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第一章 外れスキル
43.ルームシェア
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俺達は獣人の少年が起きるのを待っていた。
「ケントどうだ?」
「まだ起きないですね。何か色々とありそうでしたし何しろボスが懐いてますよ」
ボスは狼の獣人になぜか懐いており、体をスリスリとしている。
「うっ……」
ボスが揺すっていたのか獣人の少年は目を覚ました。
「起きた?」
「あん? あああ!」
俺の顔を見ると獣人の少年は驚いていた。ああ、この顔イケメンだからびっくりしたのだろう。
「ははは、驚き過ぎたよ。良かったらこれ食べる?」
串焼肉を獣人の少年の目の前に出した。さっき近くの屋台でマルクスが買ってきたものだ。
「飯……」
匂いに釣られてよだれを垂らしている。
「なんかボスが増えたみたいだな」
隣にいたボスも一緒によだれを垂らしており、獣人と動物は似たような種族なんだろうか。
「なぁ? それくれるのか?」
「んー、じゃあ君のお家に連れてってくれたら食べさせてあげる! どう?」
「家……オラの家は汚いけどそれでも良いなら……」
結構強引な条件だったが泊まるところがないよりはいいだろう。すでに外は暗くなっており、このままじゃ野宿になってしまう。
獣人は串焼肉につられて、俺達を家に連れて行くことになった。
♢
少し歩くとボロボロではあるがしっかりとした家の前に獣人は立ち止まった。
「みんなただいま」
獣人の少年は挨拶をするがどこからも返事が返って来ない。部屋の中は静かで冷え切っていた。
部屋の中は物が散乱し足の踏み場がない状態にだ。
「本当に汚いな……」
マルクスは思ったことが口に出ていた。
「オラはさっき言ったぞ」
「まあまあ、そこは後で掃除すれば良いとして――」
「俺掃除なんて出来ないぞ」
「オラもだ」
二人の答えに驚いていた。獣人の彼はまだわかるが、マルクスは一人で住んでいたのにエッセン町ではどうやって生活していたのだろうか。
彼女や妻がいるなら一緒に来るだろうがそんな素振りは全くない。
獣人の少年に勧められ椅子に座った。そこには椅子が四つ置いてあり、余った椅子の一つにボスが座った。
椅子に座れる狼って中々優秀だな。
「じゃあ、自己紹介をしようか」
「飯! 飯が先だ」
「ガゥ!」
「いやいや、まずは誰かわからないと話にならないでしょ」
「そんな……」
「クゥーン……」
ボスが増えたようで俺としてはどこか楽しい気分だ。
自己紹介を終えると獣人の彼はラルフと言っていた。
ラルフとボスはまだかまだかと串焼肉を待っている。部屋の中も肉の香ばしい匂いが広がっているからな。
ラルフとボスは必死に串焼肉に食いついていた。ラルフは数日食べてなかったのか、どんどん食べ終わり気づいたら俺の分まで食べていた。
「はぁー、食った!」
どうやらお腹が膨れたらしい。
「それで交渉なんだけど――」
「なんだ?」
「俺達と一緒に住まないか?」
「はぁん!? なぜオラの家にお前らを住ませないといけないんだ!」
「おいおい、ケント頭が狂ったか?」
俺の発言に二人は驚いていた。たしかに普通に考えたらおかしなことを言っていると俺も感じている。
ただこのままだと泊まる宿がずっと見つからずに野宿の生活かボスを手放すしか方法がない。
「そこで提案なんだけど、ラルフが家を貸す代わりにマルクスさんがお金を稼いでくる。そのお金で俺がこの家の家事をするってのはどう?」
簡単に言えば役割分担をしてルームシェアをするという感覚だ。
「どうってそもそもケントは家事ができるんか?」
「んー、やってみないとわからないがある程度はできるはず?」
この体になってから家事が出来るかは試したことがない。ただ前世で大学生から一人暮らしをしていたため約七年間はしていた。
「ケントがいいなら、俺は賛成するが後はこの家の持ち主であるラルフ次第だな」
「……」
ラルフはジッと俺の顔を見ていた。やはりそんなに俺の顔が気に入ったのだろうか。俺もこの顔は好きだからな。
「一人で住むよりみんなで住んだ方が楽しいけどな?」
きっと彼なり考えることがあるのだろう。お金を盗むしかないという環境にいるということは一人で住んでいるのだろう。
「じゃあ、こう考えよう。今日から俺達は友達で同じルームメイトは家族と同じ! 」
若干無理があるが強引に攻めるのも必要だ。
「家族……」
ラルフはボソッと呟いていた
「それでもダメなら――」
「いいよ」
「えっ?」
「そんなに住みたいなら住ましてやるよ! オラ達は家族なんだろう?」
ラルフの表情はどこか嬉しそうにしていた。多少強引なのもこういう時には必要だと改めて感じる。
俺達は貧困地区に住んでいるラルフと一緒に住むことが決まった。これで野宿を回避した。
「そうと決まればみんなで掃除をしようか」
「えっ?」
さっき出来ないと言ったばかりの二人に俺は掃除を誘った。明らかに一人で解決できるようなレベルじゃないからな。
「みんなでやれば早く終わるよ?」
掃除中の俺は二人からオーガと言われていた。オーガという魔物を見たことはないがきっと可愛いのだろう。
力が必要だからリハビリだと言ってマルクスに重い物を動かせ、細かいものは自分の家だからとラルフを動かすことで早く終わった。
後に二人からはこの日を境に上下関係が出来たと言っていた。
「ケントどうだ?」
「まだ起きないですね。何か色々とありそうでしたし何しろボスが懐いてますよ」
ボスは狼の獣人になぜか懐いており、体をスリスリとしている。
「うっ……」
ボスが揺すっていたのか獣人の少年は目を覚ました。
「起きた?」
「あん? あああ!」
俺の顔を見ると獣人の少年は驚いていた。ああ、この顔イケメンだからびっくりしたのだろう。
「ははは、驚き過ぎたよ。良かったらこれ食べる?」
串焼肉を獣人の少年の目の前に出した。さっき近くの屋台でマルクスが買ってきたものだ。
「飯……」
匂いに釣られてよだれを垂らしている。
「なんかボスが増えたみたいだな」
隣にいたボスも一緒によだれを垂らしており、獣人と動物は似たような種族なんだろうか。
「なぁ? それくれるのか?」
「んー、じゃあ君のお家に連れてってくれたら食べさせてあげる! どう?」
「家……オラの家は汚いけどそれでも良いなら……」
結構強引な条件だったが泊まるところがないよりはいいだろう。すでに外は暗くなっており、このままじゃ野宿になってしまう。
獣人は串焼肉につられて、俺達を家に連れて行くことになった。
♢
少し歩くとボロボロではあるがしっかりとした家の前に獣人は立ち止まった。
「みんなただいま」
獣人の少年は挨拶をするがどこからも返事が返って来ない。部屋の中は静かで冷え切っていた。
部屋の中は物が散乱し足の踏み場がない状態にだ。
「本当に汚いな……」
マルクスは思ったことが口に出ていた。
「オラはさっき言ったぞ」
「まあまあ、そこは後で掃除すれば良いとして――」
「俺掃除なんて出来ないぞ」
「オラもだ」
二人の答えに驚いていた。獣人の彼はまだわかるが、マルクスは一人で住んでいたのにエッセン町ではどうやって生活していたのだろうか。
彼女や妻がいるなら一緒に来るだろうがそんな素振りは全くない。
獣人の少年に勧められ椅子に座った。そこには椅子が四つ置いてあり、余った椅子の一つにボスが座った。
椅子に座れる狼って中々優秀だな。
「じゃあ、自己紹介をしようか」
「飯! 飯が先だ」
「ガゥ!」
「いやいや、まずは誰かわからないと話にならないでしょ」
「そんな……」
「クゥーン……」
ボスが増えたようで俺としてはどこか楽しい気分だ。
自己紹介を終えると獣人の彼はラルフと言っていた。
ラルフとボスはまだかまだかと串焼肉を待っている。部屋の中も肉の香ばしい匂いが広がっているからな。
ラルフとボスは必死に串焼肉に食いついていた。ラルフは数日食べてなかったのか、どんどん食べ終わり気づいたら俺の分まで食べていた。
「はぁー、食った!」
どうやらお腹が膨れたらしい。
「それで交渉なんだけど――」
「なんだ?」
「俺達と一緒に住まないか?」
「はぁん!? なぜオラの家にお前らを住ませないといけないんだ!」
「おいおい、ケント頭が狂ったか?」
俺の発言に二人は驚いていた。たしかに普通に考えたらおかしなことを言っていると俺も感じている。
ただこのままだと泊まる宿がずっと見つからずに野宿の生活かボスを手放すしか方法がない。
「そこで提案なんだけど、ラルフが家を貸す代わりにマルクスさんがお金を稼いでくる。そのお金で俺がこの家の家事をするってのはどう?」
簡単に言えば役割分担をしてルームシェアをするという感覚だ。
「どうってそもそもケントは家事ができるんか?」
「んー、やってみないとわからないがある程度はできるはず?」
この体になってから家事が出来るかは試したことがない。ただ前世で大学生から一人暮らしをしていたため約七年間はしていた。
「ケントがいいなら、俺は賛成するが後はこの家の持ち主であるラルフ次第だな」
「……」
ラルフはジッと俺の顔を見ていた。やはりそんなに俺の顔が気に入ったのだろうか。俺もこの顔は好きだからな。
「一人で住むよりみんなで住んだ方が楽しいけどな?」
きっと彼なり考えることがあるのだろう。お金を盗むしかないという環境にいるということは一人で住んでいるのだろう。
「じゃあ、こう考えよう。今日から俺達は友達で同じルームメイトは家族と同じ! 」
若干無理があるが強引に攻めるのも必要だ。
「家族……」
ラルフはボソッと呟いていた
「それでもダメなら――」
「いいよ」
「えっ?」
「そんなに住みたいなら住ましてやるよ! オラ達は家族なんだろう?」
ラルフの表情はどこか嬉しそうにしていた。多少強引なのもこういう時には必要だと改めて感じる。
俺達は貧困地区に住んでいるラルフと一緒に住むことが決まった。これで野宿を回避した。
「そうと決まればみんなで掃除をしようか」
「えっ?」
さっき出来ないと言ったばかりの二人に俺は掃除を誘った。明らかに一人で解決できるようなレベルじゃないからな。
「みんなでやれば早く終わるよ?」
掃除中の俺は二人からオーガと言われていた。オーガという魔物を見たことはないがきっと可愛いのだろう。
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後に二人からはこの日を境に上下関係が出来たと言っていた。
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