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122.ジェラリー村

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 俺達はダンデの家に行くことになった。子ども達はヘレンの後ろに隠れているがロンとニアに興味津々だ。

 獣人を見たことなければ、自分とは違う見た目が変わった存在が気になるのは仕方ない。

「ウォーレン久しぶりだな」

「ダンデさんこそいつのまにかお父さんになってるんですね」

「ああ。 気づいたらヘレンが逞しくなってるけどな」
 前はあんなにイチャイチャしてたのに今はエレンの尻に惹かれているようだ。

「それでアドルはどうしたんだ? 一緒に冒険者になったんじゃないのか?」

「勇者になったら必要なくなって一人になったよ」

「えっ、あいつ勇者になったのか? それよりもどういうことだ?」
 あまり情報が入っていない村だと、そもそもアドルが勇者になってからだいぶ時間は経っているのに何も聞いてないらしい。

「まぁ俺のスキルが原因だからさ」

「そうか……」
 ダンデ達は小さい頃から俺を知っているためスキルも知っている。元々ポーターになる前はこの村で働き先を決める予定だった。

「報告もあって今回帰って来たんだけどさ」

「何があったん――」

「ウォーレンが帰って来たって本当か?」
 突然扉が開くとそこには俺の父親でもある男がいた。

「あっ、お久しぶりです」

「ほほほ、うちの馬鹿息子と違ってウォーレンはしっかりしているのう」
 この村の村長……つまりアドルの父親だ。この村を出る頃には当時の村長は亡くなりアドルの父親が引き継いでいた。気づいたら歳を取り、あの頃な逞しさもどこか減っている。

「村長も中に入ったらどうですか?」

「ああ、助かるよ」
 ヘレンに案内され村長は椅子に座った。

「あの馬鹿息子は一緒じゃないのか?」
 やはり村長もアドルと俺が一緒ではないことが気になったらしい。昔からずっと一緒に居るとこの場にいないのが不思議に思うのだろう。

「そんなににいちゃは仲良かったの?」

「アドルとウォーレンはずっと一緒にいた本当の兄弟みたいだったからな」
 ロンとニアにはあまり俺の過去を話しては来なかった。そこはあえて踏み込まないように幼いながらも気にしていたのかもしれない。

 そんなロンとニアは子ども達と楽しそうに遊んでいた。

「まぁ、どうせあの馬鹿息子がウォーレンに迷惑をかけたのだろう。 息子がすまなかった」
 村長にはまだ何も話してはいないが突然謝って来た。

「いえいえ大丈夫ですよ」
 俺にとっては良い兄のような存在ではあったが、親だからわかる何かがあるのだろうか。

「そういえばウォーレンはどこに泊まるつまりだったんだ?」

「元々野営をするつもりでした」
 この村には宿屋もなく、俺の家はこの村を出るタイミングで他の住人に譲っている。

 野営もすでに慣れており、ロンとニアが居ればある程度強い生物や魔物が出ても対応できるため心配はない。

「俺の家に泊まれ――」

「ならわしの家に来てはどうだ? ダンデの家は子どももたくさんいるしな」
 確かにあまり大きくない家に俺達3人が泊まるには狭かった。

「2人はどうする?」

「オラはにいちゃと一緒ならいいよ」

「私も」

「なら村長の家にお邪魔してもいいですか?」

「ははは、そんなの気にしなくていいぞ! ウォーレンはわしの息子みたいなもんだからな」
 俺達は村長の家に泊まることになった。ロンとニアは子ども達に好かれており、離してくれなさそうだと感じ後から来ることになった。
 

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