お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

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第三章前編『おいでませ!竜人の世界!』

関話 魔王様と四天王

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※このお話は過去話となっております。


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様々な種族が入り乱れる魔王国。

その女王である魔王様が、退屈そうに呟いた。

「暇じゃ」

「暇な事は良い事だと思うけどね?」

それに答えるのは魔王国名誉四天王《空白》ことライト スターダスト。

たまには休もうと思いつつも、何もやる事が無いのは落ち着かないので魔王の所まで遊びに来ていたのだ。

「本当に暇ならお仕事を進めてはどうかしら?」

魔王の呟きに、多少の毒を持たせて返したのは魔王国四天王《狂愛》ことラブ ディープ。

未だに判子を押されていない大量の書類を持って部屋に入ってきた。

「………ライト、手伝ってくれんか?」

「今日は休みの日って決めてるから………駄目たね」

「そうか………」

魔王は項垂れながら書類に判子を押していく。

「………魔王様、大変そう」

そう空中に浮きながら他人事の様に言ったのは魔王国四天王《狂眠》ことトゥーン オフ。

相変わらず眠そうに浮いていた。

「珍しくここに来たと思えば………他人事じゃのう」

「だって実際他人事」

トゥーンは、フヨフヨと浮きながらライトに近付いていく。

「ねぇ、新しいお布団できた?」

「うん、最近出来たよ………はいこれ!」

ライトはポシェットから一セットの布団を取り出した。

その布団はトゥーンの魔法によってフヨフヨと浮き、トゥーンはその上に乗った。

そのまま布団はゆっくりと下がっていき、地面へと降り立った。

「おぉ、フカフカ」

トゥーンは眠そうに、しかし嬉しそうな声でそう呟き………眠りに落ちた。

「自由じゃのぅ」

「魔王様? 手が止まっておりますわよ?」

「厳しいのぅ」

ラブは厳しいのだった。

「そういえばラブ、デリートの調子はどう? やっぱりあの資格あった?」

「えぇ、ある所か一代目より強くなりそうよ?」

ライトとラブは、とある兵士の事を話し始めた。

「でも問題がね………」

「まぁそこはその内解決していけば良いわよ」

「そうだね」

二人が短い会話で納得していると、急に執務室の扉がバタンッ! と開き、少女が飛び出してきた。

「おーいっ! 魔王様! 勇者が来たよ!」

その少女………魔王国四天王《狂遊》ことカラムは、元気一杯にそう報告した。

「ねぇ! 今日は私がやって良い? 最近あんまり勇者が来なかったから退屈してたんだよね!」

「別に良いぞ?」

魔王様は軽く許可した。

「殺さないでね?」

ライトは念を押し。

「また勇者………帝国も頑張るわねぇ」

ラブは少し遠い目をして。

「………zzz」
 一人は寝ていた。

まぁ否定は出なかったと思い、カラムは凄いスピードで窓から走り出ていった。

「………平和だねぇ」

「ライト? 勇者が来てるのを平和の一言で現すのはどうかと思うわよ?」

「だってさぁ、カラムが負けるのは考えられないでしょ? たまに『手加減!』とか良いながら近接を封じたりしてたけど………それさえしなければ強いんだしさ」

「そうなのでしょうけど………」

『どっちかと言うと勇者の方が可哀想だから平和じゃ無いのよねぇ』と思ってしまったラブであった。

そうして暫く経ってから、カラムが戻ってきた………光になって。

「あれ? カラム負けたの?」

ライトが驚いた様子で聞く。

「だってさぁ! 《物理攻撃無効化》とか強すぎない!? 魔法も避けられたし!」

ムキーッ! っとカラムは悔しがっている。

「………おーい、トゥーン?」

「………zzz」

睡眠少女は今日も平常運転だった。

「………勇者を持ってきてくれたら新しい枕、作ってあげるのになぁ」

「zzz………本当?」

トゥーンは起き上がり、ライトを見つめた。

「本当だよ、だから勇者達をいつもの部屋につれて来て?」

「………了解」

トゥーンはそう言うと、《テレポート》を使い、一瞬で消えた。

「………やっぱり手慣れておるのぅ」

「あの子は物で釣るのが一番だよ」

魔王様は少々呆れていた。

「ふふーん! トゥーンったらまだまだ子供だね!」

カラムはドヤァっとしている。

「君、お菓子で釣られた事忘れてない?」

カラムは倒れた。

「カラム、そんな所で倒れないで、邪魔よ?」

「酷っ!」

カラムは文句を言うが、ラブは相手にしなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「………やっぱり四天王と言う位なんだから一人だけな訳ないよな」

カラムを倒した勇者は、何故か先程も見たような扉の前に立っている。

その見た目から、二人目の四天王だと予想していた。

「ま、行くか」

勇者は扉を開けようとしたが、全く開かない。

「………うん?」

全力で力を込めたがビクともしない。

「………」

勇者は少し扉から離れ、剣に魔力を込めた。

「《ブレイクダーク》!」

大きな扉に剣筋の形をした魔力がぶつかるが、扉には傷一つ付いてなかった。

「………」

勇者は青筋を立てながら、扉に向かって走り出した。

「はぁぁぁっ!」

そして扉に向かって飛び蹴りを繰り出した!

そして扉は………蹴りが当たる直前に物凄い速度で開いたのだった。

「うわぁぁぁぁっ!」

当然、空中でバランスを崩した勇者は勢い良く飛んでいき、突如空中で制止した。

「うわっ!」

その周りには大量の魔法陣が浮かんでいて、そこから大量の魔力があふれでていた。

「はいさよなら」

その向こう側に居た少女………トゥーンは、眠そうにしながら勇者に手を向けた。

すると魔法陣は魔法へと変化し、雨の様に勇者へと飛んでいったのだった。

そしてその雨が止んだ後残っていたのは………気絶している勇者のみだった。

「………これで枕ゲット」

眠そうな少女トゥーンはその様子を見ながらそう呟くのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ただいま」

「おかえり、はいこれ約束の物」

《テレポート》で帰ってきたトゥーンに、ライトは低反発の枕を渡した。

「それにしてもイレギュラーって久しぶりだねぇ」

「そうじゃの、最近は帝国勇者ばっかりだったからな」

ライトは先程勇者への質問尋問で発覚した事を思い出し、溜め息を吐いた。

「………そんな事より魔王様? 全く仕事が進んでないのだけれど?」

ラブがジト目で魔王様を見る。

それに対して魔王様は目線を反らした。

「あははっ! 魔王様起こられてるぅ!」

「貴女もですよ? また相手を舐めて掛かって負けたのですから少しは反省なさい」

その反論を聞いて、カラムはしょぼーんと落ち込んだ。

「………zzz」

トゥーンは早速新しい枕で寝ている。

今日も魔王様と四天王はいつも通りなのだった。
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