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5.芋聖女、復讐を決意する

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 彼の国はとても寒いようで、馬車の外は雪が吹雪いていた。

 何もないただ白い光景。

 初めて見る真っ白な雪と何もない私は同じような気がした。

 ここまで来るのに数日かかったが、それが逆に私の頭を冷静にさせた。

 結局死ぬなら人に迷惑をかけて死んでやろう。

 あの家に復讐するために、新しい婚約者に嫌われて戦場の悪魔を怒らせようと考えた。

 その結果、私の家族に火種が向けば嬉しい。

「奥様屋敷に到着しました」

 御者に声をかけられ降りると、さっきまでの吹雪は収まっていた。

 ひんやりした雪が顔に落ち、心地良さを感じる。

 屋敷に着いた私は執事が出迎えてくれた。

 だが、そこには私の婚約者はいなかった。

「セイグリッド様は急な仕事で明日帰って来ます」

 ここでも私は歓迎されていないことがすぐにわかった。

 むしろ変に同情されるよりは怒りを買うにはやりやすい。

「長旅で疲れたので少し休んでもよろしいですか?」

 私はすぐにベッドに案内してもらい体を休めることにした。
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