お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

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第一章『参上! まさにチートな仲間たち』

第二十四話 お酒は二十歳になってから!

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私達は今、宿屋一階の食堂でご飯を食べている。

もちろん、クルミとライトが部屋から出てくるまで待った。

結局三分位で出てきたけど、クルミが涙目だったのが気になった。

「クルミ、本当に大丈夫?ライトに酷いことされてない?」

「本当に大丈夫です、心配してくれてありがとうございますご主人様」

ぐ、そんな純粋な目で見つめられたら深くまで聞けないじゃん。

ならばライトだ!

「ライト、本当に酷いことしてない?」

「だからしてないって、と言うかこの会話何回目?」

「13回目だよ、兄ちゃん」

もうそんなに繰り返してたか、なかなか口を割らないね。

こっちにはクルミが涙目で出てきたって証拠があるんだよね、黙ってたって無駄だよ!

「…あの、実穂さん?そんなに見られたら食べにくいんだけど」

そんなこと言われても私は疑いの目をやめないよ、クルミの泣き顔ちょっと可愛かったけどを見てしまったんだからね。

「…ご主人様、もうそろそろお止めになりませんか?明日は朝早く出るそうなので早めに夕食を終わらせてお眠りになりませんと」

…クルミ!良い娘だね!いじめられてる相手を庇うなんて!

「わっ!ご主人様、講習の場で抱きついて来るのはいかがな物かと」

そんなこと言われても止めないよ!

「えー、でもクルミも嬉しそうじゃん」

「…ラキト、実穂のコップ調べて」

「兄ちゃん、お酒が入ってたけど」

「やっぱりそうだった、実穂って注文の時何注文してた?」

「焼き鳥2本、ソーダー一杯」

「ソーダーってあれだよね、ソーダー割り」

「そうだけど?」

「…この酔っぱらいは寝かせた方がいいね《スリープクラウド》」

うん?なんだか眠くなってきたような気が‥


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ん、はひゃー」

うーん、ここどこかなー?

私は謎の声を出しながら伸びをする。

っ!?いったー!

「実穂さん、やっと起きましたか」

うん?誰?

「もう出発の準備は出来てますよ」

「出発って何のー?」

「IOA、無駄だよ、こういう時は《ミニボルト》」

「うきゃあ!?」

バチッと小さな音がして私の体に激痛が走った。

「痛いよ!」

「マスター、もう少し優しく起こすべきでは?」

さっきの痛みの元であるライトは、お腹を抱えて床で転がっていた。

「ははははは、うきゃあ!?ってうきゃあ!?って、あはははは」

…流石にそこまで笑われたらむかつくよ、いくら命の恩人だとしても。

「マスター、早くあれを渡さないと」

あれってなんだ…いったたたたた!

頭割れる!頭割れる!

「ははは…それもそうだね、実穂、それはただの二日酔いだよ」

「ふ、二日酔い?」

「そ、君が昨日飲んでたソーダーが元凶だよ」

「え、こっちではソーダーってお酒なの?」

「いや、違うけど、酒場でソーダーなんて頼んだらソーダー割りが出てくるに決まってんじゃん」

え、ソーダー割り?

「そう言う訳でこれ、二日酔い治療薬ー」

「…安直だね」

「う、うるさいよ!」

「マスターはネーミングセンス皆無ですからね」

「まあそうだけどさー、ま、いっか、とりあえずそーいっと」

そう言いながらライトは薬が入ってる瓶をほおり投げた。

そして薬の入った瓶は私の頭上で割れて、中身が降りかかってきた。

「え、ちょっと」

「落ち着いて落ち着いて、すぐ消えるから」

ライトが言った通りに私とベットに掛かっていた薬はスーッと消えていった。

「はいこれで二日酔いは元通り、じゃあ行くよ!」

「行くってどこに?」

「昨日の話聞いてなかったの?領主のいる所だよ」

あ、そうだった!…じー。

「うん、疑いの目の事はほおっておくから早く宿の人に今日で出ますって伝えてきなよ」

「そうだね」

私は部屋を出て、受付カウンターにいる受付嬢のカリアさんにお礼を言いに行った。

「カリアさん、今日でここを出ます、色々お世話になりました」

「いやいや、ミホちゃん、お世話だなんてそんな、それでどこに行くんだい?旅の途中なんだろ?」

「領主さんがいる町へと」

「うーん、あそこかー、あの領主、最近悪い噂が立ってるからねー、ま、止めはしないよ、気をつけて行ってくるんだよ」

「はい、本当にお世話になりました」

「頑張んなよ!」

さっきは受付嬢って言ったが、どちらかと言うとおばさ…お姉さんだね、カリアさんは受付嬢だって言い張ってたけど。

この人には本当にお世話になった。

最初に宿代を払ったときに500テインなんて言われてね、え?テイン?って顔してたらしょうがないって感じでカリアさんがお金の価値を教えてくれた。

帝国では100テインで銅貨一枚らしい、10テインで中銅貨、1テインで小銅貨らしい。

クルミを買った時には銅貨が単位っぽかったのにね。

後でライトに聞いたら「奴隷の売買の時は共通貨幣を使うんだよ」って言ってた。

っと、脱線脱線、まあカリアさんには色々お世話になった。

さーて、ライトは何処だろ?

「実穂さん」

「うわっ!」

ビックリしたー。

「IOAさん、脅かさないでよー」

「すみません、凄い不審者みたいな動きをしてたからついやっちゃいました」

「え、そんなに変だった?」

「はい、それはもうまっすぐに裏路地に向かっていく時点で不審者確定です」

「裏路地になんか入ろうとしてないよ」

「ちなみにそこの大きな道が裏路地です」

「…裏って裏にある路地だから裏路地なんだよね」

「はい」

「明らかにそこの道より大きいよ!ぜんぜん裏じゃ無いじゃん!」

「ここの住人の間では暗黙の了解ですよ?」

暗黙の了解って…分かるか!

「…それで馬車は何処なの?」

「馬車はマスターが仕舞ってましたよ」

「仕舞ってた?」

「詳しくはマスターから聞いてください、マスターは冒険者ギルドに居ますから」

え、ライトってさっきIOAさんと一緒に部屋に居たのに…あ、ワープホールか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」

ライト「どうも皆さんこんにちは、のんびり馬車の旅を諦めて実穂のパワーレベ…ゲフン!ゲフン!戦闘のイメージトレーニングを優先させようと思った、ライト スターダストです」

ディメン「お前さっきパワーレベリングとか言いかけただろ」

ライト「レベルをある程度上げておかないと教えられる事も少なくなるしね」

ディメン「本音は?」

ライト「取得経験値1/4?ふざけんな!ワイバーン狩りの補助経験値でも無い限りほぼレベルアップできないじゃん!今のままだとゴブリンに囲まれただけで死にかけるよ!」

ディメン「普通の冒険者でも囲まれたら死ぬ事もあるけどな」

ライト「知らんな!…今回のステータスだよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・進和 実穂 
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業  ?
・LV  1   2/5
・握力 5
・HP 23
・MP 10
・AT  12
・DE 13
・IN 12
・MD 12
・AG 15
・EX 7

スキル
・実力鑑定 Lv 4
・物質鑑定 Lv 3
・魔力察知

パッシブスキル
・異世界言語
・?高????
・気配察知 Lv 7
・危機察知(特)

加護 呪い

称号
・異世界人
・?高????
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「それにしてもお前、酒なんか飲ませんなよ」

ライト「飲ませたんじゃないけどね」

ディメン「お前なら察知出来るだろ」

ライト「僕の察知はパッシブじゃないよ」

ディメン「まあそうだけどな…ちなみにアルコールは?」

ライト「肝臓の中で別物になったのまで消せる薬を掛けといたからもう無いよ」

ディメン「なら安心だな、お酒は二十歳になってからだしな…今回はこの小説を読んでくれてありがとな」

ライト「誤字脱字やストーリ矛盾等がございましたらご報告のほどをよろしくお願いします」

ディメン「…大丈夫だったなIOAみたいに細かくなってなくて良かった、それでは皆さ」

ライト「ちょ、ちょっと待って、IOAがなんかしたの?」

ディメン「ああ、この事は後で教えてやる…それでは皆さん」

ディメン&ライト「さようなら」



お金の単位は1テイン10円と思ってもらえれば良いです。
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