、今日もコボスケに抱きつかれている。ささみが僕の顔の前にいるため、今日はそこまで獣臭を感じない。
むしろもふもふしているクッションみたいで、昨日よりはよく寝れた。あの唸り声のようないびきも、いびきだと思えば特に気にならなかった。
僕がコボスケのお腹をもふもふし続けると、コボスケは目を覚ます。
『また新人はアドルとの時間を邪魔する気か!』
起きた瞬間にささみの顔があったからか、今日は目覚めが良いようだ。
「おいおい、大きな声出したからささみが鳴いちゃったじゃないか!」
僕は今にも火を吐きそうなささみを抱きかかえる。優しく撫でてやると気持ちよさそうに再び眠りにつくのだ。
『ヌー! またニヤリと笑ったぞ! 絶対そいつわざとだ!』
この可愛いささみの顔がコボスケは気に食わないのかもしれない。
僕達は早速顔を洗ってから、食事を食べて作業に取り掛かる。
わざわざ顔を洗うぐらいなら、水属性魔法でどうにかなることに昨日気づいた。セメントを作る時に魔法を使った時を思い出したのだ。
あの時のコボスケの顔を思い出すとイラッとする。
「今日は上の建物を作る作業を始める」
『拙者得意――』
「うん、やったことないのは知ってるから大丈夫!」
とりあえずコボスケは自分ができるとアピールしたいのだろう。なんでも挑戦することは良いことだが、流石に家を作れる気はしない。
家を作っていたら、あんなに狭い岩の隙間で寝るはずがない。
まずは立派な柱を地面に打ち込む。コボスケがこの木を使うと良いと持ってきたらしいが、確か"世界樹の枝"と言っていた。
流石に中央に大きな木はあるが、世界樹のはずはない。世界樹の葉って伝説のエリクサーを作る材料の一つでもあるからな。
どうせその辺の木を世界樹と呼んでいるのだろう。
フェンリルがコボルトだし、リザードマンが魚だし、フェニックスがコウモリの島だ。
ただ普通の木にしては存在感があり、輝いているのは気にしないでおこう。建物の安定を考えると立派な木の方が良いからね。
柱の間に厚い梁が組み合わされ、建物の骨格を作っていく。
一つ一つの材料が確かにはまり、建物の枠組みが少しずつ姿を現していく。
あとは壁の部分に細い木の棒を交差して配置して、外壁となる木をはめていく。
そうすれば、残るのは天井だけだ。
そんな中、森の方から雄叫びが聞こえてきた。
『ニヤァー!』
どうやら猫が叫んでいるようだ。だが、その声は少しずつ近づいてきているような気がした。
どこか嫌な予感がする。
僕の嫌な予感は思ったよりも当たりやすい。それを引き込んでいるのかと思うほどだ。
「おい、コボスケ! あれは何の声だ?」
『あー、あれは大きいネコですね』
「大きいネコ?」
その大きいという部分が一番の問題だ。せっかくここまでできた家を壊されてしまったら立ち直れないだろう。
「あいつが来ない――」
『見つけたニャー!』
コボスケに近寄らせないように頼もうとしたが、すでに遅かった。大きなネコはコボスケを見つけると、飛びつくように木々の隙間から飛び出してきた。
「えっ……あれが……ネコ?」
そのままコボスケと共にクルクル回ってこっちに近づいてくる。
おい、まさか……。
――ドォーン!
大きい音とともに建物は崩れて落ちて飛んでいく。そして僕の理性も怒りで吹き飛んだ。
粘土を採取するためにできた穴に、さらに葉を敷き詰めそこで寝ることにした。
「コボスケ重いぞ……」
隣で寝ていたはずなのに、今日もコボスケに抱きつかれている。ささみが僕の顔の前にいるため、今日はそこまで獣臭を感じない。
むしろもふもふしているクッションみたいで、昨日よりはよく寝れた。あの唸り声のようないびきも、いびきだと思えば特に気にならなかった。
僕がコボスケのお腹をもふもふし続けると、コボスケは目を覚ます。
『また新人はアドルとの時間を邪魔する気か!』
起きた瞬間にささみの顔があったからか、今日は目覚めが良いようだ。
「おいおい、大きな声出したからささみが鳴いちゃったじゃないか!」
僕は今にも火を吐きそうなささみを抱きかかえる。優しく撫でてやると気持ちよさそうに再び眠りにつくのだ。
『ヌー! またニヤリと笑ったぞ! 絶対そいつわざとだ!』
この可愛いささみの顔がコボスケは気に食わないのかもしれない。
僕達は早速顔を洗ってから、食事を食べて作業に取り掛かる。
わざわざ顔を洗うぐらいなら、水属性魔法でどうにかなることに昨日気づいた。セメントを作る時に魔法を使った時を思い出したのだ。
あの時のコボスケの顔を思い出すとイラッとする。
「今日は上の建物を作る作業を始める」
『拙者得意――』
「うん、やったことないのは知ってるから大丈夫!」
とりあえずコボスケは自分ができるとアピールしたいのだろう。なんでも挑戦することは良いことだが、流石に家を作れる気はしない。
家を作っていたら、あんなに狭い岩の隙間で寝るはずがない。
まずは立派な柱を地面に打ち込む。コボスケがこの木を使うと良いと持ってきたらしいが、確か"世界樹の枝"と言っていた。
流石に中央に大きな木はあるが、世界樹のはずはない。世界樹の葉って伝説のエリクサーを作る材料の一つでもあるからな。
どうせその辺の木を世界樹と呼んでいるのだろう。
フェンリルがコボルトだし、リザードマンが魚だし、フェニックスがコウモリの島だ。
ただ普通の木にしては存在感があり、輝いているのは気にしないでおこう。建物の安定を考えると立派な木の方が良いからね。
柱の間に厚い梁が組み合わされ、建物の骨格を作っていく。
一つ一つの材料が確かにはまり、建物の枠組みが少しずつ姿を現していく。
あとは壁の部分に細い木の棒を交差して配置して、外壁となる木をはめていく。
そうすれば、残るのは天井だけだ。
そんな中、森の方から雄叫びが聞こえてきた。
『ニヤァー!』
どうやら猫が叫んでいるようだ。だが、その声は少しずつ近づいてきているような気がした。
どこか嫌な予感がする。
僕の嫌な予感は思ったよりも当たりやすい。それを引き込んでいるのかと思うほどだ。
「おい、コボスケ! あれは何の声だ?」
『あー、あれは大きいネコですね』
「大きいネコ?」
その大きいという部分が一番の問題だ。せっかくここまでできた家を壊されてしまったら立ち直れないだろう。
「あいつが来ない――」
『見つけたニャー!』
コボスケに近寄らせないように頼もうとしたが、すでに遅かった。大きなネコはコボスケを見つけると、飛びつくように木々の隙間から飛び出してきた。
「えっ……あれが……ネコ?」
そのままコボスケと共にクルクル回ってこっちに近づいてくる。
おい、まさか……。
――ドォーン!
大きい音とともに建物は崩れて落ちて飛んでいく。そして僕の理性も怒りで吹き飛んだ。
15
あなたにおすすめの小説
聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~
夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力!
絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。
最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り!
追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
大自然を司る聖女、王宮を見捨て辺境で楽しく生きていく!
向原 行人
ファンタジー
旧題:聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。
土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。
とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。
こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。
土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど!
一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる