彼に30歳の誕生日に捨てられた平凡OLですが人気俳優の絶倫ダーリンに溺愛されています

人妻あず。

文字の大きさ
26 / 40

26

しおりを挟む
夜の露天風呂は、夕方とはまったく違う表情をしていた。
澄んだ夜気はひんやりと頬を撫で、その冷たさを包み込むように、湯の温もりが肌に広がる。

見上げると、都会では見慣れないほどの星が、静かに瞬いていた。
光が滲むように、数えきれないほど浮かんでいる。

「綺麗……」

思わず、吐息まじりの声がこぼれる。

「来てよかった?」
「うん、今世界一幸せ」

湯気の向こうで、蓮が少し照れたように笑った。

「連れてきたかいあるな、まどかは」

そう言って、蓮の指が私の頬に触れる。
湯とは違う体温が伝わってきた。

「なんでも喜んでくれるから、次は何しようって思う」
「蓮のくれるものは何でも嬉しいよ」
「前に菌でも嬉しいって言ってたもんな」

くすっと笑う声と一緒に、腕が伸びてくる。
お湯の中で、そっと抱きしめられた。

「好きだよ、まどか。誰よりも」

その一言で、時間が止まったみたいだった。
もし死ぬなら今がいい、なんて思ってしまうほどの。
経験したことない、途方もない幸福感が身体中を駆け巡る。

「私も……蓮が好き……」

それだけ言うのが精一杯で、蓮の胸に顔を埋めた。

「まどか……泣いてるの?」

後頭部を、やさしく撫でられる。

「だって幸せ過ぎて……もう死んでもいい……」
「なんでだよ。これから俺と一緒に楽しく生きるんだろ」

顔を上げると、蓮の目尻が、星明かりを受けて静かに光っていた。

「ほら、またのぼせる前に出よう。」

蓮にそう言われ、私は名残惜しさを感じながら露天風呂をあとにした。
夜の冷えた空気が肌に触れ、さっきまでの熱がじんわり引いていく。

タオルで体を包まれ、丁寧に水気を拭き取られる。
浴衣を着せてもらいながら、何か言おうとしても、喉が詰まって声にならない。
代わりに、涙だけがあとからあとから溢れてきた。

蓮は何も言わず、私をそっとソファに座らせる。
その動きは驚くほど静かで、気遣いに満ちていた。

「最初はさ、勢いもあったけど」

そう言って、肩に腕を回される。
体温が伝わり、少しだけ呼吸が落ち着いた。

「今はちゃんと好きだから。安心して」

「……うん」

小さくうなずくと、蓮は少し間を置いて、照れたように続けた。

「まどかは、俺でいいの?
 ほかの男と違って、寂しい思いもさせちゃうし……俳優なんて安定しないし、内面ガキだし」

 迷いはなかった。

「蓮がいいの。蓮以外、いらない」

 そう言った瞬間、蓮の腕に力がこもる。
 守るみたいに、確かめるみたいに。

その温もりの中で、私はようやく、泣くのをやめられた。

 顔を上げると蓮が泣きそうな顔でこちらを見ていた。
 
 自然と唇が重なる。

 テレビは紅白が終わって除夜の鐘を映していた。

「んっんっ……」
「はあっ……」

 何度キスしても足りない。
 服一枚、皮一枚の距離がもどかしかった。

「蓮、ベッドいこ……?」
「ああ」

 蓮は私を抱えあげてベッドに運んだ。

 どさっ

 ベッドの上に私を置くとそのまま蓮が覆いかぶさってきた。

 蓮が私の浴衣を脱がせる。

 下着を着けていない裸体がベッドの上に晒された。

 上から順番に、蓮がゆっくりと口づけてやがて茂みに到着した。
 
 「ああ……蓮っ蓮っ……」

 身を捩って蓮の名前を呼ぶ。 

「まどか……ここも全部俺だけの……」

 蜜口から舌を離し呟くと、彼はおもむろにペニスで私を貫いた。

「ああっ」

 痺れのような快感がまたたく間に身体中に広がる。

「蓮……気持ちいいっ……こんなに気持ちいいの初めて……」

 快楽と幸福感が重なり合い、世界が遠のいていく。
 こんなにも満たされてしまっていいのか分からないまま、涙が一筋流れた。

「まどか……ずっと一緒にいようね」

 蓮が優しく腰を揺する

「蓮っ蓮っ……」

 時間が止まり、私の世界には蓮しかいなくなった。
 その事実が、怖いくらいに心地いい。
 身体の熱をお互い吐き出した頃、テレビの中ではアナウンサーが新しい年の始まりを伝えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~

雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」 夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。 そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。 全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載

辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子
恋愛
辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【完結】大学で人気の爽やかイケメンはヤンデレ気味のストーカーでした

あさリ23
恋愛
大学で人気の爽やかイケメンはなぜか私によく話しかけてくる。 しまいにはバイト先の常連になってるし、専属になって欲しいとお金をチラつかせて誘ってきた。 お金が欲しくて考えなしに了承したのが、最後。 私は用意されていた蜘蛛の糸にまんまと引っかかった。 【この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません】 ーーーーー 小説家になろうで投稿している短編です。あちらでブックマークが多かった作品をこちらで投稿しました。 内容は題名通りなのですが、作者的にもヒーローがやっちゃいけない一線を超えてんなぁと思っています。 ヤンデレ?サイコ?イケメンでも怖いよ。が 作者の感想です|ω・`) また場面で名前が変わるので気を付けてください

【完結】エリート産業医はウブな彼女を溺愛する。

花澤凛
恋愛
第17回 恋愛小説大賞 奨励賞受賞 皆さまのおかげで賞をいただくことになりました。 ありがとうございます。 今好きな人がいます。 相手は殿上人の千秋柾哉先生。 仕事上の関係で気まずくなるぐらいなら眺めているままでよかった。 それなのに千秋先生からまさかの告白…?! 「俺と付き合ってくれませんか」    どうしよう。うそ。え?本当に? 「結構はじめから可愛いなあって思ってた」 「なんとか自分のものにできないかなって」 「果穂。名前で呼んで」 「今日から俺のもの、ね?」 福原果穂26歳:OL:人事労務部 × 千秋柾哉33歳:産業医(名門外科医家系御曹司出身)

処理中です...