お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

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第一章『参上! まさにチートな仲間たち』

第三十話 魔眼の事と麻痺治療

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さて、マスターもどこかに行っちゃいましたし、何をしましょう?

「アイオーエーさま、ご主人様の居場所をご存知ないですか?」

「実穂さんなら今頃馬車の後ろで反省中ですよ、所でクルミさん、起きてから痛い所などはごさいませんか?」

「大丈夫です」

「そうですか、では心の方は痛い所はございませんか?」

「心?」

「その目の事ですよ」

「っ!?」

どうやら気付かれていた事に気付いていなかった様ですね。

「《魅了の魔眼》実穂さんはそれに掛かっている事にすら気づいていませんでしたが私やマスターはとっくに気づいてましたよ…マスターが気付いたのは昨日ですがね、自分で解いてましたよ」

「…確かに私は《魅了の魔眼》を使っています、それで私をどうするんですか?」

「どうする、とは?」

「私は奴隷です、殺すも生かすもご主人様次第です」

「ああ、そう言う事ですか、それなら答えは一つです」

マスターに一度、相談しましたしね。

「何もしません」

「え?」

「何もしませんよ、マスターと昨日相談した結果です」

「え、でも私はご主人様やライトさまに魔眼を‥」

「貴女が奴隷であるように私はご主人様のえー…魔法生物です、ですのでマスターの決定は絶対です、文句があるのならマスターに直談判すれば良いじゃないですか、勿論できれば、ですけど」

「…ちょっと考えさせて下さい」

そう言ってクルミさんは部屋を出ました、これで実穂さんに打ち明けるきっかけになってくれると嬉しいんですけどね。

『多分まだ難しいんじゃない?』

「…マスター、まだ居たんですか」

『うん、そこで魔道書読んでたよ、気付かなかったの?』

「風か何かと思ってましたね、それでどうして難しいと思ったんですか?」

『うーん、そうだねー、まずクルミはかなりの罪悪感に押されているんだよね、だけどそれを上回る感情が一つあるんだ』

「その感情とは?」

『愛情だよ』

「愛情?」

『クルミは実穂に魔眼が効いていると思っている、それで実穂はクルミに良心的に接していると思い込んでいるんだよ』

「思い込んでいる?」

『そう、実穂には魔眼なんて最初から効いていないよ』

「…やっぱりですか」

『やっぱりって分かってたの?』

「はい、何となくは」

『…話を戻すよ、そして次にクルミ本人が実穂に愛着を持っている』

「愛着、ですか」

『そう、でもクルミは罪悪感のせいで嬉しい事でも素直に喜べない、尻尾を振らないのはそれが理由だね』

「そして魔眼の事を打ち明けてから拒絶されるのが怖い、と」

『そー言う事だね』

なかなか複雑な問題ですね。

『まあ、時間は掛かるかも知れないけどその内打ち明けるんじゃないかな?』

そうだと良いですね。

「所で私の名前、もうそろそろ良いの浮かびましたか?」

『ピナスとかどう』

「やっぱり性格変換を使ってもネーミングセンスは変わらないんですね」

『うるさい!ほら、今日の晩御飯作らないの?』

…やっぱりマスターは可愛いですね!


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視点変更 IOA→実穂


ああー、まだ痺れてるー。

「これで解毒は終わったからしっかりと反省して」

ふゅん、わきゃっにゃーうん、わかったー

それだけに言い残すとラキトは何故か森の中に入って行った。

狩りにでも行くのかな?

…所でこの痺れをどうしようかな?

あ!そう言えば魔法があるじゃん!

ええっと、あの魔法陣だけ出てきた時の感触を思い出してー。

そして麻痺が抜けるイメージでー。

真横に置いてあった杖をまだ痺れている手で取って、イメージを高める、すると急に脳内に一つの魔法の名前が浮かび上がってきた。

うわ!何この感じ、とりあえずこの魔法名を言えば良いのかな?

「はん、はんひ、はんち」

なかなか言えない!

「はんひ、《アンチパラライズ》」

言えた!

私が魔法名を言うと、杖の先から大きな魔法陣が出てきて、私に被さってきた。

「わひゃ!って、すり抜けるんだね、あ!麻痺が治ってる」

やったー!成功だね。

と言っても麻痺が治ってもすることなんて無かったけどね。

うーん、何をしようかな?

そう言えば魔法陣の作りってまだ見てなかったね。

メモ帳に説明はあったけど実際に見てみた方が良いしね。

「ええっと、『万能なる魔の力よ』」

出てきた!

でも小さいね、これじゃあ見にくいよ、拡大とか出来ないかな?

魔力を追加してみたらできたりして。

ええっと、こうかな?

私が魔法陣に魔力を注ぐと魔法陣はどんどん大きくなっていった。

やった!せいこ…っ!?

なんか気持ち悪くなってきた。

何これ、ステータスに書いてないかな?『ステータスオープン』


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・進和 実穂 
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業  ?
・LV  1   2/5
・握力 5
・HP 23
・MP 1/10
・AT  12
・DE 13
・IN 12
・MD 12
・AG 15
・EX 7

スキル
・実力鑑定 Lv 4
・物質鑑定 Lv 3
・支援魔法操作Lv 8

パッシブスキル
・異世界言語
・?高????
・気配察知 Lv 7
・危機察知(特)

加護 呪い

称号
・異世界人
・?高????
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者
・生者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うわー、色々増えてる。

ってそうじゃ無くて!

ええっと、どれが原因かな?

あ、MPが残り一しか無い!

って事は魔力枯渇の前兆?

まあ何にしても魔力が回復するまでは魔法は使わない方が良いね。

今日はこの手のひらサイズまで大きくなった魔法陣を調べるだけにしようかな。

ええっとまずは、魔法文字だっけ?

火、球、飛ばす、当たる、爆ぜる、消える、だっけ?

魔法文字はーっと、属性のマークの間なんだね。

やっぱり読めないけど、うーん。

ええっと、火が┃┓で球が┛┏飛ばすが┛┃┃┏,,┓┛当たるは┏,┛┏┫┛爆ぜるは┃┏,,┓┗,,┫┛消えるが┏┓┗,┫┛。

…あれ?以外と解読できそう。

そうと決まれば!

私は急いで馬車の中に向かう。

「IOAさーん、何か書くものありませんか?」

「書くものですか、それならこれをお使いください、それよりも麻痺はとれ…それは《ファイアボール》の魔法陣ですね、まだ反省が足りないのですか?」

「違う違う!違うよ!これは発動させないから、魔法陣が見たいだけだから!」

「そうですか」

「IOAさん、紙、ありがとね!」

「どういたしまして」

よし!解読!頑張るぞ!


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ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」

ライト「どうも皆さんこんにちは、魔法文字の解読って難しい筈なのに…ライト スターダストです」

ディメン「確かに始めて見た時は何が書いてあるか分からなかったからな」

ライト「それを簡単に出来そうって…実穂ってもしや天才!?」

ディメン「親バカを見てる人の気持ちが分かるぜ…今回のステータスだぜ」


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・進和 実穂 
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業  ?
・LV  1   2/5
・握力 5
・HP 23
・MP 1/10
・AT  12
・DE 13
・IN 12
・MD 12
・AG 15
・EX 7

スキル
・実力鑑定 Lv 4
・物質鑑定 Lv 3
・支援魔法操作Lv 8

パッシブスキル
・異世界言語
・?高????
・気配察知 Lv 7
・危機察知(特)

加護 呪い

称号
・異世界人
・?高????
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者
・生者


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ディメン「魔力がギリギリじゃねぇか」

ライト「それで気持ち悪いだけで済むって…僕の苦労は一体」

ディメン「どんな苦労をしたんだ?」

ライト「昔魔力の最大値が少なかった時に限界まで魔法を使って倒れての繰り返しで魔力を上げてたんだよ、それなのに実穂って…やっぱりベースが違うのかなー?」

ディメン「元気出せって…今回はこの小説を読んでくれてありがとな」

ライト「誤字脱字やストーリー矛盾等がございましたらご報告の方をよろしくお願いします」

ディメン「それでは皆さん」

ディメン&ライト「さようなら」
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