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第十三話 告白
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突如、凶行を起こしたロビンは、
軍学校の校舎に、次々と火を放つ。
彼の姿を見た教官達は、凶行を止める為、すぐさま駆けつける。
しかしボウガンを向けたロビンは、制止に入る教官達の頭部へ、正確に矢を撃ち込んだ。
廊下が血で染まる中、火炎瓶を手にするロビン。
すると彼の前に、切迫した表情のクロミネが、姿を現した。
「何をしているのだ、ロビン!!」
ロビンの行動に、目を疑うクロミネは、冷や汗を垂らしながら、彼に問い詰める。
するとロビンは、問いに対し、口角を上げて答えた。
「まだ分からないのか?
俺が何者なのか、そして何故、ここを襲撃しているのか。
よく考えるといい」
彼の言葉を聞きクロミネは、怪訝な顔を浮かべる。
「何?どういうことだ!!」
視線を鋭く向ける彼女に、ロビンは淡々と答えた。
「俺はロビンなどではない。
ニカルクアの工作員、ウルフという者だ。
ルィフメー王国の内部情報は頂いた。
最後に破壊工作をして、俺の任務は完了だ」
不敵な笑みを浮かべるロビンへ、クロミネは歯を食いしばり、怒りを募らせる。
剣を鞘から引き抜くと、静かに闘志を燃やし、冷たく敵に言葉を送った。
「ベティやロアには、お前の裏切りを私から伝えておこう。
二人は心から、お前に惹かれていた。
誰かが諭してやらねばならん」
クロミネは剣先を向け、ロビンに、敵意を剥き出しにした。
ロビンは、彼女にボウガンの照準を合わせると、引き金を引き、矢を放った。
クロミネは、迫りくる矢を剣で弾き、彼に向かって肉薄する。
刃を薙ぎ払うクロミネの一撃を、後転して躱すロビンは、
素早く装填を終え、彼女を射撃した。
至近距離から放たれる矢を、クロミネは縦に切断し、
前に強く踏み込むと、鋭く刺突を繰り出した。
差し向けられた剣先を、ロビンは、体を反らし回避すると、
剣を握る彼女の手を、勢いよく蹴り上げようとした。
放たれた蹴りを、クロミネは寸前で掴み取り、彼女は勢いよく、剣を振りかぶった。
足を掴まれた状態で、ロビンは、素早くクロミネの頭部目掛けて、蹴りを繰り出した。
彼女は、眼前に迫る蹴りを、咄嗟に腕で防御すると、蹴りの衝撃で、後方に押し出される。
互いに間合いの開いた両者が、鋭く視線を交差させると、
クロミネの後ろから、騒動を聞きつけたベティが、現場に姿を現した。
「っ!!ベティ!?」
一瞬、注意を向けたクロミネの隙を突き、
ロビンは、廊下の窓に手をかけ、廊下から逃走を図った。
「お前らと戯れる暇はない、俺にはまだやることがある」
ロビンは窓から飛び降り、クロミネとベティの前から姿を消した。
燃え盛る廊下の中で、ベティはクロミネに急いで尋ねる。
「お、おい!今のロビンだよな!?
アイツ何やってんだよ!なんでお前と戦ってたんだよ!!」
クロミネは、暗い表情で拳を固めると、静かにベティへ言葉を送った。
「...ひとまずここを離れよう。説明は後だ」
クロミネは、消火を教官達に任せ、ベティと共に廊下を後にした。
◇◆◇◆◇◆◇
火の手の届かない寮へ、避難したクロミネ達。
するとベティは、深刻な顔で、クロミネに問いかけた。
「教えてくれよクロミネ!ロビンは一体...」
クロミネは、重苦しい表情のまま、ベティの問いに答えた。
「詳しいことは、後で教官に知らされるだろうが、
ロビンはウルフという名の、ニカルクアから来た工作員だった。
奴の狙いは、内部情報の収集と、施設への破壊工作だったようだ」
クロミネから事実を聞かされ、ベティは、表情を真っ青に染める。
「そ、そんな!ロビンがスパイだったってのか!?」
するとベティは、拳を握りしめ、クロミネの話を否定する。
「嘘だ!ロビンは、スパイなんかじゃねえ!
アタシと手合わせした時、アイツの目は優しかった!
決してアタシ達に、危害を加えようとなんかしねぇよ!!」
熱く語るベティを前に、クロミネも、静かに考え込んで、口を開いた。
「私も少し、妙だと思ったんだ。
戦う前の彼の言動や目つき、以前の彼とは、まるで別人のようだった。
もしかしたら、何か裏があるのかもしれない」
クロミネは、ため息を吐き、憂鬱そうにベティへ告げる。
「いずれにせよ、私達は彼と、敵対しなければならないだろうな。
奴が、次に何をしてくるか、行動次第では、相見えることになるかもしれない。
その時までに、情報を集めておこう」
すると彼女は、ベティに向けて手を伸ばし、信頼を置いた眼差しで見つめた。
「協力してくれるな?ベティ」
クロミネの提案を聞き、向けられた手を、固く掴んだベティは、
決意を向けた眼差しで、力強く応えた。
「おう!ロビンの真相は、アタシ達で掴んでやろうぜ!」
二人は、手と手を取り、互いに信頼を寄せ合った。
◇◆◇◆◇◆◇
数十分前。ロビンが襲撃者を、窓から落とした直後。
寮の窓の下にある茂みの中で、ウルフの姿をした男が、目を覚ます。
彼が辺りを見渡すと、周囲に軍学校の教官達が、近付いてきており、
耳を澄ませて、教官達の話を聞いた。
「ロビン曰く、ここに襲撃者を放り落としたらしいが...」
するとウルフは、自身の格好が、ロビンではなくなっているのに気付き、
彼は、すぐさま茂みを移動し、教官達から距離を置いた。
(状況が把握しきれない。何故、俺の変装が解けている?
それに"襲撃者"が、俺に煙幕を投げた後、不可解な現象が起こった。
あれは一体...)
ロビンの変装が、解けた事を悟り、
ウルフは一度、学校外へと離脱する事を目指す。
(煙幕が晴れた後、俺の目の前には、ロビンの格好をした男が立っていた。
俺はそいつに、窓から叩き出され、地面へと落下したんだ。
そいつが、俺を襲撃した犯人だとすれば、
奴は今、ロビンの変装をしているのか!?)
彼は、校舎から静かに離れると、
敷地外へと脱出する為、外周を囲う防壁へと足を進めた。
軍学校の校舎に、次々と火を放つ。
彼の姿を見た教官達は、凶行を止める為、すぐさま駆けつける。
しかしボウガンを向けたロビンは、制止に入る教官達の頭部へ、正確に矢を撃ち込んだ。
廊下が血で染まる中、火炎瓶を手にするロビン。
すると彼の前に、切迫した表情のクロミネが、姿を現した。
「何をしているのだ、ロビン!!」
ロビンの行動に、目を疑うクロミネは、冷や汗を垂らしながら、彼に問い詰める。
するとロビンは、問いに対し、口角を上げて答えた。
「まだ分からないのか?
俺が何者なのか、そして何故、ここを襲撃しているのか。
よく考えるといい」
彼の言葉を聞きクロミネは、怪訝な顔を浮かべる。
「何?どういうことだ!!」
視線を鋭く向ける彼女に、ロビンは淡々と答えた。
「俺はロビンなどではない。
ニカルクアの工作員、ウルフという者だ。
ルィフメー王国の内部情報は頂いた。
最後に破壊工作をして、俺の任務は完了だ」
不敵な笑みを浮かべるロビンへ、クロミネは歯を食いしばり、怒りを募らせる。
剣を鞘から引き抜くと、静かに闘志を燃やし、冷たく敵に言葉を送った。
「ベティやロアには、お前の裏切りを私から伝えておこう。
二人は心から、お前に惹かれていた。
誰かが諭してやらねばならん」
クロミネは剣先を向け、ロビンに、敵意を剥き出しにした。
ロビンは、彼女にボウガンの照準を合わせると、引き金を引き、矢を放った。
クロミネは、迫りくる矢を剣で弾き、彼に向かって肉薄する。
刃を薙ぎ払うクロミネの一撃を、後転して躱すロビンは、
素早く装填を終え、彼女を射撃した。
至近距離から放たれる矢を、クロミネは縦に切断し、
前に強く踏み込むと、鋭く刺突を繰り出した。
差し向けられた剣先を、ロビンは、体を反らし回避すると、
剣を握る彼女の手を、勢いよく蹴り上げようとした。
放たれた蹴りを、クロミネは寸前で掴み取り、彼女は勢いよく、剣を振りかぶった。
足を掴まれた状態で、ロビンは、素早くクロミネの頭部目掛けて、蹴りを繰り出した。
彼女は、眼前に迫る蹴りを、咄嗟に腕で防御すると、蹴りの衝撃で、後方に押し出される。
互いに間合いの開いた両者が、鋭く視線を交差させると、
クロミネの後ろから、騒動を聞きつけたベティが、現場に姿を現した。
「っ!!ベティ!?」
一瞬、注意を向けたクロミネの隙を突き、
ロビンは、廊下の窓に手をかけ、廊下から逃走を図った。
「お前らと戯れる暇はない、俺にはまだやることがある」
ロビンは窓から飛び降り、クロミネとベティの前から姿を消した。
燃え盛る廊下の中で、ベティはクロミネに急いで尋ねる。
「お、おい!今のロビンだよな!?
アイツ何やってんだよ!なんでお前と戦ってたんだよ!!」
クロミネは、暗い表情で拳を固めると、静かにベティへ言葉を送った。
「...ひとまずここを離れよう。説明は後だ」
クロミネは、消火を教官達に任せ、ベティと共に廊下を後にした。
◇◆◇◆◇◆◇
火の手の届かない寮へ、避難したクロミネ達。
するとベティは、深刻な顔で、クロミネに問いかけた。
「教えてくれよクロミネ!ロビンは一体...」
クロミネは、重苦しい表情のまま、ベティの問いに答えた。
「詳しいことは、後で教官に知らされるだろうが、
ロビンはウルフという名の、ニカルクアから来た工作員だった。
奴の狙いは、内部情報の収集と、施設への破壊工作だったようだ」
クロミネから事実を聞かされ、ベティは、表情を真っ青に染める。
「そ、そんな!ロビンがスパイだったってのか!?」
するとベティは、拳を握りしめ、クロミネの話を否定する。
「嘘だ!ロビンは、スパイなんかじゃねえ!
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決してアタシ達に、危害を加えようとなんかしねぇよ!!」
熱く語るベティを前に、クロミネも、静かに考え込んで、口を開いた。
「私も少し、妙だと思ったんだ。
戦う前の彼の言動や目つき、以前の彼とは、まるで別人のようだった。
もしかしたら、何か裏があるのかもしれない」
クロミネは、ため息を吐き、憂鬱そうにベティへ告げる。
「いずれにせよ、私達は彼と、敵対しなければならないだろうな。
奴が、次に何をしてくるか、行動次第では、相見えることになるかもしれない。
その時までに、情報を集めておこう」
すると彼女は、ベティに向けて手を伸ばし、信頼を置いた眼差しで見つめた。
「協力してくれるな?ベティ」
クロミネの提案を聞き、向けられた手を、固く掴んだベティは、
決意を向けた眼差しで、力強く応えた。
「おう!ロビンの真相は、アタシ達で掴んでやろうぜ!」
二人は、手と手を取り、互いに信頼を寄せ合った。
◇◆◇◆◇◆◇
数十分前。ロビンが襲撃者を、窓から落とした直後。
寮の窓の下にある茂みの中で、ウルフの姿をした男が、目を覚ます。
彼が辺りを見渡すと、周囲に軍学校の教官達が、近付いてきており、
耳を澄ませて、教官達の話を聞いた。
「ロビン曰く、ここに襲撃者を放り落としたらしいが...」
するとウルフは、自身の格好が、ロビンではなくなっているのに気付き、
彼は、すぐさま茂みを移動し、教官達から距離を置いた。
(状況が把握しきれない。何故、俺の変装が解けている?
それに"襲撃者"が、俺に煙幕を投げた後、不可解な現象が起こった。
あれは一体...)
ロビンの変装が、解けた事を悟り、
ウルフは一度、学校外へと離脱する事を目指す。
(煙幕が晴れた後、俺の目の前には、ロビンの格好をした男が立っていた。
俺はそいつに、窓から叩き出され、地面へと落下したんだ。
そいつが、俺を襲撃した犯人だとすれば、
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