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第二章 君は宰相になっていた
38.聖男、ルシアンの屋敷に行く
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「えーっと……ここは?」
「俺の家だよ!」
ルシアンに連れていかれるまま待っていたら、いつのまにか目の前には大きな屋敷があった。
どうやらここにルシアンが住んでいるらしい。
僕が一度下されると、ルシアンは門扉を開けた。
「「「おかえりなさいませ、ルシアン様!」」」
ルシアンが帰ってきたことに気づいたのか、メイドや執事が綺麗に列を作り並んでいた。
揃った挨拶に僕は圧倒される。
だが、ルシアンは特に思うこともないのか、そのまま中央を歩いていた。
相変わらずここでもルシアンは威張っているね……。
「ご苦労様です」
「お疲れ様です」
「よろしくお願いします」
僕はペコペコと頭を下げながら、ルシアンの後をついていく。
「ねぇ、せめて何か言ったらいいんじゃないの?」
「そうか……? この人たちは俺が孤児から面倒をみている人たちだぞ」
確かに全体的に年齢は若めだが、それとこれとは違う気がする。
自分の家を管理してくれている人に、ちゃんと労いの言葉ぐらいはかけるべきだ。
「僕はそんなこと教えたつもりはないよ。ほら!」
屋敷の中に入ろうとするルシアンの手を引っ張り、僕はメイドや執事に頭を下げる。
「本日からお世話になります。橘湊です。よろしくお願いします」
自己紹介をすると、メイドや執事は驚いた表情をしていた。
中には〝聖男〟って言葉が聞こえてくるが、何のことを言っているのかよくわからない。
初めて会ったアシュレイも同じようなことを言っていた。
「次はルシアンの番だよ? せめていつもご苦労様ですとか言ったら?」
「あー、もう! ご苦労様!」
ルシアンはめんどくさそうに頭を掻いて、一言放つと屋敷の中に入っていった。
今頃反抗期のようなルシアンについつい笑ってしまう。
「みにゃと、家に入るぞ!」
「おっととと……」
付いてきてないことに気づいたのか、わざわざ戻ってきて再び僕を運んでいく。
屋敷の中ぐらいは自分で歩けるが、ルシアンはどこに連れていく気だろうか。
「すごい綺麗なところに住んでるんだね」
口にした言葉に、ルシアンは少しだけ照れくさそうに肩をすくめた。
「気に入ってもらえて良かった」
気に入ってもらえて……?
ここはルシアンと婚約者の屋敷じゃないのか?
わけがわからないまま、僕はルシアンに連れて行かれる。
「ここが俺とみにゃとの部屋だぞ」
「んっ? ルシアンと一緒の部屋なの?」
「当たり前だろ」
部屋の中央には大きなベッドが置いてある。
大人二人が余裕で寝られそうだから、キングサイズなんだろう。
僕がそこに寝かされると、ルシアンは上から覆い被さってきた。
「うぉ!? 突然どうしたの?」
「これでみにゃとを独り占めできる」
ルシアンは嬉しそうに僕を抱きしめてきた。
「ずっと会いたかった……」
小さく呟くルシアンの言葉に僕は優しく頭を撫でる。
僕にとって一年だとしても、ルシアンにとっては十年振りとかだもんね。
急に長いこと会えなくて、寂しい思いをさせてしまったようだ。
若干大きな体に押しつぶされて痛いが、まだまだ中身は子どもなんだな。
甘えてくるルシアンが少し可愛いと思ってしまう。
「ルシアン、離れないと勘違いされちゃうよ?」
「別に問題ない」
こんなところを婚約者に見られたりでもしたら、ルシアンは大丈夫なんだろうか。
僕はルシアンを退かそうとするが、全くびくともしない。
むしろ、僕と目が合うとニヤリと笑っていた。
――トントン!
「ルシアン様、アリス様がお見えになっています」
その言葉に僕は急いで隙間から逃げようと、モゾモゾしながら動く。
「くくく、みにゃとイモムシみたい」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ! 見られたりでもしたらどうするんだよ!」
「別に問題ない。アリスには帰ってもらう」
「はぁん!? お前最低だぞ!」
せっかく来た婚約者を返すって普通は考えられない。
いくら何でも十年ぶりに遊んでいるって言ってもベッドの上だ。
この世界では男性同士がベッドで遊んでいるのは普通なのか?
勘違いでもされたら……いや、ルシアンは勘違いさせようとしているのか?
考えても混乱していて、わけがわからなくなる。
「みにゃと……何でそんなこと言うの……」
ルシアンは僕の顔をジーッと見つめる。
眉が垂れ下がり、しょんぼりした顔をされたら、僕もどうしたら良いのかわからない。
「とりあえず今は退いて!」
「わかった……でも、最後にもう一回抱きつく!」
さっきまでの顔は演技なのかと思うほど、ルシアンはにこやかな顔で僕をギュッと抱きしめた。
――ガチャ!
「ルシアン、今日は早く仕事が終わったって……」
ただ、その瞬間部屋の扉が開いた。
僕とそこまで背丈の変わらないであろう綺麗な女性が部屋に入ってきた。
僕とルシアンの姿を見て、驚いたのかその場で固まった。
あぁ……これって修羅場ってやつだろうか。
「俺の家だよ!」
ルシアンに連れていかれるまま待っていたら、いつのまにか目の前には大きな屋敷があった。
どうやらここにルシアンが住んでいるらしい。
僕が一度下されると、ルシアンは門扉を開けた。
「「「おかえりなさいませ、ルシアン様!」」」
ルシアンが帰ってきたことに気づいたのか、メイドや執事が綺麗に列を作り並んでいた。
揃った挨拶に僕は圧倒される。
だが、ルシアンは特に思うこともないのか、そのまま中央を歩いていた。
相変わらずここでもルシアンは威張っているね……。
「ご苦労様です」
「お疲れ様です」
「よろしくお願いします」
僕はペコペコと頭を下げながら、ルシアンの後をついていく。
「ねぇ、せめて何か言ったらいいんじゃないの?」
「そうか……? この人たちは俺が孤児から面倒をみている人たちだぞ」
確かに全体的に年齢は若めだが、それとこれとは違う気がする。
自分の家を管理してくれている人に、ちゃんと労いの言葉ぐらいはかけるべきだ。
「僕はそんなこと教えたつもりはないよ。ほら!」
屋敷の中に入ろうとするルシアンの手を引っ張り、僕はメイドや執事に頭を下げる。
「本日からお世話になります。橘湊です。よろしくお願いします」
自己紹介をすると、メイドや執事は驚いた表情をしていた。
中には〝聖男〟って言葉が聞こえてくるが、何のことを言っているのかよくわからない。
初めて会ったアシュレイも同じようなことを言っていた。
「次はルシアンの番だよ? せめていつもご苦労様ですとか言ったら?」
「あー、もう! ご苦労様!」
ルシアンはめんどくさそうに頭を掻いて、一言放つと屋敷の中に入っていった。
今頃反抗期のようなルシアンについつい笑ってしまう。
「みにゃと、家に入るぞ!」
「おっととと……」
付いてきてないことに気づいたのか、わざわざ戻ってきて再び僕を運んでいく。
屋敷の中ぐらいは自分で歩けるが、ルシアンはどこに連れていく気だろうか。
「すごい綺麗なところに住んでるんだね」
口にした言葉に、ルシアンは少しだけ照れくさそうに肩をすくめた。
「気に入ってもらえて良かった」
気に入ってもらえて……?
ここはルシアンと婚約者の屋敷じゃないのか?
わけがわからないまま、僕はルシアンに連れて行かれる。
「ここが俺とみにゃとの部屋だぞ」
「んっ? ルシアンと一緒の部屋なの?」
「当たり前だろ」
部屋の中央には大きなベッドが置いてある。
大人二人が余裕で寝られそうだから、キングサイズなんだろう。
僕がそこに寝かされると、ルシアンは上から覆い被さってきた。
「うぉ!? 突然どうしたの?」
「これでみにゃとを独り占めできる」
ルシアンは嬉しそうに僕を抱きしめてきた。
「ずっと会いたかった……」
小さく呟くルシアンの言葉に僕は優しく頭を撫でる。
僕にとって一年だとしても、ルシアンにとっては十年振りとかだもんね。
急に長いこと会えなくて、寂しい思いをさせてしまったようだ。
若干大きな体に押しつぶされて痛いが、まだまだ中身は子どもなんだな。
甘えてくるルシアンが少し可愛いと思ってしまう。
「ルシアン、離れないと勘違いされちゃうよ?」
「別に問題ない」
こんなところを婚約者に見られたりでもしたら、ルシアンは大丈夫なんだろうか。
僕はルシアンを退かそうとするが、全くびくともしない。
むしろ、僕と目が合うとニヤリと笑っていた。
――トントン!
「ルシアン様、アリス様がお見えになっています」
その言葉に僕は急いで隙間から逃げようと、モゾモゾしながら動く。
「くくく、みにゃとイモムシみたい」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ! 見られたりでもしたらどうするんだよ!」
「別に問題ない。アリスには帰ってもらう」
「はぁん!? お前最低だぞ!」
せっかく来た婚約者を返すって普通は考えられない。
いくら何でも十年ぶりに遊んでいるって言ってもベッドの上だ。
この世界では男性同士がベッドで遊んでいるのは普通なのか?
勘違いでもされたら……いや、ルシアンは勘違いさせようとしているのか?
考えても混乱していて、わけがわからなくなる。
「みにゃと……何でそんなこと言うの……」
ルシアンは僕の顔をジーッと見つめる。
眉が垂れ下がり、しょんぼりした顔をされたら、僕もどうしたら良いのかわからない。
「とりあえず今は退いて!」
「わかった……でも、最後にもう一回抱きつく!」
さっきまでの顔は演技なのかと思うほど、ルシアンはにこやかな顔で僕をギュッと抱きしめた。
――ガチャ!
「ルシアン、今日は早く仕事が終わったって……」
ただ、その瞬間部屋の扉が開いた。
僕とそこまで背丈の変わらないであろう綺麗な女性が部屋に入ってきた。
僕とルシアンの姿を見て、驚いたのかその場で固まった。
あぁ……これって修羅場ってやつだろうか。
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