お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

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第一章『参上! まさにチートな仲間たち』

第二十七話 遭遇!謎のパーティー!

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「ほらほらそのまま魔力を感じて」

うーん、難しいね。

今私は魔法の練習をしている。

正確には魔力探知の取得だけど。

「…出来ないねー」

「魔力を感じるって意味が解らない事には難しいよ」

「意味かー…」

見て分かる通りとっても苦戦している。

魔力ー、魔力ー。

「あ、これならどうかな?《ヒール》」

ライトが魔法を使うと、私の手を温かい光が包んだ。

「これって裏路地に私が間違って入っちゃった時の怪我を治した魔法だよね」

「そうだよ、それでその魔法を受けてどう思った?」

「え?温かいなーとは思ったけど」

「…違うねー」

「え?何が違うの?」

「考えるんじゃない、感じるんだ!」

「…」

「まあこれはネタとしてっと」

ライトが手袋を投げてきた。

「これ何?」

「ヒール手袋だよ、軽い怪我なら治せる《ショートヒール》が使えるようになるよ、デメリットは一つ作るのにコストが凄い掛かる事」

「へー」

「あとはー…えーっと、どれだっけなー?」

…ライトがドラ○もんみたいになってる。

「あ、これ懐かしいねー…これは後で捨てなきゃね…あ、あった、じゃあサクッと♪」

ライトはナイフを取り出すと自分の手を切りつけた。

「ひゃ!?」

「あははは、実穂、そんなに驚かなくて良いのに、痛覚と感覚は切ってあるからね」

いやいやいや!

そんな事言われても見た目が充分ヤバイからね!手が半分ぐらい切れてるからね!

「だから大丈夫だって、このナイフには《無殺人》のエンチャントがしてあるからね、ほら、その手袋使ってよ」

えーっと?どうやって使うんだろ、てかやっぱりライトヤバイじゃん、手から血がドバドバ出てるよ!

「力を込めてみて」

えーっと?、ふーん!

あ、何か流れてく感じがする。

流れていく感じが無くなると、手袋はパーっと光り輝き、ライトの手はきれいさっぱり治っていた。

「…ライト、《ショートヒール》って嘘でしょ」

「嘘じゃないよ、少し魔力伝導率を高めて、少し回復力を高めただけの《ショートヒール》だよ」

その少しが大きすぎないかな?

骨ごと切れてる怪我を治すって。

『スキル《魔力操作》を取得しました』

「ゲットしたみたいだね」

やったー、これでいろんな魔法が試せるー!

「じゃあこれを」

「兄ちゃん、前に誰か居るよ」

「スピード落として、僕は念のために消えとくから」

…魔法講座はお預けかな?

「そこの馬車!止まれ!」

わ!大きな声。

「何ですか?今急いでるんですけど」

「お前の馬車には誰が乗っている?」

ラキトがその大声の人と話している。

何だろうなーと、私は覗いてみる。

男の人2人に女の人1人のパーティーだね。

「男一人に女二人の馬車旅ですよ」

「そうか、邪魔したな、では最後にこれだけ試させてくれ、リイユ」

「『万能なる魔の力よ  今一度真実の姿を見せ  幻を打ち砕け』《イリュージョンジャミング》」

一瞬馬車が光って、モヤモヤした霧みたいな物が見えた、そしてそれが晴れると頑丈そうな新品の馬車が現れた。

あれ?一瞬私にもモヤモヤが付いてたような?

「やっぱりだ、やるぞお前ら」

「ひひひ、確か生死は問わなかったはずでさぁ」

「まずは馬車を壊さないと、『万能なる魔の力よ』」

「え?ちょっと何?」

『実穂の事がばれたっぽい、結構強めの幻影使ってたのになー…ってそれどころじゃない!ラキト、避けて!』

どうやら戦いが始まったみたい。

そう言えば私、指名手配されてたね、やばいじゃん!


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視点変更  実穂→戦闘視点(三人称)


「『数多の敵を焼き尽くせ』《ファイアストーム》」

リイユと呼ばれた女は魔法を発動させ、巨大な炎の渦で馬車を囲った。

「うふふ、この炎の渦から抜け出せると思わないことね」

「《マジックブレイク》ラキト、進んで!」

炎の渦が、バキン!と音を出して崩れると、馬車が普通ではあり得ないスピードで走り出した。

「な!?」

「馬鹿な!?リイユの《ファイアストーム》が破壊されるだと!?」

「ぼさっとしてないで行きますわよ!ベルス!ヤンバ!」

リイユの言葉に、固まって動けなかった男達は馬車がかなり遠くまで走って行った事にようやく気付き、マントの形をした魔道具を起動させた。

すると男達とリイユは、フワッと"空へ"飛び上がり、馬車よりも二倍ほど早いスピードで飛んだ。

「ライト!ヤバイよ、あの人達追ってくるよ!」

「《アイスランス》」

ライトがそう呟くと六本の氷の槍が相手に向かって飛んでいった。

「ふんっ!」

だがその槍はベルスの振るった大剣から出た衝撃波により、粉々に粉砕された。

「ちっ!《マルチアイスランス》《ファイアランス》《ウィンドランス》ごほっ!」

「ライト!?」

今度は、ライトが血を吐きながら出した三つの氷の槍と炎と風の槍が相手に向かって飛んでいった。

「何度やっても同じ事だ!」

だがその槍も、同じ一撃により壊された。

「ごほっ!ごほっ!ごほっ!…ヤバイね、逃げようかな?」

「兄ちゃん、後十秒秒位で追い付かれる」

ラキトが早口で捲し立てて言う。

「ワープホールじゃ入られたら困るしなー…はぁ仕方ない」

ライトはそう言うと、自分の回りに文字が書かれている輪っかを六つ回し始めた。

「『揺れし炎は幻想の色彩』」

『『風は空のほんの一欠片』』

『『全ての物には光がいる』』

『『そこが深い水の底でも』』

『『大地は大きな空の土台』』

『『その裏には闇が眠るが』』

詠唱の様だがそうでもない様な声が、六重に重なって辺りに響き渡る。

そう、まるで歌の様に。

「『この歌は天に捧げる』」

『『そう、まるで地からの祝福の様に』』

『『この世界から抜け出すために』』

『『私はこの身を使って試して見せる』』

『『なので私を手伝って』』

『『何処か遠い星空へと連れてって』』

「死ね!」

ライトが歌い終わると同時にベルスの大剣が馬車に向かって降り下ろされる。

「《ディメンションブレイク》」

しかしその刃は馬車に届くこと無く、逆にベルスの体に物凄い衝撃が来た。

「ちっ!逃げられたか」

衝撃を食らったベルスの体は傷一つ無く、馬車は何処かへ消え去ってしまった。

「まあ次に見つけた時で良いじゃない、馬車の見た目も覚えたし」

「ひひひ、次こそは倒して見せますよ」

「…まあそうだな!よし、酒でも飲みに行くか!」

この三人以外誰も居ない道に、真っ昼間っから酒を飲みに行こうとするベルスの笑い声が響き渡るのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」

IOA「どうも皆さんこんにちは、今回負傷したご主人様の変わりにこちらへ来ました、IOAと申します」

ディメン「ライトってたかが三つの魔法の同時使用で吐血するような奴だっけ?」

IOA「今回は狂乱値が関係していますね、つまり狂乱値の溜めすぎです」

ディメン「まあ無事な事を祈っとくか…今回のステータスだぜ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・進和 実穂 
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業  ?
・LV  1   2/5
・握力 5
・HP 23
・MP 10
・AT  12
・DE 13
・IN 12
・MD 12
・AG 15
・EX 7

スキル
・実力鑑定 Lv 4
・物質鑑定 Lv 3
・魔力察知
・魔力操作 Lv 1

パッシブスキル
・異世界言語
・?高????
・気配察知 Lv 7
・危機察知(特)

加護 呪い

称号
・異世界人
・?高????
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者


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ディメン「今回は魔力察知を覚えたな」

IOA「覚えた所で攻撃魔法は使えませんけどね」

ディメン「辛辣だな…今回はこの小説を読んでくれてありがとな」

IOA「誤字脱字やストーリ矛盾等がありましたらご報告の方をよろしくお願いします」

ディメン「今回は細かく無いんだな」

IOA「ええ、マスターに酷く叱られましたからね」

ディメン「そう言うことか…それでは皆さん」

ディメン&IOA「さようなら」
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