お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

文字の大きさ
47 / 188
第一章『参上! まさにチートな仲間たち』

第四十話 領主の舘 後編

しおりを挟む
ネットで調べたら《アーティファクト》は人が作った創造物と言う意味だったので《チャリナズム》に変更しました(名前の意味は特に無い)



「《発射》」

「あぶねぇ!」

バリアが相手に向かって飛んでいくと同時に実穂達の足元にワープホールが出現した。

『その中に入って、こいつらは僕が倒しとくから』

ライトが念話で伝えてくる。

『うん、分かったよ、ちなみに行き先は?』

『領主の前』

『…最初からそれをすれば良かったんじゃ?』

『僕の《ワープホール》は一度行った所か今見えてる所しか行けないよ、今はフライチップが追いかけてるから見えてるけど、と言うより早く行って、《念話》は思考加速があっても時間を止める事は出来ないんだから』

『分かった』

『行って参ります、ライト様』

『行ってらー』

実穂とクルミはワープホールの中に飛び込んだ。

「な!お前達!何処から入った来た!」

「知らないよ!それよりも貴方が領主?」

「あ、当たり前だろう!お前達、こんな事をしてただで済ますと思っているのか!」

「貴方こそ、クルミの村を襲ったりしてただで済むと思ってるの!」

「クルミ?誰だそれは…もしやそこの獣人か、なるほど、これは復讐と言うわけか」

「そうです、村の皆の敵!」

クルミが領主に向かって飛び出していく、だがそれは領主が消える事によって不発に終わった。

「え!?」

「大丈夫です」

クルミは実穂の後ろにあるドアの方まで移動して短剣をドアの方に向けて「『エクスプロージョン』」と唱えた。

すると爆発が起こりドアは跡形も無く吹き飛んだ。

「行きましょう、ご主人様」

「ちょっと待って…《スローワールド》これでオーケー、これで多少は走っても大丈夫になるよ」

「え、何でそれを」

「ほら、行くよ」

実穂が部屋を進んで行ったので、クルミも追及するのを諦めてついていった。

そして少しの間進んで行くと、全身金色の装備に身を包んだ領主が現れた。

「ふん!お前達が幻影と仲良くお喋りしていてくれて助かったぞ、この“チャリナズム”を着る時間が出来たからな!」

(チャリナズム?…神が作った道具!?)

「そんな物、関係無い!」

クルミがまた飛び出していく、だがそれは領主が放った魔法で防がれる。

「『地に伏せよ』《グラビティ》」

空中に居たクルミは勢いよく地面に叩きつけられた。

「クルミ!」

「大丈夫です!」

それでもクルミは立ち上がり、まだ《グラビティ》が続く中、走り出した。

クルミは一瞬の内に領主の所まで移動したが、杖で吹き飛ばされてしまった。

「馬鹿め、このアーティファクトは良い魔法の効果を打ち消す、お前の呪いは全く持って無意味となるんだからな」

「クルミ、大丈夫!」

「だ、大丈夫ですよ、ご主人様」

「大丈夫じゃ無いじゃん、《ヒール》」

クルミを緑の光が包み込む。

それを確認した後、実穂は領主の方に走っていった。

「無駄だ、『地に伏せよ』《グラビティ》」

「《アンチグラビティ》」

実穂は《グラビティ》を無効化してから棒を取り出した。

「『火よ貫け』」

実穂の棒から火で出来た矢が飛び出る、だがそれは領主が杖を一振りすると消え去った。

(もうちょっと早く教えてくれてても良かったんだけどね)

実穂は領主の舘に入る前にいきなりこの事を教えてきた事に内心愚痴っていた。

「無駄だ」

「『光よ弾けろ』」

実穂の棒が強く光った。

領主が目をつぶってる間に杖を取り出し、《スモッグ》を使った後、領主に向かって風の矢を打ち出した。

「ぐ!…貴様ら、よくも儂に傷をつけたな!」

領主はそう怒鳴ると、赤い宝石を取り出した。

「まだ一人分足りないが貴様らを殺すのには足りるだろう」

「っ!?あれは!」

「クルミ、あれが何か知ってるの?」

「あれは…私の村の皆が殺された時に領主が持っていた宝石です、そして皆を殺した後あの宝石が何かを死体から吸い出しているのを見ました」

「…それはもしかして魂?」

「そうです」

「ふん!流暢に話していられるのも今の内だ!くら「お父様!」…マランか」

「お父様、全てライト様から聞きました、お父様がそんな事をしていたなんて…私、知りませんでした」

「たかが獣人ごときを殺した所で何だ、あんな劣等種、儂が有効活用した方が生きているよりはよっぽど良いわ!」

実穂とクルミがいきなり現れたマランと領主の口論に唖然としていると後ろからライトが現れた。

「ごめんね、あの子、宥めるのに少し時間が掛かっちゃってね」

「宥める?」

「いやー…あの三人組を倒した所までは良かったんだよ…その後あの子が来てね、『どうしてこんな事をするのですか!』って詰め寄られたんだよね…それで全部話したらああなった」

「えー…」

「龍の子が龍とは限らないんですね」

ライトの説明に実穂は唖然とし、クルミはマランの事を肝心していた。

「それにしてもあの宝石、大勢の魂の波動を感じるね…しかも全部獣人と来たか」

「…開放、できますか?」

クルミが不安そうな顔でライトに聞いた。

「大丈夫ー…宝石さえ奪えればできるよ《瞬間装備》《開放の剣》」

そう言いながらライトは赤い半月剣シミターみたいな物を取り出した。

「お父様!ちゃんと罪を償ってください」

「くぐぐ、娘の癖に偉そうに…分かった、でも最後に一つだけお願いだ」

「何ですか?お父様」

「もう一度、抱き締めさせてくれんか?」

「もう、甘えん坊ですね、お父様は」

領主のいきなりの変化にマランは若干驚いたが、すぐに笑顔になり領主の近くに移動していった。

そして領主が抱き締めた所で領主が不適な笑みを浮かべている事に気がついた。

「マラン」

「何ですか?お父様」

「儂の為に…死んでくれるか?」

「え、お父さ…ま」

だが時すでに遅し、それは領主がマランを短剣で刺した後だった。

「《エクストラヒール》!」

実穂が強めの回復魔法を飛ばした、それで傷は塞がったが、ぐったりと倒れているのは変わらなかった。

「ふはは!無駄だ、この短剣は《魂の狩人》と言ってな、魂を引き抜…けてない?」

『実穂、領主の娘に向けて《サンダーアロー》打って』

『え、そんなピンポイントに打てないよ』

『僕はちょっと手が離せないから』

実穂がライトの方を見るとライトが白く光る本を浮かせて苦悶の表情を浮かべていた。

『ち、ちなみに外したらどうなるの?』

『助からなくなる』

『え!?』

「…私がやります」

「…本当に良いの?」

「あの宝石が完成したら皆の魂が大変な事になりそうですし、それに…あの子まで悪い人とは限りません、私もご主人様みたいに優しい人になりたいです」

『…分かった、実穂《スローワールド》掛けてあげて』

「分かった、《スローワールド》」

実穂は棒を渡してから魔法を掛けた。

「ちっ!まあ良い、食らえ!ソウルバー「『雷よ貫け』」ぐっ!」

領主が宝石を実穂達に向けて使おうとしたがマランに当たったら電気の矢が領主にも当たって怯んだ。

それを好機だと思ったクルミは走り出してマランを抱き上げた。

だが近づいた事で《スローワールド》が切れてクルミの呪いは制御不能になった。

ドーン!と大きな音を立ててクルミは壁に激突したが、マランを実穂達に向けて投げていたのでマランは無事だった。

「《ヒール》!クルミ、大丈夫?!」

「くっ!そこまでして死にたいか、なら良いだろう、仲間の魂で死ね!ソウルバース‥」

パリン!と赤い宝石が砕け散った。

その宝石を持っていた領主の後ろには赤い半月剣を持ったライトの姿が。

「もういっちょ!」

今度はその剣を鎧に向かって振ると鎧から金色のオーラが出てきて割れた。

「はぁ!」

そしてライトは領主を蹴り上げ、ドア付近まで吹き飛ばした。

「『世界を創造せし神の力よ 救われなかった魂を開放し 次の世界へと旅立たせよ』《転生開魂》」

ライトの魔法は割れた赤い宝石から赤いオーラを吸い寄せ、白色に変えた、そしてそのオーラは天井をすり抜け、上へと上っていった。

そしてライトは膝から崩れ落ちた。

「ライト!」

「だいじょーぶ、動けないだけ、で、クルミはどうなったの?」

「私がさっき《ヒール》飛ばしたから大丈夫なはず」

実穂がクルミの方を見てみると確かに”傷は“治っていた、だが気絶している。

そしてクルミに杖を向ける領主が見えた。

「《サンドウォール》《ウィンドウォール》《ウォーターウォール》《マジックウォール》」

実穂は焦りながらも走っても間に合わないと判断し、四種類の壁を生成した。

「『破壊は創造の始まり』《エンドロッド》」

だがそんな抵抗も虚しく、杖と所持者の全魔力と引き換えに発動する魔法をクルミは浴びてしまった。

「クルミ!《エクストラヒール》」

実穂がクルミよ所まで行き抱きかかえるが、そのクルミはとても冷たかった。

「ク…ルミ…」

「《ディメンション・ザ・ワープゲートホール》」

実穂が泣き崩れる中、いつのまにか復活していたライトが領主をワープホールの中に落とした。

「クルミ…」

そしてライトが実穂の近くに行こうとした途端、実穂とクルミの体からオレンジ色の光が溢れた。

『《一定以上の愛情》《相手が家族、または奴隷》《スキル《?高????》の所持》以下の三つの条件が揃いました、死者蘇生を致しますか?』

(し、しゃ、そせい?…死者蘇生!それでクルミが助かるの?)

『死者蘇生を致しますか?』

(する!)

『死者蘇生の承認を得ました、これより死者蘇生を開始致します』

クルミの体から黒い球が出た。

『称号《死者》を浄化し《死者》へと進化させます』

黒い球はオレンジ色の光に包まれて白い球となった。

『称号《死者》を取り込みます』

白くなった球は実穂の中へと入っていった。

『称号《死者》を獲得しました、スキル《?高????》はスキル《?高?の??》へと進化しました』

そして、オレンジ色の光は止まった。 

そこの部屋は、生き返ったクルミの寝息と尻尾の振られる音、実穂の嬉し泣きの音だけが聞こえていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」

ライト「どうも皆さんこんにちは、クルミを生き返らせようとしたらスキルに先を越された、ライト スターダストです」

ディメン「いや、お前の魔法じゃデメリット大きすぎだろ」

ライト「別に良いじゃん、一週間だけなんだから」

ディメン「あっちはデメリット無しなのにか」

ライト「言わないでよ、傷つくから」

ディメン「まあ良いや、今回のステータスだぜ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・進和 実穂 
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業  ?
・LV 2   6/10
・握力 5
・HP 25
・MP 0/20
・AT  16
・DE 17
・IN 15
・MD 14
・AG 16
・EX 8

スキル
・実力鑑定 Lv 4
・物質鑑定 Lv 3
・支援魔法操作Lv 9
・聞き耳 Lv 1

パッシブスキル
・異世界言語
・?高?の??
・自衛術

加護 呪い

称号
・異世界人
・?高????
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者
・生者
・死者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「あれ?経験値が入ってないな」

ライト「経験値酔いになっても困るから一時的にパーティーを切っといた」

ディメン「へー…所で話は変わるけど者って付いてる称号が三つ目になったな」

ライト「そうだねー」

ディメン「もしかしてコンプリートするかもな」

ライト「祝え!全者の力を受け継ぎし…とか言った方が良いかな?」

ディメン「止めとけ、パクりだ…今回はこの小説を呼んでくれてありがとな」

ライト「誤字脱字等がありましたらご報告の方をお願いします」

ディメン「これで第一章は終わりだ、第二章が始まるまでに関話がいくつか入るからそっちもよろしくな」

ライト「まあ週に一回だけどね」

ディメン「それでは皆さん」

ディメン&ライト「さようなら」



ふふ、私は思い付きました、後一話で終わらないならそれを半分に分ければ良いじゃないかと。
…作者の言い訳ですごめんなさい。
まあそんな訳で第一章完です。
関話ではちょっと勇者組の方を見てみようかなと思ってたりラジバンダリ。
投稿ペースが二章までの間に週一になるのはネタを考える時間スーパーさぼりタイムです。
それでは皆さんさようなら。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

コンバット

サクラ近衛将監
ファンタジー
 藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。  ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。  忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。  担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。  その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。  その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。  かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。  この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。  しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。  この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。  一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。

処理中です...