お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

文字の大きさ
125 / 188
第三章前編『おいでませ!竜人の世界!』

第十八話 モチモチと双子と密偵と

しおりを挟む
視点変更 ライト→実穂


ユラユラと淡い光が周りを飛んでいる真夜中の中で、私が右手を動かすと右側からパッサパッサと尻尾が揺れる音がして、私が左手を動かすと、キャッキャッと楽しげな音が聞こえる。

...……と、いう訳で現在私は子供三人に囲まれておりまーす。

この驚異のモチモチ率...……ここが天国なんだね?

「おーい、実穂ー、戻ってきてー」

「.........はっ! 」

あまりのモチモチ度にキャラ崩壊してたよ。

「………で、話聞いてた?」

「うん。 この双子を一時的に預かるんでしょ?………でも、二人は大丈夫なの?」

私がそう言うと、竜人の双子はキラキラとした笑顔で私に答えた。

「うん!大丈夫!」

「大丈夫………」

「「だって………」」

そして二人は一度、顔を見合わせてからこう言った。

「「ヨウタインカが居るんだもん!」」

それを見たライトは、一度頷いて、手の中に魔力を集めた。

その魔力からはどこか温かく、優しい気配を感じた。

「《ソウルリンク》」

魔力は細長い三匹の竜を形作り、二匹は双子の中へ、もう一匹はどこか別の場所へと飛んでいった。

「はい、これで君達親子は正真正銘心が繋がりました。 不安な時は励まし合う事ができ、危ない時はいつでも助けに来られるよ!」

それを聞いて二人はパッと笑顔になり、私はライトの足元に注目した。

………ちょっとふらついてるじゃん。

というよりさっきの魔法、オリジナルでしょ?

『………リンクしてまで伝えてこなくても』

後でまた光海さんに怒られるよ?

『この位なら自分で治せるからバレる前に治すよ』

………ま、皆幸せそうだし良いかな?

「みーほー!」

「うわっ!」

ビックリした!? いきなり後ろから抱きついて来ないでよ!

「何ライトと見つめあってるのよ!私にも構いなさぁい!」

………何だかお酒臭い………え?もしかして美堀、酔ってる!?

「美堀?お酒飲んだの?」

「飲んでないわよぉ?木の実食べただけよぉ」

木の実?

「これよぉ?」

その木の実はブルーベリーみたいな見た目をしていて、とても美味しそうに思えた。

「《スリープ》」

ライトから白い光が飛んでいくが、美堀はそれを掴み、投げ返した。

「危なっ!」

「………《スリープクラウド》」

私の魔法により、周りに白い雲が漂う。

それに触れた美堀は、スッと力が抜けて、私の方へ倒れ来んできた。

さらに私の近くに居た子供三人は私に体を預ける様に倒れ来んだ。

………暑い。

「………そのまま寝る?」

「………お願い」

もうこのまま寝ちゃおう。

「《エクストリームスリープ》」

そして私の意識は一瞬にして暗転した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


視点変更 実穂→三人称


とても静かな夜中、竜人の双子はふと目が覚めた。

しかし、起き上がる程の元気は無かったので、お互いの方向を向いて話している。

「ねぇ、インカ? インカは悲しく無いの?」

「………少し悲しい………でも、今のお母さんにはインカ達が居たら邪魔になる」

「………ヨウタと同じだね」

「インカ達、双子だしね」

双子はその後、少し間を置いてお互いにこう問いかけた。

「インカは今、幸せ? ヨウタは凄い幸せだよ」

「インカも幸せ、だってお母さんが幸せそうなんだもん。ヨウタは今、安心してる? 里の皆から苛められずに済んで」

「ヨウタも安心してるよ、ヨウタ達、本当に同じだね」

双子はお互いに微笑み、手を繋いで目を瞑った。

そしてすぐに小さな寝息が聞こえてきたのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


視点変更 三人称→ゼロシ


………本当に警備が薄いですね、帝国の城って………。

………さて、勇者の情報を保管している魔術具は何処でしょうか?

私は手元の手帳に黒色のネズミや小鳥、リスなどの小動物を描いていき、実体化させた。

「部屋を見つけてきてください。マスターにまた迷探偵とか言われない為にも、頑張ってくださいよ!」

小動物達は鳴き声を上げるふりをすると、一斉に散っていった。

………さて、新しく建て替えられた建物の内装の情報でも頂くとしましょうか。

私は手帳に黄色の鍵を書き込み、実体化させると近くの扉の鍵穴に差し込んだ。

すると、扉は素直に開き、大量の資料が置かれている部屋が見えた。

必要な書類は………これですね。

後これも持っていない書類です………コピーしておきましょう。

私は二枚の書類にとある魔道具から出る光をスキャンする様に当てた。

そのタイミングで散らばっていた小動物が戻ってきて、とある魔道具を持っていた。

「お疲れ様です」

私はその魔道具に手を当て、その魔方陣、材質、構成を『Read』した。

………解析はマスターの仕事ですね。

私は部屋を出て鍵を閉め、描いた者達を全て消し、窓からそっと城を後にしたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「………溢れ出るゼロシの忍者感」

ライト「これがゼロシをあの忍者チームのリーダーにした理由なんだよねー、諜報向きって感じの………あっ、わからない人は節分特別SSを見てね!」

ディメン「宣伝するなよ………あ、どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」

ライト「どうも皆さんこんにちは、ライト スターダストです」

ディメン「と、いう訳で今回のステータスだぜ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・進和 実穂 
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業  ?
・LV 8  38/40
・握力 5
・HP 37
・MP 120
・AT  24
・DE 28
・IN 30
・MD 28
・AG 23
・EX 15

スキル
・支援魔法支配 Lv 2
・聞き耳 Lv 3
・合成魔法 Lv 5
・読み聞かせLv 4

パッシブスキル
・異世界言語
・?高?の?護
・自衛術
・幻影魔法耐性Lv 1
・森羅万象(一部封印中)

加護 呪い

称号
・異世界人
・?高○の?護
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者
・強者
・生者
・死者
・支援の支配者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「………なぁ、何か謎スキルが変わってるぞ?」

ライト「前回は変わらなかったのにねー………もしかして条件が『パーティー加入』だったとか?」

ディメン「それだとも既に全部見えてるだろ」

ライト「確かにねぇ………何なんだろ?」

ディメン「わからんなぁ………今回はこの小説を読んでくれてありがとな」

ライト「誤字脱字やストーリー矛盾等がありましたらご報告の方をお願いします」

ディメン「それでは皆さん」

ディメン&ライト「さようなら」
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...