208 / 281
第一章 外れスキル
208.出発
しおりを挟む
翌朝俺が起きた時には冒険者達は自身の装備を調整したりなど準備をしていた。
昨夜の雰囲気とはがらりと変わり、ピリついた雰囲気が漂っていた。
俺その間に事前に準備していた物を使って軽めの朝食を作ることにした。
「おはよう」
今起きてきたばかりなのか寝癖を直しながらマルクスが声をかけてきた。
マルクス自体は魔物の群れに出陣することはないため起きるのも遅い。
彼の役目はこっちに逃げた魔物の討伐と救護施設にいる俺達の護衛だ。
「昨日とは違ってピリついてますね」
「ああ、みんなも命がけだからな。そこまで強くない魔物だと分かっていても、集団となればどうなるかはわからない」
魔物が集団になるだけで依頼のランクが上がるほど、魔物の集団は恐れられている。
「まぁ、ケントは気にしなくていい。怪我して来る人がいたら治せばいいからな」
「何もないといいのですが……」
俺は無事に終わることを祈った。
♢
朝食後しばらくすると冒険者達が集まって来た。
「皆聞くのじゃ!」
冒険者達の中心にはギルドマスターのカタリーナとハワードがいた。
「今回指揮を取るのは私とここにいるハワードじゃ! 文句があるやつは手を挙げろ」
あそこまで圧力を放っていれば誰も手を挙げる者はいないだろう。そもそも冒険者の中でハワードも有名なため実力は知れ渡っている。
「これから二チームに分ける。お互いに今回の作戦を練り合わせるのじゃ」
チームが発表され破滅のトラッセンやネロやドランはハワードと同じ西側担当になった。
そしてカタリーナは北西に向かうことが決まった。
「今回は概ね皆にも伝わっていると思うが先に偵察部隊が魔物の状況を追っている。その部隊からは魔物の動きが緩やかになって立ち止まりながら進んでいると報告が入っている」
王都にいる時の情報と少し変わり、どの方面も魔物の侵攻が緩やかになっていると情報があった。
ただ魔物が一定の侵攻で進んでいることに皆が不気味に思っていた。
「それを好機ととらえて迎え撃つ作戦でいく」
カタリーナから軽く今回の作戦が話された。
誘い込む場所はどちらも広く空いた場所で、上級魔法が放てるほどの広い場所だ。
まずはハワードとカタリーナが魔法をいくつか放ち、敵の数を減らすことで戦力を削ぐ予定だ。
ある程度数を減らしながらハワード達は西に、カタリーナ達は北西に進みながら魔物を倒す予定だ。
そもそも動物より知性がある魔物のため、退き際を理解している。
そこで逃げるのであれば問題はない。
「では、皆のも健闘を祈る」
「みんな行ってくるね! 私のダブルウィッチの力を見せてくるわ」
俺にスキルの使い方を聞いたリチアは、あれから風属性魔法の制御に明け暮れていた。
今回それが存分に発揮できる場が与えられているためウキウキとしていた。
「リチアさん危なそうですね……」
そんなリチアを俺は心配していたが、隣には同じパーティーメンバーのリモンとカルロもいる。
「まぁ、俺が付いてるから大丈夫だ」
「いやー、カルロさんに言われても……」
「おいおい、俺じゃ頼りないかて? これでもこのパーティーのタンクだから命をかけてでも守ってやるぜ」
「ははは、カルロさんも気をつけてくださいね」
「おう!」
この人達にはこれぐらいがちょうどいいだろう。
「絶対ここで食い止めないと王都にはカレンとあいつの子供もいるからな」
「あいつと俺の子のためにも頼む! 何かあったらすぐに駆けつける」
マルクスの言葉に破滅のトラッセンのメンバーは笑っていた。
「マルクスさんが離れたらダメですよー。ここは最後の砦ですからね! 私達がダメだったら最後はお願いします」
リチアの普段見せない真面目な顔に今から本当に戦いが始まると実感した。
「ダメだと思ったらケント達も逃げてくれよ。まだ君達は本来こんなところに連れて来られる年齢でもないんだ」
それに続きリモンも真面目なことを言ったため、いつのまにか辛気臭い雰囲気になっていた。
「おいおい、みんな大丈夫だ! 俺がいるからすぐに終わるぞ」
呑気にハワードが声をかけて来た。
「まぁ、このS級冒険者ハワード様がいるから安心しろ! あと終わったらお前ら二人に話があるからな」
ハワードは俺とラルフに指を差していた。
「俺達にですか?」
「ああ、楽しみに待っててくれ」
そう言ってハワードは去って行った。
「じゃ、行ってくるね」
「あっ、リチアさん待ってください」
俺は行こうとしていたリチアを止めた。
「ハニービーの王国魔力蜜です」
俺はリチアに瓶を渡した。
魔法使いであるリチアの魔力量を心配して、事前に俺は瓶に詰めていた。
「ありがとう!」
「じゃあ、俺達も行ってくる」
破滅のトラッセンはハワードに続き、待機場所から出て行った。
その後ろ姿が自然と目に焼きついていた。
昨夜の雰囲気とはがらりと変わり、ピリついた雰囲気が漂っていた。
俺その間に事前に準備していた物を使って軽めの朝食を作ることにした。
「おはよう」
今起きてきたばかりなのか寝癖を直しながらマルクスが声をかけてきた。
マルクス自体は魔物の群れに出陣することはないため起きるのも遅い。
彼の役目はこっちに逃げた魔物の討伐と救護施設にいる俺達の護衛だ。
「昨日とは違ってピリついてますね」
「ああ、みんなも命がけだからな。そこまで強くない魔物だと分かっていても、集団となればどうなるかはわからない」
魔物が集団になるだけで依頼のランクが上がるほど、魔物の集団は恐れられている。
「まぁ、ケントは気にしなくていい。怪我して来る人がいたら治せばいいからな」
「何もないといいのですが……」
俺は無事に終わることを祈った。
♢
朝食後しばらくすると冒険者達が集まって来た。
「皆聞くのじゃ!」
冒険者達の中心にはギルドマスターのカタリーナとハワードがいた。
「今回指揮を取るのは私とここにいるハワードじゃ! 文句があるやつは手を挙げろ」
あそこまで圧力を放っていれば誰も手を挙げる者はいないだろう。そもそも冒険者の中でハワードも有名なため実力は知れ渡っている。
「これから二チームに分ける。お互いに今回の作戦を練り合わせるのじゃ」
チームが発表され破滅のトラッセンやネロやドランはハワードと同じ西側担当になった。
そしてカタリーナは北西に向かうことが決まった。
「今回は概ね皆にも伝わっていると思うが先に偵察部隊が魔物の状況を追っている。その部隊からは魔物の動きが緩やかになって立ち止まりながら進んでいると報告が入っている」
王都にいる時の情報と少し変わり、どの方面も魔物の侵攻が緩やかになっていると情報があった。
ただ魔物が一定の侵攻で進んでいることに皆が不気味に思っていた。
「それを好機ととらえて迎え撃つ作戦でいく」
カタリーナから軽く今回の作戦が話された。
誘い込む場所はどちらも広く空いた場所で、上級魔法が放てるほどの広い場所だ。
まずはハワードとカタリーナが魔法をいくつか放ち、敵の数を減らすことで戦力を削ぐ予定だ。
ある程度数を減らしながらハワード達は西に、カタリーナ達は北西に進みながら魔物を倒す予定だ。
そもそも動物より知性がある魔物のため、退き際を理解している。
そこで逃げるのであれば問題はない。
「では、皆のも健闘を祈る」
「みんな行ってくるね! 私のダブルウィッチの力を見せてくるわ」
俺にスキルの使い方を聞いたリチアは、あれから風属性魔法の制御に明け暮れていた。
今回それが存分に発揮できる場が与えられているためウキウキとしていた。
「リチアさん危なそうですね……」
そんなリチアを俺は心配していたが、隣には同じパーティーメンバーのリモンとカルロもいる。
「まぁ、俺が付いてるから大丈夫だ」
「いやー、カルロさんに言われても……」
「おいおい、俺じゃ頼りないかて? これでもこのパーティーのタンクだから命をかけてでも守ってやるぜ」
「ははは、カルロさんも気をつけてくださいね」
「おう!」
この人達にはこれぐらいがちょうどいいだろう。
「絶対ここで食い止めないと王都にはカレンとあいつの子供もいるからな」
「あいつと俺の子のためにも頼む! 何かあったらすぐに駆けつける」
マルクスの言葉に破滅のトラッセンのメンバーは笑っていた。
「マルクスさんが離れたらダメですよー。ここは最後の砦ですからね! 私達がダメだったら最後はお願いします」
リチアの普段見せない真面目な顔に今から本当に戦いが始まると実感した。
「ダメだと思ったらケント達も逃げてくれよ。まだ君達は本来こんなところに連れて来られる年齢でもないんだ」
それに続きリモンも真面目なことを言ったため、いつのまにか辛気臭い雰囲気になっていた。
「おいおい、みんな大丈夫だ! 俺がいるからすぐに終わるぞ」
呑気にハワードが声をかけて来た。
「まぁ、このS級冒険者ハワード様がいるから安心しろ! あと終わったらお前ら二人に話があるからな」
ハワードは俺とラルフに指を差していた。
「俺達にですか?」
「ああ、楽しみに待っててくれ」
そう言ってハワードは去って行った。
「じゃ、行ってくるね」
「あっ、リチアさん待ってください」
俺は行こうとしていたリチアを止めた。
「ハニービーの王国魔力蜜です」
俺はリチアに瓶を渡した。
魔法使いであるリチアの魔力量を心配して、事前に俺は瓶に詰めていた。
「ありがとう!」
「じゃあ、俺達も行ってくる」
破滅のトラッセンはハワードに続き、待機場所から出て行った。
その後ろ姿が自然と目に焼きついていた。
11
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる