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第一章『参上! まさにチートな仲間たち』
第四十話 領主の舘 後編
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ネットで調べたら《アーティファクト》は人が作った創造物と言う意味だったので《チャリナズム》に変更しました(名前の意味は特に無い)
「《発射》」
「あぶねぇ!」
バリアが相手に向かって飛んでいくと同時に実穂達の足元にワープホールが出現した。
『その中に入って、こいつらは僕が倒しとくから』
ライトが念話で伝えてくる。
『うん、分かったよ、ちなみに行き先は?』
『領主の前』
『…最初からそれをすれば良かったんじゃ?』
『僕の《ワープホール》は一度行った所か今見えてる所しか行けないよ、今はフライチップが追いかけてるから見えてるけど、と言うより早く行って、《念話》は思考加速があっても時間を止める事は出来ないんだから』
『分かった』
『行って参ります、ライト様』
『行ってらー』
実穂とクルミはワープホールの中に飛び込んだ。
「な!お前達!何処から入った来た!」
「知らないよ!それよりも貴方が領主?」
「あ、当たり前だろう!お前達、こんな事をしてただで済ますと思っているのか!」
「貴方こそ、クルミの村を襲ったりしてただで済むと思ってるの!」
「クルミ?誰だそれは…もしやそこの獣人か、なるほど、これは復讐と言うわけか」
「そうです、村の皆の敵!」
クルミが領主に向かって飛び出していく、だがそれは領主が消える事によって不発に終わった。
「え!?」
「大丈夫です」
クルミは実穂の後ろにあるドアの方まで移動して短剣をドアの方に向けて「『エクスプロージョン』」と唱えた。
すると爆発が起こりドアは跡形も無く吹き飛んだ。
「行きましょう、ご主人様」
「ちょっと待って…《スローワールド》これでオーケー、これで多少は走っても大丈夫になるよ」
「え、何でそれを」
「ほら、行くよ」
実穂が部屋を進んで行ったので、クルミも追及するのを諦めてついていった。
そして少しの間進んで行くと、全身金色の装備に身を包んだ領主が現れた。
「ふん!お前達が幻影と仲良くお喋りしていてくれて助かったぞ、この“チャリナズム”を着る時間が出来たからな!」
(チャリナズム?…神が作った道具!?)
「そんな物、関係無い!」
クルミがまた飛び出していく、だがそれは領主が放った魔法で防がれる。
「『地に伏せよ』《グラビティ》」
空中に居たクルミは勢いよく地面に叩きつけられた。
「クルミ!」
「大丈夫です!」
それでもクルミは立ち上がり、まだ《グラビティ》が続く中、走り出した。
クルミは一瞬の内に領主の所まで移動したが、杖で吹き飛ばされてしまった。
「馬鹿め、このアーティファクトは良い魔法の効果を打ち消す、お前の呪いは全く持って無意味となるんだからな」
「クルミ、大丈夫!」
「だ、大丈夫ですよ、ご主人様」
「大丈夫じゃ無いじゃん、《ヒール》」
クルミを緑の光が包み込む。
それを確認した後、実穂は領主の方に走っていった。
「無駄だ、『地に伏せよ』《グラビティ》」
「《アンチグラビティ》」
実穂は《グラビティ》を無効化してから棒を取り出した。
「『火よ貫け』」
実穂の棒から火で出来た矢が飛び出る、だがそれは領主が杖を一振りすると消え去った。
(もうちょっと早く教えてくれてても良かったんだけどね)
実穂は領主の舘に入る前にいきなりこの事を教えてきた事に内心愚痴っていた。
「無駄だ」
「『光よ弾けろ』」
実穂の棒が強く光った。
領主が目をつぶってる間に杖を取り出し、《スモッグ》を使った後、領主に向かって風の矢を打ち出した。
「ぐ!…貴様ら、よくも儂に傷をつけたな!」
領主はそう怒鳴ると、赤い宝石を取り出した。
「まだ一人分足りないが貴様らを殺すのには足りるだろう」
「っ!?あれは!」
「クルミ、あれが何か知ってるの?」
「あれは…私の村の皆が殺された時に領主が持っていた宝石です、そして皆を殺した後あの宝石が何かを死体から吸い出しているのを見ました」
「…それはもしかして魂?」
「そうです」
「ふん!流暢に話していられるのも今の内だ!くら「お父様!」…マランか」
「お父様、全てライト様から聞きました、お父様がそんな事をしていたなんて…私、知りませんでした」
「たかが獣人ごときを殺した所で何だ、あんな劣等種、儂が有効活用した方が生きているよりはよっぽど良いわ!」
実穂とクルミがいきなり現れたマランと領主の口論に唖然としていると後ろからライトが現れた。
「ごめんね、あの子、宥めるのに少し時間が掛かっちゃってね」
「宥める?」
「いやー…あの三人組を倒した所までは良かったんだよ…その後あの子が来てね、『どうしてこんな事をするのですか!』って詰め寄られたんだよね…それで全部話したらああなった」
「えー…」
「龍の子が龍とは限らないんですね」
ライトの説明に実穂は唖然とし、クルミはマランの事を肝心していた。
「それにしてもあの宝石、大勢の魂の波動を感じるね…しかも全部獣人と来たか」
「…開放、できますか?」
クルミが不安そうな顔でライトに聞いた。
「大丈夫ー…宝石さえ奪えればできるよ《瞬間装備》《開放の剣》」
そう言いながらライトは赤い半月剣みたいな物を取り出した。
「お父様!ちゃんと罪を償ってください」
「くぐぐ、娘の癖に偉そうに…分かった、でも最後に一つだけお願いだ」
「何ですか?お父様」
「もう一度、抱き締めさせてくれんか?」
「もう、甘えん坊ですね、お父様は」
領主のいきなりの変化にマランは若干驚いたが、すぐに笑顔になり領主の近くに移動していった。
そして領主が抱き締めた所で領主が不適な笑みを浮かべている事に気がついた。
「マラン」
「何ですか?お父様」
「儂の為に…死んでくれるか?」
「え、お父さ…ま」
だが時すでに遅し、それは領主がマランを短剣で刺した後だった。
「《エクストラヒール》!」
実穂が強めの回復魔法を飛ばした、それで傷は塞がったが、ぐったりと倒れているのは変わらなかった。
「ふはは!無駄だ、この短剣は《魂の狩人》と言ってな、魂を引き抜…けてない?」
『実穂、領主の娘に向けて《サンダーアロー》打って』
『え、そんなピンポイントに打てないよ』
『僕はちょっと手が離せないから』
実穂がライトの方を見るとライトが白く光る本を浮かせて苦悶の表情を浮かべていた。
『ち、ちなみに外したらどうなるの?』
『助からなくなる』
『え!?』
「…私がやります」
「…本当に良いの?」
「あの宝石が完成したら皆の魂が大変な事になりそうですし、それに…あの子まで悪い人とは限りません、私もご主人様みたいに優しい人になりたいです」
『…分かった、実穂《スローワールド》掛けてあげて』
「分かった、《スローワールド》」
実穂は棒を渡してから魔法を掛けた。
「ちっ!まあ良い、食らえ!ソウルバー「『雷よ貫け』」ぐっ!」
領主が宝石を実穂達に向けて使おうとしたがマランに当たったら電気の矢が領主にも当たって怯んだ。
それを好機だと思ったクルミは走り出してマランを抱き上げた。
だが近づいた事で《スローワールド》が切れてクルミの呪いは制御不能になった。
ドーン!と大きな音を立ててクルミは壁に激突したが、マランを実穂達に向けて投げていたのでマランは無事だった。
「《ヒール》!クルミ、大丈夫?!」
「くっ!そこまでして死にたいか、なら良いだろう、仲間の魂で死ね!ソウルバース‥」
パリン!と赤い宝石が砕け散った。
その宝石を持っていた領主の後ろには赤い半月剣を持ったライトの姿が。
「もういっちょ!」
今度はその剣を鎧に向かって振ると鎧から金色のオーラが出てきて割れた。
「はぁ!」
そしてライトは領主を蹴り上げ、ドア付近まで吹き飛ばした。
「『世界を創造せし神の力よ 救われなかった魂を開放し 次の世界へと旅立たせよ』《転生開魂》」
ライトの魔法は割れた赤い宝石から赤いオーラを吸い寄せ、白色に変えた、そしてそのオーラは天井をすり抜け、上へと上っていった。
そしてライトは膝から崩れ落ちた。
「ライト!」
「だいじょーぶ、動けないだけ、で、クルミはどうなったの?」
「私がさっき《ヒール》飛ばしたから大丈夫なはず」
実穂がクルミの方を見てみると確かに”傷は“治っていた、だが気絶している。
そしてクルミに杖を向ける領主が見えた。
「《サンドウォール》《ウィンドウォール》《ウォーターウォール》《マジックウォール》」
実穂は焦りながらも走っても間に合わないと判断し、四種類の壁を生成した。
「『破壊は創造の始まり』《エンドロッド》」
だがそんな抵抗も虚しく、杖と所持者の全魔力と引き換えに発動する魔法をクルミは浴びてしまった。
「クルミ!《エクストラヒール》」
実穂がクルミよ所まで行き抱きかかえるが、そのクルミはとても冷たかった。
「ク…ルミ…」
「《ディメンション・ザ・ワープゲートホール》」
実穂が泣き崩れる中、いつのまにか復活していたライトが領主をワープホールの中に落とした。
「クルミ…」
そしてライトが実穂の近くに行こうとした途端、実穂とクルミの体からオレンジ色の光が溢れた。
『《一定以上の愛情》《相手が家族、または奴隷》《スキル《?高????》の所持》以下の三つの条件が揃いました、死者蘇生を致しますか?』
(し、しゃ、そせい?…死者蘇生!それでクルミが助かるの?)
『死者蘇生を致しますか?』
(する!)
『死者蘇生の承認を得ました、これより死者蘇生を開始致します』
クルミの体から黒い球が出た。
『称号《死者》を浄化し《死者》へと進化させます』
黒い球はオレンジ色の光に包まれて白い球となった。
『称号《死者》を取り込みます』
白くなった球は実穂の中へと入っていった。
『称号《死者》を獲得しました、スキル《?高????》はスキル《?高?の??》へと進化しました』
そして、オレンジ色の光は止まった。
そこの部屋は、生き返ったクルミの寝息と尻尾の振られる音、実穂の嬉し泣きの音だけが聞こえていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」
ライト「どうも皆さんこんにちは、クルミを生き返らせようとしたらスキルに先を越された、ライト スターダストです」
ディメン「いや、お前の魔法じゃデメリット大きすぎだろ」
ライト「別に良いじゃん、一週間だけなんだから」
ディメン「あっちはデメリット無しなのにか」
ライト「言わないでよ、傷つくから」
ディメン「まあ良いや、今回のステータスだぜ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・進和 実穂
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業 ?
・LV 2 6/10
・握力 5
・HP 25
・MP 0/20
・AT 16
・DE 17
・IN 15
・MD 14
・AG 16
・EX 8
スキル
・実力鑑定 Lv 4
・物質鑑定 Lv 3
・支援魔法操作Lv 9
・聞き耳 Lv 1
パッシブスキル
・異世界言語
・?高?の??
・自衛術
加護 呪い
称号
・異世界人
・?高????
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者
・生者
・死者
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ディメン「あれ?経験値が入ってないな」
ライト「経験値酔いになっても困るから一時的にパーティーを切っといた」
ディメン「へー…所で話は変わるけど者って付いてる称号が三つ目になったな」
ライト「そうだねー」
ディメン「もしかしてコンプリートするかもな」
ライト「祝え!全者の力を受け継ぎし…とか言った方が良いかな?」
ディメン「止めとけ、パクりだ…今回はこの小説を呼んでくれてありがとな」
ライト「誤字脱字等がありましたらご報告の方をお願いします」
ディメン「これで第一章は終わりだ、第二章が始まるまでに関話がいくつか入るからそっちもよろしくな」
ライト「まあ週に一回だけどね」
ディメン「それでは皆さん」
ディメン&ライト「さようなら」
ふふ、私は思い付きました、後一話で終わらないならそれを半分に分ければ良いじゃないかと。
…作者の言い訳ですごめんなさい。
まあそんな訳で第一章完です。
関話ではちょっと勇者組の方を見てみようかなと思ってたりラジバンダリ。
投稿ペースが二章までの間に週一になるのはネタを考える時間です。
それでは皆さんさようなら。
「《発射》」
「あぶねぇ!」
バリアが相手に向かって飛んでいくと同時に実穂達の足元にワープホールが出現した。
『その中に入って、こいつらは僕が倒しとくから』
ライトが念話で伝えてくる。
『うん、分かったよ、ちなみに行き先は?』
『領主の前』
『…最初からそれをすれば良かったんじゃ?』
『僕の《ワープホール》は一度行った所か今見えてる所しか行けないよ、今はフライチップが追いかけてるから見えてるけど、と言うより早く行って、《念話》は思考加速があっても時間を止める事は出来ないんだから』
『分かった』
『行って参ります、ライト様』
『行ってらー』
実穂とクルミはワープホールの中に飛び込んだ。
「な!お前達!何処から入った来た!」
「知らないよ!それよりも貴方が領主?」
「あ、当たり前だろう!お前達、こんな事をしてただで済ますと思っているのか!」
「貴方こそ、クルミの村を襲ったりしてただで済むと思ってるの!」
「クルミ?誰だそれは…もしやそこの獣人か、なるほど、これは復讐と言うわけか」
「そうです、村の皆の敵!」
クルミが領主に向かって飛び出していく、だがそれは領主が消える事によって不発に終わった。
「え!?」
「大丈夫です」
クルミは実穂の後ろにあるドアの方まで移動して短剣をドアの方に向けて「『エクスプロージョン』」と唱えた。
すると爆発が起こりドアは跡形も無く吹き飛んだ。
「行きましょう、ご主人様」
「ちょっと待って…《スローワールド》これでオーケー、これで多少は走っても大丈夫になるよ」
「え、何でそれを」
「ほら、行くよ」
実穂が部屋を進んで行ったので、クルミも追及するのを諦めてついていった。
そして少しの間進んで行くと、全身金色の装備に身を包んだ領主が現れた。
「ふん!お前達が幻影と仲良くお喋りしていてくれて助かったぞ、この“チャリナズム”を着る時間が出来たからな!」
(チャリナズム?…神が作った道具!?)
「そんな物、関係無い!」
クルミがまた飛び出していく、だがそれは領主が放った魔法で防がれる。
「『地に伏せよ』《グラビティ》」
空中に居たクルミは勢いよく地面に叩きつけられた。
「クルミ!」
「大丈夫です!」
それでもクルミは立ち上がり、まだ《グラビティ》が続く中、走り出した。
クルミは一瞬の内に領主の所まで移動したが、杖で吹き飛ばされてしまった。
「馬鹿め、このアーティファクトは良い魔法の効果を打ち消す、お前の呪いは全く持って無意味となるんだからな」
「クルミ、大丈夫!」
「だ、大丈夫ですよ、ご主人様」
「大丈夫じゃ無いじゃん、《ヒール》」
クルミを緑の光が包み込む。
それを確認した後、実穂は領主の方に走っていった。
「無駄だ、『地に伏せよ』《グラビティ》」
「《アンチグラビティ》」
実穂は《グラビティ》を無効化してから棒を取り出した。
「『火よ貫け』」
実穂の棒から火で出来た矢が飛び出る、だがそれは領主が杖を一振りすると消え去った。
(もうちょっと早く教えてくれてても良かったんだけどね)
実穂は領主の舘に入る前にいきなりこの事を教えてきた事に内心愚痴っていた。
「無駄だ」
「『光よ弾けろ』」
実穂の棒が強く光った。
領主が目をつぶってる間に杖を取り出し、《スモッグ》を使った後、領主に向かって風の矢を打ち出した。
「ぐ!…貴様ら、よくも儂に傷をつけたな!」
領主はそう怒鳴ると、赤い宝石を取り出した。
「まだ一人分足りないが貴様らを殺すのには足りるだろう」
「っ!?あれは!」
「クルミ、あれが何か知ってるの?」
「あれは…私の村の皆が殺された時に領主が持っていた宝石です、そして皆を殺した後あの宝石が何かを死体から吸い出しているのを見ました」
「…それはもしかして魂?」
「そうです」
「ふん!流暢に話していられるのも今の内だ!くら「お父様!」…マランか」
「お父様、全てライト様から聞きました、お父様がそんな事をしていたなんて…私、知りませんでした」
「たかが獣人ごときを殺した所で何だ、あんな劣等種、儂が有効活用した方が生きているよりはよっぽど良いわ!」
実穂とクルミがいきなり現れたマランと領主の口論に唖然としていると後ろからライトが現れた。
「ごめんね、あの子、宥めるのに少し時間が掛かっちゃってね」
「宥める?」
「いやー…あの三人組を倒した所までは良かったんだよ…その後あの子が来てね、『どうしてこんな事をするのですか!』って詰め寄られたんだよね…それで全部話したらああなった」
「えー…」
「龍の子が龍とは限らないんですね」
ライトの説明に実穂は唖然とし、クルミはマランの事を肝心していた。
「それにしてもあの宝石、大勢の魂の波動を感じるね…しかも全部獣人と来たか」
「…開放、できますか?」
クルミが不安そうな顔でライトに聞いた。
「大丈夫ー…宝石さえ奪えればできるよ《瞬間装備》《開放の剣》」
そう言いながらライトは赤い半月剣みたいな物を取り出した。
「お父様!ちゃんと罪を償ってください」
「くぐぐ、娘の癖に偉そうに…分かった、でも最後に一つだけお願いだ」
「何ですか?お父様」
「もう一度、抱き締めさせてくれんか?」
「もう、甘えん坊ですね、お父様は」
領主のいきなりの変化にマランは若干驚いたが、すぐに笑顔になり領主の近くに移動していった。
そして領主が抱き締めた所で領主が不適な笑みを浮かべている事に気がついた。
「マラン」
「何ですか?お父様」
「儂の為に…死んでくれるか?」
「え、お父さ…ま」
だが時すでに遅し、それは領主がマランを短剣で刺した後だった。
「《エクストラヒール》!」
実穂が強めの回復魔法を飛ばした、それで傷は塞がったが、ぐったりと倒れているのは変わらなかった。
「ふはは!無駄だ、この短剣は《魂の狩人》と言ってな、魂を引き抜…けてない?」
『実穂、領主の娘に向けて《サンダーアロー》打って』
『え、そんなピンポイントに打てないよ』
『僕はちょっと手が離せないから』
実穂がライトの方を見るとライトが白く光る本を浮かせて苦悶の表情を浮かべていた。
『ち、ちなみに外したらどうなるの?』
『助からなくなる』
『え!?』
「…私がやります」
「…本当に良いの?」
「あの宝石が完成したら皆の魂が大変な事になりそうですし、それに…あの子まで悪い人とは限りません、私もご主人様みたいに優しい人になりたいです」
『…分かった、実穂《スローワールド》掛けてあげて』
「分かった、《スローワールド》」
実穂は棒を渡してから魔法を掛けた。
「ちっ!まあ良い、食らえ!ソウルバー「『雷よ貫け』」ぐっ!」
領主が宝石を実穂達に向けて使おうとしたがマランに当たったら電気の矢が領主にも当たって怯んだ。
それを好機だと思ったクルミは走り出してマランを抱き上げた。
だが近づいた事で《スローワールド》が切れてクルミの呪いは制御不能になった。
ドーン!と大きな音を立ててクルミは壁に激突したが、マランを実穂達に向けて投げていたのでマランは無事だった。
「《ヒール》!クルミ、大丈夫?!」
「くっ!そこまでして死にたいか、なら良いだろう、仲間の魂で死ね!ソウルバース‥」
パリン!と赤い宝石が砕け散った。
その宝石を持っていた領主の後ろには赤い半月剣を持ったライトの姿が。
「もういっちょ!」
今度はその剣を鎧に向かって振ると鎧から金色のオーラが出てきて割れた。
「はぁ!」
そしてライトは領主を蹴り上げ、ドア付近まで吹き飛ばした。
「『世界を創造せし神の力よ 救われなかった魂を開放し 次の世界へと旅立たせよ』《転生開魂》」
ライトの魔法は割れた赤い宝石から赤いオーラを吸い寄せ、白色に変えた、そしてそのオーラは天井をすり抜け、上へと上っていった。
そしてライトは膝から崩れ落ちた。
「ライト!」
「だいじょーぶ、動けないだけ、で、クルミはどうなったの?」
「私がさっき《ヒール》飛ばしたから大丈夫なはず」
実穂がクルミの方を見てみると確かに”傷は“治っていた、だが気絶している。
そしてクルミに杖を向ける領主が見えた。
「《サンドウォール》《ウィンドウォール》《ウォーターウォール》《マジックウォール》」
実穂は焦りながらも走っても間に合わないと判断し、四種類の壁を生成した。
「『破壊は創造の始まり』《エンドロッド》」
だがそんな抵抗も虚しく、杖と所持者の全魔力と引き換えに発動する魔法をクルミは浴びてしまった。
「クルミ!《エクストラヒール》」
実穂がクルミよ所まで行き抱きかかえるが、そのクルミはとても冷たかった。
「ク…ルミ…」
「《ディメンション・ザ・ワープゲートホール》」
実穂が泣き崩れる中、いつのまにか復活していたライトが領主をワープホールの中に落とした。
「クルミ…」
そしてライトが実穂の近くに行こうとした途端、実穂とクルミの体からオレンジ色の光が溢れた。
『《一定以上の愛情》《相手が家族、または奴隷》《スキル《?高????》の所持》以下の三つの条件が揃いました、死者蘇生を致しますか?』
(し、しゃ、そせい?…死者蘇生!それでクルミが助かるの?)
『死者蘇生を致しますか?』
(する!)
『死者蘇生の承認を得ました、これより死者蘇生を開始致します』
クルミの体から黒い球が出た。
『称号《死者》を浄化し《死者》へと進化させます』
黒い球はオレンジ色の光に包まれて白い球となった。
『称号《死者》を取り込みます』
白くなった球は実穂の中へと入っていった。
『称号《死者》を獲得しました、スキル《?高????》はスキル《?高?の??》へと進化しました』
そして、オレンジ色の光は止まった。
そこの部屋は、生き返ったクルミの寝息と尻尾の振られる音、実穂の嬉し泣きの音だけが聞こえていた。
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ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」
ライト「どうも皆さんこんにちは、クルミを生き返らせようとしたらスキルに先を越された、ライト スターダストです」
ディメン「いや、お前の魔法じゃデメリット大きすぎだろ」
ライト「別に良いじゃん、一週間だけなんだから」
ディメン「あっちはデメリット無しなのにか」
ライト「言わないでよ、傷つくから」
ディメン「まあ良いや、今回のステータスだぜ」
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・進和 実穂
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業 ?
・LV 2 6/10
・握力 5
・HP 25
・MP 0/20
・AT 16
・DE 17
・IN 15
・MD 14
・AG 16
・EX 8
スキル
・実力鑑定 Lv 4
・物質鑑定 Lv 3
・支援魔法操作Lv 9
・聞き耳 Lv 1
パッシブスキル
・異世界言語
・?高?の??
・自衛術
加護 呪い
称号
・異世界人
・?高????
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者
・生者
・死者
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ディメン「あれ?経験値が入ってないな」
ライト「経験値酔いになっても困るから一時的にパーティーを切っといた」
ディメン「へー…所で話は変わるけど者って付いてる称号が三つ目になったな」
ライト「そうだねー」
ディメン「もしかしてコンプリートするかもな」
ライト「祝え!全者の力を受け継ぎし…とか言った方が良いかな?」
ディメン「止めとけ、パクりだ…今回はこの小説を呼んでくれてありがとな」
ライト「誤字脱字等がありましたらご報告の方をお願いします」
ディメン「これで第一章は終わりだ、第二章が始まるまでに関話がいくつか入るからそっちもよろしくな」
ライト「まあ週に一回だけどね」
ディメン「それでは皆さん」
ディメン&ライト「さようなら」
ふふ、私は思い付きました、後一話で終わらないならそれを半分に分ければ良いじゃないかと。
…作者の言い訳ですごめんなさい。
まあそんな訳で第一章完です。
関話ではちょっと勇者組の方を見てみようかなと思ってたりラジバンダリ。
投稿ペースが二章までの間に週一になるのはネタを考える時間です。
それでは皆さんさようなら。
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主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
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中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
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――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
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藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。
ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。
忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。
担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。
その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。
その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。
かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。
この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。
しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。
この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。
一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。
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